2008.12.27.18:30ころ
(2008.12.28.02:00ころ、この文字色部分を修正しました。)
前々回の記事でちょっと触れた、職住を失ったブラジル人の子どもが亡くなったという話。あれこれ聞いていると、単なる噂話だった気配が濃厚になってきました。確証がとれませんm(_ _)m。
それでも、ブラジル人コミュニティを駆け巡った噂であることは間違いないですし、あの噂に涙して住居の提供に動きだした日本人女性の存在は、その姿がブラジル人向け衛星放送で報道されたこともあって、大きな意義のあるものだったと思います。これまでの経緯からして日本人に対する不信感を抱いているであろう在日ブラジル人、在日南米人は少なくないだろうと思いますので。
【関連ニュース】景気悪化で解雇、日系3世男性の悲哀 「私たちは機械の部品じゃない」(MSN産経ニュース、2008.12.13)
ただ、そんなふうに話を丸く収めてメデタシ、メデタシとはならないのは、お察しのとおりです。
実際のところ、噂にあったような子どもの死が今にも起きかねない状況が続いているのは事実ですし、今後、派遣切りが厳しさを増していけば、ますます現実化するおそれは大きくなっていくでしょう。今はまだ、職のある親戚や知人の住居を頼ることのできる「タメ」がある人たちも、この先、その「タメ」を失っていくでしょうから。
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外国人労働者の置かれた苦境も、ここ数週間、マスメディアの注目を浴びはじめているようです。
今朝のNHKの週刊ニュースでも取り上げられ、『顔の見えない定住化 日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク』の共著者の一人である丹野清人・首都大学東京准教授が、“これまでブラジル人や日系人の劣悪な労働条件を放置して来たことが、今、日本人にも波及して、大問題になっている。外国人労働者の置かれた状況を改善していかなければ、今の危機を乗り切っても同じようなことは繰り返し起きるでしょう”という趣旨の発言をしていました。まさに同感です。
(『顔の見えない定住化』のアマゾンでの書評ですが、故・梶田氏の執筆部分を評価している人、私には理解できません(-_-;)。これについて興味のある方は、こちらで紹介している書評論文をお読みくださいませ。)
以前、悪名高い外国人研修生制度が、日本国内の労働条件を押し下げているという話をしましたが、数年前から、日系人労働者ですら研修生に取って代わられる、そんな事態も進んできています。
同じ社会で暮らす人の中に、差別的な扱いが許される人とそうでない人とを設けてしまうことがどんな結果をもたらすか。前にこう書きました。
要するに、「国籍」による差別、人権制限が常態化した社会環境は、そこで暮らす差別者側(自国籍者側)の人権感覚の摩耗と人権意識の低下・劣化をもたらす。
その感覚はやがて、差別者側(自国籍者側)自らの人権をも誰かの恣意的な制限下に進んで委ねてご満悦という、愚か極まりない結果を自ら呼び込むことにつながっていく。「もう手遅れ」ってのは、言いっこなし。
「もう手遅れ」ってのは、言いっこなしで、来年も同じことを繰り返し叫び続けねばならぬのでしょう。あきらめずに、これまで以上に声を大きく張り上げて。
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今後、注意していかねばなあと思うのは、マスメディアの取り上げ方次第では外国人労働者と日本人との分断が起きてしまうのではなかろうか、という点です。
私は、今ここで日本国籍の人と外国籍の人とが連帯して闘っていけるかどうかで、日本社会がこの先、本当に人間尊重の社会に育っていけるかどうかが決定づけられるだろうと見ています。
そして、連帯の動きは、上で紹介した日本人女性だけではなく、各地域でいろいろ始まっているようで、京都新聞でも滋賀での動きが紹介されていました。(ウェブでは読めない!(;<>;)/)
