お買い得にもほどがある!!!『外国人の定住と日本語教育〔増補版〕』&『日本人的1少女』
2007.10.24.05:06ころ
『外国人の定住と日本語教育』(田尻英三、田中 宏、吉野 正、山西優二、山田 泉。ひつじ書房。げげ、アマゾンでユーズド価格が4800円から!?)の増補版が出版されたとの話をタカマサのきまぐれ時評さんで知り、書店へ走りました。
ジュンク堂四条店の店頭にはまだ旧版のみのようです。ならばと走ったジュンク堂BALビル店には、増補版が2冊!
ぱらぱらと立ち読みしてみると、タカマサのきまぐれ時評さんも記事で紹介している巻末の増補資料が非常に有用そうです。しかもしかも、山田泉・法政大学教授の執筆部分がこれまた増補されている!!私の知ってる滋賀県の状況も、ちらとですが触れられてるじゃありませんかあ!!
さっそく買ってきました。はい、もちろん1冊です。
以前、初版についてはこちらで紹介したことがあります。中身を引用せずにひたすらお薦めするというかなり無茶な紹介なんですが、そのときの紹介文がこれです。
ひつじ書房から今月発売されたばかりの、『外国人の定住と日本語教育』。
昨年5月に開かれた日本語教育学会のシンポジウム「外国人の定住と日本語教育」のコーディネーターとパネリストたちが、当日、時間の都合で返答できなかった質問なども含めて、発言内容をまとめたもの、だそうだ。
とりあえず、私がかかわっている中南米関連の子どもたちのための支援活動と関係のありそうな、第5章の「多文化・多言語主義と子どもの発達」という山田 泉氏の執筆部分を読んでみたところ、これが「いい!」
「ぜひ、皆さんにも読んでいただきたい!」
という内容なのだ!
くわしくは読んでのお楽しみ、ということで、ここでは触れない。ただ、私がこれまでの活動で、まとまりのないまま常々感じていたことを、いくつも、山田氏の論説は、明確に指し示してくれているということ、そしてそこには、『多文化・多民族・多国籍社会と「人としての権利」』を考え、多文化共生を真に豊かなものにしていくうえで不可欠な視点と実践例とが、提示されているということ、この2点だけは、書いておこう。それ以上は、今は言えない、悪しからず。
個人的には、ここだけでも2000円+税の価値が十分あったと感じている。
そんなに長くないことだし、どうか皆さん、読んで、読んで、読んで〜!!というわけで、新コーナーをつくってしまった次第である。
ならばやはり、というわけで、『日本人的1少女』を紹介した本サイトの「コミック編」にもリンクを張ることに。あちらも更新したので、あわせてどうぞ!
これは山田泉さんの執筆部分のみを読んだ直後の紹介文なので、こんな感じになっているんですが、もちろん田中宏さんらの執筆部分も非常に参考になり、これまたこの本のお買い得度をすさまじく高めています。しかも、今回の巻末資料(田尻教授の解説付き!)の増補の充実度といったら!!! まさに、
巻末で「最も注目すべき研究の一つ」などとして紹介されている『「共生」の内実 批判的社会言語学からの問いかけ』(植田晃次・山下仁編著)と『顔の見えない定住化−日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク−』(梶田孝道・丹野清人・樋口直人著)、そして『ブエノス・ディアス、ニッポン 外国人が生きる「もうひとつの日本」』(ななころびやおき著)の3冊(に限りませんが)、当ブログ主としてもお薦めです。『顔の見えない定住化』についてはこちらの書評も同じくお薦めです。ぜひぜひ、どうぞ!
今ふと見ると、初版でも『単一民族神話の起源—「日本人」の自画像の系譜』(小熊英二)が紹介されてます。
ということは、3年前にそのタイトルは目に触れていたはずなのに、本ブログのコメント欄で紹介されるまで、知らぬも同然の状況にあったわけです。私のアンテナの鈍さを反省すべきところかも知れませんが、ここはやはり素直に喜ぶべきでしょう。う〜ん、ブログをやっててほんとうに良かった!!
