2008.10.20.23:00ころ
私、
あのシビリアン・コントロールがどこまで効くのかさえ怪しいあの武装組織を、
あの人権や人道とかどこまで理解しているのか、どこまで重視しているのか怪しいあの武装組織を、
あの針路上の漁船も見つけられずクジラも潜水艦も区別できないあの武装組織を、
要は旧大日本帝国軍の悪弊をそのまんま継承しちゃってるとでも評する他ないあの武装組織、つまりいわゆる自衛隊を国家機関として存続させるうえで今、緊急に必要不可欠なのは、内部の綱紀粛正と言いますか、組織モラルの作り直しと意識の刷新だと思っています。
膿を出し切ってやり遂げるのには、20年くらいかかるかも知れません。そのついでに、少しずつ、国際救助隊への改編を進めつつ東アジア地域での軍縮を促進し、並行して、ICCの活動に一層の実効性を持たせるための支援体制づくりに知恵や資金を出し、全地球的な「法の支配」確立とそれによる「戦争」「武力紛争」抑止に貢献していく、というのが個人的な希望です。
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ですが、上で書いたようなことより自衛隊を海外派兵することを優先する人たちが、次期政権与党の可能性の大きい民主党の中枢には少なからずいるようで、私の希望、この点については叶いそうにありません(;<>;)。
海賊対策 鳩山民主幹事長、「海自活用を民主政権で積極検討」(産経ニュース、2008.10.18)
民主党の鳩山由紀夫幹事長は18日、広島県呉市で記者会見し、海賊対策での海上自衛隊の艦艇活用に向けた新法に理解を示した上で「選挙前にするいとまはない。政権交代の暁に、積極的、前向きに検討する」と述べ、次期衆院選後の民主党政権で制定が課題になるとの認識を示した。
鳩山氏は「日本の船だけでなく、海外の船を守るのであれば、法律の制定は必要だ」と述べた。
海賊対策に海自艦艇を活用する案は、17日の衆院テロ防止特別委員会で、民主党の長島昭久氏や浅尾慶一郎「次の内閣」防衛担当が提起。麻生太郎首相は答弁で「検討させてもらう」と述べていた。
民主党は、新テロ特措法に基づき海自がインド洋で米軍艦船などへ補給活動を行っていることは「憲法違反だ」(小沢一郎代表)として反対しており、民主党政権が誕生すれば補給活動を停止する見通し。だが、それだけでは「テロとの戦い」から撤退したと内外から批判され、対米関係も悪化する恐れがある。
鳩山氏の発言は、長島氏らの提案を、補給活動をやめても自衛隊による国際貢献を続けられる方策とみなしたものといえそうだ。
また鳩山氏は会見で、ダガーナイフなど両刃の刃物の所持禁止に向けた銃刀法改正と、父が認知すれば日本国籍を取得できるようにする国籍法改正については「短期間に結論が出せるものであれば許容範囲だ」と述べ、今国会での成立を図る方針を明らかにした。
最後の一文は嬉しい知らせです。しかし、日本政府は日本領海での海賊対策をしっかりやって、他の海域については軍隊派兵以外の海賊対策支援策を考えるとか、そんな方向へ創造力を働かしてほしいものです。
国際貢献と軍隊派兵とが必ずしも結びつかないことは、今年のノーベル平和賞が証明してくれていると思いますし、なんで「自衛隊を使った国際貢献」(←産経記者推測)なんてものに固執せねばならんのか、わけわかりません。あまりにいびつで窮屈な思考様式です。
それに、ソマリア沖で、実は米軍支援活動なんてやられた日には、いったいどうやってそれを察知し、止めることができるんでしょうか。
今の給油だって、実は目的外のイラク空爆に使われてる、なんていう話もあるわけですし。
次は、1年ほど前のニュースですが、同様の話が先日の国会質疑でも出たとNHKニュースでちらと聞きました。ウェブでは確認できずにいるのですが。。。
民主浅尾氏、停戦合意後の自衛隊のPKO派遣も(産経ニュース、2007.10.20)
