複国籍PT


2014年5月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

あわせて読みたい

  • あわせて読みたいブログパーツ

« 星を見上げてSAY NO TO RACISM/国籍法改正/犯罪対策と非正規・未認可滞在者、外国人 | トップページ | オルタ「労働開国」/派遣切りのツナミと、連帯という防波堤/『フリーターズフリーvol.2』 »

「人身売買促進法」説と「ドイツの法改正が他山の石になっとらん」説に関する参院法務委員会質疑。小沢代表の怪しい約束

2008.12.08.12:00ころ

今回の国籍法改正に関する参議院法務委員会の会議録、読んでみました。

ほんと、田中康夫(敬称不要)と新党日本にはがっかりです。
今回の国籍法改正が「人身売買促進法」「小児性愛黙認法」だなんて、どこからそんな発想が生まれてくるんだか。

この説はネットで流布してたものらしいですから、支持基盤を思うように広げられずにいる焦りか何かでレイシストたちの妄想にすり寄っていく、たぶんそんなところなんでしょうね、

『「“人身売買促進法”だ」説』に対する反論というも悲しい批判は、

国籍法改正問題について、ある方の質問に応えて送ったメール(一部改変)(*minx* [macska dot org in exile]、2008.11.30)
ほんとうは人身売買のことなんてどうでもいいくせに〜“No pude quitarte las espinas”(いしけりあそび、2008.12.2)

がまとめてくれています。

また、村野瀬さんやたんぽぽさんが紹介してくれている記事も参考になります。

知識不足と不安は差別反動の温床だと思いました。(国籍法改正の趣旨を理解せず反対の理由だけを探す態度はいただけないと思います。(2))(追記あり)(村野瀬玲奈の秘書課広報室、2008.12.5)

国籍法改正案(7)(たんぽぽの涙〜運営日誌、2008.12.7)

これでもう十分にも思えますが、せっかく参院法務委員会会議録を読んだことですし、ここで少し、会議録から情報を紹介しておきます。
まずは、参院法務委員会で社民党・護憲連合の近藤正道議員が田中康夫の発言(というよりアジテーション)に対して指摘してくれた件です。

 このこと、偽装認知については、公正証書原本不実記載とか、あるいは今回の法案の中で新たな罰則もありますし、あるいはこれが全体として人身売買という形で行われるということであれば、この国の刑法には、第三十三章で略取、誘拐及び人身売買の罪、こういう規定がびっしり規定されております。だから、そういう人身売買的な意図を持ってやるということであれば、先ほどの言わば公正証書原本不実記載などというそういうことよりも、むしろ人身売買の罪という形でそれは厳正に対処をされるわけですよね。

 ですから、私は、今回のこの法案が人身売買を誘発するという、ちょっと聞いて驚いたんですけれども、そんなことにはならないだろうと。よりきめ細かく、こういうことができないような、そして、かつ、故なく国籍を取得できない、そういう法の谷間に落とされている子供たちをやっぱり救済する、そういう大きな、人権保障にとってやっぱり大きな一歩をしるすそういう法案ではないかと、私自身はそういうふうに思っております。(近藤正道議員、2008.11.27)

人身売買の罪(刑法262条の2)と、認知手続や国籍取得手続に関する公正証書原本不実記載罪(刑法157条)、そして今回新設される罰則が、併合罪(刑法47条)になるでしょうから(まさか牽連犯(刑法54条)ってことはないでしょう)、買い入れ側だと1件につき最大15年、売り飛ばし側も刑法262条の2第5項が適用されるようなケースであれば最大30年の刑を受ける可能性があります。そして、刑法における人身売買の罪が、今回の国籍法新設によってなくなることも適用除外になることもないのです。どこが人身売買促進法なんだか。

さらに、共産党の仁比聡平議員のツッコミも紹介します。

仁比議員は、政府答弁で語られた、2003年から2007年までに警察庁が偽装認知事件として把握しているものが3件しかなかったこと(田中康夫の後に質疑に立った松野信夫議員への答弁で出て来た数字です。ちなみに、同期間の偽装結婚事件とされているものは173件だったとか)を踏まえたうえで、今回の法改正が人身売買推奨法になってしまうという批判に根拠があるとは思えないが、どうですかと法務大臣に尋ねています。(ちょっと難しく意訳すると、ブローカーが絡んで人身売買促進法になってしまうと恐れねばならぬような、そしてDNA鑑定を義務付けるというプライバシー侵害の程度が極めて強度な義務を課すに足る具体的な事実はないでしょう、という質問だと言えるでしょうか。)

