「リピーター=凶悪犯」か?/人と人との連帯の可能性と素晴らしさと
2007.1.12.03:21ころ
(2007.1.12.04:20ころ、この色の部分を追記)
(2007.1.12.23:20ころ、コメント欄に重大情報を追記!!!)
(2007.1.14.05:10ころ、上記重大情報の一部を記事末尾の「おまけ」の前に表にしてアップしました!!!)
重要犯罪:外国人の4分の1が「リピーター」(【鈴木泰広記者、川上晃弘記者、毎日新聞、2007.1.10)
殺人などの重要犯罪で02年から3年間に警視庁に逮捕・検挙された外国人計80人のうち、20人が一度何らかの犯罪を起こし強制退去された後に、偽造旅券などで不法に再入国した「リピーター」だったことが同庁組織犯罪対策2課の調べで分かった。東京都品川区の女性殺害事件で9日殺人容疑などで逮捕された韓国籍で職業不詳、金相浩(キムサンホ)容疑者(47)も、かつて強制退去になっており、改めて水際対策の重要性がクローズアップされた。
同課によると、02年10月〜05年9月までの3年間に扱った殺人、強盗、放火、強姦(ごうかん)、強制わいせつ、誘拐の重要犯罪で逮捕・検挙された計80人の外国人のうち、20人がいったん強制退去された後に、再び入国したリピーターだった。懲役1年以上の判決を受けた場合、出入国管理法により日本には無期限に入国できないにもかかわらず、偽造旅券を使ったり、密入国によって再入国し犯罪を繰り返していた。
東京都品川区のアルバイト、富士原光代さん(当時69歳)が04年4月に自宅で殺害された事件で逮捕された金容疑者は、殺害事件の1年前の03年4月に窃盗容疑などで逮捕され、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受け、強制退去処分になった。しかし、生年月日を偽って旅券を申請し、04年3月と4月の2度にわたり入国し、殺害の2日後には韓国へ戻った。
この記事を読んで、「リピーターは皆、凶悪犯だ」などと思いそうになってしまう私ですが、「入管法改定案に関する国会会議録」から、ちょっとした情報を紹介しておきます。
「平成17年(2005)の1年間で退去強制手続をとった外国人の数でございますが、5万7100人余りでございます。そのうちの13%に当たります7479人について、退去強制手続の中で調べるうちに、過去に退去強制手続を受けたことがある、いわゆるリピーターであった」三浦正晴法務省入国管理局長:3月17日、発言番号025)
ちなみに、上の毎日新聞の記事で取り上げられている「20人」は、「02年10月〜05年9月までの3年間」の数、この三浦入管局長の発言で取り上げられている「7479人」は2005年1年間の数、です。
(↑よく読むと、この2つの引用部分で取り上げられている「リピーター」の定義が、異なってますね(汗)。これだから深夜の更新はよろしくない(大汗)。でもまあ、このエントリーの大意は変更する必要はないでしょう。で、この追記部分が、図らずも「統計を読むことの難しさ」そして「用語の使い方・読み方の難しさ」を知らしめることになった……なんて期待するのは大甘でしょうか、大汗大汗……)
やはり大多数というかほとんどのリピーターは、犯罪を犯すこともなく、地道に仕事をして故郷の家族へ仕送りしてるんじゃないでしょうか。
退去強制させられるときには指紋を採取されてそれが保管されますので、犯罪に手を染めても足がつきやすいでしょうから。
一部の例を見てそれを全体の特徴であると思い込みがちなのは、どうも私たちが陥りやすい「罠」のように思います。
この「罠」によくよく注意して動かねば、知らず知らずのうちに人と人との連帯とその可能性が断ち切られ、おそろしく殺伐とした社会が形成されてしまうのではないでしょうか。
堅苦しく、重苦しいエントリーになってしまいました。
気分転換に、「人と人との連帯」のワクワク感とすがすがしさを感じさせてくれる言ノ葉工房さんの記事を2つ、すでに別記事にトラックバックをいただいているんですがあらためて紹介します。
ニホンと外国人とデモとフランス(2007.1.8)
仏様の「屋根の下で暮らす権利」法案(2007.1.10)
言ノ葉工房さんが展開中の「愛国心はあるさ。ありますとも。あるからより良い国になってほしいのだーだから外国と存分に比べさせてもらいまーすキャンペーン! 」、知識不足で同道するのはむずかしいですけど、応援してます!!