民主党の「次の内閣」で防衛担当を務める浅尾慶一郎参院議員は20日、日本記者クラブでの討論会で、アフガニスタンでの全紛争当事者の停戦合意が成立すれば、国連平和維持活動(PKO)協力法による自衛隊派遣があり得るとの考えを示した。さらに、民主党が検討中の新テロ対策特別措置法案への対案について「自衛隊派遣を100%否定するものではないが、掃討作戦など戦闘行為に参加するものにはならない」と述べた。
また浅尾氏は、対案は今月末にも決定するが、今国会の会期が大幅延長されなければ法案化作業が間に合わないため、要綱作成にとどまるとの見通しを示した。
全紛争当事者の停戦合意って言いますが、浅尾議員、紛争当事者に日本政府を含めて考えてるのかなあ……。
暴力を振り回す「テロとの戦い」が生んだ愚かしき「2006年入管法改定」の影響を、家族や友人たちがもろに受けていますので、私などは日本政府の「紛争当事者性」をしみじみと感じているのですが。
ともあれ、アフガニスタンで停戦合意が成立する日は、意外と近いのかも知れません。アメリカ政府がタリバンとの和解を探っている、なんて情報も出て来ていますし、末尾で挙げる共産党の赤嶺議員の国会質疑にあるように、カルザイ政権もそっちの方向に活路を探しはじめているようですので。
ブッシュ政権にとっては、武力による意志の貫徹、その挫折。カルザイ政権にとっては、和解による国づくりへの模索の始まり、というところでしょうか。
となると、民主党政権下での自衛隊のアフガニスタンPKO派兵もありうるぞ、と覚悟すべきところですが、はたしてそんな事態を実現させて良いものかと考えたとき、たとえ上で書いたような綱紀粛正や意識改革が実現できていたとしても、私には「否」と答えるしかありません。
綱紀粛正や意識改革は自衛隊や防衛省内部の問題ですが、それだけでなく、日本政府、そして日本の「主権者」自身が、「テロとの戦い」に名を借りたアフガニスタン侵攻に加担して大勢の無辜の命を奪ってしまったという事実をどう考えるのか、しっかり議論してからでないと、かの国の人びとに合わせる顔なんかないんじゃないの、軍隊送るなんてトンデモないぞと、重苦しい落ち着きの悪さを感じるからです。
だって、いくら停戦合意があったとしても、いくらアフガニスタンの人びとが望んでいるのは「油ではなく水」だとしても、いくら国連ミッションの衣をまとったとしても、日本政府がアメリカ軍によるアフガニスタンでの軍事作戦(たしか、タリバン政権がオサマ・ビン・ラディンをかくまってるのが許せんというのを口実に、空爆・侵略をやらかしたんですよね。そんな論法が通じるのなら、フジモリ元大統領をかくまっていた日本政府が許せんというのを口実に、ペルー軍が日本への空爆・侵略に乗り出しても文句は言えなかったはずです。)に賛同したこと、実際に展開されたのがアフガニスタンでの民衆虐殺だったことを考えると、自衛隊派兵がかの地の人たちの目にはどう映るのだろうかと、暗澹たる気持ちになります。
まずはあの暴力への「賛同」のオトシマエを、「テロとの戦い」の手段として「暴力」という最低最悪の愚かしき手段を選んでしまったことのオトシマエを何がしかの形でつけてからでないと、かの地の人びとと真っ当で対等な人間関係が結べるわけはないじゃないの、結局、昔ながらの植民地主義的な人間関係、国家関係が新たにつくられるだけじゃないの? と、はなはだ後ろ向きな気分に襲われてしまうのです。
【関連サイト】
アフガニスタン国際戦犯民衆法廷
そんな人間関係、国家関係は結びたくないし結ぶ必要もない、なんていう政治家さんはたぶん少なくないんでしょうが、そういう関係を希求しない人たちに、いったいどうやって格差是正とかテロの根源の貧困と闘うだとか、そんなことができるのかいなと、激しく疑問です。
それに、いくら「法律」で許されようとも、道理も仁義も欠いた行動を展開する国家がその内に住む人を幸福になどできないと思いますし、その外に住む人から真の友人として受け入れられることもないと思います。内にも外にも、無自覚なまま不幸をまき散らかす国家になってしまうのが、関の山ではありますまいか。
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ところで、上でちょっと触れましたが、アフガニスタン情勢の変化に関して、「しんぶん赤旗」に興味深い記事が掲載されています。