すると、森英介法務大臣(民法の300日規定に関して近藤正道議員がこの日投げかけた問いかけに対して、まったく非論理的な返答をして逃げ出してしまうような腹立たしいところもある人物なのですが)「ちょっと十分理解できてないのであれですけれども、私は直接関係ないというふうには思いますけれども、直接的にはですね」との返答です。なんだか笑ってしまいました。そりゃあ、十分理解するのは難しいですよねえ、その説の根拠が全然示されていないんですから。

国籍法改正案に関して一部で流れていた、「血統主義を基本にしてきたドイツで認知による国籍取得を認めた後、偽装認知が相次いだので対処する法改正がなされた、しかし今回の改正案にはドイツの失敗が活かされていない」という説については、中央大学の奥田安弘教授が参考人として、次のように解説しています。

 一部の報道では、今回の国籍法改正が成立すると仮装認知が増えるおそれがあるとして、ドイツにおける今年三月の法改正を取り上げております。しかし、このドイツの法改正は国籍法の改正ではありません。国籍法の方は、相変わらずドイツ人父親による認知だけでドイツ国籍の取得を認めております。今年三月に行われたのは民法の改正でありまして、ドイツの官庁が認知無効確認の訴訟を提起できるようになった、そういう内容でございます。

 すなわち、ドイツの民法では、改正前は、認知をした父親本人又は認知を受けた子供、さらに母親しか認知無効確認訴訟を提起することができなかったのです。これは法律上、明文の規定による制限です。そこで、新たに官庁もこういう訴訟を起こせるようにしたわけです。

 第二に、ドイツでは認知無効確認の提訴権者が制限されておりますが、日本法にはこのような制限がありません。それどころか、公正証書原本不実記載などの罪により刑事裁判で有罪判決が確定した場合は、裁判所から本籍地の方に通知がなされまして、本籍地の市町村では職権によって認知の記載を抹消することになっております。

 今回の国籍法改正が成立した場合は、さらに日本国籍を取得したとして戸籍が作成された子供についてもその戸籍は抹消されることになります。したがって、ドイツの三月の法改正はある意味では日本法では必要のないことであり、またある意味では仮装認知の防止と国籍取得を安易に結び付けるべきではないということを示しております。

 第三に、ドイツではドイツ人父親の認知があれば自動的にドイツ国籍の取得を認めており、我が国のように更に加えて国籍取得届を出させるというようなことはしておりません。これは極めて大きな違いであります。

 国籍取得届の詳細は、我が国の場合、国籍法施行規則一条や昭和五十九年の通達などに定められておりまして、これらも改正が予定されているようですが、この国籍取得届の取扱いは市町村への認知届とは大きく異なります。すなわち、届出人は必ず自分で法務局に出頭し、届出の際に届書や必要書類の点検を受けるだけでなく、いろんな質問をされた後に受付をしてもらいます。さらに、受付後も法務局の職員は届出人や関係者の自宅に赴いて事情聴取をするなどの権限が与えられています。このように慎重な手続を経て初めて国籍取得証明書が交付され、子供の戸籍をつくることができるのです。したがって、認知のみで国籍を与えるドイツと比較いたしますと、かなりハードルが高いと言えます。

もう十分でしょう。

ところで、田中康夫が質疑というか演説、アジテーションの中で語っている次の言葉が気になります。国民新党の亀井静香と民主党の鳩山由紀夫両氏から、「是非とも、いささか形骸化しつつある良識の府参議院で法案修正を勝ち取って衆議院に差し戻してほしいと、私、昨日、直々に、直に激励を受けました」と。

両氏、気はたしかなんでしょうか。

まあ、民主党は最終的に改正法案に賛成していますが、国民新党は田中康夫と一緒に反対しちゃってるんですよね。上に挙げたような情報に接した後でなお。
国民新党にもやはり激しくガックリです。。。orz

田中康夫によると、反対・棄権もしくは欠席した議員は、

院内会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」の中から新党日本の私 田中康夫。国民新党グループの亀井亜紀子、亀井郁夫、自見庄三郎、長谷川憲正、森田高。無所属の外山斎の7名。会派に属しない議員の中から川田龍平、田中直紀の2名。計9名です(敬称略)。
他方、棄権若しくは欠席が、民主党5名、自由民主党6名でした。

ああ、川田龍平議員まで!