| 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 938 | 967 | 1170 | 956 | 814 |
| B | 446 | 377 | 458 | 482 | 462 |
| C | 25 | 40 | 32 | 30 | 37 |
| D | 1409 | 1384 | 1660 | 1468 | 1313 |
※A、B、C、D各行の数字は人数
A:警視庁による凶悪犯(殺人、強盗、放火、強姦)検挙人員
B:警視庁による強制わいせつ犯検挙人員
C:警視庁による略取誘拐犯検挙人員
D:合計
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/bunsyo/toukei17/pdf/kt17d035.pdfより作成。
この最後の3年分が、おおよそ毎日新聞の記事が取り上げた数字に対応する年限です。そこでの検挙者数は総数4441人。その中で「重要犯罪リピーター」20人の割合は、0.45%です。一人が複数の犯罪で検挙されている可能性もあるのかも知れませんが、それにしても、なんともやりきれない思いにさせる記事でありました。
(おまけ)
「外国人犯罪」の宣伝と報道(英訳付き、コムスタカー外国人と共に生きる会)他(2006.07.07)
『治安はほんとうに悪化しているのか』東京都治安対策担当部長(前)の懺悔あるいは告白(2006.07.16)
『治安はほんとうに悪化しているのか』書評on読売新聞!!(2006.7.25)
在留許可求め、東京入管前でデモ/「治安悪化説に異論」(東京新聞インタビュー)(2006.09.24)
「またテロですよ!」(非国民通信)を読んで(入管法改定案に関する国会会議録より)(2006.10.15)
共謀罪審議に松島みどり議員が登場(入管法改定案に関する国会会議録より)(2006.10.22)
虚構の上に立ついやしの「極右」か、現実の上に立つ節度ある「極右」か(2006.11.19)
【超お薦め!】『犯罪不安社会』を読んで、明るい2007年へ!(2006.12.25)
「外国人犯罪」不安にどう立ち向かうか/「来日外国人」数の試算(2007.1.3)
「リピーター=凶悪犯」か?/人と人との連帯の可能性と素晴らしさと(2007.1.12)
法治国家で窮鳥懐に入れば大岡裁きに遠山桜!/在留支援のためのお願い2つ(2007.1.23)インターネット新聞『JANJAN』:
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(2004/04/15)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第2回)(2004/04/16)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第3回)(2004/04/17)
★『マヤカシの「外国人犯罪増加」論〜「人種差別」と「棄民」を生む社会の行方〜』(全4回の第4回)(2004/04/18)
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コメント
TBありがとうございまーす。おお、紹介までしていただいてる、、ありがとうございます!
おお、応援までしてもらってるありがとうございます!アロットアロット
投稿: るか | 2007年1月12日 (金) 03時41分
るかさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。応援してます!!ムイントムイント!!!
