STOP! 外国人嫌悪&レイシズム、警察&裁判官の暴走
2007.3.12.23:45ころ。
内閣府が、昨年末に「治安に関する世論調査」を実施しました。(前回は2003年7月。今回は2回目)
有効回収数は1795人だそうでして、
「ここ10年間で治安が悪くなったと思う」人が、有効回収数の84.3%。
『犯罪不安社会』の発売前後の調査なので、同書を読んだ人がほとんどいなかったためにこんな結果になったのだ、と思いたいところですが、
「治安に関する情報の入手方法」でダントツ1位が、「テレビ・ラジオ」の95.5%、次が「新聞」の81.1%、続く第3位が「家族や友人との会話など」の38.4%で、もう圧倒的多数が、マスメディア経由の情報に頼っているわけです。
これでは、マスメディアが真実を語りはじめるまで、大きな変化は期待できません。
そう考えると、ほとんど期待できないのかも、と絶望的な気分になります。
なにしろ、そんなことを語りはじめるとすれば、マスメディアはこれまで自分たちが世論をミスリードしていたこと、そして警察庁をはじめ政府の発表が悪質なプロパガンダであったことを懺悔することにもつながりかねないのですから、現在のマスコミ幹部たちには荷が重すぎると思えるからです。
ちなみに、もし『犯罪不安社会』を呼んだ人が、「治安に関する情報の入手方法」の一つとして同書を挙げ、今回の世論調査で回答を選ぶとすれば、「その他」になるのだと思います。そして、今回の「その他」は0.3%。
しかしまあ、「希望は最後に失われるもの」(つまり、死ぬ直前まで失われないもの)。
といった言い回しが、ブラジルにあったはずで、しつこく希望を探してみました、あきらめず。
第4位「自治体や自治会の広報」25.8%に次ぐ第5位の21.6%が、「インターネット」となっています。
私としては、このあたりに希望を見出したいっす、前向きに。
たしかに、ネットの情報も玉石混淆、というより、悪意あるデマがあふれ返っていて、辟易させられることが多いのですが、微力ではあっても、少しでも正確な情報が流れるように、地道な努力を続けねばなあと、あらためて感じた次第です。
さて、この世論調査のうち「外国人」に関する部分をピックアップしてみます。
「治安が悪くなったと思う」「どちらかといえば悪くなったと思う」と答えた1513人のうち、「来日外国人による犯罪が増えたから」が、第1位の55.1%(前回は54.4%)。
「不安になる組織等」が、1795人の回答者中、第3位の38.9%(前回は43.2%)(ともに複数回答)。
これまで、本ブログを読んできてくれた人なら目を疑うような回答結果が、今回も現れているわけです。
もうまったく、どうすりゃいいのか。
こうした「世論」(?)を背景に、元・朝日新聞の記者で自民党員の松島みどり議員なんかのトチ狂った発言が飛び出して、しかも政府の排外政策を後押ししていくわけで、ふか〜いため息こぼれますが、この広く撒かれたレイシズムの種がすくすく育つのを、ただぼうぜんと眺めているわけにはいきません。
(関連記事)
1.「外国人犯罪」の宣伝と報道(英訳付き、コムスタカー外国人と共に生きる会)他(2006.07.07)
2.『治安はほんとうに悪化しているのか』東京都治安対策担当部長(前)の懺悔あるいは告白(2006.07.16)
3.在留許可求め、東京入管前でデモ/「治安悪化説に異論」(東京新聞インタビュー)(2006.09.24)
4.虚構の上に立ついやしの「極右」か、現実の上に立つ節度ある「極右」か(2006.11.19)
5.【超お薦め!】『犯罪不安社会』を読んで、明るい2007年へ!(2006.12.25)
6.【「外国人犯罪」不安にどう立ち向かうか/「来日外国人」数の試算(2007.1.3)
7.「リピーター=凶悪犯」か?/人と人との連帯の可能性と素晴らしさと(2007.1.12)
8.法治国家で窮鳥懐に入れば大岡裁きに遠山桜!/在留支援のためのお願い2つ(2007.1.23)
9.長勢甚遠法務大臣の不信任決議さらには辞職、そしてアミネさん一家への真に人道的な措置を求めるお願い(2007.2.14)
インターネット新聞『JANJAN』:
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(2004/04/15)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第2回)(2004/04/16)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第3回)(2004/04/17)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第4回)(2004/04/18)
