入管一元管理で賤民をつくろうとする策謀に、うさキック!うさキック!うさキック!
2007.2.13.10:00ころ
(2007.2.13.11:00ころ、この色の部分を追記)
外国人登録:IC「在留カード」新発行 入管で一元管理へ(森本英彦記者、毎日新聞、2007.2.10)
政府は、市町村が交付している外国人登録証明書に代えて、在留外国人の名前や住所などの個人情報をICチップに記録した「在留カード」を新たに発行し、法務省入国管理局で情報を一元管理する方針を決めた。同省は今月、出入国管理政策懇談会(法相の私的諮問機関)に専門部会を設置し、具体的な制度設計に乗り出した。
現行制度では、外国人の入国や在留の許可は入国管理局が行い、外国人登録制度の事務は市町村が担当している。こうした「二元処理」のため、(1)外国人の居住・就労の実態把握が不十分(2)不法滞在者にも外国人登録証明書が交付されている−−などの問題が指摘されていた。政府は、入国管理局に情報を集約して在留カードを発行することで、在留管理を強化し、外国人犯罪の防止や行政サービスの充実につなげたいとしている。
専門部会では▽在留カードに記録する情報の種類▽中央省庁と市町村の情報共有の在り方−−などを議論し、年内に報告をまとめる。同省は09年の通常国会に、外国人登録法や出入国管理・難民認定法などの改正案を提出する予定だ。ただ、在日韓国・朝鮮人などの特別永住者は、対象外とする。
制度導入について、日本弁護士連合会は「個人情報流出の恐れがあるうえ、在留外国人の日常的な行動が容易に把握され、プライバシー権が侵害される」と反対している。
前に
外国政府・メディア・市民に知られまいと日本政府が隠す目的(入管法改定案に関する国会会議録より)
などでも紹介したこの動き、
想像していた以上に、また、この記事に記載されている以上に、極めて危険です。
入国管理局がこんなところだ、という話は別にしても。
たとえば、70年代から90年代にかけて、在日外国人を支援する人たちは、在留資格と関係なく行政サービスを受ける権利が住民には人権として保障されるべきだとい主張して運動を展開してきて、それがオーバーステイになっている人にも医療など社会保障、教育の権利が認められる、というかたちで結実しました。
今回の入国管理局による情報の一元管理化は、その成果をすべて無に帰すものであり、地域行政機関の実態も職員の意識も、国の下請け化してしまいます。地方官僚は、住民に奉仕するよりも、中央政府の意向により忠実な下僕となり、その弊害は、まずはオーバーステイの人たちを襲い、やがては日本国籍の住民たちの暮らしと「地方自治」をも蝕んでいくでしょう。
地方分権などというお題目を幻に変えて。
それは時間の問題、と言うより、すでにその兆候が現れているとの話すら聞いています。
「国民のための国家」から「そこに住む人のための国家へ」の転換をしなければ、「国民」の権利や利益さえも蝕まれていく。その時が、このままではすぐに到来してしまいそうです。
思えば、★緊急のお願いです★にエロTBが連日送りつけられたのも、「不法滞在者の人権を認める」とか「人道に配慮した措置を」などという訴えが、自民・公明政権の推進するこの政策にとって、非常に都合の悪いものだったからかも知れません。
聞くところによると、政府は、今通常国会に、在日外国人の雇用主に、その外国人被用者の国籍、在留資格、在留期限などを報告することを罰則付きで義務づける法案を提出するそうです。
これもまた、「情報の一元管理」の流れの中で考えると、極めて危険です。
在留資格の切れた人、ない人たちは、よりアングラな労働の場に追いやられていくでしょう。あらたな賤民の誕生です。
アングラな労働の場では今以上に過酷な搾取・人権侵害が展開されるであろうこと、また、そこにヤクザなど犯罪組織が深く関わるようになるだろうことは、容易に想像できます。
そもそも、雇用状況から居住状況などまで(やがては入国時に採取した生体情報なんかも含まれるようになるでしょう)政府に一元管理された存在(外国籍者、無国籍者)が、人として遇されているなどといえるでしょうか。これはまさに、人の中に「人以下のもの」をつくりだす試みです。人間の自由を尊重する精神をどこへ捨て去ろうとするのでしょうか。
こうした政策は、あのアメリカにおいてでさえ、しかもテロ対策という名目であったにもかかわらず中止に追い込まれた、TIA計画に極めて似ています。今、自民・公明政権が進めているのは、外国人対象のTIA計画だと言えるでしょう。
【必読情報】
1.TIAプログラム
2.ACLU、米国一般市民に対する監視システムに警鐘
3.問題山積、米国防総省の国民データベース計画
そしておそらくは、今は外国籍者(無国籍者を含む)にのみ向けられているこの情報管理の動きは、住基ネットなどを使って、遠からず日本国籍者にも突きつけられることになるでしょう。
今こそ、人と人との連帯の力で、暴走する国家、自民・公明政権に終止符を打ち、新たな時代を切り開くときです。失敗すれば、今以上に息苦しく、自らをも人として見ることのできない暗黒の時代が訪れること必至です。
少しでも多くの方に、このおそろしい動きがあることを伝えていきたいと思います。皆さまも、よろしければご協力を、なにとぞよろしくお願い申し上げますm(__)m。
ちなみに、在留資格制度などに関する代案・改善案は、『外国籍住民との共生にむけて〜NGOからの政策提言』(移住労働者と連帯する全国ネットワーク・編)が優れものを提示しています。 野党の皆さま、どうかご参考にしてくださいませませm(__)m。
【関連記事】
★入管一元管理で賤民をつくろうとする策謀に、うさキック!うさキック!うさキック!(2007.2.13)
