滋賀県のブラジル学校・愛知県の公営住宅。「連帯」の旗を懲りずに!
2009.1.22.12:00ころ
TBをいただいた記事をまずはご紹介します。
外国人労働者とも連帯を(Afternoon Cafe、2009.1.20)
紹介されている銀座のデモには、日系ペルー人や中国人研修生も参加していたそうです。
また、「年越し派遣村」に外国人が助けを求めてやって来たかどうかはわかりませんが、名古屋での年末か年始の炊き出しに、日本語のおぼつかないブラジル人数名がやって来ていたと聞いています。ほとんどが日本人の炊き出し会場だったそうで、そこに日本語もわからないまま顔を出すのは、かなり勇気が必要だったのでは(つまりそれだけ追いつめられていたのでは)と推察します。今はまだそれぞれのコミュニティでどうにか吸収できている危機的状況も、今後はますます大変なことになっていくのではないかと、暗い気持になってしまいます。。。
しかし、そんな時こそ、分断の罠を断ち切り、連帯で乗り切っていかねばと思います。Afternoon Cafeさんのひとつ前の記事、
管理教育は、連帯せず分断しやすい国民を作る(Afternoon Cafe、2009.1.17)
もぜひお読みください。
関西ローカルのニュースです。
景気悪化 ブラジル人学校は(NHKニュース、2009.1.20)
景気が急激に冷え込み、滋賀県にある4つのブラジル人学校では、解雇された日系ブラジル人の保護者が学費を支払えないため、4校の生徒数が先月から今月にかけて34パーセント、160人余りも減っていることがNHKの調べでわかりました。滋賀県には西日本で最も多い1万4000人あまりの日系ブラジル人が暮らしており、民間人が経営し日本の小中学校の年齢の子どもが通う4つのブラジル人学校があります。
ところが主に派遣労働者として働く保護者が解雇され月4万円ほどの学費を支払えず、学校をやめる生徒が相次いでいます。NHKの調べによりますと4つの学校には、去年12月の時点ではあわせて470人が通っていましたが、
20日までに162人が学校をやめて生徒数は34パーセントも減ったことがわかりました。このうち愛荘町にあるサンタナ学園では、今月に入って20人が学校をやめ、生徒数は去年8月の、80人から30人にまで減りました。
この学園では食費や送迎費用を含めて月に3万5000円の学費がかかりますが、中には学費を支払わずに来る子どももいて厳しい経営状態が続いています。
学園の近くに住む日系ブラジル人の奥村ミチコさん(36)は夫と共働きで6歳の次女と暮らし、先月、彦根市の工場を解雇され、学費を払えなくなりましたが、次女は学校に行っています。
奥村さんは「きょうは学校で預かってもらいましたが、学校にお金が払えないので今後、娘はわたしといっしょに家にいることになります。かわいそうですがしょうがないです」と話していました。学園では、教員の給料を3分の1から4分の1にまで引き下げたり、燃料費を節約するため1つの教室を分けて2つの授業を行ったりしています。
サンタナ学園の中田ロザリンダ・ケンコ校長は「子どもから勉強が大好きと言われれば帰れとは言えません。
今は先生が集まって生徒を家族だと思って頑張ろうとしています。かわいい子どもたちのためにも学校はやめられません」と話していました。また外国人学校やめた生徒は自宅で過ごしているケースが多くなっています。
愛荘町愛知川に住む日系ブラジル人のアンデルソンさん(24)は、妻と両親と兄弟4人、それに弟の妻のあわせて9人で暮らしていますが、4か月前に弟とともに仕事を失いました。
妹3人はサンタナ学園に通っていましたが、学費を払えなくなったため、学校をやめてほとんど家で過ごしています。
アンデルソンさんは、「学校に行けば、いろいろと勉強できるのに、自分が仕事をできずに学校にいけなくてかわいそうです」と話していました。滋賀県では近く外国人学校の現状を把握して自宅で待機している子どもたちが県内の公立学校に通うことを希望した場合の、受け入れ態勢づくりを検討していくことにしています。
公立学校で受入担当者を増やしたりするのにかかる時間や予算を考えると、ブラジル学校を直接支援するのが一番即効性があって、一番効果的だと思うのですが。。。
滋賀県の対応方針には首を傾げざるを得ません。
もう一つ、首を傾げざるを得ない地域ニュース。こちらは愛知県です。
入居制限でブラジル人反発 愛知・豊田の県営住宅(NHKニュース、2009.1.20)
自動車関連産業などで働くブラジル人らが多く住む愛知県豊田市の県営保見住宅(1350戸)で、県が「外国人が増加すると生活習慣の違いなどからトラブルが増えかねない」として空室の新規募集を抑制、入居を希望する外国人の反発が高まっている。県は住居を失った失業者向けに、昨年末から空きのある県営住宅を緊急提供しているが、空室が約380戸もある保見住宅で募集したのは21戸だけ。支援団体は「住まいに困っている外国人も平等に救済してほしい」と主張している。
