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2008年8月

逝っちゃってる人と、私

2008.8.31.15:00ころ
(2008.8.31.18:00ころ、冒頭に補足リンクを一節、追加しました。)
(2008.8.31.22:00ころ、「水伝騒動」関連の発言リンクに「玄倉川の岸辺」さんのところのを追加し、解説を修正しました(汗))

前々回の記事でも触れた、「9.11陰謀論(自作自演説)」に批判的な人を「解放同盟」だと決めつけてひたすら攻撃しつづけている例の「逝っちゃってる人」、相変わらず突っ走ってますねえ。ついに「在日朝鮮人」にも悪罵をぶつけはじめたようです。

陰謀論と陰謀仮説の違い、それに「逝きし人の面影」(kojitakenの日記、2008.8.31)

以前、逝っちゃってる人が、維新政党・新風の方面の人ではないかと想像したことを、今さらながら思い出してしまいました。少なくとも、あの極右の人たちと似た発想をしているのはたしかなようです。

ところで、上記記事で引用されている、リチャード・コシミズの独立党に参加してる人のブログ(←ややこしいけど重要な情報だと思うのでご容赦ください)での逝っちゃってる人のコメントに、こんなものがあります。

仲@のブロ具名は、解同のスローガンそのもの。(「逝きし世の面影」のコメント)

「仲@のブロ具」とは、当ブログのことでして、同様の発言は実は別の記事中に以前にも書かれてあって、それを「きまぐれな日々」さん経由で初めて見たときには、唖然としつつ苦笑しつつ、

表ブログでもまた「水伝騒動」について書いた(kojitakenの日記、2008.4.19)

にコメントしました。そのときのコメントに特に付け加えることはありません。ただ、ブログのコメント欄まで目を通す人が少ないのは常々実感していますので、以下に引用しておきます。

わわわ、多文化・多民族・多国籍社会で「人として」が、解放同盟のスローガンだなんて、布引氏、言いはじめてるんですね。頭ひねって考えだしたこのタイトルが解同に使われているとしたら、コピー使用料をもらいに行かないと(笑)。

ブログを始めた当時、「多文化」「多民族」を掲げるキャッチフレーズはいくつもあったと思うんですが、たしか「多国籍社会」とか言ってるところはたぶんなかったはず。
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2006/11/post_0cf7.html
の記事を見ると、2006年末時点でもほとんどなかったみたいです。(たぶん今も)

ついでに言うと「人として」は、アニメの『こち亀』でよく耳にした台詞を拝借しただけだったりします(笑)。

また、リチャード・コシミズの独立党に参加してる人のブログ(←ややこしいけど重要な情報だと思うので再度記すこと、ご容赦ください)での逝っちゃってる人のコメントに、こんなものも。

無茶苦茶な理論でも、連中は一度言い出したら、絶対に後には引きません。
どれ程無茶な理屈でも、勝つまで繰り返します。方向転換が出来ないんですよ。
極端に連中は負ける事を恐れています。
(「逝きし世の面影」のコメント)

鏡に向かって悪態ついてるのかと思いました。ブーメラン、本人に直撃(爆)。

【関連記事】
「陰謀論」と平和運動、レイシズム(2007.9.27)
【お願い】地震火災によるビル倒壊を「テロ攻撃」と早合点しないでネ!!(2007.12.12)
情報操作ニヒッカケラレズ、加担セズ、ソンナ自分ニ私ハナリタイ。野望或ハ無謀(2007.12.20)
【京都市長選】「希望」は死なない!(2008.2.18。ここで書いてる、「
先週くらいから、わけわからん「妄想」攻撃を当ブログへぶつけてきてる某ブログ」というのが、逝っちゃってる人のブログです。)
極右と極左と妄想と。そして有村治子参院議員(2008.4.10)
「社会の木鐸」育成計画/解放同盟と人権擁護法案?(2008.8.23)

ちなみに、いわゆる水伝騒動に私が参戦(?)したのは、今年の6月、7月に5月末から7月にかけて、ちょっとだけ、です。しかも、バトルのようなものを展開したのは、先月の「ごん氏」相手だけで、あとは概観や分析じみたものを述べただけ、のはず。

【このあたり】
極左対解同?(たんぽぽのなみだ〜運営日誌、2008.4.12)
幻の謝罪要求(3)  あるいはネアンデルタール人の子孫(玄倉川の岸辺、2008.5.25)
ユー・ドント・ノー・ホワット・やさしさ・イズ(BLOG BLUES、2008.6.11)
見苦しい(非国民通信、2008.7.10)
居酒屋談義その後(たんぽぽのなみだ〜運営日誌、2008.7.12)
絶望の果てから生まれる希望への言葉(2008.7.27)

BLOG BLUESさんところでは他にもコメントを6月以降に書いたのですが、見つけられません(;<>;)。

逝っちゃってる人の言うとおり水伝騒動が解放同盟の攻撃によって引き起こされたものでありしかも私が解放同盟の活動家であるのなら(←経緯を見てきた人なら一笑にふすデマですが)、私は水伝騒動が始まって半年近くもぼーっと眺めていた怠け者の活動家、ということになるんでしょう。

下記2つの請願署名へのご協力、どうかよろしくお願いします。
集約期限は本日まで!!
一筆でもオッケーです。なにとぞ、なにとぞ、よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(国際結婚を考える会、IST請願の会)
重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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R_bana_2←もう9月が目の前(;<>;)。

京都市「夏のネコオフィス運動」を展開中

2008.8.26.08:00ころ

現在、京都市は「夏のネコオフィス運動」を展開しています。

夏バテしがちなオフィス・ワーカーの健康維持のため、オフィスで毎日2回、猫の動きを参考に考案された「ネコ・オフィス運動」に励んでもらうことで、夏を乗り切る体力をつちかってもらおう、という試みです。
「ネコ・オフィス運動」を通して、市民の健康増進はもちろん、さらには医療費削減までも実現しようというのが、京都市の目指すところなのだそうです。

なんとすばらしい企画でありましょうか!? にゃ〜お!!

詳しくはこちらをどうぞ。

……

ごめんなさい!
市バス車内でのアナウンスが、そう聞こえちゃった、そこからのイマジネーションでありました。どうかご勘弁を!!

他にも「エコ偽装」が「ネコ偽装」に聞こえたり、
某商店街のテーマソングの歌詞「ふれあいタウン ○○○♫」が「売れないタウン ○○○♫」に聞こえたり、
聞き間違いにはいろいろあります。

日本語母語話者でさえこんなトンデモない聞き間違えをしちゃうのですから、
そうでない人は、どれほど生活のうえで苦労が絶えないことでありましょうか!?

下記2つの請願署名へのご協力、どうかよろしくお願いします。
集約期限は今月末、あと一週間ありません。
一筆でもオッケーです。なにとぞ、なにとぞ、よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(国際結婚を考える会、IST請願の会)
重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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「品格」の身に付きそうにない私

2008.8.24.19:00ころ

大相撲:黒海の療養中デモ参加に理事長が口頭注意(スポニチ、2008.8.23)

 日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)は22日、グルジア出身の幕内・黒海が都内でデモに参加していた件で、黒海と師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)を厳重注意処分とした。黒海は不整脈の手術を受けるため夏巡業(5~17日)を全休していたが、母国と軍事衝突したロシア大使館前で13日に平和を願ってデモ行進に参加した。北の湖理事長はこの日、追手風親方を東京・両国国技館に呼び、口頭で注意。「気持ちは分かるが、巡業中だ。療養中で何かあってもいけない。師匠がしっかり認識すべきである」と語った。欧州出身力士の新たな不祥事に、追手風親方も「やったことは悪くないが、巡業を休んだのに協会へきちんと報告せずに参加したことはいけなかった」と神妙に話した。

ケガで巡業を休んでいても、巡業実施中は勤務時間中とみなし、治療に直接つながらないことをしない労働契約上の義務を負う、といった意味なのでしょうか。そんな労働契約ってあり??というか、力士と相撲部屋、日本相撲協会の法律関係って、どうなってるんでしょう???

追手風親方の解説を読んでも、なんでこんなことで「厳重注意処分」などというどうやら軽くなさそうな処分をされねばならぬのか、理解に苦しむ私には、たぶん一生、「品格」など身に付かないのでありましょう。残念。

【関連記事】人権ルールを拒む社会、対話を拒否する文化(2007.8.24)

下記2つの請願署名へのご協力、どうかよろしくお願いします。
集約期限は今月末、あと一週間ありません。
一筆でもオッケーです。なにとぞ、なにとぞ、よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

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【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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「社会の木鐸」育成計画/解放同盟と人権擁護法案?

2008.8.23.16:00ころ

(2008.8.23.17:20ころ、この文字色の部分を追加)

「毎日新聞叩き」に反対するキャンペーンを開始します(きまぐれな日々、2008.8.17)
群集心理に動かされて「毎日新聞叩き」をしている人たち(きまぐれな日々、2008.8.19)

興味深い現象が起きているようです。

さまざまな動きがさまざまなタイミングで起きている(起きていた?)ようなので、その全貌について、詳しく論じる余裕はありません。興味がわかない論点もあるようですし。

そんな中で、私がとくに興味を覚えたのは、ふだん外国人に対するレイシズムを煽動する側にいる人たちが、この一件で問題とされている記事群が「日本人に対するレイシズムの煽動だ」として、毎日新聞社に抗議をしているらしいこと、です。おおっ、噴飯もの(-_-;)!

しかも、中には、「毎日新聞の報道によって日本人の名誉が傷つけられたのだから、毎日新聞は日本人である原告に賠償金を支払え」 などと訴訟を起こした者までいるのだとか(こちらのコメント欄をご参照ください)。

マスメディアに対する抗議の方法についてはあれこれ頭を悩ませることの多い私ですが、このような手法、はたして真似するべきなのでしょうか。

思えば、スポンサー企業を経由してマスメディア企業に圧力をかけるのを呼びかける手法は、以前、「従軍慰安婦」の証言を放映した番組に対しても行われていたと記憶しています。あれもたしか、毎日新聞社系放送局の番組でした。(その番組については、こちらの9月6日の項もご参考にどうぞ)。

マスメディアが、政府の「下請け公報機関」と化して、外国人や非正規滞在者に対する差別と偏見を煽りまくるのを受けて、
「こんな新聞やテレビなんか、なくなっちまえ!」
と、毒づきたくなったこと、かく言う私とて、一度や二度ではありません。

しかし、民主主義をきっちり機能させ、政府・権力の暴走を抑えていくうえで、組織ジャーナリズムを担うマスメディアの存在は、やはり不可欠のものでしょう。安易になくなってもらっては困りますので、マスメディア企業を潰すためにスポンサーに圧力をかけるなど、私個人は試みたことはありません。

むしろなすべきは、誤報の訂正を求め、あるいは、差別・偏見を煽る報道姿勢を改めるよう求めること、もっと大きな枠組みで言うなら、「社会の木鐸」としての役割を果たすよう求めつづけることだと思います。その方向で、時にはマスメディア企業に意見を送るなどしてきました。

【関連記事】
しっかりしてくれ!社会の木鐸!!(うきうき書房On-Line)
しっかりしてくれ!社会の木鐸!!2(うきうき書房On-Line)

言うまでもないことですが、当ブログでもさんざん指摘してきたように、マスメディアが流す情報にも嘘が多いです。情報操作がなされていることも多々あります。
それゆえ、ネットユーザーの中に、マスメディアに対する反感を強く抱く人たちが出てくるのも当然でしょう。

かと言ってネットに流れる情報もまた然りでして、マスメディアに流れない真実があると同時に、箸にも棒にもかからないようなショーモナイ情報、デマもたくさん流れています。

