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「望ましい監視社会」!? 荒井正吾・参院「教育基本法に関する特別委員会」委員長(予定←変更アリマシタ)(入管法改定案に関する国会会議録より)

2006.11.16.19:00ころ
(2006.11.17.01:15ころ追記→参議院 文教科学委員会の委員長は、中曽根弘文議員を内定したそうです。汗。村野瀬さんところのこの名簿には、今春の入管法改定案審議で質疑などに登場した名前、ありません。)

参議院 文教科学委員会 名簿 (2006年10月)(「秘書課、村野瀬 玲奈です。」、2006.11.15)
で、荒井正吾議員が、参議院の「教育基本法に関する特別委員会」委員長になる、と知りました。

どこかで聞いた名前だなあ、と思って確認したら、やはり、今春の入管法改定案の参院法務委員会で、参考人の意見陳述を受けて、参考人質疑に立った議員の1人でありました。
2007年選挙で改選予定。1945年生まれということなので、まだ引退するような年齢ではありませんから、きっとまた立候補してくることでしょう。

それはともかく、荒井正吾議員(自民党:公式サイト)の質疑で印象に残ったのは、(1)「望ましい監視社会」という言い回しと、(2)長々と自分の経歴を語って持ち時間をつぶした結果、3人の参考人のうち難波満弁護士に質問しなかった、という点の2つです。

(1)「望ましい監視社会」という認識

リスクの認識って、日本人なかなか、情報の活用のための価値あるいはその逆のリスクということの認識自身が低い社会であったような気がするんですが、アメリカのように若干日本人から見れば進み過ぎるのも問題かというふうに思うんですけれども、その面が若干あるんですが、しかし世の中は確実に監視社会へ進んでいるように思うんですよね。
 これは
望ましい監視社会になるか、リスク、困難が発生する社会であるかという、情報化の中で大きな問題といいますか課題が発生しているように思うんですけれども、今まで家族、地域が監視していた社会、少年犯罪の防止等その他が国家へ監視の機能をゆだねてきているような気がする。もちろん取り戻すのも大事なんですけれども、やはり効率的に適正に国家にある面ゆだねるという社会になってきた。逆に、加藤先生おっしゃったように、二元的な、監視する者も監視されるという社会にもなってきているようにも思うんですけれども。(5月11日:発言番号010)

荒井議員のこの発言を読んだとき、私は「望ましい監視社会」が存在しうる、という認識に大きなカルチャーショックを受けました。
「監視社会」というと、どうもジョージ・オーウェルの『1984年』的な、ネガティブなイメージしか持っていなかったもので。

ちなみに、「監視する者も監視されるという社会にもなってきている」という部分は、加藤朗参考人(桜美林大学国際学部教授、第5次出入国管理政策懇談会メンバー)が、

「国家が情報を独占するという考え方自体が既に過去のものであって、実は、国民の側にも政府の情報を入手することができるような状況が生まれつつあるということが実は情報社会の大きな特徴であり、また問題点であろうかと思います」(5月11日、発言番号004)

と述べたのを受けた部分です。

「国民の側にも政府の情報を入手することができるような状況が生まれつつある」というのは、立憲民主主義の原則、主権在民の原則がようやく実現しはじめた証しであり、けっして「問題点」などではなく、むしろめでたいことだと思うのですが、そうは思わないのが加藤参考人だったというわけです。(加藤参考人については、「またテロですよ!」(非国民通信)を読んでをご参照ください。)

加藤参考人のこの見解について荒井議員がどう考えているのかは、不明です。
同意しているようでもあり、そうでないようでもあり。

この後、荒井議員は、次のように続けます。

そこで、アメリカのUS—VISITの、国家の監視機能が市民の社会の自由度に比べて非常に大きく観念される社会と。日本は今までの家族、地域の監視をまだ信用していると、あるいは内部のお互いの監視を信用していると。これが一般に開かれた信頼社会というふうにグローバル化になってくると思うんですが、そうなると、社会のシステムが大きく変わらなきゃいけないというふうに思うんですが、……(以下略)……(5月11日:発言番号010)