こうした連帯の動きをどう増やして、どう広げていけるか。
重大な局面が始まろうとしている、そんな予感がします。
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派遣切りの嵐に立ち向かう人びと、とりわけ外国人労働者への「連帯」を表明すべく、12月21日、浜松市で行われたJMIU(全日本金属情報機器労組)静岡西部地域支部)主催のデモに参加してきました。
困ったことに、当時は風邪にやられておりまして、喉が痛いわ口内炎がズキズキするわで、シュプレヒコールを上げるのも力が余計にいったのですが、無事完歩でき、ほっと一息といったところです。
デモの光景は、NHK全国ニュースでも放映されたようですし、出発前の集会の模様もやはりNHKのBSニュースでも放映されたようです。
●外国人労働者 派遣切りに抗議デモ 子ども退学相次ぐ(NHKニュース)
●JOBLESS FOREIGNERS' RALLY(←失業者だけが参加していたわけではないのですが、このタイトル。NHKニュース英語版)
前者は、子どもの就学の問題なども取り上げてくれていて、お薦めです。
それにしても、こんなに注目を浴びるのなら、うさちゃん騎士団の「Solidariedade(連帯)」の旗を持って行ってればよかったかも。ウ〜ン、シクジッタゼ(-_-;)。
ちなみに上のニュースで「団結する労働者は断固屈しない」と訳されているのは、
「Trabalhador unido jamais sera vencido!」
というポルトガル語で、カタカナ表記をするなら、「トラバリャドール ウニード、ジャマイス セラー ヴェンスィード!」となるでしょうか。
リズムが良いうえに韻を踏んでいて、しかもブラジル人参加者が多かったこともあって、日本語の他のシュプレヒコールよりもはるかに皆、力のこもった声が上がっていました。私も力が入りました。
デモには総勢250名ほどが参加していたようで、出発前の集会は、日本語とポルトガル語のバイリンガル+スペイン語で行われていました。問題だらけの外国人集住都市会議なんかよりよっぽど共生への意識が強いよなあと、感心させられました。労働条件、雇用を守るという一点で人が結びつこうとしている場と、公権力を行使するマジョリティ側がマイノリティを管理しその一部を排除するための根拠づくりの場と、その違いなのでしょう。
他に、民間ジャーナリストが撮影したものでしょうか、字幕も解説もありませんが、こんな映像もあります。
●Crise no Japão - Hamamatsu 2
中には私が映っちゃってる映像もありますが(変装中)、お気づきの方はご笑覧の後、どこに私が映っているかなどは、いろいろ事情がありますので、どうかご内密にm(_ _)m。
あと、映像ではちょっと憔悴していますが、今は風邪も治ってお肌つやつやに回復しつつありますので、どうかご心配なさらずにm(_ _)m。
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ここらでJMIUのデモ直後の活躍について、しんぶん赤旗の記事をどうぞ。
派遣先が直接雇用/浜松・日系ブラジル人 労組結成を力に(しんぶん赤旗、2008,12,23)
さらに以下では、数社の新聞報道から、参加者の声を拾いつつ、コメントというか解説というかを挟んでみます。
外国人労働者がデモ行進、浜松 国や企業に雇用の保護求め(47NEWS(共同通信)、2008.12.21.17:42)
景気の低迷から製造業で派遣労働者の解雇が相次ぐ中、日系ブラジル人を中心とする外国人労働組合が21日、浜松市の繁華街で、国や企業に外国人労働者の雇用を守るよう求めるデモ行進を行った。
トヨタ自動車やスズキの系列工場を抱える静岡、愛知、岐阜、三重などから約250人が集まり「派遣切りをやめろ。生活支援しろ」と日本語で訴えた。
愛知県小牧市のブラジル人で日系2世のモイザス・ディアス・ミズキさん(49)は「私たちは使い捨てにされているが、合法的に日本で働き、税金も払っている。日本人と同じような待遇にしてほしい」と話す。