たとえば、
極右と極左と妄想と。そして有村治子参院議員(2008.4.10)
で採り上げた、気に入らない相手(とくに、9.11自作自演説を批判している人)はみんな「解放同盟」ということにしてしまう、逝っちゃってる人は、人権擁護法案を、部落解放同盟が組織の命運をかけて推進しているなんて主張していて、その筆致の勢いに私も「そうなのかなあ」なんて思わされていたのですが、その後、AMLで、こんな投稿に出会いました。

http://list.jca.apc.org/public/aml/2008-June/019565.html
http://list.jca.apc.org/public/aml/2008-June/019568.html

それを機に調べてみると、さらにこんなものも。

人権侵害救済法早期制定と法案充実を求めて、部落解放・人権政策確立要求中央実行委員会が開催(松岡とおる 公式ウェブサイト、トピックス 2005.02.23)

そして思い返してみると、わが家の本棚で眠っていた、人権擁護法案への批判本、部落解放同盟の研究機関(?)が出版してるもののようです↓。
『緊急出版 人権擁護法案・抜本修正への提案 どこを、どう、変える?』(部落解放・人権政策確立要求実行委員会・発行)

私、人権擁護法案はもう死んだ(も同然の)法案だと思って、確認せずにいたせいで(昔々、ざっと読んでいたのですが)、いつのまにか、逝っちゃってる人の、「解放同盟」が「人権擁護法案」を推進している、という説(デマ)に、疑念を覚えなくなっちゃってました。自戒、自戒。

ただ、「人権擁護法案を部落解放同盟が強力に後押ししている」という風説、googleで検索した限りでは、けっこう広まっているみたいです。
しかし、「人権擁護法(案)」と「人権侵害救済法」って激しく違ってるもののようですので、名前が紛らわしいのを利用して部落解放同盟あるいは人権侵害救済機関(システム)設置への動きを攻撃するためのプロパガンダを流した(あるいは、流している)者がいるのではないか、というのが、現時点での私の推測です。

「人権擁護法案を部落解放同盟が強力に後押ししている」という風説の論拠がどこにあるのか、出所はどこなのか。ご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えいただけると幸いです。

おっとっと。それた話を一気にもとに戻しましょう。

マスメディアに何を求めるか。
けっこう興味深い、そして考えるに足るテーマだと思います。

私は、上述のように、「社会の木鐸」としての役割をマスメディア企業にいかに担わせるか、それこそが今、重大事だと考えます。

そのうえで、毎日新聞社には、おおいに期待するところがあります。と言うのは、

読売、産経、朝日だけが全国紙として残る状況を想像したら、あまりに恐ろしすぎる! 
(((p(>o<)q))) ギャアアア!!!

ということに加えて、私が購読していた頃、
しっかりしてくれ!社会の木鐸!!2
で書いたような、ちょっと嬉しい記事、嬉しい変化があったことも理由の1つではあるのですが、署名記事とする方針を貫いているがゆえの期待もあるからです。

もちろん、記者本人の意向どおりの形で記事が世に出ないことは、字数や上層部の意向などもあって少なくないでしょうから、そんな記事に署名が添えられるのは不本意だと記者が不満を抱くケースも少なくないでしょう。また、逆に、記者の責任を重視しすぎるがゆえに上のチェックが甘くなり、未熟な記者のトンデモない記事が世に出て、害悪を垂れ流すこともあるでしょう。これらは、署名記事の持つ問題点です。

しかしそれでも、署名記事であるからこそ、どんな記者がその記事を書いているか、読者は知る手がかりを得ることができます。記事の内容を吟味する手がかりが、無署名の記事よりも多い。これはマスメディアの情報を監視しチェックしようとする側から見て、ありがたいことです。
また、署名記事が記者にもたらす重圧は、それを組織がうまくフォローできれば、優秀なジャーナリストを育てることにも資するでしょう。
そしてそれは、そのまま「社会の木鐸」たるマスメディアの成長へとつながっていくはずです。

抽象的な話になってきたので、最後はちょっと具体的に。
私が、マスメディア企業とそこで働く記者たちに求めるのは、具体的には、以下のことです。

妄想やデマに依拠するのではなく、あくまで事実を基礎に、情報を分析し、それを事実と共に記事に載せること。
政府に対する監視の姿勢を厳しく持つこと。
人権、個人の尊厳を基調とする精神を持ちつづけること。
自分たちが流通させる情報の持つ意味の大きさ、影響力の大きさを常に意識しつづけること。
批判から学ぶ姿勢を持ちつづけること。

などでしょうか。この項、追記するかも知れません。

(ちなみに、一連の騒動の中での毎日新聞社の対応についてですが、署名記事を記者に強制しているからには、記事をきっかけとして記者がネット上で誹謗中傷を浴びるようになった場合、会社が記者のために適切な措置をとることは、当然の責務でもあるでしょう。その意味で、毎日新聞社が、ネット・ユーザーの一部の者であれその暴走を受けて、過剰に思われるような反応をしてしまうのは、仕方ないことかなあ、と思います。同時に、もうちょっとネットの一般ユーザーを信用してほしいなあ、とも。難しいのかも知れませんが。)

 

 

下記2つの請願署名へのご協力、お願いします。集約期限は今月末です。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

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重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

 

 

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R_bana_2←秋の向こうは、もうすぐ冬……(((p(>o<)q))) いやぁぁぁ

教研集会vs「妄想」街宣車集団vs警察取締

2008.8.22.12:30ころ

京で教研集会 厳戒  左京、府警2000人動員(京都新聞、2008.8.21)

 教育研究全国集会「教育のつどい」が21日午後から京都市左京区の市勧業館「みやこめっせ」などで開催されるのに伴い、開催に抗議する全国の右翼団体が市内に集結している。街宣車計約180台が会場周辺などを連なって走るとみられ、京都府警は午前中から警察官約2000人を動員して警戒している。

 教研集会は、全日本教職員組合(全教)などの教職員組合や教育団体でつくる実行委員会が主催する。

 府警によると、複数の右翼団体が午前8時から午後5時の間に、街宣車で会場や市役所の周辺などを集団で行進する届けを府公安委員会に提出している。

 府警は会場に街宣車を近づけないように、午前8時から周辺道路で交通規制を行い、市役所前でも機動隊員が警備に当たっている。午前11時ごろには、会場西側の東大路通を約50台の街宣車が大音量で「全教粉砕」などと叫びながら走行した。府警は府暴騒音条例に違反していないか音量を測定した。

 教研集会が京都市で開催されるのは1990年以来18年ぶり。24日にかけて、教科指導の分科会や教育フォーラムが市内の公共施設や大学などで予定されている。

すっげー迷惑でした。バスで移動してるとき、街宣車の行進にぶつかって、普段なら35分程度の行程が1時間もかかり、しかも、

「最近の若者の無軌道ぶり!」「少年犯罪の激増と低年齢化!」「それは、全教のせいです!」

といった趣旨の妄想丸出しの大音量のアピールが、否応なく、押し付けられるわけです。

閉じ込められた車中から眺めていると、中には、「一発の銃弾は百万の言葉に勝る」ってなこと(正確な文言はメモしてませんが)を大書した街宣車なんかも紛れていて、テロ賛美、テロ推奨の一団であることを、これまたアピールしています。

そんな連中が名乗っているのが、「民族派」だそうでして、しかも例によって例のごとく、「日本民族の精神がどーのこーの」と、またわけわからんことをわめきつつ、

「京都の宿泊施設の皆さま、全教の参加者を宿泊させないでください!」

なんてことをお願いしています。

うるさいし、うるさいし、うるさいし、うるさい!!!!!

府警が「府暴騒音条例に違反していないか音量を測定した」って、たぶん一部場所、一部時間だけなんじゃないでしょうか。病院の側でも大音量でアピールするという「非常におおらかな」ケースも見かけましたし。
それに、政治的アピールへの締め付け具合、反戦パレードなんかだともっと強い気がするんだけどなあ。政府批判側のデモなんかも、もっと締め付け、弱くしろよ〜。

教育研究全国集会、何をやっているのか、詳しく知りませんが、テロを賛美し妄想炸裂の発言を繰り返す街宣車集団に攻撃されてるってことは、まっとうな研究集会を実施してるんだろうなあと、応援したくなったバス移動中でありました。

ちなみに、毎日新聞は、教育研究全国集会の内容を、次のように報じています。

教育研究全国集会:子供の人権考える きょうから4日間、左京などで--全教 /京都(毎日新聞京都版、2008.8.21)

 全日本教職員組合(全教)などが主催する教育研究全国集会「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい」が21日、左京区の京都市勧業館「みやこめっせ」などで4日間の日程で開会する。全体のテーマは「憲法の精神に基づき子どもの権利条約を生かし教育を皆の力で作り上げよう」。実行委は「子供の問題は国民の課題。教職員はもちろん、多くの市民の方に参加していただき、教育の質を高める議論をしていきたい」と話している。

 21日は午後1時半から「みやこめっせ」で開会して全体集会があり、茂山あきらさんらが「教育」をテーマとする「狂言ABC」や、井上ひさしさんの講演「憲法について、今どうしても伝えたいこと」など。22、23日は約10カ所で各教科ごとの授業方法や不登校、学校づくりをテーマに29の分科会がある。

 24日は午前10時から市内6カ所で八つのフォーラムを開催し、会場とテーマは次の通り。京都会館会議場(左京区)で「『改訂学習指導要領』で子どもと学校はどうなるの?」▽京大会館(同区)で「これでいいのか!青年の働かされ方」と「貧困と格差拡大で子どもたちは?」▽京都教育文化センター(同区)で「みんなで子どもがかかえている問題を考えよう」▽ルビノ京都堀川(上京区)で「みんなでつくろう、みんなの学校」と「考えよう、私のまちの教育」▽京都アスニー(中京区)で「わたしたちのねがう特別支援教育」▽コープイン京都(同区)で「子どもの育ちと食・農業・環境」。

 無料だが、参加券が必要。実行委(075・762・0107)。

 一方、「みやこめっせ」周辺では開催に反対する政治団体の街頭宣伝車がみられ、17日には府警の警告を無視し条例基準(85デシベル)を超す音量で放送宣伝した容疑で2人が逮捕された。府警は4日間とも警備する予定。

おお、前日には条例違反で逮捕された人物もいたようです。

たしかに迷惑だけど、85デシベルって、昨日車中で聞かされたのより大きいのかな。「警告を無視」っていうのが、状況的には効いてるんだろうけど。体感的には、今イチ、納得いかんです。。。

【関連記事】「プリンスホテル新高輪事件」で考える、東京都知事と「企業の社会的責任」(2008.2.3)

 

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【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
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R_bana_2←朝晩、みょうに冷え込んできました。夏、もう終わりなの(;<>;)?

注釈「不法滞在、どう対応」/【逆転の提言】「労働」資格!