なんだかよくわからない言い回しで、結局、荒井議員の言う「望ましい監視社会」がどんなものかも、わからずじまいでした。
「権力者によって都合のいい監視社会」でなければ良いのですが、はてさて。

(2)荒井議員の経歴話と時間潰し

荒井議員は、運輸省出身のキャリア官僚だった方で、後に海上保安庁の長官努めており(1999年〜2001年)、その経歴を語ることから質疑を開始しました。

 私は、参議院議員になる前に海上保安庁の長官をしておりまして、密輸、密航の取締りの現場に当たっておりました。また、その前には観光部長、運輸省の観光部長をして観光客を日本にたくさん持ってくる仕事を一生懸命いたしました。この調和というのが課題になっておりますので、この法案の実効に大変関心を持っております。今日のお話も大変参考になりました。
 それで、まず大きな論点は、公共福祉、治安の維持というのの維持と個人情報のプライバシー確保ということが大きな課題になっておりますが、犯罪の現場を見ますと、
犯罪組織の方がグローバル化、IT化が進んでいる実態がずっと日本の近辺でございました。
 例えば、密輸の麻薬を日本に持ってくるときは、これ国際連携をしないと
日本人だけあるいは中国人だけではできない状況ですので、船で、日本の沖合にGPSという位置情報を持った船が北緯何度何分というふうに位置を暗号で日本の受取人に知らして、そこに浮き輪を付けてぽっと置いて、暗やみの中で置いておくと。その情報を持った日本の漁船がとんとんと行って引っ掛け日本の漁港に揚げると。これは通関も何も要らないと。これは捕捉するのは極めて困難でありまして、別の情報でその辺りにいるということで夜間監視をするわけですが、夜間の監視には日本の巡視船は赤外線のカメラもない状況でございましたので、夜見えないと。向こうは十分夜見えるというように、IT化が犯罪人の方が進んでいる状況でございます。
 また、保秘の電話が日本の警察と海上保安庁と軍の間は私の長官時代ないことで、通常電話でやっておりましたので、情報の動向が向こうに筒抜け、向こうのは分からないという非常にアンバランスな治安の国境の監視の現状でございました。したがって、この国境監視というのはとても大事だと思っております。
 海の方の密航を取り締まった結果、海から来るのが経済的な事情で来る人が多かったんですが、たくさんの密航費用を払って取り締まられると、これは成田から上がった方が安上がりだというので、成田に転換された経緯がございます。成田がどうも成り済ましその他、配偶者、偽装配偶者等で入りやすかったという状況がここ数年来ておりましたので、成田での入管の厳密な検査というのは是非してほしいというふうに思っていたものでございます。(5月11日:発言番号008)

荒井議員が海上保安庁長官を務めていたのは、もちろん自民・公明連立政権下、小渕・森内閣時代の話のようですので、「日本の巡視船には赤外線のカメラもない状況」というのは、自民・公明連立政権の予算配分の拙さを白日の下に曝す発言であります。

それはさておき、上記の発言は、今春の入管法の改定審議に関して、ここまで長々と話す必要があるとは思えない内容のものです。「成田での厳重チェックをしてほしい」という見解につながる部分を語れば十分なはずだからです。

そして、時間切れを理由に、難波満参考人には、質問をせずに質疑を終えてしまったとなると、棚橋泰文議員(自民党:公式サイト)が、衆院法務委員会において、阿部参考人への質問を避けたのと同じ構図が、見えてきます。

なぜなら、荒井議員が避けた難波参考人は、今回の入管法改定案に反対する立場から開催された二つの院内集会(2006年3月27日、2006年4月5日。4月5日の院内集会でまとめられたアピールはこちら)で講師を務めた弁護士であり、この日の意見陳述でも、人権保障の観点から、今回の改定案を厳しく批判する意見陳述を行っていたからです。