浜松市中区の西部地区労連によると、同労連が受けた労働相談は、9月から急増。9割が日系ブラジル人という。中安俊文労連相談所長は「日本語ができない外国人労働者は、会社に抵抗できないため、真っ先に解雇される傾向がある。実態を訴えていくべきだ」と話している。
浜松はブラジル籍住民の多い地域ですから、9割が日系ブラジル人からの相談、ということになったのだと思いますが、もちろん他の国籍の人たちも、同じように派遣切りのツナミにさらされています。
デモには愛知や岐阜、三重から参加した人もいて、もちろんペルー国籍の人や他の南米諸国出身の人も参加していました。出発前の集会では、ペルー国籍の参加者が、ブラジル人だけでなく中国人や他の国籍の人たちとも連帯の輪を広げていくべきだと訴え、拍手で賛同を受けていました。
雇用確保訴え外国人がデモ=「非正規切り」急増で−浜松(時事ドットコム、2008.12.21.19:05)
製造業の非正規従業員削減が急増する中、失業した外国人労働者らが21日、浜松市中心部で、企業や政府、地方自治体に雇用維持や住宅確保などを訴えるデモを行った。主催者によると、静岡、愛知、岐阜、三重の4県から約250人が参加した。
浜松市には自動車関連工場などが集中し、外国人非正規従業員も多い。デモには現在は職があるが、将来に不安を抱く外国人も参加。「企業は雇用を守れ」「企業は社宅から追い出すな」などと書いたプラカードを掲げ、「政府は解雇をやめさせよ」「生活支援せよ」と声を上げ、約1時間にわたり行進した。
岐阜県垂井町から来た日系ブラジル人男性(45)は「派遣やパートも社員と同じように頑張っているのに、簡単に切られるのは人間じゃないと言われているのと同じ」と語った。3カ月前に自動車部品工場の職を失い、JR浜松駅前で野宿する日系ブラジル人男性(43)は「とにかく仕事が欲しい」と訴えた。
この記事中の「デモには現在は職があるが、将来に不安を抱く外国人も参加」に関して、出発前の集会でのJMIU副中央執行委員長の挨拶に、次のような一節がありました。
重要なことは、解雇を通告された労働者だけが危機に直面しているのではないことを、私たちは理解しなければなりません。この攻撃は、全ての外国人労働者にかけられた攻撃であり、全ての労働者にかけられた攻撃なのです。
Temos que entender uma coisa muito importante. Não são apenas os que foram cortados que estão sob perigo. O que está acontecendo é uma investida contra todos os trabalhadores.
追加するなら、人の尊厳に対してかけられた攻撃である、私ならそう言うでしょうか。労働者だけでなく、もっと広く、すべての人が連帯して立ち向かうべき事態だと考えるからです。
続いて、毎日新聞の報道です。ここでは広島地方の情報も添えられています。デモ当時、ホームレスになっていた(今もそうでしょうか)ブラジル人のコメントも掲載されています。
派遣切り:真っ先に影響、外国人労働者 浜松や広島で訴え(毎日新聞、2008.12.22)
自動車産業や電機産業を中心に派遣・請負労働者といった非正規社員の人員削減が続くなか、日系ブラジル人をはじめとする外国人約3万人が住む浜松市で21日、雇用継続を訴える今不況下で初のデモがあった。非正規社員のうち、言葉が不自由なため真っ先に影響を受ける外国人労働者。突然、理由も不明確なまま訪れる「派遣切り」の実態を訴えた。
デモに参加した日系ブラジル人のセイチ・トメ(43)さんは5年前に単身で来日。愛知県豊橋市や長野県佐久市などで働き、同県飯田市にあるレタスやピーマンの栽培農家へ移った。だが、約3カ月前に解雇され、就職先を求めて、外国人が多く住む浜松市にやってきた。