2008.8.19.20:00ころ

前回の記事で批判した、朝日新聞の特集、
【国を開く 選択のとき】不法滞在 どう対応(朝日新聞大阪13版、2008.8.17)。

実は、悪い内容ばかりではありません。そこで、以下に記事を転載し、内容を分析してみます。

制度は 指紋採取でチェック強める

 韓国・ソウルで今年4月、手の指紋を変える手術をしたとして、病院関係者が医療法違反容疑で摘発された。カラオケボックスなどで皮膚の一部を切除し、縫い合わせる手術などを繰り返していたという。依頼していたのは、「指紋を変えれば、日本に入れる」と考えた人たちだ。

 昨年11月から日本のすべての国際空港や港で、入国しようとする16歳以上の外国人(特別永住者を除く)から両手人差し指の指紋を採る制度が始まった。

 これまでは、改名して旅券を新たに作ったり、偽造旅券で入国しようとしたりする人を見分けるのは入国審査官の「カン」が頼りだった。新制度では、過去に強制退去させられた人たちのブラックリストと合致すれば、警報がなる。「効果は予想以上」(法務省幹部)で、今年6月までの7カ月間で515人が入国を拒否された。そのほとんどが、入国禁止期間に入国しようとした人たちだった。

 そのうえ、昨年10月からは、企業に外国人を雇った場合に報告するよう義務づける制度も始まった。

 さらに法務省は、日本に中長期に滞在する外国人に顔写真と名前、在留資格、期限などの情報が記録されたICカードを私、携帯を義務づける入管法改正案を来年の通常国会に提出する予定だ。

 現状では、外国人は来日から90日以内に区市町村を訪れ、「外国人登録証明書」の発給を受ける。入国管理局への届け出とは別で不法滞在者でも証明書は発行され、知らずに企業が雇う場合もある。

 しかし、新制度では法務省がICカードの発行も担うため、不法滞在者には発給されない。同省は「不法な外国人がみつけやすくなる一方で、適法な外国人にとっては、届け出などが一本化され、便利になるはずだ」と説明する。

 半面、不法滞在者は銀行口座の開設などに必要な証明手段がなくなり、公立学校への就学など行政サービスの枠組みからも外れることになる。

社会は 治安悪化に不安、減る容認派

 日本に不法滞在している外国人は、1月現在の推計で約17万4千人。このうち、不法な形で入国したのは約2万4千人、短期ビザなどで入ったまま不法残留している外国人が14万9785人とされる。

 不法残留のピークは、93年の29万8646人だった。80年代後半のバブル景気のなかで「汚い・危険・きつい」の3K職場から日本人が消え、不法滞在の外国人労働者がそうした仕事を担った。

 その数も94年から15年連続で減る。バブル崩壊後、治安回復の観点から不法滞在者を減らす対策が重視されるようになった。03年12月には、不法滞在者と暴力団など犯罪組織が結びついて治安を悪化させているとし、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」に削減対策が盛り込まれた。政府は来年1月事典での不法滞在者を約12万5千人まで減らす計画を進めている。

 バブル景気のころ、不法滞在者を雇っていたという埼玉県内の元工場長は「日本人に務まらない重労働でも、パキスタンなどから来た若者はよく働いてくれた。当時は摘発も厳しくはなく、地域でも半ば公認されていた」という。

 89年に来日し、06年に不法就労で摘発された中国人男性(46)も「家に警察が来たことはあったが、捕まることはなかった。外国人登録証を持っていれば、堂々と暮らしていられた」と言った。

 内閣府世論調査では「不法就労者をどう考えるか」の質問に、90年は32%の「よくない」が、04年は71%に増えた。04年の「よくない」の理由の73%を占めたのは「治安、風紀が悪くなるから」(複数回答)だった。逆に90年に55%だった「やむを得ない」は、25%に減った。

 全統一労働組合の鳥井一平書記長は「政府は、建前では不法だと言いながら、最底辺で産業を支えさせてきた。不法就労者がいるからこそ、成り立つ社会をつくってきたのは誰なのか」と指摘する。

当事者は 合法化される仕組みを切望

 「日本にいられるのか不安で高校受験の勉強にも集中できない」。東京都足立区に住むインド国籍のサニー・ファビオ君(15)は、日本生まれの中学3年生。少年野球チームのレギュラーで、学級委員長も務めたことがある。

 良心は93年、観光ビザでインドから入国。父親のアマルさん(44)は元建設作業員。税金を納め、子どもを公立学校に通わせ、地域の活動にも積極的に参加してきた。

 03年7月、「子には不安的な生活はさせたくない」と、入国管理局に自主的に出頭。在留特別許可(在特)を求めた。しかし、3年後、「不許可」となり、強制退去処分を受け、最高裁に上告中だ。

 在特は、強制退去処分になった外国人に法相の裁量で特別に在留を認める措置。「人道的な配慮の必要性」などが要件だが、基準は不明確だ。「子が中学生以上」との解釈もあるが、ファビオ君は例外になった。結論までの期間も数カ月〜数年と様々だ。

 90年代までは日本人と結婚した場合を除き、ほとんど認められてこなかった。だが、03年以降は許可が増え、06年は9360人に上った。

 法務省は「人道上配慮すべき人が多かっただけ」と説明するが、不法滞在者半減のため、「優良」とされる一部の外国人については在特を与える政策が進んでいる、と指摘する専門家は多い。

 欧米には、在留期間などの条件により一斉に定住を認める「アムネスティ政策」という制度がある。在特取得に取り組む支援団体「APSF」の吉成勝男相談役も「在特の基準を明確化し、生活基盤を形成した外国人を公平に合法化するプログラムに育てていくべきだ」と訴える。

 アマルさんは訴える。「子は日本語しか話せず、心も日本人。見も知らぬ祖国ではなく、日本で暮らしたい」  (市川美亜子、山根祐作)

昨年11月に「テロ対策」名目で導入された「指紋採取システム」が、実は退去強制者の入国拒否に本当の目的があるのではないか。
もしそうなら、目的に比して、採用された手段がプライバシー保護などの問題であまりに苛烈すぎるものではないか、予算的にもバランスがとれていないのではないか。
何しろ、
ブラックリストに指紋情報が載っていないテロリストの入国には、まったく無力なシステムなのだから……。

……そんな疑問が今もあるのですが、この記事では、同システムが「退去強制者の入国拒否」に役立っている旨、法務省幹部の声を通して語られています。

しかし、実際はどうなのでしょうか。
記事では、「改名して旅券を新たに作ったり、偽造旅券で入国しようとしたりする人」が、同システム導入から「今年6月までの7カ月間で515人」、「入国を拒否された」とあり、それが予想以上の効果だと評価されています。

本当に効果が高かったかどうかは、前年度までに同様の理由で入国を拒否された人の数と比較すれば容易にわかるはずですが、残念ながら、記事中で述べられている入国拒否の「理由」がはっきりしません。

入国拒否の理由にはとくにこだわらず、「上陸口頭審理」で「退去命令」を受けた者の数が「7カ月間で515人」だと考えれば、法務省のサイトにある最新のデータ(平成19年版「出入国管理」)では、「上陸口頭審理」で「退去命令」を受けた者の数は、平成18年では1,706人だそうなので、これが上記数字に対応しているとすれば、たいして効果は上がっていないと見ることになります。と言うか、さすがにこの数字は比較対象ではないだろうと推測できます。

そこで、記事中で挙げられている人数は、旅券偽造を理由とする上陸拒否者に限ったものだと仮定して、比較の対象を探してみると、法務省のサイトには見当たりません。

でも、どこかで見たなあ、と探していると、旅券偽造に関する数字は、「入管法改定案に関する国会会議録」にありました。
2006年5月9日、木庭健太郎議員(公明党:公式サイト)による質疑に対して、三浦入管局長(当時)が次の趣旨の説明をしています。
上陸審査時に発見された偽変造旅券の数は、平成15年(2003年)は1561件、平成16年(2004年)は1011件、平成17年(2005年)は834件というふうに推移しており、平成15年以降減少傾向にある、と。

これと比べると、たしかに効果は上がっているようではありますが、何だか微妙です。
なぜなら、「7カ月間で515人」を12カ月で計算すると、約883件(515×12÷7)になりますので。生体情報採取システム導入前の2005年とたいして変わらんやんか、と。

まあ、素人でも使えるシステムという点では優れているのかも知れませんが、
この比較が正しいなら、はたしてこれほど大規模なシステムをくみ上げ、年間70億円とも言われる予算を使い、しかも来日する外国人に対する差別的でかつ差別扇動的なシステムをつくってまで求める効果であったのか、激しく疑問に思います。

【関連記事】朝日新聞と「外国人犯罪」報道。オバマとブッシュと茶化しと差別(2008.8.17)

上述の特集では、「不法滞在者」が日本の産業の下支えをしてきたことを紹介したうえで、「不法滞在者」に対する日本政府の姿勢の変化や世論の変化について、例を挙げて示しているほか、導入予定のIC在留カードなどが「不法滞在者」を行政サービスから排除してしまうという問題点も、指摘してくれています。また、「アムネスティ」(団体の名前ではありません)の紹介もあります。
このあたり、非常に嬉しい内容です。

「不法滞在者」が外国人単純労働者として働くことになる背景に、国際的な経済格差、そして日本人が「3K」職場を忌避する傾向があるのは、ご承知のとおりです。
そしてこのような傾向が、日本経済の没落が進まない限りはなくならないだろうことも、想像はたやすいでしょう。

そこで、当ブログとしては、

そして、だからこそ、どんな移民受入政策をとったとしても、そこからこぼれ落ちてしまう「実質上の移民」(ちなみに上記報告書では、「移民」の定義として、「通常の居住地以外の国に移動し少なくとも12カ月間当該国に居住する人のこと(長期の移民)」をいう、としています。これは1997年の国連統計委員会に提出された国連事務総長報告にある定義だそうです)を人として処遇するための最低条件として、「すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約」(在留資格に関わりなく人としてのさまざまな権利を保障する条約)をこそ、まず批准すべきだと思うのです。(お前が言うか、自民党。蹴倒しますぞ、うさキック!(追記アリ)、2008.8.13)


と主張したわけですが、『外国籍住民との共生にむけて NGOからの政策提言』(移住労働者と連帯する全国ネットワーク編)に、目をみはる提言が、書かれていました。引用してみます。

5 入管法に「労働」の在留資格を以下のように新設する。
1)在留資格「労働」の要件は次の通りとする。
 a 国内の事業所との雇用契約を結んだ者には、「労働」ビザを発給する。
 b 「労働」ビザ」は有期限で、更新できる。
 c 国内の事業所で現に雇用されている者には「労働」の在留資格を認める。
 d 「労働」の在留資格で在留する者は、転職・移動の自由を保障される。
2)現行入管法における「教育」「技術」「人文知識・国際業務」「企業内転勤」「技能」の在留資格は、「労働」に統合し、廃止する。
3)家事労働に雇用されている者にも「労働」の在留資格を認める。
4)日本政府は、移住労働者権利条約に則り、責任ある機関を設置して、求人・求職の斡旋、準備教育、入国後のフォロー、労働法の完全適用等の責任を持つ。
(第II部第3章 働く権利・働く者の権利)

自民党PTのさまざまな提言が「上からの提言」だとすれば、これはまさにNGOならではの「下からの提言」です。

たとえば、おぞましき長勢甚遠が座長を務める、「外国人労働者問題PT」の提言では、「研修実習制度を廃止し、国内で必要な労働力確保に資することを目的とする「外国人労働者短期就労制度」の創設」なんてことが提言されています。

その概略を抜き書きすると、在留期間を最長3年とする「短期就労資格」を新設し、「短期就労資格による再度の入国は認めない」。受入対象者や受入企業について業種・職種・技能能力などの制限はナシ、受入団体を許可制として受入枠を定める、受入団体と受入企業が一体となって受入労働者の入国、雇用管理、保護等の義務を果たす仕組みとする。そしてもちろん、労働法規の遵守などという、はたして実効性があるんかいな、と思われるキレイごとも書かれています。(しかし、「3年で帰国」の建前どおりにいかないケースが出てくるのは先進諸国の歴史を見る限り火を見るより明らかですから、そこへの手当がない限り、このような提言は「一時しのぎのめくらまし」に過ぎないと言えるでしょう。)

この「外国人労働者問題PT」の提言はもちろん、自民党国家戦略本部の「日本型移民国家への道プロジェクト・チーム(PT)」の報告書も、労働者をどの分野で受け入れるかを、まず国家政策として決定することが、当然の前提とされています。それなりに合理性がある判断かなあ、とも思います。

ところが、上記の移住連による提言では、外国人労働者を雇用するかどうかは企業に任せ、雇用契約締結によって在留資格が与えられることになります。
そして、
外国人労働者に関して生じうる労働問題やブローカーに関する問題などについては、労働法制の内容実現を厳しく徹底することで弊害を除いていこう、という方向性が打ち出されています。政府による管理がまず最初に来る自民党から出て来た案とは、まったく逆の発想です。
しかも、
受け入れた外国人「労働」者の「職業選択の自由・移転の自由」を制限しないので、国内に「二級市民」をつくりださずにすむという点でも優れています。

発想にあたっては、現在の「日系人とその家族」に与えられている資格を参考にしたものかも知れません。

これはまさに「単純労働者」の受入を可能にする提言ですから、日本人の若者との職場の取り合いを危惧する向きもあるでしょう。
ただ、
従来の「不法滞在者」の就労先を考えるなら、日本語の十分にできない来日したての外国人が就労できる業種は限られるでしょうから、それほど大きな軋轢は生じないのかなあと思います。

この提言が実現された場合に、その成果を真に上げるためには、労働法システムの内容実現を厳しく徹底することが不可欠の前提となります。
それは同時に、
日本人労働者の労働条件・労働環境改善も達成することにつながるでしょう。その意味で、移住連の提言も、やはりそれなりに合理性のある方向、希望の持てる方向を向いていると思います。
そこでは、
労働行政と労働組合運動との連携なんてものも必要になってくるし、重要性を増していくでしょう。それはまさに、従来型の日本社会のあり方を変革していくことにもつながりえます。政府の求める「高度人材」を呼び込む力も強化されていくでしょう。

おお!! なんだか、ものすごく素晴らしい提言の気がするぞっっっっっ!!!!!

