とんだ「多文化共生」社会より「公務員」犯罪に強い社会の実現のために新たな行動計画案へパブコメを!
2008.11.24.23:45ころ
先週の院内集会や昨日の大阪でのイベントの話など、アップしたい話はあるのですが、緊急性の高いものを、前回に続いて、お知らせします。
「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)(締切、2008年11月28日午後5時)
これに関する他ブログの記事を、見つけた範囲で挙げてみます。
◆犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画案にパブコメを!(情報流通促進委員会 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)、2008.11.23)◆[児童ポルノ法][警察]官邸が意見募集してます/パブコメ/〆切 11/28(カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記、2008.11.22)
続いて、ざっと読んでみて感じたことを指摘してみますと、
まず、公務員犯罪に対する視点がゼロ。
刑法第25章の収賄関係、そして、特別公務員暴行陵虐罪など、見て見ぬ振りなんですね。
少なくとも取調べの可視化で被疑者・被告人を不当な権利侵害から守る、という項目をぜひ追加してほしいものです。
そして、現実に治安状況は改善されつつあるのですから、不自然なほどに悪化した「体感治安」を改善するための強力な広報活動の展開を実施すべきです。
外国人に関する部分では、何と言っても、「外国人住民台帳制度」が実は外国人を監視するために利用されるべきものであることを、あからさまに宣言しているとでも言える点が注目に値します。
◆とても危ない「在留カード」——2009年「改定法」批判(外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会ニュースレターpdf版)◆「外国人住民台帳制度」創設よりも「住民基本台帳法」の外国籍住民への適用実現を!簡単だし目的達成にはこれで十分!!(2008.1.24)
以下、関連部分を転載します。詳しく分析を書こうかと思いましたが、あまりに腹立たしくてムカつくばかりなので、仕事の締切に追っかけられている状況では、まともな記事が書けそうにありません。ですので、とりあえず、本日は転載だけで。
第3 国際化への対応 2 新たな在留管理制度による不法滞在者等を生まない社会の構築① 新たな在留管理制度の創設
外国人の在留管理に必要な情報を一元的、正確かつ継続的に把握する制度を創設し、的確な在留管理を行う。また、同制度の創設に伴い、法務省が関係行政機関及び外国人の留・就学先、研修及び稼動先等の所属機関等から、迅速かつ効率的に出入国管理行政の的確な遂行に必要な情報の提供を受けるとともに、それらの情報の分析・活用を行うことで不法滞在者や偽装結婚・正規の留学生を装うなどの偽装滞在者を生まない社会を構築する。
② 円滑かつ厳格な出入国審査の実施
不法滞在者の新たな出現を更に抑制するため、審査待ち時間の短縮等外国人入国者の利便性にも配慮しつつ、APIS等により得られた情報及び在留管理制度の創設に伴い法務省が関係行政機関や所属機関から提供を受けた情報を活用するとともに、偽変造文書鑑識を充実強化させ、更に厳格な出入国審査を実施する。また、査証審査時における申請内容の事実確認や国内外の関係機関から得た偽変造文書情報を活用するなどして、厳格な査証審査を実施するとともに、在留資格認定証明書交付申請に係る審査についても、様々な情報を活用し厳格な審査を行い偽装滞在者等の入国を確実に阻止する。
③ 入国・在留審査等に際しての日本語能力の考慮
在留資格に応じ、外国人の入国・在留審査等に際して日本語能力を考慮すること及び具体的な実施方法を検討する。
④ 不法滞在者の摘発強化と退去強制の効率化
不法滞在者の地方分散化、居住・稼動の小口化等の傾向を踏まえ、外国人の入国・在留情報の分析結果を活用し、警察と入国管理局との合同摘発の恒常化を図ることにより、不法滞在者の摘発を強化するとともに、入管法第65条に基づく退去強制の活用拡大を推進し、退去強制手続の効率化を図る。
