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総務官僚、なかなかやるの!?でももう一度… 「管理」ではなく「共生」のための制度を、今!!

2009.3.2.23:00ころ

えっ!?

外国人の住民票作成へ 在留期間3カ月超が対象(47NEWS、2009.2.25)
 総務省が今国会に提出する「住民基本台帳法改正案」が25日、明らかになった。現行の外国人登録制度の廃止に伴い、在留期間が3カ月を超す外国人も日本人と同様、住民基本台帳制度の登録対象とし、自治体が住民票を作成するのが柱。政府は3月に閣議決定し、早ければ2012年の施行を目指す。

 中・長期在留の外国人や在日韓国・朝鮮人などの特別永住者も住基台帳制度の対象とすることで、住民票の交付や住基カードの発行が可能になる。自治体が外国人住民の正確な居住実態を把握し、福祉や教育などで日本人と同様の行政サービスを提供できる効果も期待される。

 同省は当初、日本人の住基台帳とは別に外国人台帳の創設も検討していたが、「制度を分けるよりも効率的」として、住基台帳の対象に外国人を追加することにした。

 改正案で住基台帳制度の対象に加える外国人は、在留期間が3カ月超で、外国人登録証明書の代わりに国が新たに発行する「在留カード」の交付対象者や特別永住者ら。

 市区町村が作成、管理する外国人の住民票には、氏名、住所、性別、生年月日の4情報に加え、「国籍」、在留カードに記された「在留資格」「在留期間」を記載する。

 日本に住む外国人は07年末で215万人。10年間で1・5倍に増加している。

2009/02/25 12:19 【共同通信】

今年1月には、NHKで「外国人住民台帳」を作成することに決定、とのニュースが流れていました。その後、変更があったようです。
しかも、外国籍住民も住民基本台帳法の適用対象とする方向で!!

【関連記事】
「外国人住民台帳制度」創設よりも「住民基本台帳法」の外国籍住民への適用実現を!簡単だし目的達成にはこれで十分!!(2008.1.24)
「外国人台帳制度に関する懇談会報告書」を読んで脱力し、予算ムダ遣いの予感に襲われる、の巻

(2009.1.2)

上の共同通信の記事だけ読むなら、

総務省の官僚にも、合理的な発想を貫ける、そしてそれを受け入れることができる、そんな人材が少なくなかったということでしょうか。おみそれしましたm(_ _)m。

となるのですが、実際の法案を見てからでないと、正確な評価は難しいですね、やはり。マスメディア相手に官庁が提供する情報って、自分たちに都合のいい部分しか書いてなかったり、ある種のプロパガンダになってるケースが少なくありませんので。

それゆえ、まだ懸念がすべて払拭されたわけではありませんから。

たとえば、こんな懸念です。

入管と警察が進めている「不法滞在者狩り」の下請け窓口に堕してしまい、非正規滞在者が住民サービスから排除されることになるのではないか、
そのため、同一地域の住民の中に、在留資格を基準にして一種の被差別カーストが生まれてしまうのではないか。それは住民・市民の人権意識を根底から腐らせていき、やがては人権などチリアクタのようにしか見ない社会に変質していってしまうのではないか(えっ、もうそんな社会になっちゃってる!? なら、もっとますます酷い社会になってしまうのではないか、と)。

これらの懸念は、今もまだ解消されたわけではないのです。

ですので、法務省や警察が押し進めている外国人管理の枠組みとの関連が、この問題に関する今の私の最大の関心事です。
具体的な法案の中身は、いつ公表されるんでしょうね……。非常に気になります。

以前に書いた記事の一部を、転載しておきます。

たとえば、70年代から90年代にかけて、在日外国人を支援する人たちは、在留資格と関係なく行政サービスを受ける権利が住民には人権として保障されるべきだと主張して運動を展開してきて、それがオーバーステイになっている人にも医療など社会保障、教育の権利が認められる、というかたちで結実しました。

今回の入国管理局による情報の一元管理化は、その成果をすべて無に帰すものであり、地域行政機関の実態も職員の意識も、国の下請け化してしまいます。地方官僚は、住民に奉仕するよりも、中央政府の意向により忠実な下僕となり、その弊害は、まずはオーバーステイの人たちを襲い、やがては日本国籍の住民たちの暮らしと「地方自治」をも蝕んでいくでしょう。