ではありますが。

結局、厚生労働省の不甲斐なさ(とそれを許す政府、政治家たち)が、強力無比な最大の障壁となって立ちふさがりそうな悪寒がします。


とまあ、ちょっとビックリさせられた提言を紹介して、その実現可能性に「?」を付けたところで、本日はおしまいといたします。
まあ、この「?」も、政権交代があれば、
ひょっとするとひょっとする、のではありますけどね
(^_-)☆


【関連記事】


移民受入と産地偽装、漁業スト、介護の現場と派遣労働。フェアトレード。(2008.07.23)


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下記2つの請願署名へのご協力、お願いします。集約期限は今月末です。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(国際結婚を考える会、IST請願の会)
重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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朝日新聞と「外国人犯罪」報道。オバマとブッシュと茶化しと差別

2008.8.17.21:00ころ
(2008.8.31.23:40ころ、「不法滞在 どう対応」についての解説記事へのリンクを入れました。)

朝日新聞の日曜版で連載されているらしき「国を開く 選択のとき」。今週は「不法滞在 どう対応」というタイトルでした。

【関連記事】「外国人住民台帳制度」創設よりも「住民基本台帳法」の外国籍住民への適用実現を!簡単だし目的達成にはこれで十分!!(2008.1.24)

思いっきりムカついたのが、「社会は 治安悪化に不安、減る容認派」と題したパートです。

朝日新聞社をはじめとする大手メディアが、警察庁などを代表とする自民・公明連立政権の悪質なプロパガンダをそのまま垂れ流してきた結果、「社会が不安を覚える状況」がつくりあげられてきたこと、そのような事実などなかったかのようにこのような特集記事をいけしゃあしゃあと掲載してしまう朝日新聞に呪いあれ! ……いやいや、人を呪わば穴ふたつ、などと言いますので、呪いはやめて、ともかく、厳しく非難したいと思います。そして、自社のかつての過ちをただすための特集連載を組むことを、提案するにとどめておきます。

ちなみに、朝日新聞の過去の問題記事については、下記サイトをご覧ください。

朝日新聞社の2004年4月22日 見出し「にっぽんの安全 外国人犯罪に不安増幅・受刑施設も多国籍化の波」の特集記事掲載への抗議と批判(中島真一郎、コムスタカー外国人と共に生きる会、2004.6.17)

この問題に関して、今春の休眠直前にアップした

「外国人嫌悪者の天国、日本。何を言っても許されます」に抗してあれこれ。そして春眠へ!。(2008.4.14)

で紹介した警察庁のデータの確定値が出ています。それに合わせて、上記記事中の数字を修正しました。
また、恒例の表化、グラフ化をしたものを下記に掲載します。

なお、2007年の「外国人犯罪」に関する警察庁のデータについては、

「治安悪化」のスケープゴートとされる外国人――犯罪統計から見る「来日外国人」「不法滞在者」による犯罪の実像 (中島真一郎、コムスタカー外国人と共に生きる会、2008.4.11)

が詳しく分析しています。どんなに姑息な分析手法がとられているかなど、ぜひぜひ、そちらもあわせてお読みください。
(グラフの後にも記事は続きますので、最後までおつきあいください。)
(2008.9.5.18:00ころ、長文を少しでも読みやすくと思いテンプレートを変更したら、不安的中、表とグラフとの右側が切れてしまいました。何か方法を検討しますので、今しばらくお待ちください。ひとまずの対策ですが、表は、その部分をコピーしてワードやテキストエディットなどに貼付け(ペースト)すると、表形式のまま見ることができるようです。グラフは、やはりワードやテキストエディットなどに、選択した状態でひきずっていく(ドラッグ&ドロップする)と、全面を見ることができます。)

表1
199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007
A 297725 307965 293252 295584 313573 324263 315355 309649 325292 347558 379602 389027 386955 384250 365577
B 7276 6989 6527 6026 5435 5382 5963 6329 7168 7690 8725 8898 8505 8148 7528
C 1015 1215 1315 1632 1317 1302 1529 1603 1379 1403 1520 1393 1304 1075 754

※A、B、C各行の数字は人数
A:日本全体の刑法犯検挙人員(「来日外国人」を含む) B:「来日外国人」刑法犯検挙人員(「不法滞在者」を含む) C:「不法滞在者」刑法犯検挙人員

図1

200701


表2
199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007
A 5190 5526 5309 5459 6633 6949 7217 7488 7490 7726 8362 7519 7047 6459 5923
B 246 230 201 212 213 251 347 318 403 353 477 421 396 297 259
C 130 133 106 142 131 137 186 159 180 141 175 160 142 95 62

※A、B、C各行の数字は人数
A:日本全体の凶悪犯検挙人員(「来日外国人」を含む)
B:「来日外国人」凶悪犯検挙人員(「不法滞在者」を含む)
C:「不法滞在者」凶悪犯検挙人員

図2

200702


【用語解説】

  • 刑法犯:
  • 特に断りのない限り、交通事故に係る業務上(重)過失致死傷及び危険運転致死傷を除いた「刑法」に規程する罪、並びに「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」「暴力行為等処罰ニ関スル法律」「決闘罪ニ関スル件」「爆発物取締罰則」「航空機の強取等の処罰に関する法律」「火炎びんの使用等の処罰に関する法律」「航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律」「人質による強要行為等の処罰に関する法律」「流通食品への毒物の混入などの防止等に関する特別措置法」「サリン等による人身被害の防止に関する法律」「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」に規定する罪をいうそうです(『警察白書』平成15年版)
  • 検挙人員:
  • 警察などで検挙した事件の被疑者(容疑者)の数(『犯罪白書』平成14年版)。つまり、真犯人ではない場合もあり、同時に、真犯人が検挙されずに逃げおおせている場合もある。そのため、真犯人の国籍が日本国籍であろうと外国籍であろうと、捜査のやり方いかんでは犯罪の実態からかけ離れた数字が出る危険性が大きいが、大体の傾向くらいは読める……のでしょう。たぶん
  • 来日外国人:
  • 日本に在留する外国人のうち『駐留米軍関係者』と『定着居住者』(「特別永住者」「永住者」「永住者の配偶者等」の在留資格保有者)と『在留資格不明者』を除いた者(警察庁の定義)。つまり、「来日外国人」は、「出入国管理及び難民認定法」で規定される27種類の在留資格のうち「永住者」「永住者の配偶者等」を除く25種類の在留資格を持つ外国籍者(「日本人配偶者等」「定住者」「短期滞在者」「研修」「留学」)と「不法滞在者」(「不法入国者」「不法上陸者」「不法残留者」などを含む)で構成されている(『M−ネット』2003年10月号:「来日外国人」及び「不法滞在者」の犯罪データ(刑法犯検挙人員)からみえる外国人犯罪の実像)
  • 凶悪犯:
  • 殺人、強盗、放火、強姦。

【図1、2、表1、2とも『犯罪白書』『警察白書』『来日外国人問題の現状と対策(平成11年中)』『統計から見る来日外国人犯罪の特徴(平成12年以降ウェブ版)』等より作成】

(おまけ)
「外国人犯罪」の宣伝と報道(英訳付き、コムスタカー外国人と共に生きる会)他(2006.07.07)
『治安はほんとうに悪化しているのか』東京都治安対策担当部長(前)の懺悔あるいは告白(2006.07.16)
『治安はほんとうに悪化しているのか』書評on読売新聞!!(2006.7.25)
在留許可求め、東京入管前でデモ/「治安悪化説に異論」(東京新聞インタビュー)(2006.09.24)
「またテロですよ!」(非国民通信)を読んで(入管法改定案に関する国会会議録より)(2006.10.15)
共謀罪審議に松島みどり議員が登場(入管法改定案に関する国会会議録より)(2006.10.22)
虚構の上に立ついやしの「極右」か、現実の上に立つ節度ある「極右」か(2006.11.19)
【超お薦め!】『犯罪不安社会』を読んで、明るい2007年へ!(2006.12.25)
「外国人犯罪」不安にどう立ち向かうか/「来日外国人」数の試算(2007.1.3)
「リピーター=凶悪犯」か?/人と人との連帯の可能性と素晴らしさと(2007.1.12)
法治国家で窮鳥懐に入れば大岡裁きに遠山桜!/在留支援のためのお願い2つ(2007.1.23)
「外国人嫌悪者の天国、日本。何を言っても許されます」に抗してあれこれ。そして春眠へ!。(2008.4.14)

「治安悪化」のスケープゴートとされる外国人――犯罪統計から見る「来日外国人」「不法滞在者」による犯罪の実像 (中島真一郎、コムスタカー外国人と共に生きる会、2008.4.11)

インターネット新聞『JANJAN』
『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(2004/04/15)
『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第2回)(2004/04/16)
『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第3回)(2004/04/17)
『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第4回)(2004/04/18)

「外国人嫌悪者の天国、日本。何を言っても許されます」に抗してあれこれ。そして春眠へ!。(2008.4.14)
でちょっとだけ紹介した、土本武司白鴎大学法科大学院長が『WEDGE』4月号の巻頭に書いた記事、
【羅針盤】外国人の「犯罪天国」日本 「やり得」「逃げ得」許さぬ法対策を

突っ込みどころ満載の悪夢のような記事なので、厳しく批判する記事をアップしたいところですが、自民党国家戦略本部の報告書の分析で、かなり疲れきってしまいました。
それに、土本の【羅針盤】 から引用したものをここにアップしてしまうと、読者の皆さまのお目汚しになるおそれが大きいなあ、なんて思うことを追加理由として、土本批判は次の機会にとっておきたいと思います。

遊鬱さん、そして土本批判に期待してくださっていた皆さま、なにとぞご了解くださいませm(_ _)m。

ところで、こんな騒動があったそうです。

Ape(おなしザル)連続体としての、われわれと、その意識(「イー・モバイルCM」問題)(タカマサのきまぐれ時評2、2008.8.13)

今回の一件、リンク先のCNNの特集で述べられているように「日本国内で暮らすアフリカ系住民」からも批判の声が上がりました。
これは日本社会がすでに激しく「多文化・多民族・多国籍化」していることの現れなのですが、「イー・モバイル」広報部と同様に、その現実に対する認識が欠けていた日本人は少なくないだろうと思います。

それにしても、猿にたとえるなら、あの現役大統領だろ、なんて思っちゃう私ですから、まさかオバマ候補をネタにこんなCMがつくられてしまうなんて、思いもしませんでした。

無法と悪業を積み重ねてきた現役大統領をチンパンジーにたとえて茶化すのと、そのような積み重ねのない大統領候補をこういう具合にネタにしてしまうこととの間には、すごく大きな河が横たわっている気がします。

もし次回作があるのなら、次期首相候補と呼ばれてる人物を皮肉ってほしいなあ、なんて思います。他国の政治家ではなく、この日本国の、与党の。
パロディはやはり、自らが直接対峙せざるをえない権力者に向かわなくてはねえ……。

今春くらいから、Googleアラートの質と量が、目に見えて落ちています。
私の選んだ「検索用語」に限ったことなのかなあ……。

 

下記2つの請願署名へのご協力、お願いします。集約期限は今月末です。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(国際結婚を考える会、IST請願の会)
重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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自民PT「日本型移民国家」を超えてゆけ、真夏の夜の夢!