⑤ 不法滞在者等の排除のための新たな在留管理制度の効果的な運用
新たな在留管理制度等により、外国人の在留実態を確実かつ迅速に把握し、その情報を活用して、在留状況に疑義がある者に対しては調査を行い、不法滞在者・偽装滞在者等であることが判明した場合には、摘発や在留資格の取消し等を積極的に実施するとともに、そのために必要な法整備を行う。
⑥ 不法入国等及びこれらを助長する犯罪等の取締り強化及び関係法令の整備
不法入国・不法滞在等やこれらを助長する集団密航、偽装結婚、旅券偽変造、不法就労助長等に係る犯罪等について、関係機関間での迅速・的確な情報交換を行うなど緊密な連携を図り、取締りを強化するとともに、新たな在留管理制度における在留カード(仮称)に係る罪の創設等より効果的な取締りの実施のための関係法令の整備について検討する。また、外国人雇用状況届の履行徹底を図り、不法就労防止のための事業主指導を促進する。
3 多文化共生を可能とする社会基盤の整備① 適法に在留する外国人の出入国・在留手続に係る利便性の向上
外国人の入国・在留情報の総合的な管理・分析により、適法に在留する外国人の利便性の向上を図るため、在留期間の上限の伸長、再入国許可制度の見直し、外国人の在籍する受入れ機関からの在留期間更新等の取次ぎ申請に対する手続の簡素化等について検討する。
② 総合相談窓口の設置による外国人に対する生活支援の実施
国の行政機関と外国人が集住する地域の地方公共団体等が連携して、入国・在留手続等の行政手続及び生活に関する相談及び情報提供についてワンストップ型の総合相談窓口を設置する。また、その運営に当たっては、地域住民や企業・民間団体の自発的な参加を得ることにより、外国人住民のニーズに柔軟に対応できる仕組みを構築することとする。
③ 地域における多文化共生の推進
我が国に在留する外国人が我が国の生活環境に円滑に適応し、我が国社会の一員として日本人と同じような教育、医療、社会保障等の住民サービスを享受することのできる社会を実現するため、市区町村において、基礎的行政サービスを提供するに当たり基盤となる適法な在留外国人の台帳制度を整備するとともに、外国人児童生徒の地域・学校での受入れ体制の整備、外国人を対象とした日本語教室の設置や日本語能力を有する外国人等を対象とした指導者養成研修の実施、外国人労働者を雇用する事業者に対する外国人に関する社会保険等の加入促進、雇用不安を解消するための施策の実施、日系人集住地域やインターネット上における適正就労促進のための情報提供等地域住民と外国人の共生に向けた取組を推進する。
④ 外国人支援施策の検討のための枠組みの設置
外国人への支援事業を、外国人の受入れによって受益する企業等からの負担を求めつつ、民間が事業主体となって運営することを可能にするなど、我が国として総合的な外国人受入れ政策を展開するための土台となる体制の構築について、計画的に検討する。
4 国際組織犯罪対策① 外国人犯罪に対する厳正な刑事処分の推進
来日外国人の増加・定着化の傾向が進む中、外国人の受入れが国際組織犯罪、国際テロ、暴動等による治安の悪化の要因とならないように、外国人犯罪について、事案や組織の全容解明に努めるとともに、関係法令を駆使して関与者を的確に処罰し、犯罪収益の剥はく奪を徹底する。
② 外国人集住コミュニティの住民団体等との連携の強化
外国人集住コミュニティの住民団体等や外国人集住コミュニティをその地域内に有する地方公共団体と警察との連携を強化し、不審動向等に関する情報連絡を密にすること等により、国内の外国人集住コミュニティが犯罪組織、テロリスト等に悪用されることを防止する。
③ 地下銀行・カード不正利用事犯対策の推進
国際犯罪組織の弱体化を図るため、来日外国人が不法に得た収入を海外へ送金する手段として利用する地下銀行に対する取締りを徹底する。また、クレジットカード関係業界及び加盟店において、すべてのクレジットカードのICカード化等の偽造防止対策及びクレジットカード使用時の本人認証のための仕組みの整備・充実が十分に図られるよう更なる連携を進める。さらに、クレジットカードの偽造防止のため、その原料となる生カードの密輸に対してコントロールド・デリバリーを可能とする方策を検討する。
