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カテゴリー「恋愛」の24件の記事

【書籍紹介】高齢化社会と移民『移民の時代〜フランス人口学者の視点』

2009.3.1.23:00ころ

ともあれ、人口減と言うより「少子高齢化の進展」への対応策を検討する前提として、人口推計などをきちんと分析する必要がありそうです。
これについて、たとえば、公明党が2006年4月に発表した「少子社会トータルプラン」は、2015年までは国内労働力人口の増加や生産性の向上で現状を維持できるが、その後に外国人労働者の導入が大きな政治課題になる、と予測しているのだそうです(「総合調査 人口減少社会の外国人問題」の「外国人政策の変遷と各種提言」)。この推計は、はたしてどこまで当てになるのか。
ただ、諸事多忙な折ですしこの類いの分析をやったことはありませんので(;<>;)、どなたかやってくれるとありがたいというのが、本心だったりします。
?「野党はナチス」?「移民か日本の若者か」?(追記アリ)
(2008.8.6)

この問題に関して、遊鬱さんに昨秋教えてもらった本、やっと読めました。

非常に刺激的で、勉強になる一冊です。日本の将来や移民政策を考えるうえで、必読の書籍ではありますまいか。

遊鬱さんの紹介文に私から付け加えるとすれば、

……。

ほとんどないかも……(^^;)。


ですが、自分の頭の整理をかねてアウトラインを復習がてらまとめつつ、また、移民論議に関する若干の情報提供を目指して、以下で紹介してみます。遊鬱さんの紹介文と併せてお読みくださいませ。

同書によると、国連の定義では、少なくとも1年以上滞在している外国人を移民として扱うように指導しているそうです。これに従えば、すでに日本もかなりの移民受入国ですね。

フランスは、他のEU諸国に比べて、出生率が高く、それが移民による人口増だという言説があってフランスでも幅をきかせてきたようなのですが、著者によって、その言説内容は統計的にきっちり否定されています。

そこからは、社会政策によって出生率をある程度は高めることができることが、近隣諸国との比較を通して示唆されるのですが、それに加えて、「かつてのベビーブームのようなことはもう起こりえない、避妊の知識もツールも普及しちゃった今となっては」として、実はそういう対策すら「焼け石に水」でしかないという、これまたクールで論理的な結論が導かれています。

そして、平均余命の伸びとかつてのベビーブームとがもたらした「高齢化」を埋め合わせるために移民に頼ればよいとの言説もこれまた幻想であって、若年層による高齢者層の扶養比の急速な低下を防ぐ方策は、何もない。ただ高齢化に順応した社会システムに変えていくしかない、と……。

同時に著者は、結局、フランスの将来の人口増は、いわゆる「押し付けられた移民」に頼るしかない、とも結論づけます。

国の政策によって「選択された移民」(日本政府が期待する「高度人材」みたいなものです)のために「押し付けられた移民(家族的移民や難民庇護請求権を却下された人たち)」を抑え込む政策を続ければ、フランスの人口は増加期待できない、という分析を、私なりに解釈すれば、移民がいなければ、新たな人の参入(出生を含めて)が極めて少ない社会にフランスはなってしまうということでしょう。
そんな社会を迎えることのコストと、移民をうまく受け入れていくことにかかるコスト。どちらを負担するのか。他国の話ではすまされないものを感じます。

また、著者は、カナダやスイス、スペインとイタリアの移民受入政策についても人口学の観点から分析を行っており、そのあたりも示唆に富みます。
カナダの方式は、「移民を希望する個人の様々な資質をポイント化して、これを合計した結果で判断する選抜試験のようなもの」で、そこに雇用の需給をマッチさせる意図はない。スイスの方式は、移民を選抜しようとするもので、日本の「移民受入1000万人計画」を主張している一派が参考にしている(あるいは参考にできる)ものに見えます。スペインとイタリアの政策やその変化も興味深いですが、それはぜひ書籍に直接あたってください。

こちらで紹介した「労働」資格の提言、かなり斬新なのかも知れません。ひょっとすると、マジに効果的な突破口になるのかも。)

さらに興味深いのが、平均寿命の延びとそれが生んだ現状に関する論議を、移民に対する「受け入れキャパシティ」という常套文句とともにひんぱんに持ち出される論理を当てはめて検討する試みです。そこから浮かび上がるものは、実にスリリング……。

さらにさらに、フランスにおける移民排斥の動きとそれに対抗する動きなんかもかいま見ることができ(サルコジが大統領になった後に出版された本です)、フランスの人口構成や、国際法と国家主権の対立とか、いろいろ興味深い話が読み取れます。

さあ、皆さん、興味、すっごく湧いてきませんか???

ところで、同書には次のような一節もあります。

1975年の段階で、移民の経済問題に詳しいジョージ・タピノスは、就労移民が家族を呼び寄せることはないと想定することは幻想であると述べていた。

1989年の入管法改定が日系人の来日や家族の呼び寄せにつながることは、当然のように予想されてしかるべきだった、と言えるでしょう。しかるに、その受入れ態勢の貧弱さ、そして今、その日系人たちが置かれている苦境を考えると、やはり「自民党の皆さんに移民受入1000万人なんて言われてもねえ…」と、冷ややかな目線を向けずにいられません。

自民PT「日本型移民国家」を超えてゆけ、真夏の夜の夢!(2008.8.14)

【署名のお願い】

NEW!Creation of a Special Tribunal to try Israeli War Criminals(「イスラエル戦争犯罪特別法廷」設置を国連総会に求める署名)

ガザ封鎖解除のために、日本政府が積極的に働きかけるよう外務大臣に求めるオンライン署名(集約期限は2009年2月28日、アムネスティ・インターナショナル日本、パレスチナ子どものキャンペーン、ピースボート、ユナイテッドピープル株式会社・共同よびかけ)

Stop US helipad plan in Okinawa to save great nature.