2008.8.14.22:00ころ

さあ、前回の記事(追記があります。未読の方は、どうぞご覧ください)で予告したとおり、今回は、自民党国家戦略本部の「日本型移民国家への道プロジェクト・チーム(PT)」の報告書に見る自民党の「トンデモっぷり」をご堪能いただこうと思います。

採り上げるのは、冒頭の「I 政策の理念」です。
まずは、「1.移民立国で日本の活性化を図る」から。

ここでは、世界のどの国も体験したことのない高齢化社会に日本が突入したこと、同時に、未体験の人口減少時代に入ったことを挙げて、

○50年後の日本の人口は3分の2に落ち込み、9000万人を下回るという政府推計がある。
そのとおりだとすると、国の様相は一変しているはずである。過疎が進む日本の原風景はどのような姿をさらしているのだろうか。社会の活力は枯渇していないだろうか。

と、危機感を表明します。

たしかに、少子高齢化がこのまま進展してしかも何の対策もとられないとしたら、やがて、今の若者や中年たちが高齢者となったとき、その時代の若者たちの負担を減らすために自らの命を絶つというあの「姥捨て山」の伝統が、日本の風景が変わりゆく中で甦っているかも知れないなあ、なんて思います。私も他人事ではないので、何か自衛策をとらねばならんのかも(;<>;)。

そして、今後現れていくであろう「世代間の人口比率」を考えるなら、人口減少に合わせて「小さな日本か、大きな日本か」どちらかを選択するのとは別次元での政策が、絶対に必要になってくる、その政策の1つとして「移民受入」もありかも知れない、そんな思いにも駆られます。

しかし、続く次のようなフレーズを読んで、あなたはどう思われるでしょうか?

○一国の人口推移は、人の出生、死亡、国際人口移動の3つの要因によって決まる。
人口減少問題への取り組みとして、政府は出生率を高めるため保育サービスの充実などに全力を挙げている。

いったいどこの政府の話だろうと、キョロ(。。ヘ) (・・ ?) ( ゜゜)ゝキョロ。
「まさか全力挙げてこのありさま?? そんなだったら、政府なんてイラネ!」

などと毒づいていると、こんな切り返しがやってきます。

しかし、人口問題の専門家によると、少子化対策の効果が現れるとしても、それは遠い将来の話ということである。
したがって、日本の人口危機を救う効果的な治療法は、海外からの移民の受け入れ以外にないのである。日本の生きる道は、世界に通用する国際国家として自らを世界に開き、移民の受け入れにより日本の活性化を図る「移民立国」への転換である。

まあ、自分たちの失敗を対外的に認めるというのは、独裁国家の首脳などにとっては、なかなか難しいことだと思います。金正日主席総書記は、拉致、認めましたけど。自民党のこのPTには、少子化対策の失敗を認める勇気はなかったのだと、私は解釈しておきます。

ともあれ、「移民受け入れ」を目指す理由が、ここまでで語られました。
では、そのために何が必要か。その要点が語られます。

○新しい国づくりのためには、適正な移民受け入れを進める「移民政策」を打ち出す必要がある。
国民のコンセンサスも不可欠だ。何より求められるのは、移民開国への国民の決意と覚悟がいることである。外国人を移民として迎える以上、彼らが安心して働くことができる職場を用意しなければならない。移民ニーズに対応した社会経済制度の改革が必要である。

たしかに、「移民受け入れ」を進めるとすれば、そのとおりでしょう。異議なし、です。 ところが、

○日本が移民開国を目指すのであれば、日本民族と他の民族がお互いの立場を尊重し合って生きる社会、すなわち「多民族共生社会」を作るという日本人の覚悟が求められる。
日本人に求められるのは、自らの民族的アイデンティティを確認し、かつ異なる民族すべてを対等の存在と認める心構えを持つことである。外国人にとって魅力ある社会は、日本人にとっても夢と希望のある社会であらねばならない。そうした新しいグローバル社会を創造しなければならないのである。

「日本民族」ってPTさん、アイヌや琉球、朝鮮系の人たちなんかは無きものにするってわけですかあ。しかも、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択された、そのわずか2週間後の日付の「報告書」だというのに!

これについては、
『幻想としての人種/民族/国民』(ましこ・ひでのり、三元社)
をどうぞ。

【参考ブログ】新刊『幻想としての人種/民族/国民』(ましこ・ひでのり,三元社) 2【追記あり】(タカマサのきまぐれ時評2)

【関連記事】

虚構の上に立ついやしの「極右」か、現実の上に立つ節度ある「極右」か(2006.11.19)

多みんぞくニホン、ナチス、自由民権運動(2007.3.3)

まあ、ツッコミを入れたくなる悪い話ばかりではありません。続いた下記の部分は、おもしろい発想かなあ、と思います。

○日本型移民政策を提唱する。
ここで「日本型」と言うのは、人材を「育てる」姿勢を基本にする、日本独自の「育成型移民政策」であることを強調するためである。
意欲のある外国人材を、各産業分野を支える技能者・職人などに育成し、日本社会を共に支え、地域社会に根を下ろしてもらうようにするものである。
移民に対する手厚い教育を施し、日本人と良好な関係を築く「多文化共生社会」の創造こそが、日本型移民政策の核心である。国民が懸念する治安の悪化を招くことのない外国人受け入れ制度とするためにも、「育成型移民政策」をキーワードに、日本語・日本文化を基本においた社会統合・多文化共生政策の実施が重要となる。

「国民が懸念する治安の悪化」なんてことを心配せねばならなくなったのは、他ならぬ自民党の政策によるところが大きいこと、火を見るより明らかなんですけど。

【関連記事】【超お薦め!】『犯罪不安社会』を読んで、明るい2007年へ!(2006.12.25)

それに、「日本語・日本文化を基本においた社会統合・多文化共生政策」というのも、日本語の難しさ(漢字の読みの複雑さ)を考えるなら、2世代、3世代をかけて初めて成果が上がるものではないでしょうか。
まずは、行政サービスの多言語化や、小中学校でも多言語の教育、多言語による教育などを実施していくべきだと思います。「家族統合の権利保障」を謳うのなら、是非とも。
上で引用したように、「日本が移民開国を目指すのであれば、日本民族と他の民族がお互いの立場を尊重し合って生きる社会、すなわち「多民族共生社会」を作るという日本人の覚悟が求められる。/日本人に求められるのは、自らの民族的アイデンティティを確認し、かつ異なる民族すべてを対等の存在と認める心構えを持つことである。」なんてのたまうのなら、なおのこと。

ありゃりゃ、ツッコミ入れてしまった(-_-;)。
気を取り直して、読み進めましょう。
PTの美しき言葉は、まだまだ続きます。

○日本の文化と伝統を世界に開放し、日本列島に住む様々な人間が切磋琢磨することで新しい価値を創造する「多文化社会」の構築も課題となる。 そして、高い志を持つ世界の若者がこぞって移住したいと憧れる国、人道支援・国際貢献のための移民受け入れにも力を入れて、世界から評価される国を目指す。

○改革に消極的だとして海外から「日本売り」が言われている今こそ、政治の責任で、人口危機にある日本がどんな国家を目指すのか、明確なビジョンを発信するべきである。 「人口危機に立ち向かうため日本は『移民国家』へ移行する」と政治が決断すれば、国際社会は国の形を「多民族国家」に変える究極の構造改革を評価し、「日本買い」に転じるだろう。

はたして移民受け入れで、それも自民PT案による受け入れで「日本買い」に転じるかどうか。よくわかりません。

それに、そもそも日本は「多民族国家」なんですけど。
上の2つの記事リンク(虚構の上に立ついやしの「極右」か、現実の上に立つ節度ある「極右」か多みんぞくニホン、ナチス、自由民権運動)他でも書いてきたように。
そうでないのは、あなたたちの脳内だけ、ですぞ。

続いて、「2.日本文明の底力を活かす」の項です。

「日本文明」ねえ……。歴史改ざん主義の人たちがよく使っていた用語です……。はあ……。

○極東に位置する島国であり、社会の均一性が相対的に高いとみなされている日本は、移民の受け入れに適さないという声がある。欧米に比べて移民の受け入れ経験が少ないことは事実である。
しかし、厳しい試練の時を迎えて、日本の未来に危機感を抱く国民が移民国家建設のため立ち上がれば、50年間で1000万人規模の移民受け入れを達成することも決して夢でない。幸い日本には、移民が快適に暮らすことができる制度、精神風土、環境が整っている。

へえ、そうなんですか? で、具体的にどんな話かというと、

第1に、長年にわたり蓄積されてきた産業技術と、卓越する世界企業の存在である。
高い生産効率を実現することで世界経済を先導してきた産業立国としての日本のネームバリューは、気概に満ちた世界の若者を惹き付けるに違いない。
高い教育水準と充実した高等教育施設も、今後、留学生の受け入れを大幅に増やすための教育資源となる。

う〜ん、それはあるかも知れないけれど、日本の労働環境の悪さって、トヨタ方式の輸出とかで、じつはジワジワ知れ渡りはじめてませんか? 排他的な社会風土なんかも。

【関連特集】
こんな国では働けない 外国人労働者「使い捨て」の果て(日経ビジネス オンライン、井上 裕記者、2006.9.8)

さらに続く具体的なお話が、なんとも観念的で、怪しげ、危うげなものであります。

第2に、日本社会には「人の和」や「寛容の心」を重んじる精神的基盤がある。 日本の社会は、宗教を見ても神道・仏教・キリスト教などが仲良く共存している。古来、日本は「和をもって貴しとなす(十七条憲法)」を基本とする国柄であった。多様な価値観や存在を受け入れる「寛容」の遺伝子を脈々と受け継いできた日本人は、世界のどの民族も成功していない「多様な民族との共生社会」を実現する潜在能力を持っている。

多様な価値観や存在を受け入れるって、自民党には縁遠いことだと思ってましたが、そうですか、自民党は日本の伝統からはみ出した存在ってことですね、まさにナチスの後継者だと。

【関連記事】
「寛容の精神」のない国と、他の人間を平気で「人間以下」と見下す者/「多民族共生教育フォーラム2006愛知」から教育基本法改定を目論む日本政府へ(2006.11.13)
玉川大学問題の本質/人の多様性に合わせた社会デザインを(2007.1.19)
与野党、新たな対立軸!「人の多様性をどうとらえるか/国家と人間の関係をどうとらえるか」(2007.2.9)

えっ、そんな毎度のツッコミでは面白くない!? う〜ん、そうかも。ちょっと別角度からツッコンでみます。

★国家神道が仏教やキリスト教を圧迫した歴史はどこへ行った?
★精神的基盤とか国柄とか、わけわからんものを土台にして、多様な人々が共に暮らす社会を健全なものに仕上げられると思ってんの??
★「「寛容」の遺伝子」って、これ、優生思想の、人種主義の、レイシズムでやっぱり選民思想???
★多様な価値観の尊重とか言いながら、「日の丸・君が代」の強制は何????

何も変わってない?(-_-;)?

