異文化摩擦?朝青龍処分問題
2007.8.5.18:00ころ
(2007.8.7.23:45ころ、このJANJANの記事にリンクを追加。これまでに報じられていない事実がまだまだあったようです。)
私、実は朝青龍関のファンだったりします。
熱心な相撲ファンというわけではなく、喜怒哀楽のストレートな表しっぷりに惹かれているので、「横綱の品格」を重視する人たちからすれば、私のようなファンは「邪道」なんでしょう。重々、自覚してます。
で、朝青龍関の出場停止処分。
外国籍力士への差別じゃないか、との声もあるようですが、私には、これについてどうこう言えるだけの相撲業界に関する知識はありません。そうかも知れないしそうじゃないかも知れないし。
ただ、日本相撲協会の対応には、嫌らしさを感じます。
白鵬関が横綱に昇進するのを待っていたかのような今回の厳しい処分からは、この機に朝青龍関を潰してしまえという魂胆が見え見えの気がしちゃうわけでして。
朝青龍関を「勘違い」させてしまった最大の要因は、日本相撲協会のこれまでの甘い処分の積み重ねだったと思う身としては、相撲協会に「品格」なんかをあれこれ言える資格があるんだろうか、とも思ったりしますし。
むしろ、モンゴルの青空の下、ゴールに向かってまっしぐらだった朝青龍関の方に、そのあまりに楽しげなサッカー・プレイぶりが無邪気に思えて、好ましさすら感じちゃいます。サッカーけっこう上手そうで、びっくりしました。やっぱ身体が柔らかいんですね、あの巨躯の横綱でも。
てなわけで、今回は、そんな私の目にたまたま止まった記事の中から、朝青龍処分関連のものを独断と偏見で3つ選んで、紹介します。
まずは、
1.【コラム 撃戦記[格闘技]】文化の違う外国人に求める難しさ(中日スポーツ、2007.8.4)
グローバル化に直面する相撲業界のあり方について問題提起してくれています。
主観的な表現を多用しながら実は客観的状況を提示してくれる、なかなか鋭いコラムです。短いのに、いろいろ深く考えさせられます。
ただ、今回の問題をはたして異文化摩擦の観点で語るのが適切かどうかとなると、私は疑問に思います。
なぜなら、朝青龍関の個人的性格や日本で置かれた環境が色濃く影を落としているように思えるからです。
モンゴルの人が皆朝青龍関と同じような行動要式をとるのではないことは、下で引用する「日刊スポーツ」の記事からも読み取れますし、相撲ファンなら周知の話でしょうし。
そこで、
2.朝青龍処分問題、モンゴル人界波紋広がる(日刊スポーツ、2007.8.2.7:40)
ここで、ふと思い出した、当ブログの昔の記事を一つ。
◆マイノリティを追いつめる日本社会/それで得をするのは誰?(2005.12.25)
最後は、
3.朝青龍の出場停止(NHK Watch、2007.8.2)
ジャーナリズムのあり方の観点から、NHKニュースの報道に異を唱える記事です。
参考頁として紹介されている「差別、排外主義」の如何については、上述のとおり、私としては何とも言えません。
以下に、「中日スポーツ」と「日刊スポーツ」の記事を引用します。ご一読くださいませ。
【コラム 撃戦記[格闘技]】文化の違う外国人に求める難しさ(中日スポーツ、2007.8.4)
ブルース・リーの「燃えよドラゴン」が大ヒットした70年代に極真カラテは直接打撃の全日本大会を開催。本部道場には世界各国から多くの外国人が入門してきた。月謝は日本人より高く「外国から高い月謝を払ってよく習いに来るものだ」と感心していた。館長の特別レッスンで1年そこそこで与えられた黒帯(初段)を土産に帰国、道場を開設して“即”ビジネスにつなげる者もいた。
「黒帯がほしくて日本に来た。高い月謝も文句はない。今度は私がお金を稼ぐ番。それが悪いんですか」。そう言い残して帰国した弟子の話を館長から聞かされた。
横綱・朝青龍がけがを理由に巡業をキャンセルしながら、モンゴルでサッカーに興じて厳しい処分となった。もし本当に仮病なら、スポーツマン精神に反する。横綱の自覚のなさを批判されても仕方はない。でも、朝青龍一人を悪者にしていいものなのか。外国人にとって日本の“国技”はジャパニーズドリームであり、ビジネスという側面もある。歴史のある大相撲側は「それでは困る」というが、母国から頼まれた“慈善事業”を相撲巡業と比較、優先権をモンゴルとした朝青龍に擁護の声がないのも情けない。
雪駄(せった)やげたを履き、浴衣にチョンマゲの関取ファッションも、消える日が来るやもしれない。グローバル化を目指すのなら、国技、国技でがんじがらめにするのもどうか。朝青龍事件は、日本人の国技・大相撲の価値観を、文化の違う外国人に求める難しさを感じる。 (格闘技評論家)
朝青龍処分問題、モンゴル人界波紋広がる(日刊スポーツ、2007.8.2.7:40)
横綱朝青龍(26)が2場所出場停止処分を受けた「仮病疑惑」に対し、在日モンゴル人からも怒りの声が上がった。有名モンゴル料理店の経営者は、骨折を理由に夏巡業の休業届を出しつつ、サッカーをした朝青龍について「悪い。常識的に通用しない行動だ」と強く批判。処分も当然のこととした。一方、現地モンゴル国民の間には処分への不満を訴える声も。在日モンゴル大使館は「何も言えない」と困惑するばかりで、モンゴル人の間に波紋が広がっている。
東京、福岡などでモンゴル料理店「チンギス・ハン」を経営する男性のスーホさん(40)は、朝青龍の「仮病サッカー疑惑」に対して「いけないことだし、悪いことと思う。常識ある社会人がやることじゃない。私の会社の従業員だったらクビにする。サッカーができた状態だった以上、うそをついたことになり、それが問題だ。横綱が夏巡業という本業を無視してサッカーをやるのは、成績優秀な学生が授業をサボるのと同じ。通用しない行動だ」と強く批判した。
外務省によると、在日モンゴル人の数は03年12月の時点で約3300人。スーホさんは日本滞在歴約13年。スーホさんによると、周囲の在日モンゴル人仲間の多くは当初「なぜ朝青龍が批判されるのか」と話し、夏巡業を軽んじる意味を理解していなかったという。スーホさんは「しかし、彼らに巡業の重要さを説明すると、ほとんどが『朝青龍が問題だ』と納得している。今回の処分は当たり前だ」と話した。
別のモンゴル料理店でも「もともと彼のことはあまり好きじゃない。ウソついてサッカーやるなと言いたい」と述べた。
多くの出身力士を輩出しているモンゴルでも、「民族の英雄」朝青龍の不祥事にさまざまな声が出た。モンゴルの大手紙記者ゾルバヤルさん(28)は「モンゴルにも『郷に入っては郷に従え』という趣旨のことわざがある。日本はルールを守る国と聞いている。横綱でも普通の人でも決まりを守らなければならない。処分は当然だ」と話した。
モンゴルでは一方、日本相撲協会の朝青龍に対する「2場所出場停止」処分への不満の声もあった。年金暮らしの男性ラドナーさん(65)は「非常に残念。朝青龍は大相撲のさまざまな記録を破ってきた。相撲協会は、(外国出身力士に)さらに記録が破られることを恐れて2場所出場停止を決定したのかもしれない」と話した。
在日モンゴル大使館には1日、問い合わせの電話が殺到。担当者は「30分間電話が続いている。この件では、何もコメントできない」と困惑気味に繰り返すばかりだった。

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