投稿: 仲@ukiuki | 2007年1月12日 (金) 04時23分
こんにちは、んTBありがとうございました。
わたしは、知識が余りないのですが、やはり犯罪リピーターの率は多いような気がします。かつて中国人などの凶悪犯罪が大きく報じられ、また空巣など日本になかった手口を身近で経験するなどがあり、反中、嫌韓意識を高めてしまったのではないでしょうか。それが相互に国交疎遠化を呼び、犯罪防止の国際協力に水をさしたとすれば残念なことです。
投稿: ましま | 2007年1月12日 (金) 10時59分
ましまさん、こんにちは。無事にTBが通ったようでホッとしています。
身近で犯罪があると、警戒してしまうのはわかります。
ただ、これまで日本になかった形態の空き巣が、必ずしも外国人によって初めて持ち込まれたとは限りません。外国での事例を研究している日本人犯罪者もいるでしょうし、オレオレ詐欺もこれまで日本になかったから外国から輸入されたものだ、とは(たぶん)言えないでしょう。
それでも、犯罪リピーターの率が多いような気がするというのは、私もなんとなく「そうかも知れない」と想像してしまいます。犯罪組織関係の人なら何度でも入国してくるだろうなあ、と思うわけです。
でも、そういう犯罪組織関係のリピーターがどれほどいるかは、把握のしようがありません。
大きな組織だと、使い捨て要員か鉄砲玉のような者ばかりが送り込まれているのかなあ、と想像するのが私の限界です。
どうも私は、ここ3年ほど、警察庁が統計データの数字をかなり恣意的としか思えない使い方をして「外国人なかでも不法滞在者が治安悪化の温床になっている」という認識を世間に広げてきたのを追いかけてきたせいか(これについては、コムスタカー外国人と共に生きる会の中島真一郎さんが詳しく分析していますので、よろしければご覧ください。http://www.geocities.jp/kumustaka85/intro.html)、今回の警視庁の発表にもうさん臭いものを感じてしまいます。
たとえば、なぜ、2002年末からの3年間に限ったデータなのか。なぜ単年度のものではないのか。金相浩(キムサンホ)容疑者の日本への引渡と合わせて発表するあたり、外国人への偏見を強める意図があったのではないか。そうすることで、外国人からの指紋採取の正当化に使おうとしているのではないか、とか。あれこれ疑ってしまうのです。
話は少し変わりますが、日本が大好きで来日したブラジル人が、日本での暮らしの中でストレスが積もりに積もった結果なのか、発作的ともいえるような強盗事件を起こして服役、帰国した、その手記を読んだことがあります。犯罪対策においては、ある特定のグループを危険視してその排除を試みるより、その背景を調査・追究することの方が大切なのではないか。そんなことを考えました。
「犯罪リピーター」についても、最初の犯罪はどういう背景・動機で起こしたのか、服役するという痛いめにあっているはずなのに、なざ再来日したのか、何らかの強制的な圧力があったのではないか(最初の来日時に背負った借金が大きすぎ、そのせいで再来日しなければならなかったとか)、刑務所での矯正のあり方に改善すべき点はなかったのか、とか。
背景事情が詳しくわかったから免罪されるということはないでしょうが、そうした問題点を洗い出し、冷静に分析することの方が、外国人などをグループ化して一律に危険視・排除しようとする方向よりも、人にとってやさしい社会につながっていくのではと思います。
参考までに、警視庁のここ数年の罪種別検挙人員(記事で取り上げられている罪種の検挙人員)を調べてみました。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/bunsyo/toukei17/pdf/kt17d035.pdf
(凶悪犯:殺人、強盗、放火、強姦)
2001年 938人
2002年 967人
2003年 1170人
2004年 956人
2005年 814人
(強制わいせつ)
2001年 446人
2002年 377人
2003年 458人
2004年 482人
2005年 462人
(略取誘拐)
2001年 25人
2002年 40人
2003年 32人
2004年 30人
2005年 37人
____________________________________
(以上の合計)
2001年 1409人
2002年 1384人
2003年 1660人
2004年 1468人
2005年 1313人
この最後の3年分が、おおよそ毎日新聞の記事が取り上げた数字に対応する年限です。4441人。その中の20人は、0.45%です。もちろん、一人が複数の犯罪で検挙されている可能性が否定できませんが。
何にせよ、警察庁によるプロパガンダ(これよりふさわしい言葉が私には思いつきません)とそれをマスコミが検証なしに垂れ流してきたことが、反中、嫌韓意識を高めてしまったのは、たしかだと思います。
非常に残念でありますし、個人的には激しい怒りを抱いています。
クール、冷静に生きていきたいのですが、修行が足りないようです。。。
投稿: 仲@ukiuki | 2007年1月12日 (金) 23時16分