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玉川大学問題の本質/人の多様性に合わせた社会デザインを

2007.1.19.05:00ころ

先週末から仕事でコンピュータ画面とにらめっこする時間が続いており、息抜きの時間にはコンピュータの前からトンズラしたい心境なわけですが、そうもいかずにぷらぷらとブログ探索をしておりました。
するとどうにも、気になって仕方がないのが、玉川大学の例の一件です。

お世話になってる秘書課さんのブログなど、女性と思ってなめられてるのか、差別意識と偏見、レイシズムから飛び出したようなコメントが、まあ地道に掃除されてるせいかそんなに多いようには見えないのですが、次から次に舞い込んでいます。さながら、嫌韓流ヘイトスピーチ・オンパレードといった趣で、現代日本におけるレイシズムの表出について研究するとき役に立つかもなんて、ちょっと不謹慎なことを考えてしまいました。村野瀬さん、すみません...m(__)m。

この「玉川大学受験拒否問題」に関しては、非国民通信さんが、「学力よりも気になるものがあるらしい」と題して、毎度のことながらツボをビシリと押さえた記事を書いてくれています。
未読の方は、ぜひお読みください。
また、翌日の「K-1では異例の重い処分」という記事も、門外漢の私にはまったく意外な部分で上の記事と関連しておりました。いや、びっくり。

「玉川大学問題」の本質からはちょっと外れますが、昨春の入管法改定に関して私が怒りのキャンペーンを展開するきっかけとなったのと似たような状況が、『季刊教育法』(N0.138、2003年9月号)に掲載された「朝鮮学校卒業生等への国立大学入学資格付与問題」(張學錬弁護士)という論文の末尾で次のように指摘されています。

 また、多くの人が見落としている事実として、文科省の言う外国人学校は、必ずしも法律的な意味で外国人学校ではないという実態がある。既に東京中華学校では過半数が日本国籍の生徒であるし(血統的民族的に全くの日本人さえ通学している例もかなりある)、朝鮮学校においてもかなりの割合で日本国籍を保有する生徒が含まれている。いわゆる外国人学校は既に多国籍化しており、もはや専ら外国人を対象としているとは言い難いのが現状である。そうであれば、外国人学校・民族学校に対し私学助成が及んでいないという問題は、すぐれて日本人の教育問題であり、教育を受ける自由(教育機関選択の自由)との関わりという側面もあることを併せて指摘しておきたい。

大学入試受験資格に直接関わる文脈ではないとはいえ、子どもの教育の問題にやはり結局は関わってくる点についての、現実を踏まえた指摘です。

もちろん、
「日本人の教育問題であり、教育を受ける自由(教育機関選択の自由)との関わりという側面」があろうがなかろうが、大学受験資格に関する玉川大学の、そして文部科学省の差別的取り扱いが許されない
ことに変わりはありません。
国際人権法の観点からもおかしいし、インターナショナル・スクールなどとは違う差別的取り扱いがなされるようになった経緯は、ほとんどまったくこれまでのいじめの上に積み重ねられた新しいいじめみたいなものなんですから。こんな事態を放っておくわけにはいかないでしょう。大人として。

それでも張弁護士のこの指摘が重要だと思うのは、そこに日本社会の多様化の進展が、はっきりと表れているからです。
そして、こうした人の多様性を踏まえたうえでこれからの社会のあり方を論じていくことの重要性を強く感じるからです。

とまあ、そんな確信を新たにしたからと言って仕事が終わってくれるわけでもなく、よけい疲れてしまった我が身を「あほやなあ……」と見放しつつ、まだまだ仕事は続くわけです...... orz ....。


※関連記事
人間と、サイズの合わない棺桶(非国民通信、2006.6.18)

「寛容の精神」のない国と、他の人間を平気で「人間以下」と見下す者/「多民族共生教育フォーラム2006愛知」から教育基本法改定を目論む日本政府へ(入管法改定案に関する国会会議録より)(2006.11.13)
虚構の上に立ついやしの「極右」か、現実の上に立つ節度ある「極右」か(2006.11.19)
玉川大学問題/文科省による「人種差別撤廃条約」等違反(修正しました2、赤っ恥orz)(2007.1.20)
自己のルーツである文化などを学び、享有する権利/『「ワーキング・プア」の現実』(週刊金曜日)/ひき逃げの日系人起訴/ブラジル検察、代理処罰へ(2007.1.21)

秘書課のダウンは「玉川大学問題」か「通常国会問題」か!?(2007.1.25)


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コメント

はじめまして。
さきほどこの問題でネトウヨ会議室に書いてきました。
玉川大学は「全人教育」がモットーだそうですが、笑ってしまいますね。どこが全人教育なのか。ちなみに理事長はどこかの国と同様、世襲です(^_^)
この大学は欧米系のインターナショナルスクールは受け入れています。確かにこちらは学校として認可されているので当然といえば当然ですが、日本のほとんどの大学が学校と認めている朝鮮学校が認められないというのは差別と言われてもしようがない。もっともこの大学、昔から学費の高い、右よりの学園でしたからこの処置も納得できるところなんですけどね。

