第1章 抑止力としてのICC〜ICCの傘の下へ移動せよ!/4.抑止力としてのICC!/ ICC規程が好戦国を縛る!
さて、このような国連憲章の下で、ICC規程のリストにあげられた犯罪に手を染めずに行える他国領域への攻撃、というものを、皆さん、想像してみてほしい。
どんなものがあるだろうか? ネズミ〜皇帝とその防衛大臣でなくとも、非常に頭を悩ます難問だろう。
私が思いつくのは、たとえば、文民のいない海上や無人の広野で、軍隊同士が、国際法規に則った武器と戦法を駆使して行う、軍同士の決戦。
あるいは、明らかに周囲から孤立した軍事目標への攻撃。
……こういったものに限られてしまう。
つまり、ICC規程が適用される状況下では、イラク侵略戦争のような、20世紀型の総力戦、敵国都市への空爆や敵国都市での市街戦などは、極めて限られた場合以外(と言っても、そんな場合があるとはちょっと思えないのだが)、その遂行自体が犯罪として処罰されかねないのだ。
このことから推論できるのが、日本がICC規程を批准すれば、日本から侵略戦争をしかけていくか、日本がわざと緊張を高めておいて相手の侵略を誘発するかしない限り、わざわざ日本本土を先制攻撃しよう、などという国は、まずいなくなる、ということだ。
なぜなら、他国に戦争をしかけようなどという政治家は、少しでもまともな判断力があれば、ICCで裁かれるのを恐れ、ICC規程を批准した国に戦争をしかけるようなお馬鹿なことはしないからだ。そして、また、他国に戦争をしかけようなどという政権は、ICC規程を批准しようとはしない。
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