ちょっと話は脇道にそれますが。
先ほど、『福祉ネットワーク「日本でともに暮らす(2)学校に行かない子どもたち」』(NHK教育)を観て、小内透・北海道大学大学院教授のコメントに怒りを通り越して呆れにたどりつきそうになった直後であるだけに、いっそう本書を多くの方々に読んでいただかねばと思います。
だって、小内教授、「転居が多くてそれが子どもたちの不就学のきっかけになる」とは指摘しても、それが保護者の雇用システムに起因するという点にはまったく触れないし(『顔の見えない定住化−日系ブラジル人と国家・市場・移民ネットワーク−』が分析してくれてるのに)、ブラジル人学校の2〜3割しかブラジル政府の認可を受けていないとかかなり古いデータに基づいて語ってるし(ほぼ半分が認可を受けていたはずです)、「日本語を週1時間くらいしか学ばないブラジル人学校は帰国しない子どもには意味がない」なんてことを言ってるし(あまりに失礼な話で耳を疑ってしまった。教育にとって「言語」が重要なのはもちろんだけど、それだけではないでしょうに。それにブラジル人学校は日本の公立学校のシステムなんかより素早く現実に対応していけると思います。日本語をじっくり教えるところ、バイリンガル教育に乗り出すところが出てくるのも時間の問題じゃないかなあ。だいたい、日本の公立学校がしっかり受入態勢できてないからブラジル人学校が100近くに増えてきてるんであって、ああ、なんで山田教授のような人が解説ゲストに採用されないんだろう!?)、岐阜県可児市の先進的な取り組みがまるで「外国人集住都市会議」のおかげで始まったみたいなことも言ってるし(可児市の取り組みが「外国人集住都市会議」参加自治体に影響を与えたというのが実態じゃないのかなあ)、それにそれに、在日コリアンら旧植民地出身者が半世紀以上前からこの社会で暮らしていたという日本社会の姿についてまったく無視を決め込んでいる姿勢にも日本社会の均質性を前提にしちゃってるあたりにも激しく違和感を覚えて、なんともストレスたまりまくりな番組でした。
「スタジオでの小内教授の解説」以外は、いい番組だったと思うのですが。残念!
とまあ、そんな脇道を通っちゃったこともあって、『外国人の定住と日本語教育〔増補版〕』を激しく猛烈にお薦めする次第であります。
そして、いつの間にやら増補版が発行されていた『日本人的1少女』も同じく。注文しなくちゃ。

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コメント
仲さん、おはようございます。
■当方の記事、ご紹介・リンクありがとうございました。
■ただ、「お買い得にもほどがある!!!…」って表題のトラックバックにきづいたときは、正直、きもひやしました。だって、そのままモジどおりにうけとれませんでしたもん(笑)。■だから、「これらの費用をすべて支払った場合の日系人労働者の一人一カ月当たりの労働コストは、日本人の場合に比して高くなる」といった引用をさかてにとった、排外主義者で粘着質の御仁でもいて、攻撃的な文章をかいているのかと(泣)……。
■おそるおそる、クリックしたら、“http://ukiuki.way……”とみえたので、ひと安心しましたが(笑)。
■いや、日本語教育関係者だけじゃなくて、小中学校の先生方や教育委員会のみなさんにご購入いただきたい。10万部でもうれたら、日本列島劇的にかわるんじゃないかと…。■がんばって、広報活動いたしましょう。
ではでは。
投稿: ハラナ・タカマサ | 2007年10月24日 (水) 06時24分
ハラナさん、こんばんは。
ふっふっふっ。実はハラナさんをびっくりさせようと思ってこんなタイトルにしたわけで……はありません。失礼しました(汗)。
言われてみれば、なかなか刺激的で攻撃的にも見えるタイトルですね(汗汗)。
『通販の鬼やすだ』くんの印象が残ったままの私の頭は、記事を書いている最中、そこまで頭が回っておりませんでした(^^;)。
実を言うと、私もTB記事の標題には疑心暗鬼になることが時々あります。この手のブログを運営するうちに身に付いた哀しい習性と申しましょうか(^^;)。
>■いや、日本語教育関係者だけじゃなくて、小中学校の先生方や教育委員会のみなさんにご購入いただきたい。10万部でもうれたら、日本列島劇的にかわるんじゃないかと…。■がんばって、広報活動いたしましょう。
10万部計画! いいですね、がんばりましょう!!
