複国籍PT


2022年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

あわせて読みたい

  • あわせて読みたいブログパーツ

« ペケじゃないよ、エックスだよ(ね?)!「ウルトラセブンX」登場!! | トップページ | 絶望的状況から逆転へ!『悪あがきのすすめ』(辛淑玉・著) »

『Permanência この国にとどまって』

2007.07.27.00:20ころ

『Permanência この国にとどまって』(監督 Hélio Ishii)というドキュメンタリー映画を観ました。

Multi-Racial Artists' Society - Mischlingrooveのサイトでの紹介文を引用すると、

このドキュメンタリーは仕事を求めて日本に来たブラジル人・ペルー人とその家族が日本社会に順応していくプロセスと葛藤を描いています。 
日本に来てまだ日が浅いブラジルの子供たちが学校生活に馴染んでいくためのサポートをする支援団体と自治体の取り組みから始まり、日本語の母語のように話すブラジルやペルーの子供たちの立場や親世代の胸中を取り上げます。

そして、宣伝用の動画がこちらにアップされています。Oh! YouTube!

日本語のセリフにはポルトガル語で字幕がつき、ポルトガル語やスペイン語には日本語で字幕がつくというこの作品。

観る前にウェブで検索してみると、「日本人側の言い分が語られていないのが不公平だ、うちのクラスに転校してきたペルー人はすぐイジメっこグループに入ったぞ」などと、「郷に入って郷に従った」外国籍の子ばかりを目の敵にする日本人らしき方の感想に出くわしまして、ちょっとブルーな気持ちになってから作品を観ることになったので、正直、どんな作品かと一抹の不安があったのですが、この作品であえて日本人側の言い分を出す必要がどこにあるのか、私にはわかりませんでした。登場するブラジル人もペルー人も、かなり冷静に、そして客観的に、日本社会や自分たちのことを見つめ、語っているように思えましたので。受け取り方は、人それぞれ、ってことなんでしょうか。それとも、私が観たのと別のバージョンがあるのかなあ。

印象に残ったのは、日本人女性と結婚したペルー人男性の述懐です。

「優しくて気が利いてすばらしい女性だったのに、結婚したら、変わった。財布のひもは握られ、仕事が終わってテレビで息子とサッカーを観てると、勉強しなさいと怒られる。食事の量も少ないから食べたいときは自分でつくるようになった」(当ブログ主によるまとめ)

哀愁が漂います。

ぜひ多くの人に見てもらいたい作品ですが、ただ一つ心にとどめておいてほしいのは、登場する加古川の公立学校の受入態勢をはじめ、インタビューに答えている人たちの置かれた状況はまだマシな方であって、もっと悲惨な現実がこの社会に、日本人の大多数にとって普通の暮らしをしていては見えないけれど、確実に広がっているということです。そして、イジメにあって学校から追われるようにはじき出されたりした子どもたち、非行や犯罪に走ってしまった子らの声は、この作品では聞くことはできません。私が見落としたのでなければ、皆、そういう危機を無事、乗り越えた子どもたちでした。

それにしても、「この国にとどまって」という邦題。いろいろ考えさせられます。

とどまりたい場所にとどまれない人もいれば、とどまりたくない場所にとどまらざるを得ない人たちもいる。

私も、こんな地震&原発列島にとどまりたくないようなあ、なんて思いながらも、とどまらざるを得ない状況にあったりするわけでして、
まあ、それが人の世の常ではあるのでしょうが、
ここで多少無理矢理、近づきつつある参院総選挙の話にもっていきますと、
私の妻をはじめ、「この国にとどまらざるを得ない」のに「この国、この社会の意思決定から排除されている人たち」がおおぜいいる現実を目の当たりにしていると、
選挙権を幸いにして持てている身としては、少しでもこの国、この社会がこの国・この社会で暮らさざるを得ない人たちにとって優しく寛容なものになるよう、微力ではあれ、一票を投じてこなければなあ、などと思うわけです。

市民としての義務と権利、ってやつでしょうか。

それを行使されると困る人たちがいるというのが、摩訶不思議です。

参院選の投票時間短縮にご注意を!(ミクロネシアの小さな島・ヤップより、2007.7.25)

関連記事
在日コリアンの団体が政党にアンケート(OhmyNews)(2007.7.19)

Usagimasters

Banner2←この国にとどまりながら、うさキック!


ブログランキング・にほんブログ村へ←未来へラブラブ、うさジャンプ!

« ペケじゃないよ、エックスだよ(ね?)!「ウルトラセブンX」登場!! | トップページ | 絶望的状況から逆転へ!『悪あがきのすすめ』(辛淑玉・著) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

外国人労働者・移住労働者」カテゴリの記事

差別、排外、レイシズム」カテゴリの記事

国際結婚」カテゴリの記事

多民族国家ニホン」カテゴリの記事

難民」カテゴリの記事

在留資格」カテゴリの記事

連帯でGO!」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。TBありがとうございます!
またこちらからココログにTBが通らなくなってしまったようです。コメント欄でお知らせします。
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10041058917.html

http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10041184897.html

Rolling Bean さん、こんにちは!

