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改定教育基本法をひっくり返すために/「ワーキングプアII」再放送のお知らせと中国人研修生、「地獄への競争」

2006.12.17.23:00ころ

教育基本法の改定が国会でなされてしまいました。

しかし、諦めるのは、まだ早いです。

今春の入管法改定をひっくり返せないかと考えている私の目から見ると、
今回制定された新・教育基本法をひっくり返すことなど、「外国人の人権」が前面に出ざるを得ない「入管法ひっくり返し計画」に比べれば、はるかにたやすいことに思えます。
だって、日本人有権者自身の権利や将来に直接に関わってくる法律、それが教育基本法なのだと、直観的に理解してもらえるはずなのですから。

まあ、実を言うと今春の入管法改定も実は同じような結果につながるものだと思うのですが、入管法の場合、そこまで理解してもらうために、いくつもいくつも、誤解や先入観という名の山を越えねばなりません。しかし、教育基本法に関しては、そのあたりでスルーできるところが、かなり多いはずです。

私が入管法をひっくり返す上で必要かなと考えてきた要点を、あまり整理できていませんが、いくつか挙げてみます。

1)あきれるほどいい加減で杜撰な国会審議で改定がなされた→議会制民主主義の機能を政府が進んで破壊している。(例)質問に答えない答弁。役立てない参考人意見。必要な情報の隠匿。
2)
どの議員がどんな発言をしているか、詳しくチェックして、落選運動や選挙応援に役立てる
3)
法律を運用するうえで極めて重要な意味を持つ内容(採取した利用目的や利用方法など)を法律に書き込まず、すべてを行政府の運用に任せる。→恣意的運用のおそれ(あ、これも憲法違反か)
4)
役に立たない政府の約束→だからこそ、法律で重要な事項をしっかり定める必要性があるのに……。(例)国旗・国家法の成立過程をご参照あれ→これからもっと悪いことが・・・(非国民通信)
5)
法律の違憲性
6)
法律と、国際法上の義務との衝突

こういった点を、資料をきちんと整理して、ウェブできっちり訴えていくとともに、ウェブにもつながっておらずマスメディア以外に情報源を持たない人たちにも、なんとかして広く伝えていくことが肝要だと思います。

言うは易く、行なうは難し、というのはその通りですが、
教育基本法に関する限り、入管法の場合のように排外的な風潮なんかと闘うことなく、それができるはずなのです。

以下に、本ブログの教育基本法関連の記事を挙げておきます。何かの参考にしていただければ幸いです。


教育基本法をイジる前に「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定を!(2006.11.12)
教育基本法をイジる前に「寛容の精神」のない国と、他の人間を平気で「人間以下」と見下す者/「多民族共生教育フォーラム2006愛知」から教育基本法改定を目論む日本政府へ(2006.11.13)
【コメント返答(3)】「大久保住民」さんへの答えに窮して、両さんに助けを求める?……の巻(2006.12.03)
教育基本法改正は子どもの権利条約違反!(『週刊金曜日』2006.12.1号)(2006.12.08)
イベント報告記事/書籍『日本の中の外国人学校』/DVD『となりに生きる外国人——多文化共生って何?』(2006.12.11)

『NHKスペシャル』ワーキングプアⅡ 努力すれば抜け出せますか(12月19日(火)深夜【水曜午前】0時00分〜1時15分再放送)

遅ればせながら、観ることができました。
この社会が現実に抱えている問題、現実の姿を浮き彫りにしようとする、素晴らしいドキュメンタリーだったと思います。

ところが、と言いますか、

ワーキングプア・いくら働いても報われない(その3)(お玉おばさんでもわかる政治の話、2006.12.11)
格差社会の中のワーキングプアという貧困(花・髪切と思考の浮游空間、2006.12.12)

などによると、
「「ワーキングプアになったのは本人の責任、なんでこんなものを放送するのだ」といった類」の抗議が寄せられたり、番組制作スタッフへの内部圧力がかかってきているそうです。

内部圧力って、>『ETV特集』への安倍晋三たちの政治圧力の話を彷彿とさせますね(市民権なき国民の国/拉致問題でますます歪む日本の民主主義と、報道規制その決定的証拠)。

それはさておき。

このワーキングプアⅡ 努力すれば抜け出せますかでは、岐阜県の繊維業界の話が取り上げられていました。
岐阜の繊維業界と言えば、以前、『週刊金曜日』でもレポートがありました(『週刊金曜日』現代の女工哀史——中国人実習生)。関心を持たれた方は、ぜひバックナンバーを取り寄せてみてください。異様で恐ろしい世界が、そこには広がっています。

今回の番組では、
大雑把に要約すると、時給200円や300円で働く中国人研修生が働くライバル工場のせいで零細業者がつぶれていく、という事態が報告されていました。

そのときにナレーションのニュアンスがちょっと気になったのですが、
このような事態が生じてしまったのは、外国人労働者が日本に入ってきたことが根本的な原因ではありません。

法定の最低賃金以下で研修生に単純労働をさせるという、研修制度の本来の目的を逸脱した経営を行なっている企業と、それを黙認してきた日本政府にこそ、事態の責任はあるのです。

在日外国人の人権をないがしろにすることが、結局は日本人の首をも絞めてしまう例の一つだと言えるかも知れません。
内橋克人氏は、「地獄への競争」といった表現(うろ覚えです……)で、事態を表現していました。

そんなことを考えながら番組を観ていて思ったのは、
外国人単純労働者の公式的な導入や移民の受け入れをもし実施するとすれば、
「安価な労働力」の確保が目的になってしまってはならない、ということです。

フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(3)では、

人権保障の観点から、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定や、
「すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約」の批准などを実現するのが先決だと考えます。

と書きましたが、日本人の生活を守るためにも、そして、排外的な風潮がこれ以上日本社会に広まるのを防ぐうえでも、これらの実現は必要なのだと思います。

まあ、これまで本ブログで書いてきたことを思えばあまりにも当たり前の推論なんですが、
なんだかんだと慌ただしい年の瀬のせいで、これ以上、考えを進めることができておりません……。

ともあれ、再放送があるそうなので(12月19日(火)深夜【水曜午前】0時00分〜1時15分再放送)、見逃した方は、ぜひ、この機会にご覧ください。
京都も舞台になってますし……(鬱)。

※外国人研修生に関する最近の書籍としては、『外国人研修生 時給300円の労働者 壊れる人権と労働基準』外国人研修生問題ネットワーク編がおすすめです。

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