すべてのアフガニスタン難民に在留資格を(第1次集約期限2009年2月19日、RAFIQ)

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(集約期限2009年8月31日、国際結婚を考える会、IST請願の会)

複数国籍の容認を求める請願署名、電子署名(集約期限2009年8月31日、IST請願の会)

他にもサイドバーにいろいろあります。賛同いただける方は、どうかよろしくお願いしますm(_ _)m

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「人身売買促進法」説と「ドイツの法改正が他山の石になっとらん」説に関する参院法務委員会質疑。小沢代表の怪しい約束

2008.12.08.12:00ころ

今回の国籍法改正に関する参議院法務委員会の会議録、読んでみました。

ほんと、田中康夫(敬称不要)と新党日本にはがっかりです。
今回の国籍法改正が「人身売買促進法」「小児性愛黙認法」だなんて、どこからそんな発想が生まれてくるんだか。

この説はネットで流布してたものらしいですから、支持基盤を思うように広げられずにいる焦りか何かでレイシストたちの妄想にすり寄っていく、たぶんそんなところなんでしょうね、

『「“人身売買促進法”だ」説』に対する反論というも悲しい批判は、

国籍法改正問題について、ある方の質問に応えて送ったメール(一部改変)(*minx* [macska dot org in exile]、2008.11.30)
ほんとうは人身売買のことなんてどうでもいいくせに〜“No pude quitarte las espinas”(いしけりあそび、2008.12.2)

がまとめてくれています。

また、村野瀬さんやたんぽぽさんが紹介してくれている記事も参考になります。

知識不足と不安は差別反動の温床だと思いました。(国籍法改正の趣旨を理解せず反対の理由だけを探す態度はいただけないと思います。(2))(追記あり)(村野瀬玲奈の秘書課広報室、2008.12.5)

国籍法改正案(7)(たんぽぽの涙〜運営日誌、2008.12.7)

これでもう十分にも思えますが、せっかく参院法務委員会会議録を読んだことですし、ここで少し、会議録から情報を紹介しておきます。
まずは、参院法務委員会で社民党・護憲連合の近藤正道議員が田中康夫の発言(というよりアジテーション)に対して指摘してくれた件です。

 このこと、偽装認知については、公正証書原本不実記載とか、あるいは今回の法案の中で新たな罰則もありますし、あるいはこれが全体として人身売買という形で行われるということであれば、この国の刑法には、第三十三章で略取、誘拐及び人身売買の罪、こういう規定がびっしり規定されております。だから、そういう人身売買的な意図を持ってやるということであれば、先ほどの言わば公正証書原本不実記載などというそういうことよりも、むしろ人身売買の罪という形でそれは厳正に対処をされるわけですよね。

 ですから、私は、今回のこの法案が人身売買を誘発するという、ちょっと聞いて驚いたんですけれども、そんなことにはならないだろうと。よりきめ細かく、こういうことができないような、そして、かつ、故なく国籍を取得できない、そういう法の谷間に落とされている子供たちをやっぱり救済する、そういう大きな、人権保障にとってやっぱり大きな一歩をしるすそういう法案ではないかと、私自身はそういうふうに思っております。(近藤正道議員、2008.11.27)

人身売買の罪(刑法262条の2)と、認知手続や国籍取得手続に関する公正証書原本不実記載罪(刑法157条)、そして今回新設される罰則が、併合罪(刑法47条)になるでしょうから(まさか牽連犯(刑法54条)ってことはないでしょう)、買い入れ側だと1件につき最大15年、売り飛ばし側も刑法262条の2第5項が適用されるようなケースであれば最大30年の刑を受ける可能性があります。そして、刑法における人身売買の罪が、今回の国籍法新設によってなくなることも適用除外になることもないのです。どこが人身売買促進法なんだか。

さらに、共産党の仁比聡平議員のツッコミも紹介します。

仁比議員は、政府答弁で語られた、2003年から2007年までに警察庁が偽装認知事件として把握しているものが3件しかなかったこと(田中康夫の後に質疑に立った松野信夫議員への答弁で出て来た数字です。ちなみに、同期間の偽装結婚事件とされているものは173件だったとか)を踏まえたうえで、今回の法改正が人身売買推奨法になってしまうという批判に根拠があるとは思えないが、どうですかと法務大臣に尋ねています。(ちょっと難しく意訳すると、ブローカーが絡んで人身売買促進法になってしまうと恐れねばならぬような、そしてDNA鑑定を義務付けるというプライバシー侵害の程度が極めて強度な義務を課すに足る具体的な事実はないでしょう、という質問だと言えるでしょうか。)

すると、森英介法務大臣(民法の300日規定に関して近藤正道議員がこの日投げかけた問いかけに対して、まったく非論理的な返答をして逃げ出してしまうような腹立たしいところもある人物なのですが)「ちょっと十分理解できてないのであれですけれども、私は直接関係ないというふうには思いますけれども、直接的にはですね」との返答です。なんだか笑ってしまいました。そりゃあ、十分理解するのは難しいですよねえ、その説の根拠が全然示されていないんですから。

国籍法改正案に関して一部で流れていた、「血統主義を基本にしてきたドイツで認知による国籍取得を認めた後、偽装認知が相次いだので対処する法改正がなされた、しかし今回の改正案にはドイツの失敗が活かされていない」という説については、中央大学の奥田安弘教授が参考人として、次のように解説しています。

 一部の報道では、今回の国籍法改正が成立すると仮装認知が増えるおそれがあるとして、ドイツにおける今年三月の法改正を取り上げております。しかし、このドイツの法改正は国籍法の改正ではありません。国籍法の方は、相変わらずドイツ人父親による認知だけでドイツ国籍の取得を認めております。今年三月に行われたのは民法の改正でありまして、ドイツの官庁が認知無効確認の訴訟を提起できるようになった、そういう内容でございます。

 すなわち、ドイツの民法では、改正前は、認知をした父親本人又は認知を受けた子供、さらに母親しか認知無効確認訴訟を提起することができなかったのです。これは法律上、明文の規定による制限です。そこで、新たに官庁もこういう訴訟を起こせるようにしたわけです。

 第二に、ドイツでは認知無効確認の提訴権者が制限されておりますが、日本法にはこのような制限がありません。それどころか、公正証書原本不実記載などの罪により刑事裁判で有罪判決が確定した場合は、裁判所から本籍地の方に通知がなされまして、本籍地の市町村では職権によって認知の記載を抹消することになっております。

 今回の国籍法改正が成立した場合は、さらに日本国籍を取得したとして戸籍が作成された子供についてもその戸籍は抹消されることになります。したがって、ドイツの三月の法改正はある意味では日本法では必要のないことであり、またある意味では仮装認知の防止と国籍取得を安易に結び付けるべきではないということを示しております。

 第三に、ドイツではドイツ人父親の認知があれば自動的にドイツ国籍の取得を認めており、我が国のように更に加えて国籍取得届を出させるというようなことはしておりません。これは極めて大きな違いであります。