「浜松ならすぐに仕事が見つかるだろう」。そんな思いはすぐに打ち砕かれた。自動車やその関連産業も不況の波が襲っていた。10月からはとうとう、JR浜松駅前の地下道で寝泊まりする日々だ。
洋服を何枚も着込み、日系ブラジル人の僧侶にもらったという寝袋をかかえたまま、デモに参加した。1日の食事はパンとコーヒーだけ。「ブラジルの人材派遣会社にあと70万円を送金しなくてはならない。それまでは帰れない。何でもいい、仕事がほしい」とつぶやいた。
12月に入り、勤務先の静岡県湖西市の自動車部品工場で同僚40人が解雇されたというブラジル人のフェレイラ・ジルさん(32)は「自分はまだ仕事があるが、いつ解雇されるか分からない。そのときに備えて労働組合に入った」と話す。
13歳の息子がいるブラジル人のメロウ・ブラジミルさん(36)は1カ月前、同県磐田市の自動車部品工場で、夫婦そろって雇用を打ち切られた。「帰国するのは簡単。でも今、ブラジル人社会に自分が何か役立てないか。もう少し日本で頑張ろうと思っている」と話していた。
この日、浜松市中区の公民館でデモに先立つ集会が開かれ静岡、愛知、岐阜県などから外国人を含む約200人が参加した。「企業は雇用を守って」「政府は雇用の創出を」などを盛り込んだアピールを採択、今回の不況で職を失った外国人労働者が状況を説明した。その後、JR浜松駅周辺を約1時間にわたりデモ行進した。【平林由梨】
◇広島では相談会 行政支援も言葉の壁
広島市安芸区で21日「派遣切り」などで職を失った日系南米人の相談会が開かれた。「日本が人手不足だった時、呼び掛けに応じて来日したのに。日本政府も会社も無責任だ」と憤る声も聞かれた。
組合員約150人のうち約100人が外国人労働者という同市の労組「スクラムユニオン・ひろしま」が、ポルトガル語が出来る組合員を配置して公民館で開いた。相談に訪れたのは15人で、大半が自動車メーカー、マツダ(本社・広島県府中町)など自動車産業の下請けや関連会社で派遣社員として働いていた。
15人は大半がブラジル人でペルー人もおり20~50代。片言の日本語で「仕事がなくなったら、どう暮らせばいいのか分からない」などと訴えた。派遣会社から説明がなく「雇用保険を受け取れるのか」と聞く人や、派遣会社から労働契約書を受け取っていない人もいた。
同県には約5200人の日系ブラジル人や日系ペルー人らがいる。「派遣切り」対策で行政は12月から、離職者向けに住宅あっせんなどの支援を始めたが、応募のビラが読めないなど言葉の壁があり外国人労働者まで届いていないという。【上村里花】
人材派遣会社に借金をして日本にやって来る、そんなシステムもあったんですね……。
また、派遣会社から労働契約書を受け取っていないケースがあるなど、派遣業界の闇がうかがえます。その背後には、派遣労働者を使うことで莫大な利益を上げてきた大手メーカーがあるわけですが。
この種の話については、
「デカセギ15年、家も職もなくした」(日系ブラジル人差別)(タカマサのきまぐれ時評2、2008.12.13)
が厳しく批判してくれています。
また、関連するこんな記事も見つけました。
ブラジル人派遣社員、口頭で「クビ」 契約書は会社所持(asahi.com、2008.12.18)
不況のあおりを受け、日系ブラジル人の派遣社員がいきなり解雇を言い渡されるケースが相次いでいる。日本語や法律知識の不足という弱い立場につけこまれ、雇用契約書すら渡されていない人も多い。
06年2月から勤めている岐阜県内のトヨタ系の自動車部品工場に出社すると、タイムカード機の前で派遣会社の担当者が待っていた。「仕事はここまでです」。1カ月後の「11月17日」の日付が入ったメモを渡された。
岐阜県可児市の日系3世、ナカツカサ・ホナウド・ゴンサルベスさん(33)は工場内にいた同僚に「その日でクビということだ」と教えられた。昼休みに「ワタシ、クビ?」と担当者に確認すると「仕事が減ったから、あなたはクビです」と告げられた。
この工場で働く父親のナカツカサ・ミルトン・シズオさん(56)を頼って来日した。時給は1250円だった。その父親も、すでに10月にクビになった。