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コメント
この間ずっと私の拙ブログ「アフガン・イラク・北朝鮮と日本」にTB送っていただき有難うございます。先ほど、拙ブログのリンク集のページに貴ブログを追加させて貰いました。挨拶が遅くなりましたが、これをご縁に、今後も宜しくお願いします。
投稿: 社会主義者 | 2007年2月14日 (水) 08時54分
社会主義者さま、コメント&TBありがとうございます。
当ブログのリンク集は、別途運営しているICC関連のブログのものが主になっており、何をどうしたものか延々考慮中の状態が続いています(汗)。近日中に今後の方針を決定して、その際に貴ブログも追加させていただこうと思います。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年2月14日 (水) 11時16分
こんにちは。仲@さん。
そういえば、指紋押捺制度を導入した頃、戦前のお話ですけど、国民全部にさせるためには、まず皇族の方々に率先してやってもらわねば、なんて議論があったというのを聞いたことあります。嘘かホントかよく分かりませんけど。で、けっきょくは全国民のというお話は流れて、外国人登録法(最後の勅令って言うじゃないですか)の際に指紋制度導入。そういった話を聞いたことありますね。ある大阪の外国人のお方から。
生体認証制度やあっちこちに増えていく監視カメラ。金融機関のセキュリティーとか防犯グッズ。どうも電子機器製造めーかーの金儲けって言う皮相な感じがしないでも無いです。
その道具に外国人に対する偏見を利用している、製造しているっていう気が。核拡散とかの恐怖も、防衛産業の宣伝に利するものですし、なんかこう、馬鹿馬鹿しくなっちゃうのって、僕のニヒリズムなんですかね~。自分でも嫌んなちゃう・・。何のために技術を高めていくのか、人間関係を深めていくのか、ウーム、迷いに迷います、です。へへ、また愚痴っちゃた。
ではまた~。
投稿: ivanat | 2007年2月14日 (水) 17時45分
ivanatさん、こんにちは。
まずは皇族からっていう話、目が点になるくらい隔世の感をおぼえますね。いや、実際にえらく時代は隔たっているんですが、そういう議論、あったんじゃないかなという気がします。
戦前の家族国家的な意識が強かった中で、すっごく真面目にスジを通そうとするとそんな話が出てきちゃった、のではないかと。東条英機・首相(当時)とか、たいそう生真面目な人だったそうなので、もし議論に関わっていたら、そういうこと言い出しそうかなあと。
どこぞのメーカーが企む金儲けだという構図は、はっきりある、と思います。メーカー側からすれば、国相手の美味しい仕事を手に入れる、そのためには国の政策も利用するし、外国人への偏見も利用する。美味しい商いどす。
政府官僚の側からすれば、本来的に持っているらしいなんでも管理したがる欲求や、受注メーカーとの関係の中で生まれてくるであろう美味しいおこぼれなんかのために、いくら資金がかかっても自分の懐は痛まないのだから、「ガンガンいったれ、それには外国人への偏見は好都合、それもどんどん煽りましょう」っていうのが、おおかたの心根なんじゃないかと推測します。なにせ、調べれば調べるほど、なんのためにこんなたいそうなシステムをつくるのか、合理性がどんどんかすんでいってしまう感じなんです。まっとうな官僚なら、こんなシステムをつくろうなんてするわけがない、と言いたくなるような。
こういう構図を見て馬鹿らしくなっちゃうっていうのは、それをニヒリズムとも呼ぶのかはわかりませんが、実は自然な反応かも知れません。
これは私自身がそんな気分に浸っちゃうことが少なくないから自己弁護のために言っているわけではなく(念のため)、この手の話が結局はそのまま通っていくのを、これでもか、これでもか、っていうぐらいにこれまで見せつけられてきたことが、ボディブローのように効いてるんじゃないかと思うんです。ある世代以上の大人は、ひょっとするとまだ幼い子どもでさえ、日本では大半の人がそのボディーブローでふらふらになってるんじゃないかなあと。
むしろ「そんなシステムができたって知ったことか、かいくぐったる!」っていうぐらいの気概が私にあればなあと思うんですが、一旦できちゃうと一個人では反撃がとても難しそうだし、税金も湯水のように使うことになりそうなんで、今のうちに蟷螂の斧でも振り回して抵抗せねば、っていうのが今の思い、今の考えです。感情的には、「めんどくせえや!」「もう投げ出したい!」という方が強いんですけど(笑、って、笑いごとじゃないですね)。
付け加えるなら、ニヒリズムも悪いことではないはずです。だれもが常に熱くなってる社会っていうのも、なんだか妙じゃないですか。それに、ニヒルな見方をしてこそ見えてくる真実もあるわけですから。ガッチャマン2号とか。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年2月14日 (水) 19時46分
>ガッチャマン2号
凄い、最高の『落ち』ですね。仲@さん。お見事!ぱちぱち。
確かこの2号は、アンドロイドになって蘇りましたよね。
中々、シュールな漫画でした。僕もイワのアンどりードでも造ろうかな?って気になりました。にゃは。
では。
投稿: ivanat | 2007年2月14日 (水) 21時40分
ivanatさん、ガッチャピンです。
いけない! このままだと脱線しまくりそうなので、ひとまずこのへんで!!
投稿: 仲@ukiuki | 2007年2月15日 (木) 08時58分