 国籍取得届の詳細は、我が国の場合、国籍法施行規則一条や昭和五十九年の通達などに定められておりまして、これらも改正が予定されているようですが、この国籍取得届の取扱いは市町村への認知届とは大きく異なります。すなわち、届出人は必ず自分で法務局に出頭し、届出の際に届書や必要書類の点検を受けるだけでなく、いろんな質問をされた後に受付をしてもらいます。さらに、受付後も法務局の職員は届出人や関係者の自宅に赴いて事情聴取をするなどの権限が与えられています。このように慎重な手続を経て初めて国籍取得証明書が交付され、子供の戸籍をつくることができるのです。したがって、認知のみで国籍を与えるドイツと比較いたしますと、かなりハードルが高いと言えます。

もう十分でしょう。

ところで、田中康夫が質疑というか演説、アジテーションの中で語っている次の言葉が気になります。国民新党の亀井静香と民主党の鳩山由紀夫両氏から、「是非とも、いささか形骸化しつつある良識の府参議院で法案修正を勝ち取って衆議院に差し戻してほしいと、私、昨日、直々に、直に激励を受けました」と。

両氏、気はたしかなんでしょうか。

まあ、民主党は最終的に改正法案に賛成していますが、国民新党は田中康夫と一緒に反対しちゃってるんですよね。上に挙げたような情報に接した後でなお。
国民新党にもやはり激しくガックリです。。。orz

田中康夫によると、反対・棄権もしくは欠席した議員は、

院内会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」の中から新党日本の私 田中康夫。国民新党グループの亀井亜紀子、亀井郁夫、自見庄三郎、長谷川憲正、森田高。無所属の外山斎の7名。会派に属しない議員の中から川田龍平、田中直紀の2名。計9名です(敬称略)。
他方、棄権若しくは欠席が、民主党5名、自由民主党6名でした。

ああ、川田龍平議員まで!

偏見に加担する「言い訳」を考えるリベラル系議員(*minx* [macska dot org in exile]、2008.12.1)

さらに、同じ文章で田中康夫が書いている、小沢民主党代表の語ったところも気になります。

小沢一郎さんも、両党(新党日本と国民新党のこと。当ブログ主注記)が反対票を投ずる方針に理解を示し、政権奪取後は速やかに国籍法の再改正を行う意向を示している。新党日本は、「DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務を本則に明記する国籍法の『改正』」を、総選挙のマニフェストで宣言する、との。

政権奪取したら速やかに国籍法改正を行う意向を示してるって、DNA鑑定義務付けの法改正をするってことなの??? それって、今回の法改正には賛成しておきながら、政局次第でどうにでも動くってこと????
小沢代表らしいねえ……って、呆れてるだけじゃマズいですよね(-_-;)。

田中康夫(そして山谷えり子)の質疑にうんざりさせられた参院法務委員会会議録でしたが、それでも衆議院よりは希望を感じました。子どもの人権を立脚点にしての質疑が、「ねじれ現象」のおかげか、明らかに多いです。

これについては、また別の記事で紹介できればと思います。
「好意認知」なる現象と、日本の家族制度についての話も、ちょっと興味深かったですので、機会があればぜひそれも。

そんないつになるかわからない記事を待ってられるかい!
という至極もっともなツッコミを入れてくださるうえ、ちょっとでも関心を持たれた方は、会議録原本にお当たりください。
今ならこちらでお読みになれます。(会議から30日を経過した今年の12月27日以降は、国会会議録検索システムで検索するほかなくなるようです。)衆議院法務委員会の分も併せて読むと、また一興だと思います。

【「2008年国籍法改正」関連記事】
国籍法改正で「ネットの闇」に、くわばら、くわばら/反婚デモと格差論(2008.12.8)
「国籍法改正」問題と、うさぎのおしゃれ倶楽部。(2008.11.18)
星を見上げてSAY NO TO RACISM/国籍法改正/犯罪対策と非正規・未認可滞在者、外国人(2008.12.7)
「人身売買促進法」説と「ドイツの法改正が他山の石になっとらん」説に関する参院法務委員会質疑。小沢代表の怪しい約束(2008.12.8)

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【朝日社説】「希望社会への提言(20)—「単一民族神話」を乗り越える」にエールとツッコミ、うさジャンプ!

2008.3.12.18:00ころ

義理も道理もスジもTBも通らねえこの世の中に、ガツンと言ってくれました、朝日の社説!!

赤色文字で間の手を入れながら、読んで行きましょう。どぞ!

希望社会への提言(20)—「単一民族神話」を乗り越える(朝日新聞社説、2008.03.10)

・外国人の子どもに、日本語などの教育支援を
・多民族が「隣人」として共生する社会を築く
 急速に進む高齢化や人口減少にどう対応するべきか。この社説シリーズで、少子化対策の充実や貧困に苦しむ若者の自立支援を提言してきた。
 もう一つ、ここで考えておかねばならないことがある。どのように外国人を受け入れ、その人々とどんな関係を築いていくべきか、という問題だ。
 外国人登録者は06年末で最高の208万人になり、90年ごろに比べ倍増した。やはり在日コリアンが60万人で一番多いが、急増したのは中国人56万、日系ブラジル人31万、フィリピン人19万など「ニューカマー」と呼ばれる人々だ。
 都会の工場から農漁村まで、外国人の働く場は全国に広がっている。結婚も06年は16組に1組が国際結婚。4万5000組近くのカップルが生まれた。

(関連記事の一例がジダンと時短。日本のお役所に届けられた国際結婚件数&割合のグラフです。)

 外国人がごく身近に住む社会へ向け、すでに歩み始めているのだ。
 日本の労働力人口は90年代末から減少に転じた。働く女性や高齢者がもっと増えたとしても、20年ごろには労働力不足が深刻化する。政府は「単純労働者や移民は受け入れない」という方針を、早晩、手直ししなければなるまい。

(そこで重要になってくるのが、彼・彼女らを「人として」受け入れるための人権保障態勢の構築ですよね、朝日さん。「外国人・民族的マイノリティー人権基本法」と「人種差別撤廃法」、関連条約など、ますます重要になってきます。)

 それならば、心を開いて外国人を受け入れ、個性や多様性に富んだ共生社会をめざした方がいい。外国人も働いて税金や社会保険料を払い、産業や福祉の担い手に加わってくれるのだから、日本の活力がそれだけ保たれる。
 こんな未来図を描いて、いざ足元に目を移すと、外国人の受け入れ態勢が未整備なことにぞっとさせられる。

(そうそう、そこです!!)

