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教育基本法をイジる前に「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定を!

2006.11.12.01:00ころ

多くの方々がすでにお気づきのように、
安倍政権ご執心の「教育基本法改定」なんかよりも、はるかに緊急の課題が日本には山ほどあります。
本ブログの扱う領域で言えば、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定、がその一つです。

今春の入管法改定に関する国会審議において、平沢勝栄議員(現・内閣府副大臣、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長)は、外国人の生体情報を入国審査時に採取する改定案に日弁連が反対していることを、次のように批判しました。

「日弁連が、もし国際人権規約違反と言うなら、アメリカ政府に厳重に抗議したらいいんですよ。何でしないんですかね。私はさっぱりわかりません。」【3月17日:発言番号012】

アメリカでは同様の措置がもうとられてるのに、なぜアメリカ政府に抗議しないのか、というわけです。

もっともらしく聞こえる理屈ではありますが、肝心な前提が、わざとか、それとも見識不足ゆえか、欠落しています。それは、

アメリカと日本とでは、生体情報提供義務づけから生じうる外国人差別に対するカウンター措置、法制度が「(アメリカには)ある」「(日本には)ない」という根本的な違いが存在する。
差別禁止法すらない日本での導入は、外国人を「テロリスト予備軍」「犯罪者予備軍」として制度的に危険視する結果、国籍あるいは人種による差別が一方的に増幅されていくおそれがある

という点です。
このことは、阿部浩己神奈川大学大学院法務研究科教授が参考人として指摘しましたが【3月24日:発言番号008】、国会審議において十分検討されることなく、法改定案は可決されてしまいました。

そして、このままでは、来年11月までに、

テロ対策を口実に、日本への上陸審査時に特別永住者と16歳未満を除くすべての外国人から指紋・顔写真などの生体情報を採取し、70~80年間も保有しつづけ(年間700万人以上、80年で5億人以上! 本当にテロ対策目的なら、こんなに蓄積しないで入国審査時にブラックリストと照合した後は消去するのが合理的)不法滞在対策や犯罪捜査に流用し、さらには在留外国人に対するインテリジェンスシステム(諜報活動システム)にも組み込んでいく

ことになる、あまりにも危険なシステム稼働してしまいます。

また、このシステムは、

近代刑事司法システムによらずに、法務大臣の認定という事実行為に基づいて、特定の犯罪行為やその予備行為もしていない外国人を「テロリスト」として認定して国外へ「島流し」してしまえる、

という点で、共謀罪の先取り的なシステムでもあります。

そんなシステムの危険性を抑える修正案(下記)が民主党から提出され、社民党、共産党は、その修正案に賛成しました(国会会議録からは国民新党については不明ですが、法案に対する強烈な異議を提示しつづけていたのはたしかです)。

(1) 上陸審査時に提供を義務づける個人識別情報の種類について、法務省令への委任規定を削除し、法律で明記するものに限定することとしたうえで、当分の間、指紋の利用を凍結する。
(2) 上陸審査時に取得した個人識別情報は、提供者がテロリストと認定されるなど上陸拒否事由に該当する場合を除き、提供者が出国後もしくは永住者となった時点で直ちに削除する。(採取対象から永住者を除く。)また、自動化ゲート利用者から取得する個人識別情報については、登録が効力を失った時点で直ちに削除する。
(3) 削除されるまでの間の個人識別情報については、出入国管理のための業務以外への利用を原則として禁止する。
(4) 新たに追加される退去強制事由について、法務大臣の裁量を狭める。

ですので、もし来年の11月までに、民主、社民、共産、国民新党などが連立政権をつくることができれば、自民・公明連立政権が立案した、世界にも類を見ない広範な範囲の人たちから生体情報を入国審査時に採取するシステムの運用に、部分的にせよ、ストップをかける可能性が出てきます。

だからこそ、私は、とっとと自民・公明連立政権を下野に追い込むことの必要性を痛切に感じているのですが、
「そんなことは絶対にさせない!」と考えているであろう、自民党支持者、公明党支持者の皆さんに、お願いがあります。

上記の危険なシステムが動き出す前に、その稼働から生じうる外国人差別や人種差別などに対するカウンター措置の整備、すなわち、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定に向けて、声を上げ、力を貸していってほしいのです。
もし皆さんが、「人種差別や国籍差別」はあって当然だ」、と考えているのでないのなら

そしてもちろん、自民党も公明党も支持していない皆さまにも、ぜひともご助力をお願いします。
このような法律がないって、先進国として、けっこう恥ずかしいことではないかと思うのです。

※このような法整備を呼びかけているグループに、外国人人権法連絡会があります。

また、『外国籍住民との共生にむけて:NGOからの政策提言』(移住労働者と連帯する全国ネットワーク (著))の第2章、第12章が、まさにこれらの法制定の必要性について論じています。

(実はこっそり、次回へ続く!)

「入管法改定案に関する国会会議録より」シリーズ
1.【入管法問題】参院・衆院与党議員への宣戦布告(2006.05.09)
2.平沢勝栄議員の「テロ予告」!?(2006.09.22)
3.「またテロですよ!」(非国民通信)を読んで(2006.10.15)
4.共謀罪強行採決阻止のためのお役立ち情報、かも。(2006.10.20)
5.共謀罪審議に松島みどり議員が登場(2006.10.22)
6.教育基本法をイジる前に「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定を!(2006.11.12)
7.「寛容の精神」のない国と、他の人間を平気で「人間以下」と見下す者/「多民族共生教育フォーラム2006愛知」から教育基本法改定を目論む日本政府へ(2006.11.13)
8.河野洋平・太郎父子、塩崎恭久&石原伸晃、議会制民主主義の破壊(2006.11.16)
9.「望ましい監視社会」!? 荒井正吾・参院「教育基本法に関する特別委員会」委員長(予定←変更アリマシタ)(2006.11.16)
10・外国人実習生への性暴力/植草一秀氏事件から見える「適正手続」問題(2006.12.27)
11.外国政府・メディア・市民に知られまいと日本政府が隠す目的(2006.12.30)
12. 「永住者」の扱いに関する立法事実と、政府による議会制民主主義の破壊(2007.1.10)
13.衝撃or当然(?)の検索フレーズ/政府と女性蔑視/国民投票法案バナー(by SOBAさん)(2007.1.28)
14.テロ犯と誤認、11億円賠償:カナダ首相、第三国移送で謝罪(2007.1.31)
15.テロの種まき、テロ対策!?(2007.3.17)
16.外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)

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