大豆ジャパン/私は知っている。ヒビノ・ミライという青年を!/署名のお願い
2007.3.20.03:00ころ
(2007.3.20.19:40ころ追記。本文中でお願いしている署名の件、報道を見て法務省・入管側が焦ったのか、審尋が早まったそうです。PDF版では第1次集約期限が今月末となっていますが、可能な方は26日までに到着するようお送りいただけるとありがたいとの情報が入ってきました。もちろんその後でも大丈夫だと思いますが、可能な分だけでもどうかよろしくお願いいたします。)
ウルトラマンメビウスシリーズも第5回!
先週末のウルトラマンメビウスは、最終エピソード3部作の第1回目ということで、おそるべきメフィラスを使い捨てたあの皇帝(エンペラー星人つーんだそうです。なんというネーミング!)がついに大掛かりな地球侵略計画を発動。
「地球人に化けて潜んでいるウルトラマンメビウスを3時間以内に追放せよ。地球人自らの手で差し出せ。そうすれば、あらゆる脅威から自分たちが守ってやる」
と、圧倒的な攻撃力・破壊力を見せつけながら、屈服を迫ってきました。
さあ、地球の運命はどうなるのでしょうか?
ここで本ブログとしては、
「えんぺらー星人の脅迫って、アメリカ軍がイラクを攻撃する前に、48時間以内にフセイン大統領が出国すれば許してやる」と言ってたのを思い出させるよなあ、とか、
以前、大江健三郎が、ウルトラセブンをアメリカの第7艦隊、ニホンの傭兵にたとえてたらしいけれど、メビウスもそうだけど、ウルトラマンたちはニホンをいいように利用としてるアメリカと違い、けっこう個人的な理由で地球人のために活躍してくれてたんだよなあ、とか、
毎度のこととはいえ、世界の中心がニホンだけ、みたいな描写ばかりでいいんかい! ショーン隊員のいたウルトラマンマックスが懐かしい!とか、
あれこれ小難しいことを語るのが本道かなあとも思ったのですが、たまたま番組放映前に読んだ新聞記事の内容とからめて、今回はシンプルに、トリヤマ補佐官の言葉を取り上げてみたいと思います。
防衛隊GUYSジャパンには、トリヤマ補佐官という、お笑い要員というかトラブル・メーカーというか、まあ、そんな人物がいます。
番組の公式サイトでは、「事なかれ主義で保守的な人物。最も気になるのは世論。」と、あまり好意的とは言えない書かれっぷりの人物です。
そんな人柄のためでしょうか、トリヤマ補佐官は、GUYSジャパンの他のメンバーたちはとうの昔にウルトラマンメビウスの正体が同僚のミライ隊員だと知っているにもかかわらず、それを教えてもらえておりません(哀)。
ところが、えんぺらー星人の脅迫があった直後、パパラッチがミライ隊員がメビウスだとワイドショーだか何だかで暴露したのをきっかけに、日本政府の国家安全保障局のシキなる人物がGUYSの基地にやって来て、ミライ隊員を引き渡せ、と要求しました。
そのとき初めてミライ隊員の正体を知らされ、気を失わんばかりに驚いたGUYSジャパン・トリヤマ補佐官でしたが、ミライ隊員を引き渡すよう迫る日本政府の国家安全保障局の人間の前に、立ちふさがって、こう言いました。
私は知っている。ヒビノ・ミライという青年を。
彼は不器用だが、
だれより一生懸命!
だれより優しく、誠実だ!
彼は私のかけがえのない部下だ!!!