地方分権などというお題目を幻に変えて

それは時間の問題、と言うより、すでにその兆候が現れているとの話すら聞いています。

「国民のための国家」から「そこに住む人のための国家へ」の転換をしなければ、「国民」の権利や利益さえも蝕まれていく。その時が、このままではすぐに到来してしまいそうです。

聞くところによると、政府は、今通常国会に、在日外国人の雇用主に、その外国人被用者の国籍、在留資格、在留期限などを報告することを罰則付きで義務づける法案を提出するそうです。(←2007年10月から、すでにスタートしています。。。)

これもまた、「情報の一元管理」の流れの中で考えると、極めて危険です。

在留資格の切れた人、ない人たちは、よりアングラな労働の場に追いやられていくでしょう。あらたな賤民の誕生です。

アングラな労働の場では今以上に過酷な搾取・人権侵害が展開されるであろうこと、また、そこにヤクザなど犯罪組織が深く関わるようになるだろうことは、容易に想像できます。

そもそも、雇用状況から居住状況などまで(やがては入国時に採取した生体情報なんかも含まれるようになるでしょう)政府に一元管理された存在(外国籍者、無国籍者)が、人として遇されているなどといえるでしょうか。これはまさに、人の中に「人以下のもの」をつくりだす試みです。人間の自由を尊重する精神をどこへ捨て去ろうとするのでしょうか。


こうした政策は、あのアメリカにおいてでさえ、しかもテロ対策という名目であったにもかかわらず中止に追い込まれた、TIA計画に極めて似ています。今、自民・公明政権が進めているのは、外国人対象のTIA計画だと言えるでしょう。


【必読情報】

1.TIAプログラム

2.ACLU、米国一般市民に対する監視システムに警鐘

3.問題山積、米国防総省の国民データベース計画

そしておそらくは、今は外国籍者(無国籍者を含む)にのみ向けられているこの情報管理の動きは、住基ネットなどを使って、遠からず日本国籍者にも突きつけられることになるでしょう。

今こそ、人と人との連帯の力で、暴走する国家、自民・公明政権に終止符を打ち、新たな時代を切り開くときです。失敗すれば、今以上に息苦しく、自らをも人として見ることのできない暗黒の時代が訪れること必至です。

【関連記事&ウェブ】
2009年法改定 新たな在留管理制度についてのQ&A
とても危ない「在留カード」——2009年「改定法」批判((外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会ニュースレターpdf版))
日本版US-Visit法から1年、院内集会に参加して(IST請願の会)
《パンフレット 監視社会の壊し方 ノート II》入管システム最適化計画の構想と問題点 「予防型アルゴリズム的監視」と府省庁間「情報共有」に向けたテストケース (電子政府・電子自治体問題ライブラリー)

入管一元管理で賤民をつくろうとする策謀に、うさキック!うさキック!うさキック!(2007.2.13)

【聞きかじり】外国人集住都市会議の恐怖。【口直し】韓国から学ぶワークショップ(東京)とシンポジウム(大阪)(2007.11.30)

国連・自由権規約委員会の勧告に沿って、管理でなく共生のための制度を!(2009.1.24Tokyo)
(2009.1.13)


ここはやっぱり、

「管理」ではなく「共生」のための制度を!

と叫ばずばなりますまい。



【署名のお願い】

NEW!Creation of a Special Tribunal to try Israeli War Criminals(「イスラエル戦争犯罪特別法廷」設置を国連総会に求める署名)

ガザ封鎖解除のために、日本政府が積極的に働きかけるよう外務大臣に求めるオンライン署名(集約期限は2009年2月28日、アムネスティ・インターナショナル日本、パレスチナ子どものキャンペーン、ピースボート、ユナイテッドピープル株式会社・共同よびかけ)

Stop US helipad plan in Okinawa to save great nature.

すべてのアフガニスタン難民に在留資格を(第1次集約期限2009年2月19日、RAFIQ)

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(集約期限2009年8月31日、国際結婚を考える会、IST請願の会)

複数国籍の容認を求める請願署名、電子署名(集約期限2009年8月31日、IST請願の会)

他にもサイドバーにいろいろあります。賛同いただける方は、どうかよろしくお願いしますm(_ _)m

Usagimasters

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