と、おなじみの参考記事を並べたところで、先日ちょっと紹介した、日弁連の「外国人の在留管理を強化する新しい外国人雇用状況報告制度に対する意見書」から、一節、ちょっと紹介しておきます。
「国籍による差別」はレイシズムとは違う、などという言説を振りかざす人がいまだにいますので、何かの参考になるのではないか、と。
本報告制度は、犯罪予防などの治安維持を含む目的の下に、日本人と外国人を区別し、外国人については、すべての労働者の就職・離職等の情報の報告を事業主に義務付けるものであることから、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する条約(以下「人種差別撤廃条約」という)に抵触しないかが問題となる。
この点、本報告制度は、人種ではなく国籍に基づく区別に基づくものではあるが、人種差別の撤廃に関する委員会は、一般的勧告30(2004年)において、外国人排斥が現代の人種差別の主要な源泉の一つであり、このような集団の構成員に対する人権侵害が、差別、外国人排斥及び人種主義の慣行の文脈で広汎に生じていることに留意しなければならないとしている。
本報告制度は、外国人すべての在留状況を就労の観点から管理・監視する制度の 、一翼をすべての雇用主に担わせることを義務付け、すべての外国人を対象として日本人とは異なる管理・監視を行うものである。
このように、本報告制度においては、外国人について、永住者等の安定した在留資格を持つ者であっても、治安維持の観点から区別して監視すべきであるとする理解が前提にあるものであり、日本に定住している外国人を含めた外国人一般について、犯罪防止や治安維持という観点から特に管理の対象となるべき危険な集団であるかのごとき差別や偏見を日本社会の中で助長することとなるおそれがある。
外国人のほとんどは日本社会における民族的な少数者であり、この差別・偏見は民族的な少数者に向けられることとなるから、本報告制度は、国等の機関による人種に基づく差別を禁じた人種差別撤廃条約2条1項に抵触するものである。
なお、日本は未だ批准していないものの、1958年に採択され、既に165ヵ国が批准して国際的な基準となっているILO第111号条約(雇用及び職業についての差別的待遇に関する条約)の1条及び2条は、締約国に対して、雇用及び職業について、人種、皮膚の色、性、宗教、政治的見解、国民的出身又は社会的出身に基づいて行われる全ての差別等を除去することを求めていることについても、この際留意されるべきである。
人種差別の撤廃に関する委員会が表明した「留意」の背景には、この条約が1965年に採択された条約であり、その後、「外国人排斥」とレイシズムの関連が強く意識される事態が生じてきた、ということがあるのだろうと思います。
人種差別撤廃条約(あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約)については、
玉川大学問題/文科省による「人種差別撤廃条約」等違反(修正しました2、赤っ恥orz)(2007.1.20)
もどうぞ。
さて、日本政府が煽り、助長してきたこのような外国人嫌悪(ゼノフォビア)、レイシズムが後押ししているのが、石原都知事の下で繰り広げられてきた、以下のような現実でしょう。
外国人だというだけで職務質問をする警察!〜そのうち、茶髪だっていうだけで…【東弁アンケート】(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士2007.3.5)
外国人に対する職務質問アンケート結果報告書(東京弁護士会 外国人の権利に関する委員会、2007.2。pdf版)
ヤメ記者弁護士さんの指摘は、まったくもってそのとおりです。
このアンケート結果から見えるのは、外国人(らしき風貌の人間)が、「危険な類型」としてプロファイリングされているということですが、この「危険な類型」は、警察の、そして為政者の都合次第で、どうにでも変わります。政府・警察がマスメディアとつるんじゃってる世界では、どうにでも自由に操れます。
今、発売中の、『週刊金曜日』(No.645、2007.3.9号)が、これが杞憂であるどころか、すでに現実化してきていることを、紹介しています。ぜひご一読ください。
■シリーズ警察の闇 第7弾 「市民社会の敵」が暴走する朝鮮総連に対する異常な弾圧
(1)「生物兵器」に結びつけられた在日女性の薬(本誌取材班)