で、次に挙げられるのが、これです。

第3に、恵まれた自然環境と豊穣な文化がある。
四季折々の風景、歴史遺産の水田や森林、地方ごとに特色ある日本料理や伝統芸能は、海外からの旅行者にすでに認知されており。今では年間800万人を超す観光客が日本を訪れている。亜熱帯のさんご礁、日本情緒豊かな温泉街、良質の雪に恵まれたスキーリゾートにはリピーターも多い。この「癒しの島」には理想の移住地としての条件が備わっている。

そう言えば、私の相方、物心ついて初めて日本を旅行したとき、「この世に天国があるとすればそれは日本だ!」と心底思ったそうです。その後、日本で暮らしはじめて、あれは幻想だったと幻滅させられたそうです。
「住めば都」の言葉はあれど、旅すると暮らすとでは大違いの日本社会であったというお話です。

第4に、日本社会にすでにいる「移民の背景を持つ人々」の存在がある。 何世代にもわたって多くの苦難を乗り越えて社会的地位を確立してきたオールドカマーに加えて、ニューカマーも来日からすでに20年を経て、200万人を大きく超える外国出身者とその子孫は、市民・永住者・定住者として、日本社会に根を張って生活している。すでに日本で生きるノウハウを身につけた彼らは、新来の移民たちと地域社会をつなぐ貴重な人材である。

自分たちが在日韓国・朝鮮人に向けてきた酷薄な政策を棚に上げて、よくまあそんな厚かましいことを言えたもんです。

【関連記事】

大阪府警が滋賀朝鮮初級学校へ不当な強制捜索(2007.2.4)
熊本朝鮮会館福岡高裁判決(2006.2.6)
朝鮮代表の入国が拒否されているが:「人権侵害」日本政府に非難集中(朝鮮新報)(2006.9.12)
調査資料「在日朝鮮人への人権侵害について」(2006.11.21)
【おすすめ<新刊>入門書】『外国人・民族的マイノリティ人権白書』(外国人人権法連絡会編)(2007.10.10)
「う」はウトロの「う」、植草教授の「う」(2007.10.17)
『週刊ポスト』「在日韓国人・朝鮮人「住民税 極秘半減」の免税密約を撃つ!」( ̄ー ̄)ニヤリ。そして、この秋、小学校教科書に登場したウソ( ̄_ ̄|||) どよ〜ん(2007.12.7)ほか

【関連ブログ&ニュース】
恥を知れ〜在日朝鮮人女性に関する公安情報リークに飛びついたメディアよ、反省せよ!(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)、2007.10.7)
朝鮮人虐殺の謝罪要求(ロイター、2008.8.9)

 関東大震災から85年となるのを前に、震災時に起きた朝鮮人虐殺事件の真相究明と謝罪、被害者の名誉回復を求める「朝鮮人犠牲者追悼シンポジウム」が9日、東京都内で開かれ、200人以上が集まった。主催は日本人、在日コリアン、韓国人の有志で組織する実行委員会。山田立教大名誉教授らが講演。シンポの結びでは「日本政府は朝鮮人虐殺を深く反省し、調査と謝罪を行うべきだ」との声明を採択した。【共同通信】

とまあ、こんなわけで、ここ何回かにわたって概観してきた自民党国家戦略本部の「日本型移民国家への道プロジェクト・チーム(PT)」の報告書。
肯定的に評価できるところもあるのですが、総体的には、まず土台にある思想に致命的な欠点があると思いますし、実現可能性がどれほどあるのかなあ、との疑問も感じます。

ウェブで公開されていないらしい点も残念です。せっかくの力作なので、広く議論を始めるきっかけにとウェブで公開すれば良いのにと思います。そうすれば、西部某のように見当外れな中傷を繰り出す者もいなくなるでしょうし。それに、当ブログのこれまでの記事では採り上げなかった提案もありますし(留学生30万人計画、100万人構想や、日本文化&日本語センター(Japan CLC)創設計画、二重国籍の付与の検討など在留資格制度の改正、外国人住民基本台帳制度の創設、日本型移民政策推進体制の話、など)

ともあれ、当ブログが入れたツッコミの数々(あれこれ考えを進めながら記事を重ねてきたので、相互に矛盾があるやも知れません)が、移民受入論議、ハイパースペシャルウルトラ少子高齢化社会に備えるための論議、その参考になれば、幸いです。

特に、福祉国家的な未来を構想している野党の皆さま!
自民党を政権から追い落とした後に目指すべき社会を構想する必要性が、日に日に高まっているようです。ぼちぼちでも、情報収集や思索、議論を重ねていってください。
よろしくお願いしますm(_ _)m。

【関連記事】

移民受入と産地偽装、漁業スト、介護の現場と派遣労働。フェアトレード。(2008.07.23)

幻?の「日本の魅力」と看護師・介護福祉士、今ここにある「多文化・多民族・多国籍社会」という現実(2008.08.03)

?「野党はナチス」?「移民か日本の若者か」?(追記アリ)(2008.08.06)

お前が言うか、自民党。蹴倒しますぞ、うさキック!(追記アリ)(2008.08.13)

自民PT「日本型移民国家」を超えてゆけ、真夏の夜の夢!(2008.08.14)

注釈「不法滞在、どう対応」/【逆転の提言】「労働」資格!(2008.08.19)

 

ここで、同PTが期待している「高度人材(大学卒業レベル)」の獲得に関して、ちょっと参考になるかも知れないエピソードを付け加えておきます。

先週、久方ぶりに、オランダ国籍の友人と話をしておりました。で、ご存知のとおり、私の相方はブラジル国籍。近所のパン屋が夏休みに入ってるという話をきっかけに、日本人の労働スタイルについて、こんな話になりました。

「日本だと長い休みがとれないよね。皆、忙しすぎる」
「ブラジルだと1カ月の休みとかあるのに」
「長期の休みがどれだけ仕事の能率を上げるか、体験したことがないからわからないんだろうけど、そろそろ日本人も考え直すべき時じゃない?」
「バブルの頃、日本的経営システムとか、すごく関心を持たれてもてはやされたけど、今はもうそうじゃない」
「今やトヨタ式経営とか、フィリピンで争議が大きくなってるみたいに、輸出したら迷惑がられたりとか」

長期休暇のとれる社会を!(そうでないと、高度人材、他国へ行っちゃうんじゃないの?)
その勢いで、ワークシェアで失業のない社会を!
フェアトレードの思想で、生産者、消費者、流通業者、小売業者、皆が持続可能な幸せを実現できる社会を!

そんな社会を築けたら、いいよなあ、なんて、ぼんやり思った夜でありました。
真夏の夜の夢!!

 

下記2つの請願署名へのご協力、お願いします。集約期限は今月末です。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(国際結婚を考える会、IST請願の会)
重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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お前が言うか、自民党。蹴倒しますぞ、うさキック!(追記アリ)

2008.08.13.22:00ころ
(2008.8.14.15:10ころ、この文字色部分を修正。今回、「報告書」を2つのルートから入手したのですが、見出し表記や本文が一部相違しているのに気づきました。日付、同じなのに〜(;<>;)。後で入手したもの〜自民党本部を出た日付が後のもの〜に合わせます。誤入力も修正しました。)
(2008.8.14.16:00ころ、この文字色部分を追記。今回、「報告書」を2つのルートから入手したのですが、看護師・介護福祉士に関する記述が、一方では欠落しているのに気づきました。日付、同じなのに〜(;<>;)。後で入手したもの〜自民党本部を出た日付が後のもの〜に合わせます。)

前回の記事(追記あります。未読の方は、どうぞご覧ください)で触れたように、自民党国家戦略本部の「日本型移民国家への道プロジェクト・チーム(PT)」の報告書が「受け入れる移民のカテゴリー」として想定しているのは、基本的には、それなりの学歴や資産を有する人、あるいは、現在の研修生制度の変形(発展形?)から生まれる熟練労働者たちです。
そして、そのうちの後者については、次のような案が提示されています。

外国人職業訓練制度の新設(3年以内に実施)
○大学等に進学前の世界の若者に対して、国内人材の育成・確保と知識・技術の国際移転の観点から、教育および職業訓練の機会を提供する。
○その施設として少子化により定員割れが生じている農業・工業・水産高校や職業訓練学校等を活用し、それぞれに「外国人職業訓練課程」(3年制)を設け、そこで日本語をはじめ専門的技術を教える。
外国人職業訓練課程修了者に対しては、さらに第1次産業などの生産現場で1年間の実技職業訓練を受ける機会を与える。
○外国人は実際の業務に就いて技術や技能を習得する。
 4年間の一連のプログラムを終えた外国人が日本で働くことを希望し、職業訓練を実施した企業などが正社員で雇用することを条件に就労を認め、入管法上の「技能」または「定住者」の在留資格を付与する。
一方、すべてのプログラムを終えて帰国した者は、日本で学んだ知識や技術を活かして母国の経済発展に貢献する。
外国人職業訓練プログラムは官民一体で運営するものとし、プログラムの評価機関を設け、実施状況を評価・検証する。
○本プログラムに基づく人材育成に要する経費にあてるため、政府と産業界が出資する「外国人材育成基金」を創設する。
○以上のプログラムは、今後締結する経済連携協定(EPA)等に盛り込む。


★労働関係法規違反、人身売買の恐れなど多くの問題が指摘されている外国人研修・技能実習制度は、本来の「国際技能移転」プログラムとしてのみ存続させる。
対象職種については、人材育成を必要とする各国政府との協議により調整する。

また、この制度に関して「経済連携協定(EPA)等に基づく育成型移民の受け入れ」という項目では、

○同一職務・労働同一賃金の遵守(同等報酬)を徹底する。

という一文もあります。

このような報告書の内容を見る限り、いわゆる「単純労働者」の受け入れとは一線を画す意図があるのはたしかだと思います。

その点、去る日曜朝、フジ系列の番組で、西部某という評論家が「単純労働者の受け入れを謳うような報告書を出す政治家がいるのは実に嘆かわしい!」といった趣旨の悪態をついていたのは、的外れも甚だしいでしょう。

おそらく西部某は、報告書を見もせず、思い込みと妄想だけで語っていたに違いありません。櫻井よしこもそうですが、保守派言論人の質もなかなか激しく堕ちたものです。

ちなみに、「単純労働者を受け入れ」について語ってるのは、外国人研修生・技能実習生制度の改善を検討している他のPTです。そう、あのおぞましき長勢甚遠が座長を務める、「外国人労働者問題PT」の提言です。
怖くてまだ、読んでいません。私。

また、「外国人看護師・外国人介護福祉士育成プランの推進」という提言もあって、そこでは次のように書かれています。

○少子高齢化の進行に伴い人材不足が深刻化する看護・介護福祉分野の人材を確保するため、2025年までの長期目標として「外国人看護師・外国人介護福祉士30万人構想」を立てる。(1年以内に実施)
○外国人材を育成するための施設として少子化で定員数が大幅に減り続けている看護専門学校(3年制)および介護福祉士養成学校(2年制)を活用し、それぞれに「外国人材養成課程」を設け、そこで日本語をはじめ専門知識などを教える。(3年以内に実施)
○養成学校と病院や介護施設が連携し、「働きながら学ぶ」筋道をつくる。(学費は奨学金制度を活用、生活費は施設等での就業により得る。)
○外国人材養成課程修了者に対しては、さらに病院や介護施設で1年間の実技研修を受ける機会を与える。
○外国人は実際の業務に就いて技術や技能を習得する。
○一連のプログラムを終えた外国人が日本で働くことを希望し、病院・介護施設などが正規職員で雇用することを条件に就労を認め、入管法上の「医療・社会福祉」または「定住者」の在留資格を付与する。
○一方、すべてのプログラムを終えて帰国した者は、日本で学んだ知識や技術を活かして母国の医療・社会福祉の分野で貢献する。
○本プログラムに基づく人材育成に要する経費にあてるため、政府と関係団体が出資する「社会福祉外国人材育成基金」を創設する。
○以上のプログラムは、今後締結する経済連携協定(EPA)等に盛り込む。
○「外国人材育成のためのODAプログラム」を活用し、相手国内に日本語および介護の基礎的な研修プログラムを設ける。(わが国の養成学校に入学できる程度の能力付与)

その他、自民党国家戦略本部の「日本型移民国家への道プロジェクト・チーム(PT)」の報告書では、「日本型移民政策の基盤整備」という項に、

○移民基本法の制定/日本型移民政策の理念、日本が受け入れる移民の類型および受け入れ枠、移民処遇の基本方針などを定めた「基本法」を制定する。
○外国人との共生社会を実現するため「社会統合基本法」を制定する。

