朝鮮学校への「高校無償化」適用を妨げるもの、その招く未来
2013.1.4.23:30ころ
昨秋は愛用のMacが壊れたうえ、ブログの更新も久しぶりなのに何かと忙しくて、記事をまとめるコツもなかなか思い出せない感じです。やれやれ。
朝鮮学校への「高校無償化」制度適用に関するQ&A(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会 2012.1)
で、日本政府の対応はというと、民主党政権から自公政権にもどって、ますます愚劣化の一途をたどっているようです、気持ち悪いくらいに。
高校無償化:朝鮮学校、無償化せず 文科相発表「国民の理解得られぬ」(毎日新聞 2012年12月28日 東京夕刊)文部科学省は28日、高校授業料無償化について「朝鮮学校へは適用しない」と発表した。今後、意見を公募し、約1カ月後に「(朝鮮学校を)文科相が日本の高校に相当すると指定する」とした省令を改正する。下村博文文科相が閣議後の記者会見で明らかにした。
高校無償化は民主党政権が10年4月に導入。公立高の授業料は無料にし、私立高生には世帯所得に応じて最高で年23万7600円が補助されている。朝鮮学校については適用を前提に教育内容の審査が始められたが、10年11月に北朝鮮による韓国砲撃で一時審査を中断するなど適用の判断が先送りされていた。
適用しない理由について、下村文科相は▽北朝鮮による拉致問題の進展がない▽朝鮮学校は教育内容、人事、財政で朝鮮総連と密接な関連がある−−と指摘。「適用は国民の理解が得られない。政府全体の判断だ」と述べた。
同日朝の閣僚懇談会で報告し、安倍晋三首相から「その方向でしっかり進めていただきたい」と指示を受けたという。
省令改正後、朝鮮学校の無償化に必要な約2億円を来年度予算要求から減額する。
ただし、今後北朝鮮との国交回復や朝鮮学校が都道府県知事の認可を得て日本の高校と同じ扱いになれば、適用対象とするとした。
全国には朝鮮学校が10校(生徒数約1800人)ある。朝鮮学校の生徒らが早期の無償化適用を求め、再三にわたり文科省に申し入れていた。
今後、朝鮮学校側が訴訟を起こすことなどが考えられるが、下村文科相は「法令にのっとって適切に対応したい」とした。
現在、無償化の対象となっている韓国系の外国人学校は関西に1校あるが、省令改正後も、対象のままとする経過措置がとられる。【石丸整】
「国民の理解が得られない」って、「得る」努力もしないでよー言うわ、ですわな。
それに、「拉致問題の進展がない」って、慰安婦たちが死に絶えるのをじっと待つという悪辣極まりない政策を採り続けてきた自民党の方々が言える立場なんでしょうかね。
しかも、省令改正で朝鮮学校の生徒の授業料無償化の可能性を摘み取る手はずを進めているなんて、マイノリティが自分のルーツや言語を学ぶ機会を保障することの意義をまったく理解せず、踏みにじるものであって、日本社会にとっても大きな損失にしかならないということすら、理解できていない。国際人権条約上の国家の義務すらも無視している。「知性のかけらもない」っていうのは、こういう方々を形容するための言葉なんだと思います。
ま、こんな方々が政権の中心に居座り続けられ、その政策を「まっとうなもの」として受け入れてしまう意識が中心にどすんと座り込んでる社会だからこそ、この地震列島が原発列島になり、福島で原発事故が起き、放射能被爆も拡大こそすれ押しとどめようとする動きはごく一部の人たちにとどまるという、惨憺たる現状なんだと思います。
それはやがて、福島原発事故後に「安全」を連呼した日本政府を信じて避難せずに日本に留まった外国人、新たに来日した外国人たちから責任追及される原因となり、日本の混迷と衰退を加速することになるのが見え見えなんですが。人を人として大切にしない社会をつくりあげて来た人々の行く末としては、悲しいかな、自業自得です。
……うぎゃっ! わが身にぶつかるブーメラン つД`)・゚・。・゚゚・*:.
【参考】https://twitter.com/ukiuki2009/status/287045435330285569
でも、もしこの社会に延命や再生があるとすれば、それは、
(1)唱えられた「異」が広く受け入れられ、
しかも、
(2)放射能汚染の拡大が抑制・停止された、
という、2つの条件が揃った場合に限られるでしょう。
それに、放射能汚染の拡大防止に力を尽くすにしても、その後に存在するのが今よりマシな社会でないと、努力も虚しい。
そんなわけで、
高校無償化:朝鮮学校見送り 政治で左右、憤り 国に訴訟も(毎日新聞 2012年12月28日 東京夕刊)文部科学省が28日、朝鮮学校を高校無償化の対象にしない方針を決めたことを受け、朝鮮学校関係者や支援者からは「残念」「再考してほしい」と落胆の声が上がった。
全国朝鮮高級学校校長会会長で、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の慎吉雄校長は「日本と朝鮮の懸け橋になろうという生徒たちの心が踏みにじられた。経済的支援が大きく後退してしまった。再考してほしい」と求めた。
無償化適用の結論が出なかった民主党政権の3年間を「高校無償化の流れの中で、朝鮮学校が日本の社会に貢献できるようにと考えてきた」と振り返る。今回の方針で、拉致問題に進展がないことが無償化見送りの理由に挙げられた点については「両国間のことで、僕らは何の関係もない。政治問題の駒として利用されるのは納得できない」と憤った。今後は、国を相手に訴訟を起こすことも含めて検討し、年明けにも結論を出すという。
神奈川県高等学校教職員組合の副委員長で「神奈川 朝鮮学園を支援する会」の佐々木克己事務局長は「無償化は理念的には生徒個人への支援。拉致問題とどう結びつくのか。無償化の基準を踏み越えた判断ではないか」と批判。「支援する会」は朝鮮学校を他の外国人学校と区別すべきではないと主張しており「今後も無償化適用に向けて働きかけを続けたい」と話した。【苅田伸宏】
こうした異議申立は支援していかねばなあと思う、正月の夜でありました。長丁場になりそうで、orz ですが。