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『パッチギ! LOVE & PEACE』&『ウリハッキョ』、メディアと差別と無知・無関心

2007.10.01.02:34ころ

シネカノンがソウルのミョンドン(明洞)に直営映画館を持っていて、毎週金曜日に「今村昌平監督回顧展」をやっているそうです。

と、こんな記事を見てしまったら、そろそろ年貢の納め時かなあ、というわけで、いよいよ書くことにしました、『パッチギ! LOVE & PEACE』の感想を!

まずは、休眠中に当ブログのサイドに設けていた「臨時トラバチック&リンク」にこっそりと書いていた、映画を観た直後の感想です。

初日に、観てきました。前作とは違い、今度は大人の世界のダークな話で(時代背景も違うから当たり前かも)、爆笑の連続というわけにはいきませんでしたが、役者さんたちの演技のすごさにぐいぐい引き込まれて、気がつけば涙、涙のクライマックスへ! ヤップの神社の扱いはあれでいいんかいとか、そのあたりはブログつながりのあの方にいずれご意見うかがうとして、ひとまず、私としては「超お薦め!」の作品です。 それにしてもアンソンがかっこよかった。京都なまりの関西弁がまるで友人のしゃべりを聞いているようで、これまた親近感「大」でした。

とまあ、私としては1作目とは違った意味でいろいろ楽しめた作品だったのですが、どうやら興行的には成功とは言えなかったのでは、との噂を聞いています。

実はそれ、私としても納得がいきます。

ネタバレにならない範囲でそれはなぜかを説明するなら、この作品は1970年代前半のとある在日コリアン家族の姿を描いているわけですが、なんとおそろしいことに、同時に、当時から現在まで変わったようで実は変わっていない「日本社会の陰湿で病的な部分」を、実にリアルに描いてくれちゃっています。

映画を観ていると、日常の中で不意に飛び出してくる差別やレイシズムの刃に血の気の引くような体験をさせられちゃうわけですが、その「刃」はけして遠い昔の過去のものなんかではなく、21世紀に入った今も残念ながら残ったままの、この列島のあちこちで隠し持たれている「刃」でもあるのです。
そして、それがあまりにリアルに描かれている分、日本人の観客の少なからぬ人たちは、自分が責められてるような気分になって、居心地の悪さや映画製作者に対する反発・反感を覚えちゃったのではあるまいか紋甲イカ。(もともと極右のレイシストさんたちが反感を持つのは当たり前のこととして。)

こんな風に思うのは、そんな感じの状況・場面にこれまで幾度か遭遇してきたからです。

たとえば、何かのイベントで在日外国人の置かれた状況の厳しさについて話を聴いていた日本人が、質疑応答の段階で、まるで日本社会すべてについて自分が責任を負っているかのように、自分が日本社会の代表であるかのように、日本社会の正しさを主張しはじめる。外国にルーツを持つ子どもたちが日本の公立学校で置かれた状況の苦しさについて話を聴いていた学校の先生が、また似たような反応を見せる。そういう場面を、これまでに何度も見てきました。

自分が属する集団、と言っても、たとえば「一つの目的を持って意識的に形成された政党のような集団」ではない集団(単に「属性」とでも呼ぶべきかも知れません)に対する非難を、あたかも自分自身に対して向けられたように受け取ってしまう感覚が、私にはどうも理解しにくいのですが、そのような感覚は、集団と個人との分別ができていないという点では、レイシズムに親和性の高い意識態様のようにも思えます。

私個人としては、日本社会の暗部が誰かに指摘されようが、それが正すべき部分だと思ったら、正すための方法を探すようにする、ただそうすれば良いと思うのですが、その暗部を正当化せねばならぬ、あるいは隠してしまわねばならぬ、と思う人がいる。あるいは、指摘した者に対して攻撃的な態度をとる人が少なくない気がする。いや、ひょっとすると多数派なのかも知れない。

そんな危惧を拭いきれずにいる私には、ただでさえ、若者たちの時に滑稽な、時に暴力オンリーの、しかし真摯なぶつかり合いを描いた前作とは違う「ダーク」な色合いが強い本作が興行的に成功しなかったとしても、当然の結果だろうなあ、と思うのです。

まあ、この分析が正しいかどうかはともかく、また、日本社会に限った話ではないかも知れないという点はさておくとして、
映画『パッチギ! LOVE & PEACE』、当ブログ主としては、超お薦めの一作です。未見の方は、ぜひどうぞ!!