などがある他、「社会統合・多民族共生のための施策」という項には、

○外国人が生きいきできる社会は、日本人にとっても暮らしやすい社会である。創造性豊かな地域社会づくりには、多様な文化との出会いが新しいエネルギーとなる。
○高齢化による閉塞感ただよう限界集落を、他民族との共生により再生することの可能性も期待される。
1)国民運動による日本人の意識改革(3年以内に実施)
○日本人の青少年に正しい外国人観をもたせるため、小中学校で多民族共生教育を実施する。
 ・多民族共生社会を作るための啓発課目を小中学校のカリキュラムに入れる。
○成人に対しては、外国人との共生を推進するための生涯学習の場を提供する。
○官民を挙げて、外国人との共生をすすめる文化交流・啓発などの国民運動、コミュニティ活動を展開する。
2)法制面の整備(3年以内に実施)
○日本が加入している人種差別撤廃条約の精神を踏まえ「民族差別禁止法」を制定する。
○地方自治体による「多文化共生条例」の制定を推進する。

などが挙げられていて、

「日本人の青少年に正しい外国人観をもたせるため、小中学校で多民族共生教育を実施する」だなんて、さんざん差別と偏見を助長して来たお前らが言うか、この自民党め! そんならまず、教科書のこの記載からとっとと変更あるいは削除しやがれ! 外国人から指紋を採取する制度を廃止してみろ!!」

なんて怒鳴りつけたい衝動にかられる私から見ても、「それ、いいんじゃないの」という部分が、散見されます。

しかし、「適法移民」「正規滞在者」との共生のみが念頭に置かれているのは、従来の自民党の政策そのままです。
その点に強く異議を唱えざるを得ません、まず第一に。

たとえ上記のような「育成型移民」制度が無事動きはじめたとしても、たとえば観光目的のビザで入国して、非正規滞在者として地域で働き暮らしはじめる人たちは、日本が相対的な富裕国である限り、いなくなることはないでしょう。
世界のほとんどの国と、上記報告書が予定しているようなEPAが締結できればひょっとするかも、とは思いますが、EPA締結の難しさ、そして締結することの是非などを考えると、やはりその可能性は極めて小さいものでしょう。

そして、だからこそ、どんな移民受入政策をとったとしても、そこからこぼれ落ちてしまう「実質上の移民」(ちなみに上記報告書では、「移民」の定義として、「通常の居住地以外の国に移動し少なくとも12カ月間当該国に居住する人のこと(長期の移民)」をいう、としています。これは1997年の国連統計委員会に提出された国連事務総長報告にある定義だそうです)を人として処遇するための最低条件として、「すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約」(在留資格に関わりなく人としてのさまざまな権利を保障する条約)をこそ、まず批准すべきだと思うのです。

ちなみに、外国人に対する社会保障の現状については、「総合調査 人口減少社会の外国人問題」「2 外国人と社会保障」が、健康保険・国民健康保険の適用範囲ついて次のように解説しています(下線と改行は当ブログ主)。

( 1 )健康保険・国民健康保険の適用範囲
日本人か外国人かを問わず、適用事業所において常用的雇用関係(所定労働時間・日数が、同種の業務に従事する他の通常就労者のそれの概ね 4 分の 3 以上)にある者には健康保険が、それ以外の者(外国人登録を行っている適法滞在者で、在留期間が 1 年以上の者)には、国民健康保険が適用される。
 

 そのため、不法滞在者については、国民健康保険への加入は認められないものの、健康保険の適用対象となる可能性がある。しかし、資格外の就労者を雇用すると、「出入国管理及び難民認定法」(昭和26年10月 4 日政令第319号)による処罰が事業主に及ぶため、多くの場合、事業主は不法滞在者を健康保険に加入させていない


一方、生活保護については、次の記載があります(下線と改行はやはり当ブログ主)。

 生活保護法第2条(国籍条項)により、外国人の生活保護受給権は認められていない。 

 しかし、日本における生活保護法の外国人に対する適用は、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」(昭和29年5月8日、社発第382号)に基づき、「外国人には生活保護を受給する権利はないものの、在留資格の存否・種類を問わず、少なくとも緊急な場合であれば日本人と同じ要件で生活保護を受給できる」と解釈・運用されてきた。

 また、この通知は、外国人が生活保護を受給する際には、原則として外国人登録証明書の提示を求めているものの、「急迫な状況」にある場合には、例外的に外国人登録証明書の提示がなくても生活保護の受給を認めている。
 しかし、「生活保護に係る外国人からの不服申立ての取扱いについて」(平成13年10月15日、社援保発第51号)によれば、外国人の生活保護は権利ではないため、不服申立て等の審査請求はできない。

 こうしたなか、平成元年の「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」制定後の平成2年10月、厚生省(当時)は、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」が有効であることを前提としながら、この通知の適用にかかる予算措置としての行政措置の対象外国人は、適法に日本に滞在し、活動に制限を受けない永住者、定住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、在日韓国人、在日朝鮮人、在日台湾人、「出入国管理及び難民認定法」上の認定難民に限ると口頭で指示し、その旨を全国に徹底して現在に至っている)。

 就労が禁止・制限されている技術、技能、研究、短期滞在(観光)及び就学等の在留資格をもつ適法滞在者は、稼働能力の活用が不可能であって資産調査等も困難であるため、いわゆる「補足性の原理」(生活保護を受けるためには、資産・能力を活用し、それでもなお、生活に困窮しているという要件が必要である。)が活用できない。

 また、不法滞在者は、日本への滞在が認められておらず強制退去の対象であり、生活保護の対象とすると生活保護目的の入国を助長するおそれがあるため、適用外とされる。これにより、くも膜下出血で入院したスリランカ人留学生や、交通事故で重傷を負った不法滞在中国人がいずれも生活保護適用外とされたのは、典型的な事例である。


「日本型移民国家」なんてエラソーな旗を掲げるのなら、先進国はまだどこも批准していないというこの画期的な条約の批准を前提として、さまざまな施策を検討し、積み上げていくべきであろうぞ、と。

ちょっと長くなってしまいました。う〜ん、暑苦しい。

次回は気分を変えて、自民党国家戦略本部の「日本型移民国家への道プロジェクト・チーム(PT)」の報告書に見る自民党の「トンデモっぷり」を、「日本人の青少年に正しい外国人観をもたせるため、小中学校で多民族共生教育を実施する」なる記載以外にもある盗人猛々しい主張を挙げて、ご笑納いただこうと思います。

ご期待あれ!

【関連記事】

移民受入と産地偽装、漁業スト、介護の現場と派遣労働。フェアトレード。(2008.07.23)

幻?の「日本の魅力」と看護師・介護福祉士、今ここにある「多文化・多民族・多国籍社会」という現実(2008.08.03)

?「野党はナチス」?「移民か日本の若者か」?(追記アリ)(2008.08.06)

お前が言うか、自民党。蹴倒しますぞ、うさキック!(追記アリ)(2008.08.13)

自民PT「日本型移民国家」を超えてゆけ、真夏の夜の夢!(2008.08.14)

注釈「不法滞在、どう対応」/【逆転の提言】「労働」資格!(2008.08.19)

 

下記2つの請願署名へのご協力、お願いします。集約期限は今月末です。
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日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(国際結婚を考える会、IST請願の会)
重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

【関連記事】
外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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?「野党はナチス」?「移民か日本の若者か」?(追記アリ)

2008.8.6.06:00ころ
(2008.8.6.12:40ころ、関連記事を追加)
(2008.8.14.15:30ころ、この文字色部分を修正。今回、「報告書」を2つのルートから入手したのですが、見出し表記や本文が一部相違しているのに気づきました。日付、同じなのに〜(;<>;)。重要な部分での違いはないと思いますが、後で入手したもの〜自民党本部を出た日付が後のもの〜に合わせます。誤入力も修正しました。)

「政権交代を訴える野党は皆、ナチス!」ということなんでしょうか。
そう、麻生太郎・自民党幹事長の、「民主党はナチス」発言のことです。

これについては、おなじみ非国民通信さんの「普段から思っていること」(2008.8.4)が、鋭くツッコミを入れてくれていて、私、格別付け加えること、ありません。

で、思い出したのが、当ブログの2006年9月4日の記事自民党は「ナチスの後継者」のパートでした。
ブッシュ米大統領も似たようなこと、言ってたんですねえ。
麻生氏も自民党も、ブッシュ政権と共に没落していってほしいとの思いが募る、夏の夜であります。

【関連ブログ&記事】
麻生太郎・自民党新幹事長はどんな人物か(きまぐれな日々、2008.8.3)
麻生太郎という問題(大津留公彦のブログ2、2008.8.4)
「失言」が許されてしまう人(世界の片隅でニュースを読む、2008.8.5)
麻生太郎の「ナチス発言」が世界を駆けめぐっているが...(kojitakenの日記、2008.8.5)

多みんぞくニホン、ナチス、自由民権運動(2007.3.3)

 

なんと!

フクダ改造内閣:「カイカク(するふり)は徹底してやらなければならない。」。で、コイズミに脅されたか中川(女癖の悪い方)国家戦略本部長代行に就任へ。ふふふン〜♪(晴天とら日和、2008.8.5)

自民党国家戦略本部の「日本型移民国家への道プロジェクト・チーム(PT)」の顧問だった中川秀直議員、同本部長代理に就任だそうです。

今朝の京都新聞の報じるところによれば、法務副大臣には、同PT幹事15人のうちの1人、佐藤剛男議員も就任だそうで、例の報告書、やはりツッコミ入れてかなきゃならんのでしょうか。う〜ん、どっちやねん(-_-;)。

前回の記事やコメント欄でちょっとほのめかしましたが、同PTの報告書が掲げる移民立国なんて私には無理な気がしています。そのうえ、根本的なスタート地点や認識、考え方からして、私には受け入れがたいものがありますし。なにせ、あの教育基本法改悪をやっちゃったり入管法改悪をやっちゃったり、そんな連中のつくった報告書なわけでして、そんなものに対して私が批判的になるのは当然の帰結でしょう。

ではありますが、上のとらちゃんの記事で気になったのが、移民受入計画を批判する理由として出てきた、
「日本の若者はおいてけぼりか!」
というフレーズです。

上記PTの計画は、ざっと見る限り、今の「日本の若者」の老後を「移民」が支える社会を想定しているように思えます。ですので、単純に「移民」と「日本の若者」(←現在の労働人口を指していると思われがちでしょう)とを、あっち立てればこちらは立たずの関係でとらえるのは、ちょっと無理があるのではないかなあ、と。

まあ、もうちょっと詳しく報告書を分析すると、私の上の感想、違ってくるかも知れません。
ひょっとすると、現在の「日本の若者」に対するジェノサイドを、ナチスの後継者たる自民党が企てていても、不思議ではありませんので。今、75歳以上の高齢者に仕掛けているみたいに。

実際、「50年先を見据えた外国人雇用対策を推進する」「人口減社会に対応した外国人雇用対策を推進する」という項目に、次のような一文があります。

平成20年2月29日に策定された「雇用対策基本方針」にある、「安易に外国人労働者の受け入れ範囲を拡大して対応するのではなく、まずは国内の若者、女性、高齢者、障害者等の労働市場への参加を実現していく」との方針を日本型移民政策を推進する観点から見直す。

たしかに、「日本の若者」たちの雇用を後回しにするぞという宣言であると、読み取れそうな文言です。
(ちなみに、引用文中の「雇用対策基本方針」と同様の方針は、戦後一貫してとられてきたものでして、にもかかわらず、外国人単純労働者は常に生まれつづけて、日本社会・日本経済を下支えしつづけて、今に至ります。)