 ニューカマーの大半が不安定な非正規の労働者として働かざるをえず、日本語を学ぶ余裕がない。社会になじんでいないから、ゴミ捨てのルールなど社会生活の慣習を守れず、地域や職場で摩擦が起きている。早く手を打たなくては、社会に亀裂が広がりかねない。

(その背景にある経済構造、雇用形態などを、こちらで書評を紹介している『顔の見えない定住化−日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク−』(梶田 孝道、丹野 清人、 樋口 直人)が詳しく分析しています。)

 ニューカマーだけが固まって孤立するのを防ぎ、地域社会に溶け込めるようにしていかなければいけない。政府は地方自治体やNPOと連携して、総合的な対策を打ち出すべきだ。
 なによりも急がねばならないのは、子どもたちへの教育支援である。
 日本で生まれ育った在日コリアンとは異なって、ニューカマーの子どもたちの多くは日本語が上手ではない。このため学校の授業についていけず、高校への進学率が低い。学校に通わなくなり、非行に走る例も少なくない。
 東京でも外国人比率が高い新宿区で、昨年6月、区とボランティア団体による日本語教室「みんなのおうち こどもクラブ新宿」が始まった。中国や韓国、タイから来た33人の小中学生が、放課後に補習している。
 繁華街に近い児童館をのぞくと、子どもたちが中高年ボランティアと一対一で向き合いながら勉強していた。小林普子代表は「日本語が少し話せるだけでは、授業はわからない」という。
 公立の小中高校に在籍する7万余の外国人のうち、2万2000人に日本語指導が必要だと文部科学省はみる。だが文科省が認める日本語教師の数では足りず、市町村が独自に負担している。指導も会話が中心で、読み書きが弱いことが授業に遅れる原因になっている。
 親への教育支援も大切だ。言葉がわからないとご近所と交われず、子どもの進学相談にものってやれない。

(このあたりについては、お買い得にもほどがある!!!『外国人の定住と日本語教育〔増補版〕』を、ぜひぜひ、ご一読ください。超おすすめです!!)

 労働の面でも課題は山積している。
 医療・年金・雇用保険への加入を進め、正社員への門戸も広げて、働く環境を安定させる。外国人を多く使っている企業は、そう努めるべきだ。
 いまの研修生・技能実習生制度にはきわめて問題が多い。雇用主による給与ピンハネや残業代未払いなどの不正が横行し、研修生には最低賃金も適用されていない。人権侵害の制度と言わざるを得ない。正面から労働者と位置づけ、根本的に改革しなければならない。

(そのとおり! 研修制制度は人権侵害なだけでなく、周辺業界の労働条件も引き下げていきかねません。)

  要は、外国人を単なる「安い労働力」ではなく、人格を持った「隣人」として受け入れるということである。

(そう、「人として」受け入れるべき! 「そのとおり」AGAIN! 今こそ人として! もうひとつの日本、人間尊重の多文化・多民族・多国籍社会へ!いざ!!)

 グローバル経済のもとで、高度な技能や知識をもった人材の獲得競争が世界的に起きている。能力を公平に評価し、有能な人材には経営や研究をまかせる。
 そのようにして、世界の人材を引きつける「ジパング(黄金の国)」となることをめざしていこう。
 外国人との共生社会を築くには、お互いの文化や習慣、微妙な心情への理解が欠かせない。両方の言葉を話し、橋渡しができる人材を増やしていきたい。

ここで書いたことを補足するとすれば、いや、たぶんどこかで書いてると思いますが、日本人の子どもにとっても、英語以外の身近な外国語を学ぶ機会は、非常に貴重なものだと思います。)

 定住から永住、国籍取得への手続きを容易にするのは自然なことだ。同時に、永住外国人は納税して社会を支えていることを考えると、地方参政権を全く認めないのは公平を欠く。難民への門戸も、人道主義の立場から広げるべきだ。

ここで書いてますが、外国籍者は税金払っていないようなこと、小中学校の教科書に印刷されるようになってきてるんですよね。消費税が導入されてることすら、自民党や文科省の妄想系極右の人たちは気づいてないみたいです。この国、終わってる?)

 第2次世界大戦後、日本は「単一民族神話」のもとで戦後秩序を築き上げた。かつての渡来人や北海道のアイヌ民族などを考えれば、単なる神話にすぎなかったのだが、これからはそれどころではない「多民族社会」となっていく。

(単一民族神話については、ここここを、そして、なんでここで「琉球」についての記述がないのか疑問に思う私としては、さらにここここをリンクしておきます。)

 その覚悟を決め、神話の壁を乗り越えてこそ、21世紀にも日本は活力と魅力を保つことができるだろう。

そうなってくれると、いいなあ。

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「人生いろいろ、婚姻もいろいろ」でしょうに……。40歳差の国際結婚、東京地裁認めず

2008.3.7.23:00ころ

国外退去処分取り消し求めた40歳差国際婚のミャンマー人女性の訴え棄却 東京地裁(FNN、2008.3.6/Yahoo!ニュース)

不法滞在で東京入国管理局に国外退去処分を受けた36歳のミャンマー人女性が、76歳の日本人男性と婚姻関係にあるとして、処分取り消しを求めて裁判を起こした裁判で、東京地方裁判所は訴えを全面的に棄却した。

2007年4月に不法滞在で東京入局管理局に国外追放処分を受けたミャンマー人女性・ティティさん(36)が、日本人男性・内澤清春さん(76)と婚姻関係あるとして、処分取り消しを求めて裁判を起こした。
6日の判決で、東京地裁は、原告の訴えを全面的に棄却した。

会見で、内澤清春さん(76)は「心外ですね」、「すごい愛情がある」、「年齢差のある(ので却下)というのは、わたしも納得いかない」と語った。

ティティさん(36)は「(判決は)おかしいと思う」、「年は離れていても関係ないと思っています」と話した。

争点の1つは、「年の差40歳の結婚」だった。

入管側は、高齢の男性と結婚したミャンマー人の女性について、「結婚の動機が、愛情のみに基づくか疑問」とし、これに原告側が意義を唱えていた。

判決では「男女間の年齢差は、必ずしも恋愛感情の妨げになるものではないとはいえ、男性(出会い当時71歳)は2度の離婚暦を持ち、3人の子どもがある一方、原告(出会い当時31)は結婚暦も子どももなく、実際、男性を『お父さん』と呼んでいる」とした。

さらに、生活時間が異なることや、逮捕後に婚姻届が提出されたことなどから、「真摯(しんし)な意思を持って共同生活を営む意思があったか、大いに疑問」との判決を下した。

年の差をめぐる騒動では、元プレイメイトのアンナ・ニコル・スミスさん(当時26)とテキサスの石油王(当時89)との「63歳差婚」があり、アンナさんも2007年に急死し、4億ドルという遺産の行方が話題になっていた。