④ 人身取引対策の推進
「人身取引対策行動計画」に基づき、人身取引の防止・撲滅、被害者の保護を含む総合的・包括的な対策を推進する。
⑤ 国際組織犯罪に対する捜査体制の整備
国際的な犯罪に的確に対処するため、ICPOルートや外交ルート、特に中国公安部を始めとした外国関係機関との個別協議等を通じ、国際組織犯罪に係る情報交換や国際捜査協力を積極的に推進するとともに、通訳・翻訳担当職員の育成強化、有能な民間通訳人の確保等、国際組織犯罪対策の推進に必要な態勢を整備する。
⑥ 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の締結に向けた法整備
近年急速に複雑化・深刻化している国際組織犯罪に適切に対処するため、平成15年9月に発効した国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約について、我が国においても、本条約の締結に伴う法整備を早期に完了させ、本条約の速やかな締結を目指す。
⑦ 諸外国との刑事共助条約等の早期締結
国際的な犯罪に的確に対処するため、ロシア、ブラジル、EU(欧州連合)及びアジア諸国との間における刑事共助条約、中国、タイ等の諸外国との間における受刑者移送条約並びに日中犯罪人引渡条約の早期締結に向けた作業を進める。また、日中間における領事関係国際約束についても、相手国国民を拘禁した際の領事機関への義務的通報その他我が国における中国人の犯罪の抑止に寄与し得るような措置を確保しつつ、その早期締結を目指す。
⑧ 国際的な枠組みへの継続的参加
テロ、人身取引、薬物犯罪といった国境を越える犯罪に的確に対処するため、G8治安関連会合、日中韓治安関係高級実務者会合及びASEAN+3(日中韓)国境を越える犯罪に関する閣僚級会合(AMMTC+3)といった国際的な枠組みへの継続的な参加等を通じて関係各国との協力を強化する。
第6 テロの脅威等への対処
第6 テロの脅威等への対処1 テロに強い社会の構築
① 国民の理解と協力を基盤とした総合的なテロ対策の推進
国、地方自治体及び関係機関が緊密に連携し、総合的なテロ対策を推進するとともに、国民の理解と協力を得て、官民が共通の理念の下、一体となって、「テロに強い社会」の実現を目指す。そのために必要な諸制度について、諸外国の法制も参考としつつ、検討を進める。
② 外国人集住コミュニティの住民団体等との連携の強化(再掲)
外国人集住コミュニティの住民団体等や外国人集住コミュニティをその地域内に有する地方公共団体と警察との連携を強化し、不審動向等に関する情報連絡を密にすること等により、国内の外国人集住コミュニティが犯罪組織、テロリスト等に悪用されることを防止する。
2 水際対策の強化① 空港・港湾危機管理(担当)官を中心とした水際危機管理体制の強化
各国際空港及び国際港湾において、空港・港湾危機管理(担当)官を中心に都道府県警察、入国管理局、税関、海上保安部、空港・港湾管理者等関係機関の連携や、情報交換、監視警戒等の水際対策を強化するとともに、事案発生時の対応能力向上のため、テロ事案等を想定した合同訓練を実施する。また、空港保安委員会及び港湾保安委員会の枠組みを活用することで、情報連絡、警戒、検査等の態勢充実に向けた関係機関の連携強化を推進する。
② 情報収集の強化及び出入国管理関係法令の適切かつ厳格な運用
テロリスト等の危険人物の入国を水際で阻止できるように、上陸拒否事由該当者等に関する情報収集を強化し、出入国管理関係法令を適切かつ厳格に運用する。
③ 事前報告情報等の効果的活用・資機材の整備等
テロリスト等の入国阻止に向けて、外国人の個人識別情報を用いた上陸審査のより効果的な運用並びに航空機及び船舶の長からの事前報告情報等のより効果的な活用のため、必要な態勢整備を検討するとともに、航空機及び船舶の乗員で、乗員上陸許可を受けて上陸している者の本人確認をより的確に行うため、旅券又は乗員手帳の携帯の義務付け等について検討を進める。また、偽変造文書鑑識機器の整備や入国審査官の鑑識能力の一層の向上により、更に厳格な入国審査を推進する。