警察は「北朝鮮が困る事件の摘発」を公言し、事件性があるかどうか疑わしい捜査に大量の公安を動員して逮捕・家宅捜索を続けている。
その異様さは、朝鮮戦争前夜を思い出させるほどだ。(2)当局が使った「税理士法違反」という手口(本誌取材班)
在日朝鮮人が日本に暮らしている歴史的背景を無視し、警察は強制捜索を「送金」や「ミサイル開発」に結びつけ、結果的に差別意識を助長している。「詐欺罪」をデッチ上げた公安の労組つぶし
兵庫・日本管検工業分会弾圧事件(本誌取材班)鹿児島・志布志事件の「裏の裏」
警察は最初から新人県議を狙った(新島 洋)
異常な長期勾留や「踏み字」を始めとした精神的拷問など、裁判中にでっち上げの手口が暴露された志布志署による公選法違反事件(3月6日に検察は控訴断念)を追うと、地元自民党県議とくんだ警察の腐敗体質が見えてくる。横行する「極左暴力集団」のレッテル貼り
公安を野放しにする裁判所の罪と怠慢(本誌取材班)区議逮捕が示す「すでにある共謀罪」
勉強会で発言しただけで「共犯」に(小谷 洋之)
最後の記事は、植草氏の事件を思い起こさせます。
以前、紹介した朝鮮学校への強制捜査の件もそうですが、もはや裁判官による令状の審査が、まったく骨抜きになっちゃっている、あるいは、司法がすでに行政の一部、支配機構の一部になっちゃってる、そうとしか理解できない事件が続発しています。
「あやしい令状を発行した裁判官を訴追するキャンペーン」を、強く、展開すべきではないかと、やはり思ってしまいます。
「裁判官の独立」は、憲法で定められているものではありますが、それは国民の、市民の人権を守るためのものであって、政府に「錦の御旗」や「葵の印籠」を与えるためのものではないはずです。
だいたい、裁判官を弾劾する制度も、憲法上設けられた制度なわけですから、国民の、市民の人権を守るために使うのは当然でしょう。
憲法によって国民が求められている、不断の努力(12条)の一環として!

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コメント
何でも国の所為にするな。外国人に厳しくというのはあなた方がネット右翼と呼んでる人達(私もそう)が求めてきたもの。動かない政府やマスコミに対してやれといって求めてきたもの。以前は政府は外国人に対してものすごく甘かった。マスコミは更に甘かった。積極的に庇ってると言える程に甘かった。特に在日挑戦人に対してあなた方のように甘かった。煽ったとするならそれは政府でなく私達。こちらを向け。あなた方に対峙してるのは政府でなく一般の国民である私達だ。あなた方が非難すべきは政府でなくあなた方と同じ一般の国民である私達だ。
投稿: sadatajp | 2007年3月13日 (火) 00時46分
sadatajp さん、どうも。
そっか、今「ネット右翼」と呼ばれてる人たちが煽ってきたんですね。そして、やはり「ネット右翼」と呼ばれる人たちは、レイシズムに振り回されている、あるいはレイシズムをまき散らしている、と。sadatajp さんもその一員だ、と。カミングアウト、ありがとうございます。
実は、sadatajp さんがその同じ一派かも知れないと不安に思いながらも、そうではないと信じたくて、疑問に思うところを質問をしたり、論理が一貫していない、矛盾していると思えるところもなんとか補って考えようと私なりに努力してきたし、これからもそうするつもりでした。ですが、「こちらを向け」などと居丈高におっしゃられると、そんな努力の気も失せました。
前もこんな気分を味わった記憶があります。徒労感に襲われて、ため息しか出てきません。
私には私のやり方があります。あなたの指図に従ういわれはない。
そして、レイシズムを振り回し、まき散らそうと意図的に動くような人たちが、一般国民の中でマジョリティだとはとうてい思えない。
私の限られた時間を有効に使うためにも、あなたのいう「こちら」、確信犯のあなたたちに向かって語りかける余裕はない。
以後、当ブログへのコメントは差し控えてください。
だいたい、政府を動かせるほどの一派の方が、政府に翻弄されている側の人間が運営するこんな小さなブログに、わざわざ出向いてあれこれコメントする必然性などないでしょう。
TBを受け付けるかどうかは、気分次第とさせていただきます。悪しからず。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年3月13日 (火) 01時18分
語りかけろと言ってるのではない。
あなたが批判・非難、あるは罵倒をする相手は私達だと言ってる。
あなたと対峙してるのは国ではなく私達だと言ってる。
相手は国ではなくあなたと同じ一般の国民である私達だ。