まったく思いもよらぬ、力のこもった、訴えでした。
今回随一の名場面だったと、私は思います。
そんなふうに感じたのは、ちょうど京都新聞の下記記事を読んだ直後に、トリヤマ補佐官の言葉を聞いたからだったかも知れません。
署名でGKアシスト 野洲高保護者ら、残留許可を求め(京都新聞、2007.3.17)
滋賀県湖南市のペルー人一家4人がこのほど、不法滞在で大阪入国管理局に摘発された。約15年間、日本に滞在し、2人の子どもは同市の小中学校で学んできた。強制退去の可能性もあり、家族の友人や長男が所属する野洲市の野洲高サッカー部関係者らが、4人の残留特別許可を求めて署名活動を始めた。18日には湖南市で励ましの集いを開く。
同市三雲の建設作業員ホセ・カジャスさん(43)と妻ヘススさん(44)、長女カルラさん(19)、長男アロンソ君(17)。2月19日に入管に摘発、収容されたが、長女と長男は同日、仮放免された。
ホセさんは1991年、家族を養うため、日系人と偽って短期ビザで来日した。その後、3人も日系人家族として入国。ビザ期限の3年後も経済状況の悪い母国に帰らず不法滞在となった。
カルラさん、アロンソ君とも同市立小中学校で学び、カルラさんは石部高を卒業。アロンソ君は現在野洲高2年で、サッカー部のゴールキーパーとして活躍している。
摘発後、カルラさんの友人らが「日本育ちなのに今さらペルーに返されるのは厳しすぎる」と、4人の在留特別許可を法務省に求める署名活動を始めた。野洲高サッカー部の保護者や指導者らも協力している。
「一家を支える有志の会」代表の関口陽香さん(20)は「カルラもアロンソも日本語が母語。ペルーに帰っても知り合いもいない。何とか家族で残留を」と訴えている。
アロンソ君は「将来はサッカー選手か、父と同じ建築関係の仕事がしたい。日本での生活しか考えられない」と話し、カルラさんは「出頭したいという思いはあったが、父には仕事があり、私や弟にも生活があった」と話している。励ます集いは午後1時半から、同市三雲の三雲会館で。
毎日新聞が報じた、その続報です。
カジャスさん一家入管摘発:両親が収容…家族で暮らせるよう友人ら励ます集会/滋賀(服部正法記者、毎日新聞、2007.3.19)
不法滞在状態のため入管に摘発された湖南市のカルロス・カジャスさん(43)=ペルー国籍=一家4人の在留特別許可を求める運動で、カルロスさんの長女カルラさん(19)や長男アロンソさん(17)の友人らが18日、同市の三雲公民館に集まり、2人を励ます集会を開催。参加者たちは、一家が日本に引き続き住めるように支えていくことを確認していた。【服部正法】◇在留特別許可求め署名活動
カルロスさんが91年、日系人と偽って来日し、妻メルセデスさん(44)と2人の子どもを呼び寄せた。数年後にビザ更新が許可されず、不法滞在状態に。カルロスさんが建築関係の仕事で生計を立て、カルラさんは石部高を卒業。アロンソさんは現在野洲高の2年生だ。大阪入管が先月、一家を摘発。子ども2人は仮放免されたが、両親は入管に収容中。一家送還や両親のみの送還で親子離別の可能性もある。
野洲高のPTAや生徒有志が、法相に一家の在留特別許可を求める署名活動などを展開。県内の教員らも支援活動に乗り出した。集会は、署名活動を行う「カジャスさん一家を支える地元湖南市有志の会」の主催で、子ども2人の友人など約40人が参加。カルラさんの小学校からの友人で同会代表の関口陽香さん(20)が「元のように家族で暮らせるようにしてあげたい。本当に仲のいい家族で、カルラの楽しい面は家族がいるからこそだと思う。署名に協力を」と呼びかけた。
◇ ◇
カルラさんはある短大の入試に合格したが在留許可がないため入学を認められなかった。「友だちは夢に向かって進んでいけるのに、自分は何をしたらいいいんだろう」と落ち込んだ時期があった。「父さんは(不法入国という)法律違反をした。でも悪いことはせず、朝から遅くまで働いて汚れた服で帰ってくる毎日だった。今の自分があるのは父が家族の幸せのために日本で働いたから」と訴える。アロンソさんは長い間、ビザがないことを友人に言えなかったが摘発された翌日、友人に打ち明けた。「『(ペルーに)帰れや』と言われたら参っていたけど、みんな『(在留のために)協力するわ』と言ってくれた。めっちゃやさしかった」。友情が逆境を支えている。
カジャスさん姉弟は、いい友人たちに恵まれたと思います。
こうした友人に恵まれず、日本の公立学校からはじき出され、悪い友人たち(日本人の場合もあれば外国人の場合もあります)との交遊ばかりが深まっていく。そんな例をいくつも見ていると、強くそう思います。
そして、これだけ日本社会に溶け込み、一生懸命に暮らしている人たちまで追い出すために血道を上げるような、そんな国を、政府を、社会を、つくっていくことを、私たちは本当に望んでいるんでしょうか。
そんな社会で、私たちは本当に幸せになれるのでしょうか?
