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【報告】滋賀県国民保護フォーラム(2005/8/6)

2005.9.2.22:00ころ

先月、滋賀県で「国民保護フォーラム」なるものが開催された。
それに参加した、無防備地域運動に関わっている方の報告が、あるMLで流れていたので、許可を得て転載する。

「つくる会」の歴史教科書を中高一貫校の1つの中学で採択した滋賀県の話、ではあるが、他都道府県でも、おそらく同様のことが行われつつあるのではないか。

貴重な報告なので、何が本当に「国民」の安全に必要かを考えるとっかかりとして、
『戦争の抑え方★軍備オフ【ICCでつくる戦争のない世界】』とあわせてお読みいただければと思う。
そうすれば、おそらくきっと、

ミサイル、有毒物質に対しては屋内への避難が大切です。普段から壁の穴や破損ガラスの修理を行い、隙間を塞ぐ布やガムテープを用意しておきましょう。とか、
核攻撃には雨合羽で対処しましょう。とか、
100億円かけて防災無線を全国に設置しますよ。

とか、まあそんな内容の「国民保護法制」なんかよりも、「ICC規程(国際刑事裁判所規程)」の批准や、国際人道法を武器に「敵国」の兵士たちとの交渉に敵国の言語で毅然とした態度で臨める人材を広く育成することの方が、はるかに「国民」の生命と安全を守るうえで効果的なことがわかってもらえると思う。しかも、その方がこれまたはるかに安上がりだし、それどころか、言語の習得が国際交流を促進し戦争回避につながる、などという副次的効果さえ期待できて、実に美味しい!

「国民保護法制」のようなものための計画作りに、貴重な予算と人材を使わねばならぬ地方自治体こそ、いい面の皮だなあと、つくづく思う。まあ滋賀県庁は、喜々として計画を進めているのかも知れないけど。「つくる会」の歴史教科書を中高一貫校の1つの中学で採択した自治体であることだし。

長話しすぎてしまいました。いざ、下記の報告をお読みください。
(以下、転載)

滋賀県国民保護フォーラムが、今日開催され、参加してきましたので、簡単報告します。

日  2005年8月6日
場所 滋賀県男女共同参画センター大ホール(近江八幡市)

1.参加者特徴 
500〜600収容のホールに9割方埋まっていました。行政関係者と動員されたおばちゃんが目立つ。日赤(奉仕団?)は各地域2名ずつということらしい。(前に座ったおばちゃんが言っていた)

2.内容
講演 「地域の危機と国民保護」京大防災研究所教授 林春男
   「国民保護と地方自治体」消防庁国民保護室長 青木信之
    質疑
パネルデイカッション 
コーディネーター 林  パネラー 青木(消防庁) 安藤よし子(滋賀県副知事) 太田直子(災害支援ボランティアネットワーク) 西岡義雄(大津市消防局長) 渡邉信介(滋賀県医師会理事)  ※質疑なし
  
参加しての感想は、「あってはならない武力攻撃、なくてはならない国民保護」という消防庁のスローガン?で、起きないよう国は努力はするが、おきた時に被害を広げないために備えが必要として、自然災害に話がすり替わる点が最大の特徴です。自治体に想定される事態はゲリラ攻撃と弾道ミサイルとして、主にはゲリラ攻撃への対処として、すぐに地域防災力の向上の話になっていました。

林教授によれば、防災と国民保護のちがいはハザードについての理解(危機対応力)があるか否かであり、現場の対応は災害のそれと同じだそうだ。ミサイル、有毒物質に対しては、屋内へ避難することが大切で、平素から壁の穴や破損ガラスを修理したり、隙間をふさぐ布とガムテープ、水食料の用意を説きます。でもそれは、すでに台風・地震対策の防災マニュアルにあるそうです。また、ミサイル攻撃はイラクのイスラエルへのスカッドミサイルの例を出し、6週間で40発で死者は2名だったが、恐怖による発作での死者が5名もあったので、必要以上に恐れないことと、何を言いたいのかわかりませんでした。そして、災害が起こってから100時間以内が生死の分かれ目であるので、地域防災と訓練が大事だ、と結論付けました。