ところで、敵に塩を送るようであまり言いたくないのですが、

今春の入管法改定に関する国会会議録を読むかぎり、自民党議員の中にも、
谷川秀善・参院議員(自民党:公式サイト。2007年選挙で改選)のように、今イチ迫力不足とはいえ、今回の改定条文のあいまいさが恣意的な運用を招く危険性を、規制を受ける側の視点から訴える議員がいました(5月9日:発言番号016、020)。

また、昨年までは自民党に所属していた亀井郁夫議員(国民新党:公式サイト。2010年選挙で改選。教育観とかでは私と激しく衝突しそうな方ですが、会議録を読んで、すっかりファンになっちゃいました)が、なんと、

「滞在基準についてもいろいろ無理があるから不法滞在者が増えているということもあるんだろうと思いますので、そういう意味では、不法滞在者を減少するために、滞在基準をこのように3年を5年に延ばすのは(特区関係の)これだけなのか、ほかにもいろいろあるんじゃないかと思うんですけれども、延ばしてもいいようなやつがあるんだろうと思うんですけれども」

と、自民党が展開してきた不法滞在者対策そのものへの批判をさりげなくぶち上げてもいます(5月18日:発言番号103)。

「良識の府」たる参議院なればこその話かも知れませんが、
自民党の中にも、実は小泉・安倍ラインとはまったく違う場所から、「立場の弱い者の側」に立って世の中を見ようとしている議員が、ひっそりと存在しているらしいことに、
留意しておくのが吉、かなと思います。

「入管法改定案に関する国会会議録より」シリーズ
1.【入管法問題】参院・衆院与党議員への宣戦布告(2006.05.09)
2.平沢勝栄議員の「テロ予告」!?(2006.09.22)
3.「またテロですよ!」(非国民通信)を読んで(2006.10.15)
4.共謀罪強行採決阻止のためのお役立ち情報、かも。(2006.10.20)
5.共謀罪審議に松島みどり議員が登場(2006.10.22)
6.教育基本法をイジる前に「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」「人種差別撤廃法」の制定を!(2006.11.12)
7.「寛容の精神」のない国と、他の人間を平気で「人間以下」と見下す者/「多民族共生教育フォーラム2006愛知」から教育基本法改定を目論む日本政府へ(2006.11.13)
8.河野洋平・太郎父子、塩崎恭久&石原伸晃、議会制民主主義の破壊(2006.11.16)
9.「望ましい監視社会」!? 荒井正吾・参院「教育基本法に関する特別委員会」委員長(予定←変更アリマシタ)(2006.11.16)
10・外国人実習生への性暴力/植草一秀氏事件から見える「適正手続」問題(2006.12.27)
11.外国政府・メディア・市民に知られまいと日本政府が隠す目的(2006.12.30)
12. 「永住者」の扱いに関する立法事実と、政府による議会制民主主義の破壊(2007.1.10)
13.衝撃or当然(?)の検索フレーズ/政府と女性蔑視/国民投票法案バナー(by SOBAさん)(2007.1.28)
14.テロ犯と誤認、11億円賠償:カナダ首相、第三国移送で謝罪(2007.1.31)
15.テロの種まき、テロ対策!?(2007.3.17)
16.外国人の生体情報採取・蓄積・流用システムの問題点(2007.9.4)


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コメント

はい、何日か前の荒井議員のHPにそう書いてあったという情報があったので、最初はそのように書きました。でも、16日の新聞をチェックしたところ、委員長に内定したのは中曽根議員だそうですので、訂正しました。

お詫びして訂正します。m(__)m

村野瀬さま

いえいえ、恐縮なさらないでください。
事態が極めて流動的だということの証拠でもありますし、まだ内定の段階で、どうなることか。
いずれにせよ、いつか記事にしようと考えていた内容でした。

今後ともよろしくお願いします。

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