この世界の構造は、国境を越えた人の移動を、もはや完全に封じることなど不可能な段階に至っています。とてつもない経済格差におおわれたこの地球社会で、先進国に夢を求めて人が集まって来るのは、自然の流れです。
そしてこの日本列島には、太古から、さまざまな民族が、さまざまな地域から、夢を求めて、あるいは安住の地を求めて、移り住んで、暮らしてきました。重層的な多文化・多民族社会を形作ってきました。
◆人として!(「もうひとつの日本は可能だ! 人間尊重の多文化・多民族・多国籍社会へ!」より)(2006.8.14)
◆「極めて同質な国」の「人権メタボ」という虚妄(2007.2.26)
◆多みんぞくニホン、ナチス、自由民権運動(2007.3.3)
私は、カジャスさん一家の在留特別許可を求める、姉弟と友人たちの活動が実を結ぶよう、強く願います。
だが、道は極めて険しいのが、偽らざる現実です。
先月は、在留特別許可を求める8000人もの署名も甲斐なく、ベトナム人タンさん一家が強制退去されることになりました。
イラン人のアミネさん一家も、同様に、非人道的な境遇に追い込まれたままです。
◆長勢甚遠法務大臣の不信任決議さらには辞職、そしてアミネさん一家への真に人道的な措置を求めるお願い(2007.2.14)
◆まだまだ続くよキャンペーン!(長勢甚遠法務大臣の不信任決議さらには辞職、そしてアミネさん一家への真に人道的な措置を求めるお願い)(2007.2.16)
◆野党本部へ!まだまだ続くよキャンペーン!(長勢甚遠法務大臣の不信任決議さらには辞職、そしてアミネさん一家への真に人道的な措置を求めるお願い)(2007.2.23)
趣旨に賛同くださる方は、どうかぜひ、カジャスさん一家と友人たちに、力を貸してあげてください。
こちらで、在留特別許可を求める嘆願書がダウンロードできます。
どうかよろしくお願いいたします。
(在留特別許可の関連記事)
1.「外国人犯罪」の宣伝と報道(英訳付き、コムスタカー外国人と共に生きる会)他(2006.07.07)
2.『治安はほんとうに悪化しているのか』東京都治安対策担当部長(前)の懺悔あるいは告白(2006.07.16)
3.在留許可求め、東京入管前でデモ/「治安悪化説に異論」(東京新聞インタビュー)(2006.09.24)
4.虚構の上に立ついやしの「極右」か、現実の上に立つ節度ある「極右」か(2006.11.19)
5.【超お薦め!】『犯罪不安社会』を読んで、明るい2007年へ!(2006.12.25)
6.【「外国人犯罪」不安にどう立ち向かうか/「来日外国人」数の試算(2007.1.3)
7.「リピーター=凶悪犯」か?/人と人との連帯の可能性と素晴らしさと(2007.1.12)
8.法治国家で窮鳥懐に入れば大岡裁きに遠山桜!/在留支援のためのお願い2つ(2007.1.23)
9.長勢甚遠法務大臣の不信任決議さらには辞職、そしてアミネさん一家への真に人道的な措置を求めるお願い(2007.2.14)
インターネット新聞『JANJAN』:
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(2004/04/15)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第2回)(2004/04/16)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第3回)(2004/04/17)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第4回)(2004/04/18)
さて、ここで悲しいお知らせです。
虚構と差別心のうえにたつ排外的な極右勢力にとって最大のよりどころである石原都知事の3選目を目指す選挙戦が近づいているからでしょうか、虚構のうえにたついやしの極右さんたちからのTBが、微妙に目立ってきています。
そんな時期に、こんなお知らせをするのは非常に心苦しいのですが、
うさちゃん騎士団SC運営の当ブログは、管理人の個人的な事情により、これよりしばらく春眠に入ります。
読者の皆さま。
レイシズムや外国人嫌悪を煽ったり、多文化・多民族の人たちがこの日本で共に暮らすのは無理だと主張したり、そんな主張についつい心が吸い寄せられそうになったときは、どうか本ブログの記事をあれこれ、サーフィンしながら読んでみてください。違う道が、きっと見つかるはずです。
たとえば、
保守・前衛、列島社会と日本・日本人(2007.3.8)
などの伊吹文科相の発言関連の記事や、
昨年11月から12月の【コメント返答シリーズ】全3回
とか、お手頃だと思います。
そうそう、コメント欄も、できればご一緒に。
科学特捜隊のお話の続編を心待ちにしてくださっている皆さま、申し訳ありません。
遠からず戻ってまいりますので、どうかそれまで、楽しみにとっておいていただければ、幸いであります。
ではでは、皆さまのご活躍を祈りつつ、しばらくの春眠に入らせていただきます。
うさグーグー!
録画した「ウルトラマンメビウス」を観ていると、相方が質問してきました。
「大豆ジャパンって何?」
GUYSジャパンだあああああああっ!!!!!
日本農業に大打撃 日豪EPA(経済連携協定)交渉の中止求める:紙議員が指摘(2007.3.14、しんぶん赤旗)
大豆ジャパンも、たしかにピンチ、かも……?
