IST請願の会、週刊金曜日、杉浦法相のコメント
2005.12.09.22:10ころ。
1)IST請願の会の新着記事です。
「国籍選択22歳の葛藤」(読売新聞2005/12/3)
「ビザ、国籍、雑感」(Ken Asami、2005/11/23)
2)週刊金曜日
No.584(2005/12/2号)『「下流社会」はまだ甘い! 日本の底が抜けはじめた』より、斉藤貴男氏の談話のまとめの部分を紹介します。
「ただし、この問題は今になって突然起こったことではない。」と斉藤さんは付け加える。
「たとえば、かつてが平等だったという言い方は間違いです。下流・下層の存在というものは、『総中流』の時代にも確実にありました。女性、移民、在日コリアンや被差別部落問題など。こういった下部構造を多くの『中流』の人は見過ごしてきた。その隠されていた下部構造が、今や中流を浸食しているだけなんです。」
だから、「下流、下流」と騒ぐ前に、「今現在、弱者に目を向けることが未来の私たちを救うことにつながるのではないでしょうか。」
そのとおりだと思います。
この件につきましては、本ブログの源流であります「人間尊重の多文化・多民族・多国籍社会へ!」の総論の中から、「国民のための国家」の限界を越える──「そこに存在する人のための国家」へ──もどうぞお読みください。
No.585(2005/12/9号)『アンドリュー・デウィットの経済私考』
著者のアンドリュー・デウィット氏は、
10月下旬、フランス各地で暴動が勃発した。暴動を起こした若者の多くが移民の子どもであったことから、日本の保守派は、このような騒ぎは移民受入れの予想通りの結果であると示唆している。
実際、11月10日付『読売新聞』の社説は、労働人口減少の穴埋めに移民増加を訴える経済界の言い分を認める前に、フランスの暴動について熟考する必要があると主張している。
海外の経験から学ぶのはとても良いことであるが、同時に自分の都合にあった「教訓」だけを探さないようにしなければならない。フランスからの教訓は移民が社会的にも経済的にも大きな損害を引き起こすことでは決してない。」
と述べたうえで、カナダの移民政策とその成果を紹介しています。実に興味深い内容です。
カナダといえば、バイリンガル教育や継承語教育の先進国でもあります。
スウェーデンなどと同じく、いろいろ調べてみたい国であります。寒そうなのが、個人的にはつらいですが。
3)日系人対策:犯罪歴証明義務化など審査強化へ 法務省(毎日新聞、2005/12/9)
同記事によると、
杉浦正健法相は9日の閣議後会見で「日系人と偽る事案が多く、こうした措置をとるが、大部分の日系人はまじめに働いており、それだけで疑いの目で見られることはあってはならない」と話した。
のだそうです。
「大部分はまじめに働いており」というのは、超過滞在者/未認可滞在者(いわゆる不法滞在者)にもそのまま当てはまります。
法相の論理に従えば、超過滞在者/未認可滞在者(いわゆる不法滞在者)にも「それだけで疑いの目で見られることはあってはならない」はずです。
なのに、現政権は、超過滞在者/未認可滞在者(いわゆる不法滞在者)が「治安悪化の温床」だとして、「不法滞在者狩り」を進めています。彼・彼女らが「治安悪化の温床」だなどというデータは、どこにもないにもかかわらず……。
いかん、腹が立ってきました。ダークサイドが口をぽっかり……。
いやいや、気を取り直して。
また、法相のこのコメントが何か現実の動きにつながるものなのか、広島での殺害事件の容疑者逮捕以降、「日系人」を対象に生じている差別事件(いくつかが毎日新聞では報道されています)が放置されるようなことがないのか、注意深く見守りたいと思います。
拉致事件発覚後、朝鮮学校の生徒たちに対する嫌がらせ・差別が相次いだとき、日本政府は「子どもたちは関係ない」とコメントしただけで、無為無策のまま、あとは放置していたとのことですし。
さあ、そこで、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」や「人種差別撤廃法」などの制定が強く望まれることになるわけですが、昨日開催された『「外国人人権法連絡会」結成記念集会』の報告は、私の購読している毎日新聞では、朝刊で小さく取り上げられただけでした。悲。
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