今回の裁判では、さらに「国際結婚」という複雑な事情がからんでいた。

同じく20歳という年の差を乗り越え、結婚した日本人とロシア人の夫妻の妻・エレナさん(30)は「年(の差は)関係ないと思う。日本人ってまず年齢から聞くでしょ。70歳、80歳、20歳、関係ない」と話した。

夫の幸蔵さん(50)は「日本人の男性の責任ってあると思うでしょ。その責任を持ってちゃんと行動したら大丈夫」と語った。

「お父さん」って呼ぼうがどう呼ぼうが、関係ないでしょうに。
『サザエさん』の波平さんだってフネさんからは「お父さん」って呼ばれてます。まあ、二人の間に子どもがいる、っていう違いはありますけど。

「生活時間が異なること」が「真摯な意思を持って共同生活を営む意思があったか、大いに疑問」となるのであれば、夫婦の一方が海外のどこかへ単身赴任確定の状態での婚姻届とか、仕事の関係で生活時間帯がバラバラのカップルの婚姻届とかも、やはり無効とされるんでしょうか。

「逮捕後に婚姻届が提出されたこと」も合わせ技で挙げられてるみたいですが、入管に捕まったのをきっかけに相手のかけがえのなさに気がつく、なんてことも十分ありえるでしょう。逆境で深まる絆、とか。

だいたい「不法滞在者半減計画」なんてものを血眼になって実行中の入管〔たとえば、難民家族の父親と長男を出身国に追い返して家族を引き裂いたり(その後無事、合流ができたようです。よかった!)、昨年末には同じく東京地裁関連でこんなことさえありました→これについてはこちらもどうぞ〕の言い分に乗っかるなんて、やはり昨日出た「住基ネット合憲最高裁判決」と同じく、結局は「政府のための司法」に成り下がっちゃってるだけじゃん、って思えてしまいます。


ちなみに、「婚姻意思の有無」を実質的に判断する、というのは、確立した判例のようです。一方、離婚に関しては、離婚届を出しさえすればその意思は問わないというのも以下同文。
しっかし、婚姻意思の有無を裁判所に裁かれるっていうのも、非常に無粋な話の気がしますし、今の時代、婚姻届を出すかどうかは、もう「真摯な意思を持って共同生活を営む意思」を持っているかどうかよりも、現行の「婚姻制度」に付随する利益・不利益(扶養家族になれるとかお互い相続できるとか重婚できないとか姓を一つにせにゃならんとか、いろいろあるでしょう)をどこまで受け入れるか、その決断にかかってきているような気もします。「婚姻意思」も「離婚意思」と同様、形式的に判断しちゃっていいんじゃないでしょうか。
従来の判例踏襲、仕方ない話なんですかねえ……。

何にせよ、日本の法制度自体が家族形態の多様化に追いつかなくなっている、その表れを見た気がします。婚姻届を出していない事実婚カップルとかの法的保護、というか、彼・彼女らが現状受け入れざるを得ない不利益をどうするかとか、そのあたりにもつながっていく話です。

ここらでびしっと、「人生いろいろ、婚姻もいろいろ」って、人気者の元総理みたいに、じゃなくって、桜吹雪の遠山金さんみたいに言い放ってくれる裁判官、出てくれませんかねえ……(遠い目)。


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R_bana_2←やっぱ、ラブ&ピースでしょ。

ジダンと時短。日本のお役所に届けられた国際結婚件数&割合のグラフ

2008.1.11.12:00ころ

今年こそ記事を短く!!
時短でワークシェア! 記事も短く生活充実!!

なんてことを、

もっと「時短」を重視してほしい~春闘方針
(2008.1.3.世界の片隅でニュースを読む)
を読んで、あらためて考えました(←「誓いました」でないところがミソ?)。

そこで、本日の記事は、グラフを紹介するにとどめます。

しかし、「時短!」にはなってません!!

厚生労働省のサイトから数字を拾ってきて、入力して、確認して、グラフを作って、見栄えを調整して、なんやかやで……。

単に国際結婚件数とその割合の変動がどんな感じなのかを確認してみたかっただけなんですが、日本のお役所に届けられた婚姻件数の変化、なんてものも、やはり確かめざるを得ず……新年早々、あたしゃいったい何をやってんでしょうか……。

グラフからはわかりにくいと思いますが、このグラフ中の最新データは2006年のものです。

なんやかやと時間を費やしてつくったデータですが、お役所に届出のあった婚姻の中には「偽装」と呼ばれるものもあるでしょう。
その一方で、統計には現れていない事実婚のカップル(異性間、同性間どちらも)もあるでしょうし、外国のお役所には届けられていても日本のお役所には届けがなされていない婚姻、なんてのもやはりあるでしょう。

ですので、この手の数字から見えてくることに限界があるのはモチろんろんです。

しかし、そこから見えてくるものもやはりあるんじゃないかなあと、グラフ作成にかかった時間を思うと、自分に言い聞かせてしまっちゃってる心境であります。むぎゅ〜。

「何が表されていて、何が表されていないんだろう?」「うしろの正面、な〜に?」(「百太郎!?」)
とか、皆さまが想像をめぐらせ、さらなる資料を集めたりするきっかけになればなあ、なんて、無責任な期待を持ってみたりする怪傑ゾロ目の冬の日でした。ぞろぞろ。


Kokusaikekkonlong

【元データ】厚生労働省
「平成18年度「婚 姻 に 関 す る 統 計」の概況(人口動態統計特殊報告)」
 →婚姻件数・婚姻率(人口千対)及び夫妻の一方が外国人の婚姻件数の年次推移 -昭和22~平成17年-

「人口動態統計 年報」
 →夫妻の国籍別にみた婚姻件数の年次推移


【関連記事】

夫か妻が外国人の夫婦、30年で割合10倍/異文化激突!? 傑作コメディ『ダーマ&グレッグ』(2007.1.27)
タグ「国際結婚」


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R_bana_2頭突きはジダン、仕事の分かち合いには時短。えっ、苦しすぎ!?