テロとの戦いには「政治の増派」をって、真理だと思います。
【論戦ハイライト】国際社会の変化検討したか 赤嶺議員/麻生首相 基本的に歓迎、戦争には固執/衆院テロ特別委(しんぶん赤旗、2008.10.18)
日本共産党の赤嶺政賢議員が十七日に衆院テロ特別委員会で行った追及は、報復戦争の行き詰まりを認めながらも、あくまで戦争支援に固執し続ける日本政府の危険な姿勢を浮き彫りにしました。
最悪の事態招く
赤嶺氏はまず、与党と民主党が、委員会質疑を二日間とし、二十日採決まで合意していることに対し、「解散をめぐる政局のかけひきで、憲法九条にかかわる重大法案審議をないがしろにすることは断じて許されない」と述べ、徹底審議を強く求めました。
その上で、テロ報復戦争の七年間を経たアフガニスタンでは、今年一―八月の民間人死者数が、昨年同時期比で四割も増えていることを指摘しました。
赤嶺 アフガンの治安は今まさに最悪の状況になっている。そういう認識はあるのか。
麻生太郎首相 アフガンの(治安)情勢は激化しているという認識を持っている。
首相も、アフガンの治安の劇的な悪化を認めざるをえません。問題は、なぜそういう事態が起こっているのか、です。
赤嶺氏の追及に首相も「テロの温床になっている貧困問題を含めて、いろんな問題はある」としつつ、「外国軍隊がいなくなれば、すべて(の問題)が終わるのか」と述べ、あくまで報復戦争を当然視する立場を示しました。
赤嶺氏は、七月に米軍ヘリがアフガン東部で結婚式会場を空爆し、女性や子どもを含む数十人の死者を出した事例などを示し、米軍主導の戦争が新たな憎しみと暴力の悪循環をつくりだしていると告発しました。
「政治の増派」を
こうした報復戦争の行き詰まりの中で、アフガンのカルザイ大統領は、タリバンの指導者オマル師に対話を呼びかけ、実際に九月からに和解交渉が始まりました。
国連のアフガン特別代表のカイ・エイデ氏も、「軍事的勝利はありえず、政治的手段で勝たなくてはならない」と述べ、「軍の増派」ではなく、「政治の増派」=政治交渉を強める方向への切り替えを求めています。(十月六日)
赤嶺氏は「こうした国際社会の変化を検討したのか」とただしたのに対し、首相は「(和平に向けた)感じが出てきたことには基本的に歓迎したい」といわざるを得ませんでしたが、給油活動をあくまで継続する考えを繰り返しました。
そこで赤嶺氏が示したのが、米保守系シンクタンク・ランド研究所の報告書です。一九六八年から二〇〇六年にテロ勢力が活動を終えた理由の43%が政治解決で、軍事作戦の成功はわずか7%にすぎないことを明らかにしています。
赤嶺 戦争でテロは解決しない。総理が「歓迎」した和平交渉を後押しすることが大事だ。
首相 戦闘行為だけで、ことが進まないというのは、はっきりしている。
報復戦争の限界を認めるところまで追い込まれた首相。赤嶺氏は「歴史の経験が、何を教えているのか、はっきりしている。戦争でテロはなくせない」と重ねて指摘しました。
戦費負担やめよ
最後に赤嶺氏がとりあげたのは、米国からの戦費負担要求です。
七月に来日したウィルクス米国防副次官補が、日本側に五年間で最大二兆円もの負担を求めたと報じられています。
赤嶺 米側がお金をよこせというなら、検討の余地があるのか。きっぱり断るのか。
首相 アメリカが、あーしてくれ、こーしてくれと言ってきたことはない。アメリカは、日本が自主的に決めるべきことだという点で一貫している。
赤嶺氏は、二千五百億円以上の「思いやり予算」、三兆円に達する在日米軍再編経費に加え、戦費負担まで拒否しようとしない政府に対し、「絶対に認めるわけにはいかない」と批判しました。
それにしても国会質疑の翌日に、共産党議員の質疑についてコンパクトにまとめてウェブでも紹介しちゃうって、さすが共産党だなあと感心します。
一方、民主党のこの件についての危うさは、アフガニスタン以降にも尾を引いていきそうで、なんとも不吉な悪寒がします。