そうそう、物理的な暴力(喧嘩)場面が前作よりも減ってる感があるのも、個人的にはお薦めです。
減っちゃったのは、もっとつらい暴力ってのが描かれてるからか、皆、大人になったからか、わかりませんが。

在日コリアンをとりあげた映画としては、『ウリハッキョ』がすごくイイ映画だと聞いています。友人カップル、観て泣きまくったらしい。

私も京都での上映会に出かけたのですが、上映機器の不具合で飛び飛びの場面しか観ることができませんでした(涙)。しかも、再上映の日は都合が悪くて観に行けず(涙涙)、DVDの発売を待つことにします。

ちなみに、このドキュメンタリーでは、上述の「刃」が今、どんな形で現れているか、それも記録され、収められています。ドキリとしますよ、絶対。

雑誌『ベリタ』5号を買ってきました。

在日朝鮮人への人権侵害を問う
●官民総ぐるみの差別といじめ 人権侵害、公安の不当捜査が続く 金東鶴
●メディアも警察も共謀している 前田朗

思い出したのが、『週刊金曜日』2007.9.21号(671号)の「メディア・ウォッチング」での高島伸欣・琉球大学教授による二つの指摘です。
1)日本政府は、今夏の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の水害被害に対する緊急人道援助実施を見送ったということ。
2)2005年の新潟中越地震の折には北朝鮮がすかさず、国際赤十字などを通して合計13万ドルの支援をしたが、日本のマスメディアは報道しなかったということ。

昨日は日本ビルマ救援センターの呼びかけで行われた軍事政権に対する抗議行動(アピールとビラ配り)に大阪駅前まで出かけたのですが、そこで聞いた話も、日本のマスメディアではとんと聞いたことのないものばかりでした。日本からの援助がどんなものかとか、軍事政権による少数民族に対するジェノサイドがどんな風に行われているのかとか。日本にいる難民の話はいろいろ聞いていても、彼・彼女たちが難民とならざるを得ない原因について、もっと知っておかねばならなかったと、しみじみ感じた高架の上でした。足元が揺れて、ちょっと船酔いした感もあり。ふらふら〜。


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コメント

ぅききです!お久しぶりです。
昨日はNHKのニュースでも大阪駅での抗議の様子がうつされていました。あの中に仲さんもおられたのですね。お疲れ様です。最近全然TBが出来ていなくてすみません><
「ウリハッキョ」もみたいですが、なかなか近くで上映がやっていなくて・・・悲しいです;;

ぅきき さん、こんにちは!

放映されたニュース映像には、私はたしか映っていなかったような。なにせ、鏡と科学的撮影機械には映らない体質ですので……というのは、もちろん冗談です、はい(^^;)。他に、毎日放送や朝日放送の撮影隊も来ていたようです。関心が高まっているのを感じます。

『ウリハッキョ』、私もきちんと全部観たいです(涙)。早くDVD化されないかなあ。

こんにちわ~、
「ブログつながりのあの方」です(笑)
実はわたしはまだ観ていません。先日ちょこっと日本に行ったんですが、時間がなくてDVD屋に寄れなかったというか、映画のDVDなど買ったこともないので、ようわからんかったうちに時間切れ(爆)、まっ、騒ぎ始めた責任上、そのうち手に入れて突っ込みます。ところでDVDは発売になってるんでしょうか?

