「人生いろいろ、婚姻もいろいろ」でしょうに……。40歳差の国際結婚、東京地裁認めず
2008.3.7.23:00ころ
国外退去処分取り消し求めた40歳差国際婚のミャンマー人女性の訴え棄却 東京地裁(FNN、2008.3.6/Yahoo!ニュース)
不法滞在で東京入国管理局に国外退去処分を受けた36歳のミャンマー人女性が、76歳の日本人男性と婚姻関係にあるとして、処分取り消しを求めて裁判を起こした裁判で、東京地方裁判所は訴えを全面的に棄却した。
2007年4月に不法滞在で東京入局管理局に国外追放処分を受けたミャンマー人女性・ティティさん(36)が、日本人男性・内澤清春さん(76)と婚姻関係あるとして、処分取り消しを求めて裁判を起こした。
6日の判決で、東京地裁は、原告の訴えを全面的に棄却した。
会見で、内澤清春さん(76)は「心外ですね」、「すごい愛情がある」、「年齢差のある(ので却下)というのは、わたしも納得いかない」と語った。
ティティさん(36)は「(判決は)おかしいと思う」、「年は離れていても関係ないと思っています」と話した。
争点の1つは、「年の差40歳の結婚」だった。
入管側は、高齢の男性と結婚したミャンマー人の女性について、「結婚の動機が、愛情のみに基づくか疑問」とし、これに原告側が意義を唱えていた。
判決では「男女間の年齢差は、必ずしも恋愛感情の妨げになるものではないとはいえ、男性(出会い当時71歳)は2度の離婚暦を持ち、3人の子どもがある一方、原告(出会い当時31)は結婚暦も子どももなく、実際、男性を『お父さん』と呼んでいる」とした。
さらに、生活時間が異なることや、逮捕後に婚姻届が提出されたことなどから、「真摯(しんし)な意思を持って共同生活を営む意思があったか、大いに疑問」との判決を下した。
年の差をめぐる騒動では、元プレイメイトのアンナ・ニコル・スミスさん(当時26)とテキサスの石油王(当時89)との「63歳差婚」があり、アンナさんも2007年に急死し、4億ドルという遺産の行方が話題になっていた。
今回の裁判では、さらに「国際結婚」という複雑な事情がからんでいた。
同じく20歳という年の差を乗り越え、結婚した日本人とロシア人の夫妻の妻・エレナさん(30)は「年(の差は)関係ないと思う。日本人ってまず年齢から聞くでしょ。70歳、80歳、20歳、関係ない」と話した。
夫の幸蔵さん(50)は「日本人の男性の責任ってあると思うでしょ。その責任を持ってちゃんと行動したら大丈夫」と語った。
「お父さん」って呼ぼうがどう呼ぼうが、関係ないでしょうに。
『サザエさん』の波平さんだってフネさんからは「お父さん」って呼ばれてます。まあ、二人の間に子どもがいる、っていう違いはありますけど。
「生活時間が異なること」が「真摯な意思を持って共同生活を営む意思があったか、大いに疑問」となるのであれば、夫婦の一方が海外のどこかへ単身赴任確定の状態での婚姻届とか、仕事の関係で生活時間帯がバラバラのカップルの婚姻届とかも、やはり無効とされるんでしょうか。
「逮捕後に婚姻届が提出されたこと」も合わせ技で挙げられてるみたいですが、入管に捕まったのをきっかけに相手のかけがえのなさに気がつく、なんてことも十分ありえるでしょう。逆境で深まる絆、とか。
だいたい「不法滞在者半減計画」なんてものを血眼になって実行中の入管〔たとえば、難民家族の父親と長男を出身国に追い返して家族を引き裂いたり(その後無事、合流ができたようです。よかった!)、昨年末には同じく東京地裁関連でこんなことさえありました→これについてはこちらもどうぞ〕の言い分に乗っかるなんて、やはり昨日出た「住基ネット合憲最高裁判決」と同じく、結局は「政府のための司法」に成り下がっちゃってるだけじゃん、って思えてしまいます。
ちなみに、「婚姻意思の有無」を実質的に判断する、というのは、確立した判例のようです。一方、離婚に関しては、離婚届を出しさえすればその意思は問わないというのも以下同文。
しっかし、婚姻意思の有無を裁判所に裁かれるっていうのも、非常に無粋な話の気がしますし、今の時代、婚姻届を出すかどうかは、もう「真摯な意思を持って共同生活を営む意思」を持っているかどうかよりも、現行の「婚姻制度」に付随する利益・不利益(扶養家族になれるとかお互い相続できるとか重婚できないとか姓を一つにせにゃならんとか、いろいろあるでしょう)をどこまで受け入れるか、その決断にかかってきているような気もします。「婚姻意思」も「離婚意思」と同様、形式的に判断しちゃっていいんじゃないでしょうか。
従来の判例踏襲、仕方ない話なんですかねえ……。
何にせよ、日本の法制度自体が家族形態の多様化に追いつかなくなっている、その表れを見た気がします。婚姻届を出していない事実婚カップルとかの法的保護、というか、彼・彼女らが現状受け入れざるを得ない不利益をどうするかとか、そのあたりにもつながっていく話です。
ここらでびしっと、「人生いろいろ、婚姻もいろいろ」って、人気者の元総理みたいに、じゃなくって、桜吹雪の遠山金さんみたいに言い放ってくれる裁判官、出てくれませんかねえ……(遠い目)。

←やっぱ、ラブ&ピースでしょ。
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