リベラル応援団さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

>さきほどこの問題でネトウヨ会議室に書いてきました。

おお、なんとおそろしげな場所に……(^_^;)。

私は世代的に「玉川大学→薬師丸ひろ子」と短絡してしまうあたりにいるわけですが、今回の一件で、いっそう強烈に名前が脳裏に刻み込まれました。
いくら右寄りといっても「学校法人」なんだから、21世紀に入ってまでこの対応はちょっと酷すぎるんじゃないの? 文科省のつくった現行ルールに問題があるのは当然としても、と。
文科省ルールを変えさせることも、やはり必要ですね。

今後ともよろしくお願いいたします。

仲@ukiukiさん、トラックバックと秘書課への言及ありがとうございました。

あれらのコメント群は保存してありますので、研究に使いますか?(笑)

それにしても、私が日本で所得税を納めていないとか、私が何か大仰な特権を持っているとか思い込んでいる人たちがいるのは驚きでした。私を在日韓国・朝鮮人と思い込んでいる人たちが多かったのも手伝って、差別と偏見と暴力的憎悪は無知の上に築かれるということがよくわかりました。

TBありがとうございました。
ブログでは取り上げませんでしたが、いやなやり方だと思いました。
かの大学では、留学生の受け入れにもフィルターがかかってるのでしょうか?
また、これでは国際教育の名がすたると思うんですが・・・

村野瀬さん、こんにちは。

コメント群、ある程度内容を類型化できそうな感じがしますね。
仮にコメント欄を一時閉鎖するようなことがあっても、これまでの分はどうか大切に保存しておいてください。一段落した後で、いずれご提供をお願いするかも知れませんので。よろしくお願いします。

おこじょさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

かの大学の具体的な授業内容などは知りませんが、国際教育の名がすたるというのには同感です。「人種差別撤廃条約」を批准した日本政府が認可する学校法人として、こんなのがふさわしいのだろうか、などとの疑念も湧きます。
これに関して、記事を追加してみます。

今後ともよろしくお願いいたします。

こんにちは。何回してもTBが通りません。コメントも受け付けて貰えません。
何でしょう?とにかく、もう一度チャレンジしてみます。
http://kurumachan.seesaa.net/article/31688350.html

makuriさん、こんにちは!

TB、届いてないです。TBやコメントの受付まで謹慎してるわけではないのですが……。土曜日の午前中に回線が混んでる、ってこともないと思うんですが、う〜ん、なんでだろう。まったくわかりません。

これに懲りず、今年もよろしくお願いいたします!!

こんにちは。
わたしもTBを送ったのですが届かないようです。
このところいろいろな運営会社のブログにTBできず(従来以上に頻発)、さらに先ほども、弊ブログをブックマークしてくださっている方のところでエラーが出てコメントが書き込めなくなっていました。
ネットワークの上流の不調なのでしょうかね?

本題ですが、本当に日本のみならず社会とは自然界と同じく多様性があって初めて成立しているものです。環境破壊も、こうした排除も、また教育の統制も、本来の自然界の多様性の軽視・無視・人間の傲慢だ、と考えます。

いじめがゼロにはならないように差別も簡単に撲滅はできない性質のものなのでしょうけれど、最低限、教育に携わる方々として指摘を受けてすぐに襟を正さない態度には、無知や事実誤認による迂闊な差別以上の、なんらかの確信があると思えます。

Rolling Bean さん、こんにちは。
とりあえず一つ、TBは届いたようです。私もTBの不調にはよく困惑されてます。昨日はうまくいかなかったのが、今日はうまくいったり。わけがわからないんですが、どこかに不安定な部分があるんでしょう。

>環境破壊も、こうした排除も、また教育の統制も、本来の自然界の多様性の軽視・無視・人間の傲慢だ、と考えます。

同感です。そこに着目していかねばこのままずるずると危険な状況に引きずり込まれていくでしょうし、逆にそこに着目していくなら、別の状況へ進む道も開けていくと信じています。

>最低限、教育に携わる方々として指摘を受けてすぐに襟を正さない態度には、無知や事実誤認による迂闊な差別以上の、なんらかの確信があると思えます。

なんとなくそんな気もします。
しかも厄介なのは、その態度をバックアップする文科省の方針や、そこに寄り添うことで多様性を遠回しに押しつぶしていこうという働きに加担しようとする声がこの社会に少なくないことです。

なんだか今年も大変な年になりそうだなあと思います。
弱音を吐きつつ、しぶとくがんばりましょう!

この記事へのコメントは終了しました。

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