【銀河を超えるラブ&ピース!】ワイロと地球を結ぶギターそして愛……

2007.11.19.01:30ころ

『ウルトラセブンX』見聞録(?)、もいよいよ第7話目!
全12話の半ばを過ぎて、シリーズの全貌が明らかになりつつあります。
そんなわけで、今回もネタばれあり。下記のの間の部分に、どうかご注意ください。

前回に続いて、「お、面白いじゃないの!!」

いや、いきなりフォークシンガーがギター片手に延々、街頭で歌いだして、1曲歌い終えるまでを映し出された日にゃあ、「おいおい、マジかよ!?」と目と耳を疑っちゃったのは事実であります。

だって、全12話しかないシリーズですよ!
しかも、1話で内容にさける時間は、せいぜい20分程度。そりゃ、セブンXが出てくるシーンが短いのも仕方がないよね……っていう話じゃ今はなくって、第7話に突入しちゃったこの時点でこれはありかよ! と思ってしまうのも、ムリないことだと思うのです、ワタクシ的には。

ところが、こんなことを仕出かしておきながら、エージェントKがエージェントD(仮面ライダー龍騎の悪徳弁護士ライダーさん?)の素性をとことん疑う場面などはきっちり丁寧に描かれていますし、さらには、「盗まれたウルトラ愛」もとい「盗まれたウルトラアイ」のピット星人のエピソードを彷彿とさせるシーンなんかも織り交ぜつつ、また唐突に登場した謎の美女にはシリーズの行方を予感させる言動までさせたうえ、きっちりセブンXのヒーロー物ならではの活躍シーンもつくってしまい、さらには、チューブから絞り出されるがごとき巨大怪獣(?)の出現シーンの奇抜さ(ワタシにとって)で意表を突き、 しかもしかも、エンディング間近にもう一回路上ライブを完結させてしまう!!

脱帽です。

ここまでやってくれるなら、ワイロ星人(そう聞こえちゃったのでこう書きます。地球人とは相性良さそうなネーミングだし、そこを狙ったとすれば、まさに絶妙)の戦闘員(?)たちの姿のしょぼさ、許しちゃいます。巨大怪獣(?)のあっけない最後も、当然当然、オッケーです。

で、何となくにおわされたシリーズ全体の行方ですが、ラスト直前のジンのセリフや、それを受けて謎の美女(最後はウルトラの母に変身するのでは!? との衝撃の説を広めたいっす)が初めて見せる微笑みから推察するに、宇宙人と地球人が何気ない暮らしの中で平和のうちに共存している世界へ向けて、セブンXが救世主となる、ってことになるのかなあ、と想像させられます。

当ブログ主としては、このような展開であれば非常に嬉しいところでありますし、まさに今現在の社会状況を反映した、今こそつるくべき「ウルトラセブン」だった! ということになるのでしょうが、
でもよくよく考えてみると、現実に侵略者として来襲してくる宇宙人たちが「わんさと」いる「らしい」この物語の世界の中で、そういう結末をきっちり説得力持たせて描けるのかなあと考えると、まったくの勘違いかも知れません。

とはいえ、想像はさらにぐねぐねと曲がりくねってゆきまして、振り返れば、元祖「ウルトラセブン」も、最後の最後ではダンとアンヌ、M78星雲のウルトラセブンと地球人のアンヌ隊員との感情的なつながり、ひょっとするっとあれって恋? っぽい場面が描かれていましたし、となると、今回のお話が「セブン」の新作でなくてはならなかった意味も、「40周年」以外に、「制作者がアイスラッガーやエメリウム光線を使いたかった」以外に、なんとなあく見えてくる気がします。そして、今回の第7話へのつながりも。

ともあれ、さらなる意表を突いた「わんだほー」な展開と、ますますの盛り上がりを期待して、次週を待ちたいと思います。

それでは皆さま、また来週、次回の『ウルトラセブンX』見聞録(?)でお会いしましょう。
でゅわっ!(って、Xは言ってませんよね、たぶん)


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YouTube「移民と連帯する日」フランス市民の底力、自由・平等・博愛!

2007.11.2.00:00ころ

か、カッコええっ!!

移民と連帯する日(2分58秒、directed by 小山帥人、produced:2007/10/30)

2007年秋、フランンスでは、遺伝子検査を含む新移民法が、議論になった。10月20日は、移民と連帯する日とされ、リヨンでは無資格移民の正規滞在を求めて2千人がデモが行った。

何がカッコいいかは、まあいろいろと、としておきます。あとは観てのお楽しみ、で(^^;)。

参考までに、当ブログでのフランス関連記事を挙げておきます。未読の方は、こちらもあわせてご覧いただければと思います。

フランス郊外団地で火を噴いたものは何か/「ル・モンド・ディプロマティーク」(2005.12.26)

仏移民暴動:発生から1年/テュラム選手のちょっといい話(2006.10.28)

そして、テュラム選手関連の上の記事にご登場いただいている村野瀬玲於奈さんの秘書課広報室から、下記の記事をご紹介します。
「誰もが運命のいたずらで仕事や住居を失って明日ホームレスになるかもしれないという思いのもとに」(1) (貧困と闘う、フランスのある社会運動)(2007.3.3)
「誰もが運命のいたずらで仕事や住居を失って明日ホームレスになるかもしれないという思いのもとに」(2) (貧困と闘う、フランスのある社会運動)(2007.3.4)
「誰もが運命のいたずらで仕事や住居を失って明日ホームレスになるかもしれないという思いのもとに」(3) (貧困と闘う、フランスのある社会運動)(2007.3.5)
「反人種差別運動は子どもの遊びから」 (フランス版エル誌から) (不定期連載『海外の記事を読む』)(2007.4.3、村野瀬玲奈の秘書課広報室)<


村野瀬玲奈の秘書課広報室さんのフランス情報はとても充実していますので、いろいろ検索してみると、他にもおもしろい記事に巡り会えると思います。

ちなみに、日本社会において広く信じられてしまっている「不法滞在者が犯罪の温床である」というデマ、差別を煽動する悪質極まりないこのプロパガンダについて、当ブログでは、最近だとアホの鳩山法相爆弾発言関連記事に、グラフ入りで情報をアップしています。未見の方は、ぜひぜひどうぞ!


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『パッチギ! LOVE & PEACE』&『ウリハッキョ』、メディアと差別と無知・無関心

2007.10.01.02:34ころ

シネカノンがソウルのミョンドン(明洞)に直営映画館を持っていて、毎週金曜日に「今村昌平監督回顧展」をやっているそうです。

と、こんな記事を見てしまったら、そろそろ年貢の納め時かなあ、というわけで、いよいよ書くことにしました、『パッチギ! LOVE & PEACE』の感想を!