偏見に加担する「言い訳」を考えるリベラル系議員(*minx* [macska dot org in exile]、2008.12.1)

さらに、同じ文章で田中康夫が書いている、小沢民主党代表の語ったところも気になります。

小沢一郎さんも、両党(新党日本と国民新党のこと。当ブログ主注記)が反対票を投ずる方針に理解を示し、政権奪取後は速やかに国籍法の再改正を行う意向を示している。新党日本は、「DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務を本則に明記する国籍法の『改正』」を、総選挙のマニフェストで宣言する、との。

政権奪取したら速やかに国籍法改正を行う意向を示してるって、DNA鑑定義務付けの法改正をするってことなの??? それって、今回の法改正には賛成しておきながら、政局次第でどうにでも動くってこと????
小沢代表らしいねえ……って、呆れてるだけじゃマズいですよね(-_-;)。

田中康夫(そして山谷えり子)の質疑にうんざりさせられた参院法務委員会会議録でしたが、それでも衆議院よりは希望を感じました。子どもの人権を立脚点にしての質疑が、「ねじれ現象」のおかげか、明らかに多いです。

これについては、また別の記事で紹介できればと思います。
「好意認知」なる現象と、日本の家族制度についての話も、ちょっと興味深かったですので、機会があればぜひそれも。

そんないつになるかわからない記事を待ってられるかい!
という至極もっともなツッコミを入れてくださるうえ、ちょっとでも関心を持たれた方は、会議録原本にお当たりください。
今ならこちらでお読みになれます。(会議から30日を経過した今年の12月27日以降は、国会会議録検索システムで検索するほかなくなるようです。)衆議院法務委員会の分も併せて読むと、また一興だと思います。

【「2008年国籍法改正」関連記事】
国籍法改正で「ネットの闇」に、くわばら、くわばら/反婚デモと格差論(2008.12.8)
「国籍法改正」問題と、うさぎのおしゃれ倶楽部。(2008.11.18)
星を見上げてSAY NO TO RACISM/国籍法改正/犯罪対策と非正規・未認可滞在者、外国人(2008.12.7)
「人身売買促進法」説と「ドイツの法改正が他山の石になっとらん」説に関する参院法務委員会質疑。小沢代表の怪しい約束(2008.12.8)
Usagimasters

Banner2←レイシズムと排外主義にすり寄る動きに、うさキック!


ブログランキング・にほんブログ村へ←子どもの最大の福利のために、うさジャンプ!


R_bana_2←もおいやだ〜、さ む すぎ る〜♫

« 星を見上げてSAY NO TO RACISM/国籍法改正/犯罪対策と非正規・未認可滞在者、外国人 | トップページ | オルタ「労働開国」/派遣切りのツナミと、連帯という防波堤/『フリーターズフリーvol.2』 »

おすすめサイト」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

制度の不備」カテゴリの記事

国際人権法」カテゴリの記事

国際結婚」カテゴリの記事

差別、排外、レイシズム」カテゴリの記事

恋愛」カテゴリの記事

植民地主義」カテゴリの記事

海外事情」カテゴリの記事

監視社会」カテゴリの記事

粉砕! プロパガンダ」カテゴリの記事

議会制民主主義の破壊」カテゴリの記事

適正手続」カテゴリの記事

コメント

奥田安弘教授の説明はとてもわかりやすいですね。さすが「餅は餅屋」です。
国籍法反対騒動(「運動」とは呼びたくありません)について知れば知るほどバカらしさに呆れて眩暈までしてきます。「リベラル派」と呼ばれる政治家まで真に受けて妙なことを言い出すに至っては沙汰の限りです。
賛否の意見は自由ですが、最低限の知識もなしに空騒ぎするのは時間とエネルギーの無駄遣いです。CO2よりデマを大幅削減したいです。

他民族共生を進めている素晴らしい国中国と少数意見ばかり尊重され日本人がものを言えない日本国。人権擁護法案により裁判所の令状なしに逮捕可能となるなど素晴らしい人権国家になりそうですね。国民は何も知らされずこっそり決められていく国籍法改正案、外国人参政権、1000万人移民受け入れなど数々の法案。国民的な議論などもっての外なのでしょうね。これって民主主義でしょうか。
http://www.boxun.com/hero/picshock/5_1.shtml
http://mirror.jijisama.org/

