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SAY NO TO RACISM again and again:東京都バージョン

2006.9.20:01:00ころ
(2006.9.20:01:50ころ、関連記事を追加)

石原東京都知事の発言に関する、先週の記事です。

石原知事、また「三国人」 治安対策めぐり発言
 東京都の石原慎太郎知事は15日に都内であったシンポジウムで、国の治安対策を批判し、「不法入国の三国人、特に中国人ですよ。そういったものに対する対処が、入国管理も何にもできていない」と発言した。石原知事は00年にも「三国人」と発言して各方面から批判を浴び、「意図した意味と異なり、差別的に使われていた言葉だった」とした上で、「今後は、誤解を招きやすい不適切な言葉を使わない」と表明していた。
 シンポは、民間団体が主催し、テロなどに対する危機管理がテーマ。
 石原知事は00年4月の陸上自衛隊の式典で、「不法入国した三国人、外国人が凶悪な犯罪を繰り返しており、大きな災害では騒擾(そうじょう)事件すら想定される」と発言。その後、「辞書では『当事国以外の国の人』という意味で出ており、私もこの意味で使った」「在日韓国・朝鮮人をはじめとする一般の外国人の皆さんの心を傷つけたのは不本意で遺憾だ」などと説明していた。(asahi.com、2006.9.16

枯れは、じゃなくって、彼は、先月末には、こんな発言もしています。

姜尚中氏の福岡応援に石原知事反発 「怪しげな外国人」
 五輪の国内立候補都市を巡り、石原慎太郎・東京都知事が、福岡市の応援演説をした姜尚中・東大教授に激しく反発、「怪しげな外国人」などとかみついた。
 姜教授は演説で「金持ちの、金持ちによる、金持ちのためのオリンピックで、世界に勝てますか」と東京を批判。すると、続く東京側のプレゼンテーションで石原知事が「さっき、どこか外国の学者さんが東京は理念がないとおっしゃっていた。何のゆえんだかわかりませんが」と発言。その後の祝賀パーティーのあいさつでも「怪しげな外国人が出てきてね。生意気だ、あいつは」などと述べた。
 姜教授は在日韓国人2世で、熊本で生まれ育った。(asahi.com、2006.8.31

相も変わらずの石原都知事のこういった発言は、日本も批准している「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(人種差別撤廃条約)」第4条(c)が指摘する「国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は扇動する」に該当するものでありましょう。ならば、日本政府は、この発言に対して、断固たる措置をとる国際法上の義務があるはずです。


第4条 締約国は、一の人種の優越性若しくは一の皮膚の色若しくは種族的出身の人の集団の優越性の思想若しくは理論に基づくあらゆる宣伝及び団体又は人種的憎悪及び人種差別(形態のいかんを問わない。)を正当化し若しくは助長することを企てるあらゆる宣伝及び団体を非難し、また、このような差別のあらゆる扇動又は行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとることを約束する。このため、締約国は、世界人権宣言に具現された原則及び次条に明示的に定める権利に十分な考慮を払って、特に次のことを行う。
(c)国又は地方の公の当局又は機関が人種差別を助長し又は扇動することを認めないこと。


第1条 1 この条約において、「人種差別」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するものをいう。
第2条 1 締約国は、人種差別を非難し、また、あらゆる形態の人種差別を撤廃する政策及びあらゆる人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法により遅滞なくとることを約束する。このため、
(e)各締約国は、適当なときは、人種間の融和を目的とし、かつ、複数の人種で構成される団体及び運動を支援し並びに人種間の障壁を撤廃する他の方法を奨励すること並びに人種間の分断を強化するようないかなる動きも抑制することを約束する。

ここで、「日本政府は、国籍による差別は「この条約が禁じる差別ではない」みたいなことをいっているぞ」というツッコミがあるかも知れません。たしかに、そのページには、そんなふうなことが書かれています。でも、非常にビミョーな言い回しなんですよね、これが。

私は、日本のように「単一民族幻想」の極めて強い社会で「国籍による差別」をすることは、そのまんま「異民族への差別」につながる危険性が極めて高いわけで、それはまさに「人種差別撤廃条約」が禁じる種類の差別を生むものとして、やはり同条約が禁止していると考えるべきだと思います、原則として。

外務省による上の説明は、私の考えと同じ意味のことを言っているようでもあり逆のことを言っているようでもあり、真意が何ともつかみにくいわけですが。

まあ、石原都知事は「中国人には犯罪者のDNAがある」などと発言したこともあるくらいなので、今回の発言も「人種差別撤廃条約」が禁じる種類の「民族的若しくは種族的出身に基づく」一連の差別発言の一部として把握できるでしょうから、こんなことをわざわざ論じる必要はないような気もします。

それにしても、石原都知事の差別発言に、なぜにかくも日本政府は甘いのでしょうか。2000年の発言の際にはよくわからなかったのですが、最近、ようやく答えが見えてきました。
先の加藤紘一氏の自宅放火テロの際の、政府高官や与党政治家たちのぞんざいな対応(権力とマイノリティ、2006.8.29「小泉首相やっと加藤紘一氏の実家放火について言及、なんとマスコミ批判を展開」)を思い起こしてくださいませ。
要するに、政府の方針に逆らわないテロやレイシズム、民族差別は、どしどしやってもらいたいと、そういうことなのでしょう。

さて、いよいよ本日は自民党の総裁選だそうですが、すでに、「安倍晋三は極右の歴史修正主義者だ」という認識も世界各地に広まりつつあるようで(権力とマイノリティ2006.9.15、森田実の言わねばならぬ[352]2006.9.16など)、東京都知事までこんな調子では、日本人すべてが極右だとかレイシストだとか歴史改竄主義者だとか、誤解されてしまうおそれすらあるように思います。

東京都知事選をこれまで棄権してきた東京都民の皆さん、そろそろ現・都知事をなんとかしてくらはい。お願いします。

【関連記事】
警察庁などによる「外国人犯罪」関連統計の発表って「人種差別撤廃条約」の第2条(e)、第4条(c)、第7条違反じゃないの?(多文化・多民族・多国籍社会と「人としての権利」)
『治安はほんとうに悪化しているのか』東京都治安対策担当部長(前)の懺悔あるいは告白(本ブログ、2006.7.16)
「外国人犯罪」の宣伝と報道(英訳付き、コムスタカー外国人と共に生きる会)他(本ブログ、2006.7.7)


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