20日午前、保見住宅の入居を求めるブラジル人らが県庁を訪れ、約450人分の署名を提出した。提出者の1人でコンピューター関連工場の派遣社員ロジメイレ・フレイタスさん(37)は「母子家庭なので家賃の安い県営住宅に入りたい。空いているなら貸してほしい」と訴える。来月以降の雇用は未定という。
県は保見住宅の外国人入居を拒否しているわけではないが、新規募集すると希望者の大多数が外国人となるため、募集制限が事実上、外国人制限になっている。不況になる前も年間募集は60戸に抑えられていた。
保見団地って前からそういうところと言われればそうだった気もするのですが、愛知県のコメントとして紹介されている言葉に目を疑います。「外国人が増加すると生活習慣の違いなどからトラブルが増えかねない」だなんて、外国人労働者が県内でおおぜい暮らすようになってどれだけ時間が経っていて、どれだけ県内経済や県の収入に貢献してきたのかとかを考えると、絶望的な気分に陥らざるを得ない身勝手な論理です。これまでの無為無策、そして経験の蓄積の無さを自ら告白しているという点では、非常に率直な述懐なんでしょうけど。
これも一種の植民地主義なんだと思います。
【署名のお願い】
NEW!●Creation of a Special Tribunal to try Israeli War Criminals(「イスラエル戦争犯罪特別法廷」設置を国連総会に求める署名)
●ガザ封鎖解除のために、日本政府が積極的に働きかけるよう外務大臣に求めるオンライン署名(集約期限は2009年2月28日、アムネスティ・インターナショナル日本、パレスチナ子どものキャンペーン、ピースボート、ユナイテッドピープル株式会社・共同よびかけ)
■東村高江【通行妨害仮処分】緊急署名(第1次集約期限2009年1月26日、なごなぐ雑記、2009.1.3)
★すべてのアフガニスタン難民に在留資格を(第1次集約期限2009年2月19日、RAFIQ)
◆日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(集約期限2009年8月31日、国際結婚を考える会、IST請願の会)
◆複数国籍の容認を求める請願署名、電子署名(集約期限2009年8月31日、IST請願の会)
他にもサイドバーにいろいろあります。賛同いただける方は、どうかよろしくお願いしますm(_ _)m

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こんにちは
ご紹介下さりありがとうございます。
リンク先「植民地主義」も読ませていただきました。
よく県が率先して恥ずかしげもなく堂々と外国人差別をと言えるものだと感心します。
何か破壊的なことがおこって社会不安がおきたとき、人々の不安や怒りが必ずしも正しい解決の方向に向かうとは限りませんね。
外国人労働者の差別、
差別発言や弱者切り捨てをはっきり言う過激な知事の支持増加。
むしろ、より良き社会に立て直すのに逆方向に向かってます。
911もしかり。
テロの悲惨さを身を以て知ったからそれを無くすために自らの路線をあらため対話を重視しなければならないのに、アメリカ自身がテロ国家じゃないかと思えるほどアフガニスタンとイラクを無茶苦茶にしました。
しかし一方では派遣村のように連帯して正しい方向に行動を起こすことも出来ました。これがポピュリズムに打ち勝つことが出来るようにして行かなくてはと思います。日本人もいい加減進歩しても良い頃ですよね。
投稿: 秋原葉月 | 2009年1月23日 (金) 18時41分
秋原葉月さん、こんにちは。
お返事遅れて申し訳ありません。
滋賀県がブラジル学校への支援に踏み切らない背景には、どうも文科省すなわち日本政府による憲法89条の解釈があるらしいです。それを論破できる解釈もあるのですが、自民党も文科省も退かないでしょうから、政権交代後の変化に期待するしかなく、急場をしのぐには役立ちそうにないのが、何とも残念です。。。
オバマの就任演説、たしかに上手だなあとは思いますしアメリカの多数派向けによく練った原稿だとも思うのですが、先住民の話はまったく出て来ませんでしたし、自己正当化のための歴史改ざんスピーチっぽい匂いを感じずにいられませんでした。「恐怖を広め、無実の人々を惨殺することで目的を果たそうとする連中」って、鏡に向かって言ってるのかよ、という感じで。
派遣村、時代の転換期を象徴する出来事だったと思います。それにビビッてる人たちもいるようですが、これからはそういう人たちにも連帯の輪は広がって、もっと大きくなっていくと思います。そしていい加減この社会をつくりかえていかないと、自民党だけでなく日本国、日本社会自体が、国民・住民の大多数を巻き込んで崩壊していくだけだろうと危惧しています……。
投稿: 仲@ukiuki | 2009年1月26日 (月) 14時21分