玄倉川さん、おはようございます。

ほんと、奥田教授の話、餅は餅屋を実感させてくれます。

当記事中でリンクを張ったPDF中の短信程度の情報で、一気に妄想を暴走させるというか、まったく見当違いな解釈と誤った情報がすごい勢いで流通していくさまは、おそろしいです。今回はこの程度の騒動ですみましたが、それでも国会の議論の場で、田中康夫みたいな論が出て来て、ごく少数とはいえ一定の支持を集めてしまうとは……。あきれ、おそれ、不安、ばかばかしさ、いろんな感情が入り交じって生まれてきます。

デマ削減による時間と労力の削減、そしてもっと時間と労力をかけて議論すべきことにエネルギーを注いでいく。それには、事実を集めて、できるだけその正確を期し、そこからあれこれ議論を進めていかねばならないのですが、「水伝騒動」でもしみじみ感じたことですが、そんな単純なことがなかなか難しいようで、ああ、やっぱりため息がこぼれます。。。


>ウサギ

おのれ!!
よくもこのうさちゃん騎士団SC(なんちゃって分室)に、
「ウサギ」を名乗って乗り込んできよったな!!!
その愚かしき度胸に免じて、
今日のところは勘弁しといたる!!

もうコメントしないでね。ばいばい!

国籍法改正案への反対運動とそれに乗っかった議員達の動き、日本版のファシズム勢力の萌芽として由々しき事態と見ます。
これから国際人口移動がさらに激しくなり、社会統合が最重要課題になるのに、頭の痛いことです。
そこで、国籍は彼らの最後の砦として棚上げして、別に市民権制度をつくるというアイデアはいかがでしょう。

           日本国市民権法案要綱骨子(案)

第1条 市民登録した者は市民の地位(以下、市民権という)を有し、第5条で定める権利と義務を有する。
2 前項の定めはその者の国籍に依らない。

第2条 次に掲げる要件のいずれかを満たした者は、その自発的意思により市民登録をすることができる。
 (1)日本において出生し、日本に住所を有する者
 (2)日本に5年以上住所を有している者

 2 国は前項に定める者から申請があったときは、これを認めなければならない。
 3 市民登録名簿は市区町村(特別区を含む)が管理する。

第3条 前条の規定にかかわらず、次に掲げる者は、それぞれ次に定める手続きの際に、本人の意思の表明によらずして市民登録される。
  (1)日本において出生した者 出生届の際
  (2)日本国籍を有し、海外で出生した者 転入届の際
  (3)前住所地で市民登録していた者 転入届の際

第4条 何人も成人以後の本人の意思表明によらなければ、市民権を奪われない。

第5条 市民は日本国憲法の定めるすべての国民の権利を保障され、すべての国民の義務を負う。
2 前項の規定にかかわらず、日本の国籍を有しない市民は一部の国家公務員の職に就くことができず、また国政選挙に参加することができない。

第6条 市民登録名簿は、市民権の有無を記載した住民基本台帳をもって代えることができる。

市民権主義者さん、こんにちは。

以前にもこういう提案を見た記憶があります。どこだったか…(^^;)。

何にせよ、興味深い提案です。じっくり考えさせてください。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61333/43353978

この記事へのトラックバック一覧です: 「人身売買促進法」説と「ドイツの法改正が他山の石になっとらん」説に関する参院法務委員会質疑。小沢代表の怪しい約束:

» 国籍法改正案(7) [たんぽぽのなみだ~運営日誌]
新党日本の田中康夫氏も、なにを思ったか国籍法改正に反対しています。 偽装認知を防ぐための、DNA鑑定の義務付けがないことが理由です。 ほかにも、人身売買の促進になる、などとも言っています。 「田中代表メッセージpart2 DNA鑑定なき欠陥法案」 http://www.love-nippon...... [続きを読む]

« 星を見上げてSAY NO TO RACISM/国籍法改正/犯罪対策と非正規・未認可滞在者、外国人 | トップページ | オルタ「労働開国」/派遣切りのツナミと、連帯という防波堤/『フリーターズフリーvol.2』 »