2人とも就業条件を記した雇用契約書にサインはしたが、労働基準法に違反して、契約書は派遣会社が所持したままだった。言われるままに辞めるしかなかった。
「別の会社を紹介してと派遣会社に何回も頼んだが、『待ってくれ』と言われただけで、後で連絡はなかった」
愛知県豊橋市に住む日系2世のブラジル人男性(56)は、勤めている田原市の乗用車部品工場の派遣の仕事を27日に失う。
11月、この工場に派遣されて4年目に入った。労働者派遣法で工場側は男性に直接雇用を申し出なければならなかったが、男性は「そんな権利があるとは知らなかった」。
■厚労省「指導しきれぬ」
全日本金属情報機器労働組合(JMIU)の愛知支部によると、解雇などによって8月から11月末までに支部に相談に来て組合員になったブラジル人約200人のうち、半数ほどがホナウドさん親子のように雇用契約書を派遣会社から渡されていなかった。中には契約書自体がなく口約束だけで雇われた人もいた。
支部の大平敞也副委員長は「契約書には有給休暇や社会保険、雇用保険の加入なども記されている。コスト減らしのために労働者の権利を知らせないのだろう」と話す。
愛知県のある派遣会社の経営者は「同種の仕事でもブラジル人同士の時給が違うことがある。不平を言われないように、要求されない限り書面を出したくないこともある」と取材に語る。
雇用契約書を労働者に渡さない場合、労働基準法で30万円以下の罰金となるが、行政指導で終わっているのが実態だ。「小企業の経営者には労働条件の明示義務があることも知らない人も多い」(厚労省労働基準監督官)という。
また、厚労省は派遣会社に対し、外国人労働者が理解できる書面で労働条件を明らかにするよう雇用対策法に基づく指針で求めている。しかし、これも「規模の小さな派遣会社の違反まで指導しきれないのが現状」(同省外国人雇用対策課)という。
日系人のアンジェロ・イシ武蔵大学准教授(移民論)は「労働力として頼ってきた企業が手のひらを返したように、弱い立場の外国人を真っ先に切っている。外国人は苦情を言わないと考える経営者も多いのだろう」と指摘する。(荻野好弘)
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共同通信と時事通信、毎日新聞の上記記事では、デモを主催した全日本金属情報機器労働組合(JMIU)の名が出ていません。字数の関係なのでしょうか。以下は、その名の出ている二つの記事です。
浜松で外国人労働者250人がデモ 安く働かせ、もうけて…切り捨てるな(中日新聞、2008.12.22)
「不況の責任を背負わせるな」-。景気悪化に伴い、製造業を下支えしてきた外国人労働者らの相次ぐ「切り捨て」をストップさせようと、外国人労働組合のメンバーらが21日、浜松市中区海老塚の南部公民館で集会を開き、同市中心部をデモ行進して窮状を訴えた。
全日本金属情報機器労働組合の外国人労働者部会が主催。トヨタやスズキなどの関連企業が多い静岡、愛知、三重、岐阜の東海4県から、在日ブラジル人ら約250人が参加した。
デモ行進では、プラカードなどを掲げて、同公民館から遠州鉄道第一通り駅=同区田町=まで約1・5キロを「安い賃金で働かせ大もうけしながら、簡単に解雇するな」などと日本語で声を合わせながら練り歩いた。
これに先立つ集会では、約2カ月前に派遣会社の解雇通告を受けた日系ブラジル人マツオカ・フェルナンドさん(43)=磐田市=らが体験を報告。マツオカさんは4年半登録していた派遣会社に解雇されて組合に相談し、派遣先の企業に訴えて契約社員に採用された経緯を話した。
3カ月前に会社を解雇され、別の企業に再就職したばかりの日系ブラジル人二世の派遣社員(58)=同市浜北区=は「失業した時は頭が真っ白になった。今後は集会での意見を参考に、権利を主張したい」と語った。
浜松市中区上島の全労連静岡西部地区労連によると、同労連が受けた労働相談は9月から急増。9割が日系ブラジル人という。中安俊文・労連相談所長は「日本語ができない外国人労働者は、会社に抵抗できないため真っ先に解雇される傾向がある。実態を訴えていくべきだ」と話した。