しかし、同報告書で「直ちに取り組むべき事項」として挙げられているのは、

1.グローバルタウンの創設(1年以内に実施):外国人雇用特区、多文化共生特区を推進する。〜農林水産業等の第一次産業や人材確保難に陥っている産業・地域活性化事業を進める。
2.定住外国人の子供の教育、特に南米からUターンしてきた日系移民の子供に対する日本語教育の徹底を図る。(必要な予算の確保)
3.国が先頭に立って留学生に対する就職支援を行う。:日本の大学等を卒業し、日本企業に就職した留学生に対しては、入管法上の「定住者」の在留資格を付与する。
4.海外において日本の魅力をアピールし、外国人に日本語教育を実施する体制を早急に整備する。
5.インドネシアおよびフィリピンと締結した経済連携協定(EPA)等のもとで実施する看護・介護分野の外国人材の受け入れについて、育成型移民政策の観点から受け入れ条件の見直し、習得した知識・技術を認定する制度等を検討する。/さらに、ベトナム等との経済連携協定(EPA)に対しても、インドネシア・フィリピンのEPAのスキームだけでなく、「育成型システム」をわが国から提起していく。
6.日本社会に根付いて生活している外国人の法的地位を早期に安定させることは移民政策の要請であるから、永住許可要件を大幅に緩和する。

7.外国人職業訓練制度発足までの間は、外国人研修・技能実習制度のスキームを踏まえ、(1)国内の人材育成・確保ニーズに基づき、対象職種を抜本的に見直す。/「研修」制度は廃止し、「技能実習」に一元化する。(2)技能実習期間中の労働基準法等の適用、受入団体による専門的・技術的支援体制の強化、公的機関による法令遵守の指導・監視体制の構築を図る。(3)送り出しおよび受け入れにかかわる機関、団体による技能実習生に対する不必要な手数料徴収、パスポート管理など不正・不当な行為、ブローカーによる斡旋などの介入を排除する。/受け入れ団体及び技能実習先(企業等)は、抜本見直しのうえ認可制とする。

でして、こんなものに「日本の若者」の雇用を破壊する威力があるのかいな、どれも「移民」や外国人労働者を劇的に増やす可能性小さいんじゃあるまいか、というのが、私の正直な感想です。

しかも、「日本が受け入れる移民のカテゴリー」としては、こんな人たちが想定されているようです。

1.高度人材(大学卒業レベル)
2.熟練労働者(日本で職業訓練を受けた人材)
3.留学生
4.移民の家族(家族統合の権利保障)
5.人道的配慮を要する移民(難民、日本人妻等北朝鮮帰国者、その他日本が人道上受け入れを考慮すべき人々)
6.投資移民(富裕層) など

これはもう、水紋鏡~呪詛粘着倶楽部~さんが2006年10月27日に民主党若手の共同提案に入れた厳しいツッコミを、そのまま浴びせるのがふさわしいでしょう。

バッカじゃねーの!そんなスペシャルな外国人限定でもって1000万人?本当に現実的な施策だと思っているの?竹中のIT革命で800万人新規雇用増とかいうのよりなおいっそううさんくさいよ。人口減に対応するために移民という処方箋は間違っていないのに、なんでこんな頓珍漢なことをしゃーしゃと言えるのだろうか。机上の空論としては国民の体感治安の悪化にも配慮しつつ、経済界の要請に応えているけれどさ。(水紋鏡~呪詛粘着倶楽部~、2006.10.27)

ともあれ、人口減と言うより「少子高齢化の進展」への対応策を検討する前提として、人口推計などをきちんと分析する必要がありそうです。

これについて、たとえば、公明党が2006年4月に発表した「少子社会トータルプラン」は、2015年までは国内労働力人口の増加や生産性の向上で現状を維持できるが、その後に外国人労働者の導入が大きな政治課題になる、と予測しているのだそうです(「総合調査 人口減少社会の外国人問題」「外国人政策の変遷と各種提言」)。この推計は、はたしてどこまで当てになるのか。

ただ、諸事多忙な折ですしこの類いの分析をやったことはありませんので(;<>;)、どなたかやってくれるとありがたいというのが、本心だったりします。

どなたか関心のある方、なにとぞどうかよろしくお願いしますm(_ _)m。

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幻?の「日本の魅力」と看護師・介護福祉士、今ここにある「多文化・多民族・多国籍社会」という現実(2008.08.03)

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下記2つの請願署名へのご協力、お願いします。集約期限は今月末です。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m。

日本版US-Visitシステムの廃止を要望する国会請願署名、電子署名(国際結婚を考える会、IST請願の会)
重国籍の容認を求める請願署名、電子署名(IST請願の会)

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外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)
人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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幻?の「日本の魅力」と看護師・介護福祉士、今ここにある「多文化・多民族・多国籍社会」という現実

2008.8.3.22:00ころ

今回の内閣改造、中川秀直氏をはじめ、自民党国家戦略本部「日本型移民国家への路プロジェクトチーム」の2008.6.20報告書に名前を連ねている面々、一人も入閣していませんね。

この様子だと、「日本民族」がどーのとか「日本文明の底力を活かす」などと宣っていたあの報告書について、急いで触れる必要はなくなったんではないかと思います。

ようやく、「総合調査 人口減少社会の外国人問題」を読みはじめることができたっていうのに(-_-;)。

で、今回は、上記「総合調査 人口減少社会の外国人問題」を読み進めながら、気になった点を、最近のニュースとからめて、抜き書きします。この手法、しばらく続けるかも知れません。

 

受け入れ枠の半数に達せず インドネシア人介護士ら(京都新聞、2008.7.18)

【ジャカルタ18日共同】経済連携協定(EPA)に基づくインドネシアからの初の介護士・看護師受け入れで、日本側の老人ホーム、病院など求人施設と、インドネシア側で派遣が内定した候補の組み合わせを決める「マッチング」作業が18日終了、受け入れ成立は両国政府が想定した初年度枠500人(介護士300人、看護師200人)の半数にも達せず、来年以降の募集方法などに課題が残った。
 成立したのは、介護士候補114人、看護師候補112人の計226人。
 マッチングでは、インドネシアで一般的な男性の看護師多数の受け入れ先が見つからず、宙に浮いた。日本の医療施設が女性を求めたことが背景にありそうだ。
 日本側の仲介機関、国際厚生事業団によると、マッチングの対象となった介護士の候補は124人、求人は281人で、候補の約9割の採用が決まった。看護師の候補は170人に対し、求人は155人。候補の3割以上の採用が不成立となり、不成立の看護師は全員が男性だった。(共同通信)

今朝の朝日新聞で、背景を分析する特集が掲載されていました。

国を開く 看護・介護 受入れに壁
先行組は 猛勉強し試験合格、正職員に
希望者は 厳しい条件 日本の人気下がる
課題は 病院・施設側にも大きい負担

このうち、希望者は 厳しい条件 日本の人気下がるを、ちょっと引用してみます。

日本・インドネシア経済連携協定(EPA)で、インドネシア人看護師・介護福祉士候補の第1陣が7日、来日する予定だ。今年度受け入れるインドネシア人候補者は、看護師104人、介護士104人。応募者と受け入れ側の要望が合わず、当初の予定より大幅に減った。
 同国には介護福祉士の資格がないため、看護学校か大学看護学部卒業が応募要件に。看護師の要件には2年以上の実務経験が加わった(図は省略)。
 介護福祉士を目指すインドネシア人男性(22)は、看護師に応募したかったが、実務経験が4カ月なのであきらめた。それでも日本で働きたかったので介護福祉士に応募した。「いまの10倍以上の給料に魅力を感じる」と話す。
 全国看護師協会のアヒル会長は「インドネシアの看護師が日本で介護士にしかなれないのは『格下げ』。看護師を派遣することには協力しない」と反発する。インドネシアでは高齢者は子供夫婦や家政婦が世話をするのが一般的。保健省幹部は「『介護とは何か』という基本教育から始め、社会や価値観の差を埋める必要がある」と話す。
 「出稼ぎ大国」フィリピンでも日本は魅力的な働き先とはみられていない。毎年1万人以上の介護士と8千人以上の看護師が海外に渡る。英語圏と比べて言葉の壁がある日本は条件が悪い。
 「私たちは優秀なプロの看護師で、世界中が私たちを求めているのだ。日本では訓練生扱いで、漢字の試験を受けさせられる。米国では月3800ドルの給料がもらえる。日本に行っても将来はない」と看護師協会のサマコ・パーキス開帳は憤然と話す。
 介護士養成コースを開くケソン市のアジア・トリニティー大学では、日本とのEPAが調印された06年から基礎日本語を授業に採り入れた。だが「学生たちにはカナダや英国の方が魅力的。条件を下げたら、日本を希望する生徒も増えるのだろうが」と責任者はいう。学生のオリバー・ブスタマンテさん(32)は「日本は私たちのサービスを必要としているのに、自分たちの基準ばかり押しつける。カナダならすぐ働けるし、数年働けば家族の永住権も求めることができるのに」と話した。

これを読んでいて思い出したのが、「総合調査 人口減少社会の外国人問題」「はじめに」「エグゼクティブ サマリー」が触れている、「有用な人材の受入」を積極的に目指しつつも、はかばかしい成果を上げることができずに、受入を制限しようと目指している単純労働者ばかりが増えているという現状です。

上の「エグゼクティブ サマリー」では、「有用な人材」獲得競争での惨憺たる状況について、(1)受入基準の問題、(2)企業の受入姿勢の問題、(3)外国人技術者の対応、の3点の原因が考えられ、(3)がこれまでの調査から主な原因となっているようだ、との分析が述べられています。日本企業の処遇や、キャリアアップに活かしにくいこと、などが技術者が日本企業を敬遠する原因になっている、というわけですが、看護師、介護福祉士については、(1)も原因になっていそうです。

【関連記事】
フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(1)(2006.11.04)
フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(2)(2006.11.26)
フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(3)(2006.12.10)
フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(4)(2007.2.10)
介護と医療と外国人労働者(2008.3.31)

「リサイクル」の名の下に日本のごみがフィリピンへ?~政府の戦略に懸念(ENVIROASIA、2006.11.10)

そう言えば、ブラジルからの「デカセギ」リクルートも、ブラジルの経済成長とともに難しくなっていると、先月だったかな、たぶんNHKだと思いますが、何かのテレビ番組で伝えていました。学生を短期間、帰りにカナダとかで語学研修付き、みたいなパッケージをつくって、ようやく「デカセギ」人材が確保できる、そんな状況が生まれてきてるのだとか。

いろんな意味で、「日本」の魅力、減ってきているのかも。
となると、人口減少、少子・高齢化を移民で補うという戦略、かなり難しいように思います。

まあ、私としては、こんな地震の巣に50以上の原子力発電所を抱え込んでいる国に外国から人を招き入れるなんて、えらく残酷なことにも思えるので、「移民大国化」政策には、その点でも否定的な印象を持っています。

その一方で、こんなニュースが。

外国籍の子は30人に1人 06年生まれ、厚労省調査(共同通信、2008.8.3)

 06年に国内で生まれた赤ちゃん約110万人のうち、親の少なくとも一方が外国籍の子が3万5651人で、新生児のほぼ30人に1人の割合に上ることが3日までに、厚生労働省の調査で分かった。同年に国内で結婚し、婚姻届を出したカップルのうち、1人または両方が外国人の組み合わせは約15組に1組。いずれの数字も増加傾向にあり、過去10年で最高。日本社会の国際化を裏付けている。

まずは、ここにある「多文化・多民族・多国籍」な現実を受け入れ、そこからなすべきことを地道に積み重ねていく必要があるんじゃないかなあと、いつもの結論にたどり着いたところで、本日はこの辺で。

【関連記事】

移民受入と産地偽装、漁業スト、介護の現場と派遣労働。フェアトレード。(2008.07.23)

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?「野党はナチス」?「移民か日本の若者か」?(追記アリ)(2008.08.06)

お前が言うか、自民党。蹴倒しますぞ、うさキック!(追記アリ)(2008.08.13)

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人の尊厳と、連帯と!【請願署名ご協力のお願い】(2008.2.6)

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