青木室長も、ミサイル攻撃とゲリラについてのみ触れた。ミサイル攻撃は近くにややこしい国がいる(「北朝鮮」しかない)とし、ノドンを600発持ってる、2月まで核実験の危機があった、だから準備をしようと言う。対処法は「室内に避難」だけでした。青木室長曰く「あの国からは10分で到達する。何ができるかといえば、とりあえず室内に避難することしかない。」「それより大事なことは、10分で国民に伝達できるかということ。イージス艦からの通報を瞬時に国民に知らせなければならない。東京からボタンひとつでコントロールできる防災無線を全国に設置したい。100億円かかるがやりたい」として、対処法は「防災と国民保護はそんなに違いはない。相手の悪意があって、起きたことへの救助だけでなく他への備えが必要となる。しかし、現場ではやることは同じ」「一番重要なのは情報の伝達である。地震、津波にも役立つ全国瞬時警報システムを」と締めくくった。

これに対して、質問は私を含め2人。(いずれも無防備大津市民の会) 私は、「テロ対策とミサイル攻撃しか語られていない。武力攻撃の4類型のうち主にテロ対策だけで、しかも現場でやることが災害と同じなら国民保護法・計画はいらない。災害対策を充実することで足りる。なぜ国民保護計画が必要か。」と聞きました。(以下※印は私の心の声)青木室長は、すこし興奮気味に「こういう議論は法案過程でもあったし承知している。この法案は9割の国会議員の賛成で決められた法律だ。(※だからどうした)テロと言われるが、私はテロと言っていない。武装した工作員が破壊工作をする、これは武力攻撃だ。(※それを世間ではテロと言うのでないか。また9.11やロンドン事件も緊急対処事態4類型のうちの自爆テロにテキストでは使用しているのに!)それに着上陸、航空機攻撃もないとは言っていない。あってはならないが、備えは必要だ。」として、肝心のなぜ防災と同じ国民保護計画が必要かは喋ってもらえなかった。まあ、「9割の国会議員の賛成で決められた法律」が答えなのかもしれないが。もうひとつは、3/25政府指針の核攻撃に雨合羽というおかしさをついたものだったが、これも「奇異に感じられたかもしれないが、身近な対処法の一つ」とはぐらかした。

もっとひどかったのが、パネルディスカッション。それぞれが、用意された発言をしゃべるだけで、しかも自然災害対策の経験や手法を語るのみ。少し違ったのは、大津市消防局長がNBC兵器対策用に特殊装備の充実を国に要請(※陳情の場所じゃないよ)をしたことと、医師会がテロ現場での現場対策に警察・消防・自衛隊との連携に言及したことのみ。
そしてまた、コーディネーターが「本来ならフロアの皆さんのご意見を頂くところですが、次回の宿題ということで」と、国民保護賛成の立場からの発言はないと見たのか、質疑意見はシャットアウトしてしまいました。
そのくせ、最後に「保護計画に実効性を持たせるために訓練が必要。そこでわかったことをマニュアルに反映させる。」(安藤副知事)「こんなことを毎日考えていると暗澹たる気分になるが、あってはならない武力攻撃、なくてはならない国民保護、で備えておくことが私の役目。家族・地球を守るために」(青木室長)と時間を延長して言わせ、悪質な林教授は「この中で災害にあった人はいますか」とほとんどいないことを確認し「被災した人の気持ちは計り知れない。たぶん被災していない人はなかなか理解しがたい。今日は広島の原爆投下の日だが、被爆者は言いようのない苦悩を背負っている。災害対策を検証しどうすればいいか考えなくてはならない」と被災してない参加者を脅迫したうえ、「災害に万全ということはない。9.11テロから世界は変わった。国と国の戦いではない。一人一人が考えなければならない」と問題をすり替えたうえ参加者に独善的な考えを押し付けた。本当に気分が悪くなりました。

参加していた行政関係者は寝ているものが多くかったが、日赤のおばちゃん連中は結構頷いていました。
参加者の赤旗記者は「質問に答えてなかったね」、朝日記者は「問題のすり替えだ、ひどい。あなたたちの質問は興味をもって聞いていた。何か取り組んでいるのか」と向こうから声をかけてきました。
フォーラムの中身はひどいものでしたが、全国瞬時警報システムは瞬時に国民を戦時体制に合いこむ役割を果たすため恐ろしいと感じましたし、やはり国民保護法が有事法制の一部であり、戦争推進の体制づくりであることを隠し、災害対策・防災・家族のため、一人一人の努力が必要ということにすり替え、訓練を行っていこうとしていることはよくわかりました。
県国民保護計画への意見はしっかり出していき、これを踏まえて大津市総合防災課との交渉を行いたいと思います。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
中川哲也 tn001@nifty.com
無防備地域宣言をめざす大津市民の会
http://muboubi-shiga.way-nifty.com/otsu/
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(転載以上)

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