まずは、休眠中に当ブログのサイドに設けていた「臨時トラバチック&リンク」にこっそりと書いていた、映画を観た直後の感想です。

初日に、観てきました。前作とは違い、今度は大人の世界のダークな話で(時代背景も違うから当たり前かも)、爆笑の連続というわけにはいきませんでしたが、役者さんたちの演技のすごさにぐいぐい引き込まれて、気がつけば涙、涙のクライマックスへ! ヤップの神社の扱いはあれでいいんかいとか、そのあたりはブログつながりのあの方にいずれご意見うかがうとして、ひとまず、私としては「超お薦め!」の作品です。 それにしてもアンソンがかっこよかった。京都なまりの関西弁がまるで友人のしゃべりを聞いているようで、これまた親近感「大」でした。

とまあ、私としては1作目とは違った意味でいろいろ楽しめた作品だったのですが、どうやら興行的には成功とは言えなかったのでは、との噂を聞いています。

実はそれ、私としても納得がいきます。

ネタバレにならない範囲でそれはなぜかを説明するなら、この作品は1970年代前半のとある在日コリアン家族の姿を描いているわけですが、なんとおそろしいことに、同時に、当時から現在まで変わったようで実は変わっていない「日本社会の陰湿で病的な部分」を、実にリアルに描いてくれちゃっています。

映画を観ていると、日常の中で不意に飛び出してくる差別やレイシズムの刃に血の気の引くような体験をさせられちゃうわけですが、その「刃」はけして遠い昔の過去のものなんかではなく、21世紀に入った今も残念ながら残ったままの、この列島のあちこちで隠し持たれている「刃」でもあるのです。
そして、それがあまりにリアルに描かれている分、日本人の観客の少なからぬ人たちは、自分が責められてるような気分になって、居心地の悪さや映画製作者に対する反発・反感を覚えちゃったのではあるまいか紋甲イカ。(もともと極右のレイシストさんたちが反感を持つのは当たり前のこととして。)

こんな風に思うのは、そんな感じの状況・場面にこれまで幾度か遭遇してきたからです。

たとえば、何かのイベントで在日外国人の置かれた状況の厳しさについて話を聴いていた日本人が、質疑応答の段階で、まるで日本社会すべてについて自分が責任を負っているかのように、自分が日本社会の代表であるかのように、日本社会の正しさを主張しはじめる。外国にルーツを持つ子どもたちが日本の公立学校で置かれた状況の苦しさについて話を聴いていた学校の先生が、また似たような反応を見せる。そういう場面を、これまでに何度も見てきました。

自分が属する集団、と言っても、たとえば「一つの目的を持って意識的に形成された政党のような集団」ではない集団(単に「属性」とでも呼ぶべきかも知れません)に対する非難を、あたかも自分自身に対して向けられたように受け取ってしまう感覚が、私にはどうも理解しにくいのですが、そのような感覚は、集団と個人との分別ができていないという点では、レイシズムに親和性の高い意識態様のようにも思えます。

私個人としては、日本社会の暗部が誰かに指摘されようが、それが正すべき部分だと思ったら、正すための方法を探すようにする、ただそうすれば良いと思うのですが、その暗部を正当化せねばならぬ、あるいは隠してしまわねばならぬ、と思う人がいる。あるいは、指摘した者に対して攻撃的な態度をとる人が少なくない気がする。いや、ひょっとすると多数派なのかも知れない。

そんな危惧を拭いきれずにいる私には、ただでさえ、若者たちの時に滑稽な、時に暴力オンリーの、しかし真摯なぶつかり合いを描いた前作とは違う「ダーク」な色合いが強い本作が興行的に成功しなかったとしても、当然の結果だろうなあ、と思うのです。

まあ、この分析が正しいかどうかはともかく、また、日本社会に限った話ではないかも知れないという点はさておくとして、
映画『パッチギ! LOVE & PEACE』、当ブログ主としては、超お薦めの一作です。未見の方は、ぜひどうぞ!!

そうそう、物理的な暴力(喧嘩)場面が前作よりも減ってる感があるのも、個人的にはお薦めです。
減っちゃったのは、もっとつらい暴力ってのが描かれてるからか、皆、大人になったからか、わかりませんが。

在日コリアンをとりあげた映画としては、『ウリハッキョ』がすごくイイ映画だと聞いています。友人カップル、観て泣きまくったらしい。

私も京都での上映会に出かけたのですが、上映機器の不具合で飛び飛びの場面しか観ることができませんでした(涙)。しかも、再上映の日は都合が悪くて観に行けず(涙涙)、DVDの発売を待つことにします。

ちなみに、このドキュメンタリーでは、上述の「刃」が今、どんな形で現れているか、それも記録され、収められています。ドキリとしますよ、絶対。

雑誌『ベリタ』5号を買ってきました。

在日朝鮮人への人権侵害を問う
●官民総ぐるみの差別といじめ 人権侵害、公安の不当捜査が続く 金東鶴
●メディアも警察も共謀している 前田朗

思い出したのが、『週刊金曜日』2007.9.21号(671号)の「メディア・ウォッチング」での高島伸欣・琉球大学教授による二つの指摘です。
1)日本政府は、今夏の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の水害被害に対する緊急人道援助実施を見送ったということ。
2)2005年の新潟中越地震の折には北朝鮮がすかさず、国際赤十字などを通して合計13万ドルの支援をしたが、日本のマスメディアは報道しなかったということ。

昨日は日本ビルマ救援センターの呼びかけで行われた軍事政権に対する抗議行動(アピールとビラ配り)に大阪駅前まで出かけたのですが、そこで聞いた話も、日本のマスメディアではとんと聞いたことのないものばかりでした。日本からの援助がどんなものかとか、軍事政権による少数民族に対するジェノサイドがどんな風に行われているのかとか。日本にいる難民の話はいろいろ聞いていても、彼・彼女たちが難民とならざるを得ない原因について、もっと知っておかねばならなかったと、しみじみ感じた高架の上でした。足元が揺れて、ちょっと船酔いした感もあり。ふらふら〜。


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ドイツと重国籍。♪国民新党に、うさエール♪

2007.9.3.12:45ころ

Germany Allows More People to Hold Dual Citizenship(DW-WORLD.de DEUTSCHE WELLE、2007.8.31)

ドイツが、EUまたはスイス出身者がドイツ市民権を取得した場合、元の国の市民権保持を認めるイミグレーション法(出入国法、移民法)を改正、施行したそうです。また、EU諸国またはスイスの市民権を取得したドイツ人がドイツ国籍を失うこともなくなりました。

どうやらEU統合の成果(影響?)ということのようですね。

それにつけても興味深いのは、上記記事中で「市民権(citizenship)」と「国籍(nationality)」とが、明確に区別して説明されている点です。

参考までに、IST請願の会 のサイトの資料にリンクを張っておきます。

諸外国(G8)における重国籍に関する法制度(概要)
近藤教授の「市民権と国籍」:「重国籍と外国人の参政権の最近の動向」(2006年1月)