映画上でのストーリーとしては成功だったのかもしれませんが、それだからといって、マイノリティー以下(存在すら想像されてないくらい)のヤップの人々や史実を、たった数分の登場であるとはいえ、まったく文化も言葉も違うパラオ人でごまかしたり、ありもしなかったヤップ人の子供の南洋神社参詣を描いたり、はたまた「ヤップには骨のない魚がいる」などと誤解を招くような台詞をいれたり(と観た人から聞きました)、私にとってはSAYURIを日本人が観るのと同じようなもんだろうなと思ってます。誰になんと言われようと、ちゃんと正すべきところは正しておきたいと思います。

suyapさん、よろしくお願いしますね(^^)v。

アンソンたちの生き方や日本社会の描き方は、ほんとによくできていたと思います。ただ、suyapさんの話を聴いていただけに、はたしてヤップの扱いというか描き方があれで良かったのかどうか、なんとも悩むばかりなのです。それもあって、レビューを書くのが遅くなっちゃいました。結局、見切り発車になりましたが(^^;)。

なんにせよ、この映画で一躍(?)日本の人たちの間にも知れ渡った(かも知れない)ヤップの人びとや歴史に対する誤解が生じかねない部分があるとすれば、そこを何とかしてくれるのはsuyapさんしかいない!はずですし、私の抱えたこの悩ましさをどうにかしてくれるのも、たとえ作品の評価が私とは大きく違うことになるとしても、やはりsuyapさんの解説しかないのではあるまいかと、首を長〜くして待っております(^^)。

ただ、まだDVD化はされてないんじゃないでしょうか。噂も聞いてませんし。う〜ん、残念!
さすがにヤップで上映はなさそうだしなあ……。

こんにちは。
拙ブログの紹介&TBどうもありがとうございました。

韓国で『パッチギ! LOVE & PEACE』は今月の中旬から封切られます。場所はもちろんシネカノン。それに合わせて前作も今週からリバイバル上映されるので、両方ともぜひ観に行きたいと思っています。

『ウリハッキョ』もシネカノンで封切られたのですが、封切当時はやたらと忙しくて観にいけず、7月くらいに大学路の映画館で再上映されているのを観ました。シネカノンで上映していた時はあまりお客さんが入っていなかったそうですが、私が行った再上映館はほぼ満員でしたよ。

ウリハッキョに出てくる生徒(教師も)はものすごく日本語なまりの強い朝鮮語を話しているのですが、まるで自分の韓国語を聞いているようで親近感がわきました。あ、ちなみに韓国で上映されたものにはハングルの字幕がついていました。

ハムニダ薫さん、コメントありがとうございます。

いよいよ韓国上映ですか。どんな反応があるのか、楽しみです。たしか『パッチギ! LOVE & PEACE』の制作にあたっては、韓国の中の方言にもおだわった、という話を読んだことがあります。どれほどそれが作品に現れているのか、さすがに私にはまったくわかりませんでした(^^;)。
『ウリハッキョ』に出てくる生徒や教師の日本語なまりも同様です。どこがなまってるかなんて、全然わかりません(^^;)。
クレオールとまではいかなくても、日本語に囲まれて生活していると、そうなっていくのが自然なんでしょうね。南米にルーツを持つ在日の子どもたちの中でも、まだ16、17年の歴史しかないはずなのに、日本で生まれ育って、日本語が母語になってる子がたくさんいます。そういった子たちのポルトガル語やスペイン語も、たとえ勉強する機会があっても、日本語なまりがつよくなっていくんでだと思います。自分のことを「日本人だ」って認識してる子も少なくなかったりしますし。

ちなみに、そういう子らのポルトガル語の勉強を手伝おうとしても「お母さんが話してるのと違う!」などと言われて、なんとも虚しい気分になる私のポルトガル語も、きつい日本語なまりです(^^;)。あっ、英語もそうかも。。。

suyapさん、追伸で〜す。

DVDの発売予定、公式サイトに出てました(汗)。
http://www.pacchigi.jp/loveandpeace/dvd.php
10月26日だそうです。

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