これは市民対国の争いではなく市民対市民、国民対国民の争い。
この事実をありのままに認めろ。
これは指示ではなく指摘であり非難。誰が誰に対して行おうと構わないもの。
投稿: sadatajp | 2007年3月13日 (火) 19時31分
sadatajp さん、
お説、承りました。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年3月13日 (火) 20時14分
はじめまして。うさキック。ぴょんこぴょんこ。
それはともかく、書かれている内容に共感しましてコメントさせて頂きます。
マスメディア。といえば憶えているのが先月、九州で漁船が当て逃げされた事故がありました。三人の方が漂流の末生還されて、「また明日からでも海に出たい」なんちゃって、いや~なニュースの多い中でちょっと感動的ないいニュースでした。
で、笑ったのが、当てた大型船の正体がまだ不明だったとき(2007年2月14日前後)、大読売新聞様が
「衝突船体に日本の漢字ではない漢字…生還船長ら話す」
と堂々とお書きになっていた(爆笑)。
日本語でない漢字を船体に書くのは、漢字ブームでアメリカ国かリベリア国かパナマ国の船が船体に漢字を書いてしまった可能性もありますが、フツーに思いつくのは「中国か、台湾か、朝鮮半島のどっちかの国の船」ということであります。
海域から言っても実にそれらスい。
で、真犯人は思いッきり日本国のお船であったことが数日後に判明してしまいましたが、
このガセネタが天下の国内発行部数最大とも言われる公器に思いっきり書かれてしまった背景を忖度しますと、
【1】証言した方(生還者)が実はゼノホビヤだった。
【2】証言した方が動転していてみまちがえた。
【3】当てたほうは名乗り出るワケないから真犯人が誰にせよどうせこのままウヤムヤだろう、てことは何を書いてもどっからも苦情は来ないわなあ、と大読売新聞様内部で甘い判断をし、日本人の反中・反北朝鮮・反韓感情にエサを撒くのにちょうどいいので利用してみたものの、真犯人が出てしまったが、しかし確かに苦情は来ない訳なので、ヤリ得であった。
【4】実はそれをせいふが官房機密費か何かを使い料亭でにゃべちゅねと談合して教唆した。
【5】実はせいふではなく、sadata某さんが読売に対峙しやれといって求めてきたので、sadata某さんを罵倒すべきとありのままに認めろ。
【6】その他。
のどれかであると論理的には分類できますが、【4】の変型として以心伝心あるいは阿吽の呼吸ということはあったかも知れないが、一番ありそうな【3】に千点。
まあ万一【1】か【2】だったとしても軽率のそしりちゅうこってす。
マスメディアも終わってますな。
そんなのを一番多く購読してる日本人も…。
希望はうさちゃん騎士団さんのような方々がどこかにおられるというところに仄見えなくもないですが。
よりうみには「新聞界のあるあるだいぢてん」あるいは「新聞界のなんとか還元水」とここに命名する。
では、これからも負けずにうさキックしてください。ご健筆いのる。
投稿: 佐々木ひ魔神 | 2007年3月23日 (金) 23時59分
佐々木ひ魔神 さん、はじめまして。応援のコメントありがとうございます。
う〜ん、そんな報道もあったんですね。まったく、大読売新聞様は何を企んでおるのか……って、見え見えですよね。
思えば、今回の東京都知事選でも、石原は何かというと「治安対策」の話を持ち出しているようです。それさえ言っとけば、だれも反論してこないと高をくくってるんでしょうね。
ちなみに、コムスタカー外国人と共に生きる会のサイトで、
「東京都「不法滞在外国人」犯罪データから見る実像—「首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同宣言」批判 のための基礎資料として—」というデータ分析が紹介されています。
http://www.geocities.jp/kumustaka85/tokyohihan.html
2002年までのデータという点がちょっと古いですが、その時点で上のような「共同宣言」が出されたことを考えると、今も十分に価値を持つ資料だと思います。
ところで、
http://ukiuki.way-nifty.com/hr/2007/03/post_0e81.html
のエントリーで書いたように、当ブログはいったん休眠しますが、遠からず復活いたしますので、今後とも、共にうさキックのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年3月25日 (日) 01時35分