「外国籍市民意識・実態調査」能天気な京都市役所のHP、クールな京都新聞。京都市長選、腑抜けた京都新聞
2008.1.18.22:40ころ
外国籍の4割「就職で差別」 京都市が調査、不採用や低賃金も(京都新聞、2008.1.17)
京都市が16日にまとめた「外国籍市民意識・実態調査」で、市内の外国人の4割が就職差別を受けた経験があると答えていた。外国籍を理由に不採用になったり、日本人に比べて賃金が安いなど待遇に差が出ている現状がうかがえ、市は今後、企業向けの啓発などを強化していく方針。
調査は昨年6月から1カ月間、1952年以前から日本に住むか日本で生まれた韓国・朝鮮籍中心の「オールドカマー」と、53年以降に来日した「ニューカマー」の計3700人を対象に実施、回答率は26・5%だった。
それによると、外国籍を理由に採用されなかったり、賃金や労働条件が日本人より悪かったことなど、差別を受けた経験のあると答えた人はオールドカマーで42%、ニューカマーで37・2%だった。
中でも、外国籍を理由に採用されなかったとの回答が最も多く、韓国・朝鮮籍の女性から「韓国名の本名で履歴書を書いたら採用を断られた」、「断られるという先入観で就職をためらった」などの声が寄せられた。労働条件でも中国籍の男性から「給料やボーナスが上がらない」などと不満を訴える声があった。
日本人との交際や結婚で差別や偏見を感じた経験があるか聞いたところ、ニューカマーが約1割だったのに対し、オールドカマーは約5割に達した。外国籍市民への「必要と思う施策」では、ともに「行政上の扱いを日本人と同等にする」が最も多かった。
市は「外国籍市民が安定した生活を送るには雇用確保が必要で、結婚などでも根強い差別意識が残っている。啓発強化など対策を考えていきたい」として、来年度早々にまとめる国際化推進プランに対応策を盛り込む方針。
さすが、伊吹文明・自民党幹事長のお膝元!
さっすが、教育再生会議の委員が教育長を務め、ついには市長選に自民・公明・民主のサポートを得て立候補する土地柄だあ……!
などと、言い切ってしまうのは、おそらく早合点なんでしょうね……。
ちなみに、この調査報告、京都市のサイトで、公開されています。そのページのタイトルが、
「京都市外国籍市民意識・実態調査」の結果報告について~多くの方が京都市に定住を希望されていることなどが判明!~(2008.1.17)
そして、結果概要として挙げられているのが、
○多くの方が京都に住み続けることを希望!
(オールドカマー:前回74.8%⇒今回80.3%,ニューカマー前回18.2%⇒今回23.5%)
○日本国籍者を配偶者に選ぶ人が増加!
(オールドカマー:前回23.3%⇒今回24.1%,ニューカマー:前回30.5%⇒今回32.6%)
○ニューカマーにおいては,「人権や環境,福祉などのボランティア活動」や「母国の文化や歴史などを紹介する活動」に参加している,もしくは参加意欲のある方が6割を超えている!
(人権・環境・福祉のボランティア:63.3%,母国の文化・歴史の紹介:63.5%) 等
(参考)
■「オールドカマー」:1952年以前から日本に住んでいる,もしくは日本で生まれた外国籍市民
「ニューカマー」:1953年以降に来日している外国籍市民
幸せそうです。京都市役所。
さすがは、以下同文。
この報告書から、上記記事を書き出した京都新聞の記者さんに、Good Job! そして、うさエール♪
ちなみに、教育再生会議の元・委員で、京都市の教育長だった門川大作・京都市長候補。
昨年末に京都地裁で、違法な行政施策をなしたとして、損害賠償を命ぜられています。
詳しい情報は、こちらでどうぞ。毎日.jpとasahi.comでも、判決を報じる記事を読めます。
ところが、京都新聞では、京都市長候補の実績、施策の進め方に関する重大な情報であるにもかかわらず、記事の扱いはひっそりとしたものであったうえ、ウェブでもその記事、公開していません。
(こちらでPDF化されたものをご覧になれます)
嘆かわしいっす……。

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こんばんは。うささん。
なごなぐさんやお豆さん所にコメントした内容ですけど、
