フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(3)
2006.12.10.14:30ころ
フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(2)(2006.11.26)
で、日本での批准はどうなったんだろうと書いていましたが、
外国からのヘルパーや看護婦(野原の小さな家、2006.12.09)
からトラバをいただいて、すでに参議院の外交防衛委員会で批准が可決されたと知りました。
厚生労働委員会などで議論する必要はない、ということなんでしょうか。
国会会議録検索システムで「経済協定」「フィリピン」で検索をかけても、それらしい審議がなされたとの結果は出てきませんでした。
日比経済協定を承認/共産党は反対 “政府に対策なし”/参院委(2006.12.06、しんぶん赤旗)
という記事を発見。そこに、次のような一節があります。
緒方氏(緒方靖夫議員、日本共産党)は、日本人にさえ、多くの差別が起きているのに、弱い立場の外国人への対策がないもとで、双方に問題が起こる可能性を指摘しました。
この懸念に同意します。
人権保障の観点から、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定や、
「すべての移住労働者とその家族の権利保護に関する条約」の批准などを実現するのが先決だと考えます。
また、介護の現場のことは詳しくありませんが、野原の小さな家さんが表明している介護現場で起こりうる問題への懸念にもうなずくところがあります。
国会でも極めて慎重な論議があってしかるべきだと思うのですが、
とりあえず何でもいいから既成事実をつくってしまえ、
という形で国会自体が動いているように見えます。
障害者自立支援法なんて恐ろしいものも、こんな感じで可決されたんでしょうか。
フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(1)(2006.11.04)
フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?(2)(2006.11.26)
で触れてきた「環境」の観点については、情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士さんが紹介しておられる、
「リサイクル」の名の下に日本のごみがフィリピンへ?~政府の戦略に懸念(ENVIROASIA、2006.11.10)
もご参照ください。
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初めまして TB有り難うございました。60の手習い、呆け防止にと思ってこの夏ホームヘルパー2級の講座を受講し、先日何とか修了証をいただきました。仕事にする予定はないのでタンスの肥やしです。しかし、数日間の施設実習では考えさせられることが多かったです。介護の現場は今のままでは明るい未来はないのでは?報酬は少なく、イヤなら代わりはいくらでもいるぞという感じ。誰もがきりきり舞いして時間に追われてバタバタ働くのみ。立派な職業の筈なのに、何か一本足りない、そんな印象を受けてしまいました。そこへフィリピンからの介護士受け入れ、だけかと思ったホントの狙いは医療廃棄物の捨て場さがしだった?その見返りに介護士受け入れ?ですか?介護の現場を何と心得ているのでしょう。現状を見て欲しいです。もちろん毒物輸出なんてとんでもないです。
投稿: jun | 2006年12月13日 (水) 13時51分
ある保守的なメールマガジンを拝見しました。
そこにはフィリピンではたくさんの看護師たちが海外に働きに行くため、フィリピン国内では看護師が不足しているとのことでした
もし、フィリピン人看護師が日本に大量にやってきたら、フィリピン人は医療の恩恵をあまり受けられなくなる。
どうしてアロヨ政権は自国での医療サービスが不足しているのに、看護婦を日本に送ろうとしているのかわからないです
多分海外からフィリピンに送金される外貨に期待しているのかもしれませんが
投稿: 熊山次郎 | 2006年12月13日 (水) 14時27分
junさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
「内申書制度の廃止を求めます」さんのところで貴ブログを知り、突然のトラックバックで驚かれるかなあと思いつつ、TBを送信してしまいました。
junさんの年齢の話までは、もちろん知らぬままでしたので、コメントをいただいてびっくりしました。
「資格試験の再再再……受験」に挑むかどうかちょっと弱気になりつつあったところでお年を知り、私もまだまだ負けていられないぞと、勇気とガッツをいただきました。ありがとうございます!
介護の現場については聞きかじり程度の知識しかない私ですが、かなり神経を使う、しかも体力も根気も必要な、ハードな仕事だろうと想像しています。それなのに、
>報酬は少なく、イヤなら代わりはいくらでもいるぞという感じ。誰もがきりきり舞いして時間に追われてバタバタ働くのみ。
となると、ヘルパーさんたちも消耗していくだけで、介護する側もされる側も幸せになれない構図がすでにがっちりできあがっているわけで、そこに介護士を受け入れることで現場の抱える問題がどんなふうに解消されるのか、非常に疑問です。
junさんの記事の「フィリピンから?何故だろう」
(http://red.ap.teacup.com/applet/tyoiba6/135/trackback)
に書かれているSさんの推測が当たっているのでは、と思えてきます。
(こちらにもあらためてトラックバックさせていただきました。最初からこちらにすればよかったです。。。)
ともあれ、フィリピン上院は条約の批准について慎重に検討する方針のようですので、はたして受け入れが始まるのかどうかも、まだわかりません。新しい情報が入れば、またお知らせさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 仲@ukiuki | 2006年12月14日 (木) 00時26分
熊山さん、こんにちは。
フィリピン国内で看護士が不足していて、それに輪をかけることになるのではとの懸念は、私も耳にしたことがありますし、実際、そうなってしまうのではないかと、個人的にも不安に思っています。
ただ、具体的なデータを検討したわけではないので、その不安に自信がなく(変な表現ですが)、この問題は最近まで触れずにきたのでした。フィリピン上院がいろいろ詳しく検討してくれるようなので、そこに期待しています。
アロヨ政権の意図がどうもわからないというのは同感です。海外からの送金がフィリピン経済を支えているとしても、国内の医療や環境を悪化させるおそれがある場合、もうちょっと慎重になるのが筋ではないか、と。
ただ、国内の看護士不足を悪化させるとか毒性廃棄物が日本から送られてくるとかの懸念がもし的を射ているとしても、植民地の執政官ってこんな感じで動くのかなあ、なんてことも考えてしまうのが、私の性格の意地悪な(?)ところです。USビーフの輸入再開に躍起だった、わが日本政府の姿とダブったりして(^^;)。
これまたきちんと報告書を読んでいないので、これまで当ブログで取り上げずにきたのですが、下記のシンポジウムが、昨年の秋、開催されました。
http://www.afrasia.ryukoku.ac.jp/jp/activity/pop_win.php?id=85
「シンポジウム「在日フィリピン人の介護人材養成:現状と課題」」
日本社会で孤立しがちな在日フィリピン人女性にとって、介護人材として活躍する道を広げていってはどうか、という話だそうです。
報告書が出ていますので、もし興味があれば、取り寄せてみてください。
投稿: 仲@ukiuki | 2006年12月14日 (木) 00時45分