「安い賃金で働かせ大もうけしながら、簡単に解雇するな」には、深くうなずかざるを得ません。
先日、日本共産党の志井委員長が、トヨタに派遣切りを止めるよう申し入れをして、それに対する「内部留保を取り崩してまで派遣期間社員(の雇用)を守ることはできない」との回答をテレビニュースで観たときの怒りが、思い出されます。いったい誰から何を搾り取って、その内部留保を築いたのだ、と。そして、こんな会社、こんな業界を柱にする経済システムを築いてきた日本政府に対しても、はらわたが煮えくり返るのを感じました。
【関連ブログ】共産、トヨタに大量解雇の中止撤回を申し入れ/会談後の記者会見【YouTube/共同通信ほか】(どこへ行く、日本。(安倍、福田と二連続投げ出しの後は麻生が継いだ。投げ出す間もなくすぐにお払い箱かと思ったら…)、2008.12.25)
また、全労連・組織局長の集会へのメッセージが、思い出されます。よく言われる言い回しなのかも知れませんが、印象深かった一節です。
いまこそ労働者・労働組合の出番であり、「労働組合に入れば社長と対等」です。労働者の連帯で違法・不法な攻撃にストップをかけようではありませんか。
Agora sim é hora do trabalhador, da união sindical. Ao se ingressar no sindicato, o trabalhador pode negociar de igual para igual com o empregador. Através da união, vamos colocar um basta nessas dispensas ilegais.
最後は、読売新聞静岡版です。
外国人解雇撤回デモ 非正規250人参加(読売新聞静岡版、2008.12.22)
派遣労働者などとして働く外国人の解雇・契約打ち切りに反対する集会が21日、浜松市中区海老塚の南部公民館で開かれ、国や自治体が雇用を守る施策を早急に講じるよう求めるアピールを採択した。集会後、外国人労働者たちは解雇撤回などを求めて市内をデモ行進した。
集会は、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)外国人労働者部会が主催。浜松市などで派遣や請負など非正規労働者として働く外国人ら約250人(主催者発表)が参加した。
集会では、浜松市内の自動車部品工場で派遣労働者として働いていたブラジル人が今年10月に労働組合を結成して会社側と交渉し、直接雇用を実現した――などの事例が報告された。
集会後、参加者は市内の住宅地や繁華街を1時間にわたってデモ行進。日本語とポルトガル語で「外国人労働者切りを許すな」と書かれた横断幕を掲げ、「住宅を確保せよ」などと訴えた。
湖西市の自動車工場で請負労働者として働いていたものの、12月27日で契約解除を通告され、会社側と団体交渉を続けているというブラジル人の男性(29)は、「妻と4歳の子供がいる。日本で暮らし続けるため、何としても解雇を撤回させたい」と話していた。
住宅確保と言えば、知人の知人の知人が失業して途方に暮れていたところ、遠方ではありますが雇用促進住宅への入居が決まり、その近くでひとまず職を見つけることができたと聞きました。
雇用促進住宅の活用については社民党が提案してふんばり、実現にこぎつけてくれました。
非正規労働者の雇用・解雇実態の調査・予測についても同様です。
志井委員長のトヨタへの申し入れもそうですが、左巻きの風、やはり起こしていくべき、強めていくべきだよなあとの思いを強くして、今日はやはりこのリンクで記事を締めくくりたいと思います。
跳べ!走れ!!ラテンの猫ちゃんたち!!!「社民・共産TBP」へ、うさトラックバック!(2008.10.15)
←イヤな風邪に、うさキック!
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