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フィリピンから介護士、日本から毒性廃棄物?

2006.11.04.01:17ころ

9月に日本とフィリピンの間で締結された、日・フィリピン経済連携協定

これによって、フィリピンから看護士や介護福祉士が日本に(基本的に期間限定で)働きに来るシステムが法的に認められたそうで、

「ろくに外国籍の人たちの権利も守らない、人としても遇しないこの国に、これ以上、外国から労働者を誘致する資格なんか、どこにある!?」

などと思っていたわけでありますが、

フィリピンの人たちが条文をじっくり読み込み、これまでの政府発表の経緯(当初フィリピン政府は、毒性のある危険な廃棄物を、「リサイクル物品」と呼んでいたようです)などと照らし合わせた結果、
この協定の第29条(おそらく2項(!?))には、まったく予想だにしなかった、恐ろしい「意味」が隠されているらしいとわかり、懸念が広がっているようです。

その懸念とは、何と、

日本からの毒性の強い廃棄物を、フィリピンに「合法的に」廃棄できるようになるんじゃないの!

RP-Japan accord ‘toxic’(2006.10.25、bilateral.org)

で、グリーンピースは、フィリピンの上院に、協定を批准しないよう、呼びかけているそうです。

また、「有害廃棄物の越境移動およびその処分の規制に関するバゼール条約」に日本政府もフィリピン政府も加盟していながら、「リサイクル目的での廃棄物の貿易を禁止する」修正を批准していないことが懸念を深めているようで、グリーンピースは、その批准をフィリピン上院に呼びかけているとのこと。

Greenpeace urges Philippine Senate to reject FTA with Japan(2006.10.25、KYODO NEWS)

ただ、上掲「bilateral.org」の記事は、
危険な廃棄物のフィリピンへの持ち込みは、いかなる目的であれ、禁固12年から20年の罰則付きでフィリピン国内法によって禁じられているので、懸念に根拠はない、心配いらない、
との同国環境・天然資源省のイグナシオ次官のコメントで締めくくっています。

でも、何をもって「危険な廃棄物」と定義するかとか、そのあたりに抜け道がありそうな気がします。蛇の道はヘビ、ですし。

それに、もし「これは危険性の程度が軽い」と言って何かの廃棄物が持ち込まれるとしたら、
「(スモーキマウンテンでわかるように)国内の家庭ゴミすら処理できていないうえ、リサイクル産業もフィリピンにはないのに!」
という、Green Initiative Inc.のシソンさんの悲嘆がますます深まるのは確実です(上掲「bilateral.org」の記事参照)。

一方、「KYODO NEWS」の記事は、上院の環境・天然資源委員会のカエタノ委員長が、条文を精査した結果、いくつかの条文が示す「品目(goods)」は、「日本がほしがらない産業廃棄物、自治体廃棄物、医療廃棄物」の婉曲的な言い回しに過ぎない、との懸念を語ったこと、そして同委員長の、フィリピン国内で暮らす人びとの健康や環境を日本での労働市場と引き換えにしてはならない、旨の発言で締めくくっています。

まあ、そんな懸念は杞憂でイグナシオ次官の言う通りであれば良いのですが、
もしそうであれば、そうであったで、
上掲「bilateral.org」の記事に出てくるさまざまな人たちの発言からは、自由貿易協定に対する反感、そしてひょっとすると「日本」への反感が、フィリピンの人たちの間に広まってきている気配を読み取らざるを得なくなり、何とも複雑な気分になりそうです。
まあ、外国に危ない廃棄物を捨てることになるのに比べれば、まだはるかに幸せな気分ではありますが。むむむ……。


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