重国籍といえば、やはり触れねばならぬのが「国民新党」です。

党名からして私なんかは引いちゃうところがあるわけですが、なにせあなた、先の参議院選挙で、かつてペルーの大統領まで務めた人物(しかも、ペルーでの人権侵害の責任を問われて、ペルー政府が身柄引渡を求めていて、インターポールからも逮捕状が出ている人物)を、日本国籍を持ってることを理由に、候補に担ぎだしちゃったのがこの「国民新党」なんでありますよ。

参考資料
声明(フジモリ元大統領に対するインターポールの国際逮捕手配書について)(ミネソタ大学人権図書館)

フジモリ氏立候補のニュースと、参院選告示直前にチリ裁判所がフジモリ氏のペルー政府への身柄引渡を拒んだというニュースを聞いたときは、チリ裁判所の決定の裏には日本政府の強い働きかけがあったようだとの報道もあって、やはり国民新党は、自民党政権と太いパイプを持っているか、根は同じなのだなあと、失望を新たにしそうになったわけですが、よくよく考えてみると、これって国民新党が、重国籍を肯定しちゃったってことにならないか? 日本の公職選挙法が重国籍者の立候補さらには参政権まで肯定しちゃったことにならないか? そう気づくのに時間はかかりませんでした。

さすが、「不法滞在者が治安悪化の温床」などというデマをばらまく自民党にかつては所属していながら、国会の入管法改定に関する質疑で「滞在基準についてもいろいろ無理があるから不法滞在者が増えているということもあるんだろうと思いますので、そういう意味では、不法滞在者を減少するために、滞在基準をこのように3年を5年に延ばすのは(特区関係の)これだけなのか、ほかにもいろいろあるんじゃないかと思うんですけれども、延ばしてもいいようなやつがあるんだろうと思うんですけれども」なんて答弁をしてくれた亀井郁夫議員がいるだけあって、また、「死刑廃止」を訴える亀井静香議員もいるだけあって、要所要所で、かなり前衛的・進歩的かつ合理的な発想、行動をとってくれる保守政党のように思えます。そして、こうした発想の柔軟さや合理性ゆえに自民党から弾き出されることになった、そう考えることもできそうです。

思えば、現行の国籍選択制度においても、日本国籍を保持しようとする者に他国の国籍を捨てさせるまでの強制力はないわけでして、なし崩し的に重国籍者が増大するのを日本政府は傍観しているようにも思えます。

しかし、その一方で、「他国の国籍を捨てなきゃおそろしいことになるぞ」とでも言いたげな、無用な威嚇も続けているような状況でありまして、このような嫌がらせは早速にでもやめさせなければなりません。
それには、重国籍を日本政府が公式に認めることが必要です。

参考資料
平成19年4月17日付北海道新聞記事 日本人の条件「踏み絵」の国籍選択(IST請願の会、国籍関連資料館)

さすが、道新、がんばって!!)

さあ、そこで国民新党の出番です!

IST請願の会 の「国籍関連資料館」によると、これまで重国籍に関して積極的に国会で質疑をしてくれているのは、民主党(大出彰議員、千葉景子議員、円より子議員、松野信夫議員、藤田一枝議員、高山智司議員、岩國哲人議員)、そして公明党の議員ばかりなのですが(質疑の時間があれば、オムライス党の議員もやってくれてただろうと思います)、ここに自民党と同じ出自を持つ「国民新党」まで加わってくれたとなれば、鬼に金棒になるんじゃありますまいか!?

てなわけで、
国民新党の動きにはいろいろ疑問に感じるところはありつつも、
重国籍容認へ向けて、合理的かつ進歩的な動きもできる保守政党、国民新党に、うさエールを送りたいと思います。
がんばれ、国民新党! 重国籍容認に向けて、ガッツでゴー!

「野党に♪うさエール♪」シリーズ
♪ガンバレ♪小沢民主党♪世界平和へ、うさエール♪(2007.8.9)
信憑性高まる? 小池防衛相「疫病神」説 ♪日本共産党に、うさエール♪(2007.8.17)
「日本人でよかった」まるたまちゃんvs.「外国人参政権」?♪田中康夫に、うさエール♪「国際救援隊」もあるよ(2007.8.27)
ドイツと重国籍。♪国民新党に、うさエール♪(2007.9.3)
♪社民党に、おっきな、おっきな、うさエール♪(2007.9.4)
信なくば立たず/小沢民主党に喝!うさエール、撤回!!(2007.10.11)

 

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難民の命。世界陸上の舞台裏

2007.8.28.12:10ころ
(2007.8.29.19:45ころ、この文字色の部分、追記。)

TBをくれた馬骨亭日乗 la duaさん(情報をわかりやすくまとめてくれています)や、おなじみヤメ蚊さんをはじめ、すでにさまざまなブログが採り上げてくれています。

ペガーさん強制送還反対

続報によると、イタリア政府が彼女の受け入れを表明してくれたそうなので、一安心というところかも知れません。
しかし、予断は禁物です。ウェブを検索してみると、こんな記事に出くわしました。

同性愛者のイラン人が英国で難民申請を拒否され自殺(GAY JAPAN NEWS、2005.4.25)

オンライン署名など、可能な方はどうぞよろしくお願いします。

また、この件で思い出されたのが、日本での難民認定裁判の一つでした。

シェイダさん難民認定裁判が残したもの(Criticism by Mice's Teeth:「鼠の歯による批判」、2007.6.15)

日本の難民認定の現状についても、どうか関心をお持ちください。
よろしくお願いします。

最近の関連記事
入管、ビルマ難民を長期収容中(2007.8.23)

関連サイト&ちょっと前の関連記事
●日本政府による難民の本国送還の話で、忘れてならないのがクルド人難民です。

クルド人難民二家族を支援する会
入管がクルド人難民申請者をトルコで調査 全国難民弁護団連絡会議が抗議声明

そして、クルド人難民を本国送還したときの東京入管局長についてのちょっと前の記事です。
坂中・元東京入管局長に御用心(2007.2.5)


華やかな世界陸上の周辺で何がなされているのか。

「世界陸上の裏舞台」…人権無視、権力不当行使なのだ!!(dr.stoneflyの戯れ言、2007.8.28)

ご一読ください。
大阪で、大きなイベントが開催されるたびに幾度も繰り返されてきた「暴力」が、今回もあらためて振るわれているようです。嗚呼っ!


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★ 表題抜きで間違えてアップしたものにいただいたTBを、ブログのサイド欄から消えたのを契機に、こちらに転載しておきます。

その場しのぎの言葉に、アベ氏の本質が見える(とむ丸の夢、2007.8.28)
破れ傘。(酔語酔吟 夢がたり、2007.8.28)

より以前の記事一覧