ひょっとして、アフガニスタンの人びとの窮状を利用して、いつでもどこでも武力行使ができる国への方向転換が画策されているのではありますまいか。
新テロ法延長案審議始まる 自民・民主 恒久法で同歩調(しんぶん赤旗、2008.10.18)
衆院テロ特別委員会で十七日に行われた新テロ特措法延長案の審議で、自民党と民主党は海外派兵の恒久法などで同調し、憲法破壊の「大連立」が進む危険を示しました。
自民党の小池百合子議員は質問の冒頭で、「昨年のこの時期は衆参で百時間かかったが、今年は一転して、『一日も早く一時間でも早く結論を出そう』という協力を野党からもいただいている」とのべ、審議への民主党の協力姿勢を「歓迎」しました。
小池氏はまた、自衛隊海外派兵のための恒久法整備を強調。麻生太郎首相が「有意義だ。野党にもご理解いただきたい」と求めたのに対し、民主党の「対案」提出者、犬塚直史参院議員は「民主党は国連の平和活動を担保する恒久法論議を否定しない」とのべました。
自民党の中谷元議員は、民主党の小沢一郎代表が昨年秋、雑誌に発表した論文で、アフガニスタン国際治安支援部隊への参加を表明したことを示し、「海外での武力行使を認め、憲法解釈の変更を認めるのか」と迫りました。
民主党の法案提出者、浅尾慶一郎参院議員は、「(アフガン、スーダンなどで)国連の要請に基づいてわが国の主体的判断のもとに参加する」とし、国連決議があれば海外での武力行使が憲法上可能とする立場を表明。民主「対案」でも早期整備を主張している「恒久法」の中に、こうした「憲法解釈」が反映されるとのべました。
中谷氏が、「国会には憲法審査会が設置されており、小沢氏が憲法についての議論をのべるなら、憲法審査会をどうするか」と質問。浅尾氏は「憲法審査会は国会の定めに従って粛々と進めるべきだ」と答えました。中谷氏は「一刻も早く審査会をつくり中身の議論をしよう」と呼びかけました。
さらに中谷氏は、民主「対案」で武器使用基準が緩和され「任務遂行型の武器使用」を認めていることについて、「民主党がこういう判断をしたことを評価する」とし、「憲法違反ではないと確認してよいか」と尋ねると、浅尾氏は「現憲法の枠内のものだ」と応じました。
民主党の長島昭久議員は海賊対策として自衛隊艦艇をインド洋に派遣し、民間の船舶をエスコートすることを提案。麻生首相は、「ものすごくいいことだ。政党間協議をしたい」とのべました。
与党 新テロ法案より危険 民主党の「対案」(しんぶん赤旗、2008.1.6)
民主党は昨年末、「アフガニスタン復興支援特別措置法案」を国会に提出しました。与党の新テロ特措法案の「対案」と位置づけるもので、「アフガン復興支援」が主な内容だと主張しています。しかし、実際は自衛隊の海外派兵の恒久法の制定に向けた検討を義務付けるなど、政府・与党案以上に危険な内容です。
派兵恒久法づくり“国連”看板に武力の行使へ
法案は、全五章二十八カ条からなります。一見して異様なのは、わざわざ第五章を設け、「アフガニスタン復興支援」とは関係のない自衛隊派兵の恒久法の早期整備(二五条)を大きな柱として盛り込んでいることです。
小沢一郎代表の強い意向を受けて盛り込まれたもので、「二大政党」合作での海外派兵体制づくりに道を開くという法案の性格が露骨にあらわれています。
二五条では、国際的なテロ防止・根絶を口実に「国際社会の取組に積極的かつ主導的に寄与する」として、派兵恒久法の制定を「速やかに行われるもの」としています。法案は、一年の時限立法ですが、その間に恒久法制定に着手させようというのです。
しかも、恒久法に盛り込むべき基本原則として、国連憲章第七章の軍事行動を含む強制措置に関するものとともに「憲法の下での自衛権の発動に関する」ものが含まれています。“テロ根絶に主導的に寄与するために自衛権を行使する”となれば、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使を意味することは明らかです。いわば立法改憲の強行です。
憲法破壊する最悪の策動