たしかに劇的な変化を生んでくれそうな、そんな一冊ですし、旧版でもプレミアがつくくらいに内容は素晴らしいわけですし。
これからもあちこちで宣伝して回るつもりです。「お買い得にもほどがある!!」と言ったり言わなかったりして(^^;)。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年10月24日 (水) 21時46分
>ふっふっふっ。実はハラナさんをびっくりさせようと思ってこんなタイトルにした
ええ?!うきういきさん、わざとじゃないのですか? あの、もったいぶった題名?! 得意の兎さフック!化
と想ってました。
ウルトイラ7X並みのいみ深技、かな、と。
もっとも、僕の場合は、ハラナさんのように、
>排外主義者で粘着質の御仁でもいて、攻撃的な文章
とは思わず、毎度毎度のエロTBからのH童画憑きやと、
鼻の舌伸ばしただけですけど・・。
にゃへ~。
>小内透・北海道大学大学院教授
確かに酷かったですね。もっとちゃんと人選せんと、
NHK、羞じかくで~。
投稿: 三介 | 2007年10月24日 (水) 22時50分
三介さん、こんばんは。
「ちょっと目立つタイトルにしてみたかった……ただそれだけん、ほんの出来心なんです…うわあっ〜!」(と泣き崩れる振りをする)でも、自白調書にはサインはしませんv(^^;)v。って、なんのこっちゃ。
>とは思わず、毎度毎度のエロTBからのH童画憑きやと、
>鼻の舌伸ばしただけですけど・・。
>にゃへ~。
おっ、これもたしかに言われてみれば、エロTBやらウラなんとかのダイレクトメールのタイトルにもありそうですね。さすが通販の鬼、その常套句、おそるべし!
>確かに酷かったですね。もっとちゃんと人選せんと、
>NHK、羞じかくで~。
見ておられましたか。どうも背景にある構造なんか(経済やら誰かの利権やら)から目を逸らさせてアサッテの方向に誘導していくような、そんな感じの語りなんですよね。三介さんとこで指摘されている建築審査の報道の話と、まんまおんなじ構図の気がします。何とも厄介厄介チョハッかい。あれれ、一発変換されません。。。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年10月25日 (木) 00時54分
仲さん、みなさん、おはようございます。
■こちらのソフトムードとはちがい、当方、ハード路線がアダとなり、ごくごくマレですが、はげしいバックラッシュにあいます(笑)。ま、自業自得なんですが…。これぐらいでビクつくんなら、まるくなればいいのに(笑)。
■日本語教員の必読書になり、自治体の教育委員会とか校長先生あたりが、「よんでおかないとまずい…」ってとこまで、有名になれば、日本列島かわるとおもいます。あの情報量に対応できる層は、正直うすいとおもいますけど、頑迷な排外主義者以外、「現状が非常にまずい」って認識だけはできるはずですから。■いや、ホラばなしでなく、10万部販売促進運動展開しましょう。
■それにしても、NHKって、なんで玉石混交なんでしょうね。プロデューサーのバラつきでしょうか?
投稿: ハラナ・タカマサ | 2007年10月25日 (木) 04時43分
ハラナさん、こんばんは。
丸くなろうとして丸くなれるのはアルマジロでありまして、ハラナさんにまるくなられてはアルマジロの立つ瀬がないと言いますか、私、寂しく思うかも知れません(笑)。
うちにバックラッシュ・コメントが流れ込んできた時には、「他の読者向けに記事を補足するいい機会だ」なんてことを考えたりするのですが(タダでは起きません(^^;))、気合いを混めてコメントしたにもかかわらず直接の相手以外に読んでくれている人がほとんどいなかったりして、ついついちびまる子ちゃん風につぶやいてしまいます。「あたしって、いったい……(-_-;)」(笑)。
>■日本語教員の必読書になり、自治体の教育委員会とか校長先生あたりが、「よんでおかないとまずい…」ってとこまで、有名になれば、日本列島かわるとおもいます。あの情報量に対応できる層は、正直うすいとおもいますけど、頑迷な排外主義者以外、「現状が非常にまずい」って認識だけはできるはずですから。■いや、ホラばなしでなく、10万部販売促進運動展開しましょう。
「よんでおかないとまずい」雰囲気を醸成しちゃうっていうのはいいですね。「10万部販売促進運動」勝手連的、ゲリラ的そして真剣に展開しましょう!!
おっしゃるとおり、私の知る範囲でも、けっこう保守的な地方の教育委員会においてでさえ、現状のまずさについての認識は間違いなく共有されています。ただ、そこからどこへ行くべきか、予算や組織のからみもあって困っている、そんな感じです。まあ、中には怒濤のバックラッシュを展開したがってうずうずしてる人もいたりしますが、さすがにおおっぴらにはやりにくいみたい、かな(^^)v。
NHKは、やはり所帯が大きい分、プロデューサーにバラつきがあるのかも知れませんね。変なテレビ報道は害悪も大きいので、事前にスタッフ自身の手でどうにかしてほしいのですけどねえ……。政治介入なんかは激しく猛烈に跳ね飛ばしつつ♪
投稿: 仲@ukiuki | 2007年10月25日 (木) 22時03分