官僚対民間委員(いろんな国家会議の)、どうも官僚の方がまともですね、僕の大雑把な印象を言えば。これはマルクスの『ユダヤ人問題に寄せて』の主題に通じる資本主義ソノモノの矛盾点なので、一言ではいい難いんですけど、そこに資本制の「公正なる魅力」も内蔵していて、これが紛糾の種。すなわち『売り手は客を選べない』、つまり誰もが『お客様』ゆえ『神様』。これは気に入らん奴には『売ったれへん』なんて言えない商人の普遍的博愛主義[≒お金儲け主義]。これって誰からも『食い物や宿』を貰う『乞食』精神とも通底しています。系列企業グループヤ企業別組合に入った連中の『封建的地縁・血縁・門&学閥』主義というのが、今日のカースト制ですし、独占寡占体制の「成れの果て」。その極点としてブロック経済化による『大恐慌』やナショナリズム剥き出しの『大戦』が生じる。まあ人間界で規模こそ違え、繰返された『ビッグバン』ですね。ホブズボームの『長い19世紀、短い20世紀』っていう歴史概観によると、どんどんぶつかる規模とその被害が雪ダルマ式に大きくなっているようですが・・。あ、主題から離れちゃた。安心して営業[製造・販売]する為に商人や生産者としては、巨大で安定をもたらすシステム[国家機構や国際機構]を求める。けど、それが今度は自由なる営業を妨げる『足枷』にさえ成る。で、「環」トやモンテ「蹴球」の権力分散策が必要になる。さもないと、誰もが『法家』的『息苦しさ』の中、『窒息し掛けて』殺し合いの脱出を試みる。これが[どんなに洗練した殺しのテクを使おうとも]アナーキーなカタストロフィーが(餓)、史(死)的に繰返されるのメカニズムでしょうね。
生体認証を外国人に実施した法務省の役人たちの方が、その危険性をよく熟知しているのでしょう。自分たちが何をしているのか、どこまでその範囲を広げていいのか? それが人間をオートマティックな機「硬」に従属させることになること。
で、結局、もっと「で魁」カタストロフ(破局)を生むであろうことも。
ああ、やや長くなったかも、中身無い割りに・・。
投稿: 三介 | 2008年1月19日 (土) 23時27分
三介さん、こんばんは。
教育再生会議や経済再生会議やらの人選を見ていると、官僚がまともに見えるのは仕方がないでしょうねえ。人選した連中が連中ですし。今日のカースト制のなれのはて、といえばまさにそうなんでしょう。
非国民通信さんの1/18の記事を読んでいて考えたんですが、自民党の政治家は献金をたくさんくれる企業の言うことばかり聞いてたから、やるべき産業政策をできずにきたんではあるまいか、と。外国人研修生制度がいまだに残っているのも同じです。
大規模なカタストロフィーを防ぐすべは、変化を先読みして、先手を打ちつつ、現在の枠組みをスムーズに変化させていく。たぶんそれしかないんでしょうけど、そのためのビジョンを提示できるシステムが、今の日本の政治の中にも周辺にもないのが悩みの種です。
法務省の厄人たちがカタストロフィーへの危険性を熟知している、というのは、たぶん買いかぶりです。彼らがおそれるカタストロフィーは彼らが頂点でいられる体制の破局であって、それを防ぐためにこそ、まずは外国人への監視を強化することで監視に対する慣れを主権者の間に生み、その勢いをもって、官僚の権力を揺るがしかねない「主権者」をいずれは監視の網の中に取り込もうとしている。そんなところだと思います。他に意味の見出しにくいシステムなんですもの。
本来、官僚たちこそ監視されるべきというのが、門テス級の三権分立だと思うんですが、逆方向の監視ばかりが強められている。冗談みたいな状況です。
法務省の厄人たちも、格差拡大が進む中、今後は「上級カースト」に位置できる立場にあるわけですから、現在の体制の死守に血道を上げている、その程度なんじゃないのかなあ。
まあ、カタストロフィーが来るとしても、それが殺し合いにならぬよう、国際刑事裁判所なんてものも生まれて来ていますので、そのあたりを有効に機能させつつ、現在の行き詰まりの原因を見極めつつそれを突破するビジョンを探すこと、それをやっていかねばならんのだろうと思います。ちょうど、鍵の一つが「脱・植民地主義」かなあ、なんて考えているここ数日でして、うまくかんがえがまとまれば近日中に、遅くとも今年のお盆くらいまでに、エントリーを書くつもりです。
でも難しそうで、どうなることやら(^^;)。
投稿: 仲@ukiuki | 2008年1月20日 (日) 00時22分