恒久法整備は小沢一郎代表と福田康夫首相の「大連立」論議の最大のテーマでした。国連決議があれば海外での武力行使に参加しても憲法に反しないという小沢氏の“持論”の採用を福田首相が約束したとされています。さらに米国や、外務省関係者からも小沢氏の主張を歓迎する発言が現れています。
国連を“錦の御旗”とすれば、海外での武力行使も許されるという小沢氏の議論は、憲法と国際法を二重にゆがめるものです。国連の安全保障活動であっても、自衛隊の海外派兵はあくまでも「国家の意思」で行われるものです。憲章上の国連軍も「各自の憲法上の手続に従」うこととされています(憲章四三条)。まして、主権国家が自主的に構成するISAF(アフガニスタン国際治安支援部隊)のような多国籍軍やインド洋での海上阻止行動を展開する有志連合軍への参加は、主権の発動そのものです。
憲法は「国権の発動」としての戦争はもちろん、武力の行使・威嚇も禁じており、国連の看板をつけて憲法を踏みにじることは許されません。
憲法九条の下で海外での武力行使に積極的に参加し、集団的自衛権による派兵まで可能にする民主党案は、これまでのすべての派兵法を凌駕(りょうが)する最悪の憲法破壊策動です。
陸自 アフガン派兵
民主党の「アフガン復興支援特措法案」のもう一つの問題は、「アフガン復興支援」を口実に陸上自衛隊の派兵を可能にしていることです。
法案では、自衛隊部隊の派兵は「抗争停止合意が成立している地域」(四条四項)としています。「停戦」や「休戦」といった国際法上の概念と違って、「抗争停止合意」という新たな概念をどう解釈するかは政府次第。イラク派兵のように、「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域」(小泉元首相)という事態になりかねません。
法案発議者の一人は「『抗争停止合意』の存在が前提だから、現状では陸自の派遣は事実上ありえない」と述べます。しかし、法案作成作業チームのメンバーが「合意がなくても自衛隊をだせるのかと聞かれれば、法文上出せる仕組みにはなっている」というように、「抗争停止合意」の存在が自衛隊派遣の絶対の要件ではありません。
活動地域は「抗争停止合意」のほか、活動への妨害行為がないと認められる場合も含まれるからです。これではアフガンの反政府武装勢力タリバンの支配の強い地域を除けば、現状でも自衛隊をアフガンへ派兵することができます。
民主党内からも「陸上部隊を派遣するということの重大さを熟慮していない。皮肉なことだが、自民党のほうがむしろ慎重だ。民主党にも、とにかく自衛隊を出したいという人たちがいる」という声が出されています。
しかも、法案では「抗争停止合意」の前にも「(合意の)形成の支援その他…安全及び安定の回復に資するための措置」ができるとしています。この活動にも、自衛隊が関与する余地があります。
武器使用基準緩和打ち出す
また、自衛隊の派遣に伴い武器使用基準が問題となりますが、「支援活動の実施に対する抵抗を抑止するためやむを得ない必要」があるときに許されるとされている点も重大です(二〇条)。
PKO(国連平和維持活動)協力法・イラク特措法などの現行法では、武器使用を自己やその周辺にいる人の生命防護に限っています。活動への抵抗抑止を名目に武器使用ができるとなれば、憲法が禁じる「武力の行使・威嚇」に道を開くことになります。
海上阻止活動へも
また、第五章の二七条では、インド洋での海上阻止活動への参加について、国連決議の存在を条件にしてその「要否を含めて検討する」としています。
インド洋での海上阻止活動への給油継続を柱とする与党案との接点であり、アメリカのアフガン攻撃(不朽の自由作戦)と一体をなす海上阻止活動への直接参加に踏み込むものです。
民主党の「対案」が呼び水になって、与党の新テロ特措法案とのすりあわせや政策協議がすすむことにもなりかねません。
戦争や紛争は、武力によらず、法と理性、道理と愛とで、抑えこむべし。
あらためて、そう強く思う、秋の魚、じゃなくて、秋の夜長でした。
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