原子力資料情報室のありがたみを、今さらながら、実感してます。会費、払わないと(汗)。

それはともかく、うちからもいくつかTBが通らなくなっているブログがあります。
TBの調子の波、ほんとに謎です。ストレスたまります〜。

今後ともよろしくお願いします!

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『Permanência この国にとどまって』:

» 選挙後の日本、どうなる!? [花・髪切と思考の浮游空間]
BLOG BLUESさんへのコメントで、こう書きました。ありきたりの狂騒と幻想を乗り越えよ! かつて吉本隆明は共同幻想論を物したわけですが、選挙最終盤にいたって、率直にいって狂騒と幻想の中にいまだに日本中いるということを感じずにはいられません。おそらく、終わってみれば9・11の別表現という結果がもたらされるでしょう。日本ははたして少しも「進歩」しないのか。 狂騒と幻想というのは、二大政党制という一つの用意された土俵で、さも争っているかのような政党の選挙闘争をまず指しています。そして、それを... [続きを読む]

» 紙の弾丸 [権力に迎合したマスコミ人を忘れるな!]
右や左の愛国者の皆さん、照準(ねらい)は定まりましたか? 弾丸(たま)はしっか [続きを読む]

» 原子力行政はこれからどこへ [とむ丸の夢]
 人気blogランキングへ  ランキングに参加しております。ご協力をお願いいたします。 ありがとうございました。m(_ _)m 昨日に引き続き、27年前の... [続きを読む]

» 主権は国民!さらばKY。 [なごなぐ雑記]
本日は金曜日、我が地域の「燃やしていいゴミ」の収集日である。そんなことはどうでも [続きを読む]

» 天木直人とゴールまで走り抜こう! [人工樂園]
 「BLOG版『ヘンリー・オーツの独り言』」の本日付「【必見】天木直人さんから託されたファイナル・メッセ−ジ!」から,文末の動画を除いた全文をご紹介させていただきます。天木氏の貴重な言葉を伝えて下さったヘンリー・オーツ様に深く感謝します。  引用文には,読者の便宜を考え,引用者の判断でいくつかリンクをつけてみました。太字および拡大文字も同様です。それではどうぞ。 今、5時30分。職場に向かう電車の中からである。寝不足だったが昨日、天木直人さんから私のブログでメッセージを発表したい旨、お申... [続きを読む]

» 姫のトラ退治! 本当に退治してくれそうよ!(トラ退治でとらちゃん退治じゃぁ〜ないからね!) [晴天とら日和]
落選運動は「公選法」に触れないってことですので! ●スポーツ報知 姫井氏“虎退治”に手応え十分…岡山選挙区  「姫」の快進撃がとまらない。岡山では「姫の虎退治」をキャッチフレーズにした民主党・姫井由美子氏(48)が、参院自民党ナンバー2の片山虎之助参....... [続きを読む]

» 3枚のプレートの上に暮らし、漏れた水を人が手で拭く(リーフレット『地震大国に原発はごめんだ』 ) [Like a rolling bean (new) 出来事録]
ブログランキング  ←広くみなさまにお読みいただき、視点を共有できますよう、クリックをお願いします。 選挙に行きましょう。知らない間に殺したり殺されてしまったりするのはごめんです。 ~~~ 柏崎刈羽原発の6号機のクレーンが折れていたということを、今朝の... [続きを読む]

» 化学兵器CAREみらい基金のブログ&川田龍平さん@東京の応援 [はにかみ草]
熱いです{/rabi_left/}{/rabi_right/}{/body_run/}{/rabi_nomal/} まったく読書に集中出来ません{/b_face2_hungry_m/}{/face2_lose_s/} (今は杉原達『中国人強制連行』岩波新書を読んでいます{/face2_full_s/}) 夏に南京に1ヶ月留学に行きますが、南京は暑いと聞いているので、 今から暑さになれる訓練をしようと思って、死ぬほど熱い真昼間に1時間ぐらい散歩をするという訓練(?)をしています。汗だくです…{/b... [続きを読む]

» ミクロネシア諸島自然体験‐2007年少年少女自然体験交流-その壱 [ミクロネシアの小さな島・ヤップより]
え~、今年もやってきました、毎度お騒がせなシンキロー(森善朗)氏発案企画(笑)ニホンのお子様軍団! 事情は別の機会に書くけど、実はわたし、7月22日にヤップを出発して某所に行き、今朝(27日)午前2時30分にヤップに帰ってきた。そしてなんと!グアムからこの軍団と一緒の飛行機に乗り合わせてしまったのだ。ったく... (右上と左下の写真はグアム空港搭乗口に登場したお子様軍団一行。正面と横向きの顔にはオレンジのぼかしを入れてます) ※このプロジェクトについては、↓こちら↓の記事もあわせてお読... [続きを読む]

« ペケじゃないよ、エックスだよ(ね?)!「ウルトラセブンX」登場!! | トップページ | 絶望的状況から逆転へ!『悪あがきのすすめ』(辛淑玉・著) »